「あ、はあぁあ……。もっと強くおっぱいを……おくちいっぱいにすっ……てぇ…………」
 沙都子がそう熱っぽく囁きながら、体育座りで抱え込んでいた入江の頭の締め付けを緩めた。その意図を察した入江は、制服越しの乳肉を口内に飲み込む様にしゃぶりつく。
「ンンうーっ! はあッ! ン……イイ……。はあ……あっ、あぁ…………」
 媚肉によって喉を塞ぐ形に押しやられた舌。その裏側でぷりぷりにしこった乳首を撫でると、沙都子が何とも言えない喘ぎ声を漏らした。
 そうして沙都子を味わう入江の耳にはツルを伝わって、乳圧で眼鏡が押し潰される悲鳴に雑じってエアコンの駆動音が。それと校庭で遊ぶ子供たちの声が聞こえていた。
(……はて? 梨花ちゃんと羽入ちゃんの声は…………。二人の声が聞こえません)
 自分と沙都子が座る、ベッドを模した長椅子を白く囲む向こう。先程までカーテン越しに、二人の話し声がシルエットと共に在ったはず。
「あっ、くアあッ! おっぱいちろちろもこりこりもいイッ、あんっ!!」
(居ないのでしたらもう少し、愉しんでいましょうか)

 本来ならこの後、梨花と交わした用事を済ませる予定だった。
 気紛れか、それともかくれんぼの鬼の接近に気付いて、場所を移したのか。
 もしも後者なら、沙都子の為にも場所移動をするべきだ。
(なら、続きはそこで……ああ。ですが、もうそろそろ診療所に)
「はあンっ!! ……これではまたおっぱいが…………。おっぱいが良すぎて、またおっきくなってしまいますわ……」
(は優秀なスタッフがいますから、問題ありません!)
 村の命運を賭けた使命感が顔面諸共、沙都子の切ない呟きと天獄プレスによって押し潰された。
 自分の行き先は診療所を出るときに伝えてあるので、何かあれば分校の、この職員室兼保健室に知らせが届くはず。

「……っ、ぅ……ぅっ! ッ~ううっん!」
「ぅ……う……ふふ。おくちもおちんちんも、監督……とっても苦しそう。ですから……ほらぁ。早くイきませんと本当に窒息、してしまいますわよ……?」
 弛緩させた身体を二つ折りにし、沙都子が仕返しとばかりに再び巨房で入江の顔を蹂躙し始めた。そう、蹂躙だ。この激しい攻め方は。
(抜群の発育の良さといい性格といい、流石はあのひとの娘です。始めこそ驚きましたが…………血は、争えませんね……)
「もっと……。もっとですわ……。さっきみたいに……おくちいっぱいにおっぱいを、飲み込んでくれませんと……私も、気持ち良くありませんのよ……。ほらぁ……ほらあぁ~っ!」
「ウぷおっ! おぽッ……っぷ!」
 胸がいざられることにより、媚肉詰め状態に隙間が生まれ、呼吸の確保はできたものの、口から“おしゃぶり”が外れ、胸に見合った大きな乳首がこりこりぐにゅぐにゅと、顔面をもみくちゃにしてくれる。

 愛する女性の膝で、それも爆乳に顔を埋めて逝く……。
 沙都子に『ぱふぱふ』をしてもらうたびによぎるコレに、医者の自分がこの様なことを考えるのはどうかと思うが、男なら一度は憧れる死に方であろう。
 そんな己の性癖に笑って、それと先の沙都子との事――梨花と羽入が来る前の、沙都子の豹変の様――に、余りの嬉しさに泣きそうな声を上げてしまった自分に羞恥を覚え……。が、今は脇にでも置いておく。
「…………あら……。生存本能も刺激、されましたのですかしら……? 監督のココ……がっちがちになりましてよ……?」
 根元付近に緩い手淫をしていた沙都子が強く握って、竿の硬さを口にした。
 ここまで沙都子に何度も射精されたことで、ペニスに当初の“芯”は感じられないが、それでもまだ余力はある。
 沙都子を感じる限り、入江は何度でも勃ち上がり、完全なる萎えは無いと思っている。
 『限定絶倫』とでも言うのか。自慰では至れぬ領域を沙都子となら……。沙都子の居る場所が世界の中心……。かつて彼女の母親と愛し合っていた、あの蜜月の日々と同じだった。
「…………監督、もしかして梨花のことを考えていません? それとも、私のは…………。私こそ、余計なことを考えてしまいましたわね……」
 女のカン……それとも、まさか入江の一物、その脈動から感じ取ったでも言うのか。てのひらを滑らせる沙都子の所作は文字通り、探る手つきだった。その動きを緩め、そして止まった。
「…………ぅ……? 沙都子ちゃん……?」
「……監督も、もっと私を……気持ち良くしてくださいまし」
 心なし調子を落とした声で言い、沙都子は脇乳に磔にしていた入江の右手と尻に敷いていた左手を解放し、顔面への乳圧も緩めた。
「解りました。では……」「ンンウーっ! ああ…………あはぁ……」
 ぷっくりと膨らんだ乳首にキスをすると、沙都子はそれだけで熱い溜め息を零し、身体を震わせた。
「ん……アぁ……」
 自由になった右手で沙都子の、黒タイツに包まれた脚を撫で擦る。沙都子は愛撫が好みらしく、やさしくすれば全身が性感帯とも言えるほどの感度で女の反応を示す。
 時間があればこのまま胸と脚、それと言葉攻めでじっくりと沙都子を愛してあげるところだが、ここは職員室。最後の授業を終えた知恵が、それと校長が帰ってくる頃だ。
「ああ! ア……はあっ! んっ! イッ、イイっンふあんッ!!」
 だいぶ無理に沙都子の身体に巻き付き、極められていた両腕。その左手の痺れが薄れてきたので、愛撫に参戦。制服の上から背中にかけて……そして汗の浮いたうなじにいやらしく纏わり付かせる。右手も、爪先からふとももへと熱くマッサージをする様に滑らせて、沙都子と協力して双房の先端を口に咥え込むことに成功。離してなるものかと、やや強めに噛むも沙都子は悦びの声を上げ、再び入江の顔面に媚肉を押し付けてくる。しかし、それはすぐに、入江のミスによって離れることになる。
「――っ?! ぇアっ?! んヤあっ!!」――「くっ……!」
 叔父の鉄平との行為で、沙都子は女性器への刺激に嫌悪しか感じなくなった。
 その脚の付け根に愛撫の手が触れてしまい、沙都子は腰を引く代わりに身体を起こした。だが、入江は糸に引かれるかの如く、離れゆく肉の天蓋に追い縋っていて……思わず噛んで捕らえた乳首は伸び、乳房が釣鐘型に引き伸ばされていた。そして刹那、その現象は起こった。
「ふああっ! ンアっ……あああーっ!!」
 かちっと歯が鳴るのと同時、ゴムの如く伸びていた乳首が離れ、釣鐘の肉房と化した美乳を打ち、制服の下の胸がぶるんと波打つのを見た気がした。
「うぅ……。くッ、く……」
 その豊艶極まる沙都子のバストを目にし、入江も彼女の小さなてのひらの中で驚喜に打ち震えた。
「ア、アあぁ……っ。でっ……。漏れ、て……あぁ…………」
「はあっ! く……うぐっぐっ!」
 その小さな身体に納まり切らない快感と共に、溢れてしまう女汁を堪える沙都子が思い切り握り締め、立て続けにペニスが白く弾けた。

「ぁあ……! あぉおあーふん! いいが! くく、ふるちあおっぱいほ……おいいべうばもめてくははい!(さ……! 沙都子ちゃーん! 息が! くく、苦しいからおっぱいを……惜しいですが退けてください!)」
「…………もう何度もイきましたのに、監督は元気……ですのねぇ。おっぱいならお好きにして構いませんですから、もう少し、休ませて……くださいまし」
 くたりと身体を二つ折りにして腹部に入江の顔を挟んだまま、沙都子はまだ動く気はない様だが僅かに上体を上げ、見えるのは視界いっぱいに実った、大きな肉房。その下乳に隠れているのは、ひと房半の長さのファスナー――制服の寸法直しをする際に、入江が内緒で縫い付けた物――の存在に気付いていた沙都子はぞんざいに摘みを横に引くも、どうにも開け難いらしい。痛がっているわけではないから、肉を噛んでいるのではないだろう。
 不良品だったのか、それとも縫い付ける際にヘマでもしたか……。
 そのときの状況を振り返って、入江が己の落ち度を掬っていると、沙都子は下乳を持ち上げ、制服と素肌とに隙間を作ってから摘みを横に滑らせた。すると今度はじじじと開き、そこから肌色が見え出すも、沙都子の手はなぜか止まってしまう。そうしてしばらく耳をすませるとファスナーを閉じ、膝から入江を降ろし、沙都子は「んしょ」と声に出してベッドから腰をあげた。
「眼鏡眼鏡……」
「ここ。おでこにありましてよ」
「……おや?」
 白いカーテンの隙間から外を窺う沙都子が振り返り、ちょんちょんと自分の額を指差した。
「とうとう鬼がやって来ましたか……」
 入江は眼鏡を掛け直し、その小さな背中に張り付いて、倣って保健室の様子を窺う。そこには誰の、梨花と羽入の姿もなく、代わりに見知った二人の少年の顔が窓の外にあった。
「どど……っ! どうしましょう沙都子ちゃん! 私たちの愛の営みがみっ……見見!」
 冷房効果を高める為、保健室の窓に引かれたクリーム色のカーテン。その下にできる隙間から室内を覗き込んでいた富田と岡村は目が合うと、入江がした様に頭を引っ込めた。
「大の男がみーみーうるさいですわよ。
 やっぱり、梨花と羽入さんはいませんわね……。それになんだか…………くんくん……って、あら? ここ、濡れていますわ」
「ささ……っ?! 沙都子ちゃん……」
 無造作に白いカーテンから出た沙都子は、外の少年たちの存在を歯牙にも掛けず、小さな鼻をひくひくさせながらタオルで床を拭き出す。

「……さっきは、すみませんでした…………」
「……私こそ…………。ごめんなさいましね、監督」
「……沙都子ちゃんが私に謝る必要なんて、ありません」

 このまま流そうと思ったものの、だから唐突に入江は先の愛撫の失敗を詫びていた。するとすぐに沙都子も、それも謝ってきたから恐縮し、自分も周りの片付けを始めた。
 テーブルのコップを流しに運び、洗面器に浸けてあったタオルと一緒に洗おうとすると、真っ赤になった沙都子に噛み付かれた。ならと、ベッドメイク――濡れやすい沙都子の為に敷いて置いたタオルがほぼ吸収した模様。……ああ、なるほど――をしていると外から、かしましい子供たちの声が聞こえてきた。

『岡む~、ゲッツ!』『わ~。紫<ゆかり>ちゃんに捕まっちゃった~』
『と~ふやのムスコをげ~ぇ……ちゅ!』『うわわあっ?! えっ……江堀! ドコ触ってるんだよ!』

「おーっほっほっほ! そんな目立つ所でいつまでも、出歯亀根性を晒しているからですわー!」
 鬼役の二人の少女に引き摺られていく富田・岡村の両少年を、沙都子が高笑いで見送る。
「……今の内に、ここから離れましょう」
 鞄を片手に、保健室からの辞去を沙都子に促す。
「ですわね。では……あ、そうそう。あれを持ってきていましたわ」
 沙都子は背負いかけたランドセルから麦茶のパックを取り出した。
 圭一たち上級生を待つ間、沙都子たちは校長と職員室で茶菓子を摘んでいることがあり、そのお礼にと、こうして時折家から持ってきては補充しているのだという。
「もう、羽入さんったら! 食べたらちゃんとゴミを捨てていただきませんと……うぅ、それにこれって、知恵先生のおやつじゃあ……。なんて命知らずなことを……」
 中身の減った容器にパックと水を足して、冷蔵庫に仕舞った沙都子がわなわなと肩を震わせて、そんなことを呟いていた。肩越しに沙都子の手元を覗き込むと『激辛カレーシュークリーム』と書かれた、いくつものビニールの包みがあった。
「……辛い物とはいえ、好物の“形”だったから思わず、手を出してしまったのでしょうね」
 入江が沙都子と共に、羽入の身を案じてわなわな震えていると鐘の音がした。校長が六時間目の授業の終業を知らせているのだ。
「沙都子ちゃん! い、急いでここから離れましょう」「……そ、そうですわね!」

 ここにいては……これでは自分たちまでコレを食べたかと、知恵に誤解されかねない。

 つうかあでやり取りをして、沙都子がビニールの包みをゴミ箱に捨てて。
「……あっ! メイド服! メイド服はどうしましょう?!」「くっ! こうしましょう!」
 置いていってもよかったのだが、仕切りに掛けられたメイド服を前に慌てる沙都子のランドセルを開け、入江は窓際に干して置いたブラウスと一緒に収めた。
「では沙都子ちゃん。行きましょう」「はっ、はい!」
 知恵との鉢合わせを避けるべく、外に面した引き戸からの脱出を計り、手を掛け……る前に横にスライドされるや、裸の巨漢が現れた。
「がはははははー!!
 諸君っ! 私は武道が好きだ!! そしてブドウも好きであーる……おお。これは入江先生。それに北条くんも。二人して手を繋いで、どうされたのですかな?」
「ここっ! ちょ……っ」
 巌の上半身を、頭から流れ出る滝の汗で筋肉美へとビルドアップさせた校長の姿に入江は慄いて、舌がまともに回らないでいた。すると沙都子が代わりに、これからお暇すると言葉少なめに告げて、おほほほと笑う。その笑い声が、校長の後ろから少女が現れると、ぴたりと止まった。
「塾長ー。『武道』と『ブドウ』って、か……やっぱりここにいやがったか、沙都子。それと監督もか。
 ちっ。結に付き合ってなけりゃ、時間内に捕まえられたなー」
「お……おほほ。なかよしさんがアダとなりましたわね」
「……へっ。まあ次は、その胸の肉まんが仇となって、沙都子はオレに捕まるけどな」
「……私と違って、紫さんは胸がない分、フットワークが軽そうで羨ましいですわ~」

「へっへっへ……」
「ヲホホホホ……」

 話の矛先が胸にいき出すと雲行きが怪しくなったので、入江は白衣のポケットから飴玉を二つ取り出し、それぞれ沙都子と紫の口に入れた。
「おっ。コーラとは解ってるじゃん、監督」
「あら? バナナ味とは、変わっていますわね」
「うむ! よきかなよきかな!
 ところで入江先生。ブドウ味の飴はありますかな?」
 額を突き付け合って牙を剥いていた少女たちの頬が飴玉で膨らんだ様子に、校長と目を細めていると、背中から職員室の戸が開けられる音がした。
「カレー菜園に行く前に~。今日も一日お疲れサマーな私に、カレ~シュ~をご馳走するっぴょ~ん♪」
「ちえるせんせ~ぇ。い~とししたおんなきょうしのぶんざいで~ぇ『ぴょ~ん♪』は~ぁ、はずいと~ぉ、ゆいちゃんはおもいま~す★」
「うぬ! 古手くんと羽入くんの居ない代わりに、江堀くんが来た様であるな」
「どうしたんだ、知恵先生。キャラがぶっ壊れ気味じゃん。ってか結。『お疲れサマー』はスルーかよ」
 あの真面目な知恵がギャグを飛ばすほどに、かの『カレーシュー』を食すことを楽しみにしていたのだろう。そして、それが一つ残らず羽入の腹の中だと知った知恵が取る行動は……。
「羽入さんのばかぁ……。
 下手をしたら、今夜は朝まで家庭訪問の刑ですわぁ……」
「……そ、それは確かに……埋葬よりも辛そうですね……」
 今というか、今夜に訪れる危機を前に半泣きになる沙都子に同情し、入江はその頭を撫でた。そこでふと思い付く。
 屈んで、耳元に口を寄せて……。
「沙都子ちゃん……。今夜、家に来ませんか?」

 気が付くと……彼女だけに聞こえる声で、そんなことを囁いていた。
「え? でも、明日も学校がありますし…………ぁ」
 目の前で見せられて、コツは掴んだつもりだった。

 触れた手が吸い付いて離さない、沙都子の瑞々しい巨房。それと自重が働いた結果、ファスナーの摘みの金具に胸の肉が吸着。だから動かなかったのだと、入江は先の現象を分析した。
「ぁ、ぁ……。やめ……っ。か、監督……」
 校長と紫の目があるので、腹を擦るふりをして素早く、左手で下乳を持ち上げる指を右から左に滑らせる動きに合わせ、右手の摘みも動かす。すると思った通り、ファスナーは何の抵抗もなく開けられた。
「い……ッ、イヤッ!」
「……あっ? ぁ…………ッ」
「ンぁ……っ」
 腕の中の、この体温と感触。それと立ち昇る色香に、頭の芯がじぃんとぼやけ…………そしてまた、いつもの様に沙都子を辱めてしまった。
 息を乱した沙都子を心配する校長とは別に、同じ高さの目線で自分たちを面白そうに見ている紫の目がどうにも気恥ずかしく。入江は居たたまれない気持ちで一言断り、その場に後にしようと沙都子の手を引く。
「おつかれ~さま~そるときっく~ぅ♪」ぴゅんっ!「いたっ?!」
 背中から再び間延びした声がした瞬間、後頭部に何かがぶつかった。そしてこれを皮切りに、ドミノ倒しの如く、事が起こり出す。

「ここで『お疲れサマー』キタってか、結。そりゃサマソというよりバク転じゃね?」
「ぬぬう……。あれも、サマーソルトの一種であるな。それも“溜め”が短く、放った後の隙も少ない。わしも江堀くんに倣って、体操を習ってみようかの」
「塾長は今のまんまでもボスキャラ並みに強いじゃん。ってか、塾長の白タイツ姿なんざ見たくヌェー」
「うわばきうわばき~ぃ。
 イリ~ぃせんせ~ぇ。ゆいちゃんのうわばきかえして~ぇ」
「……結ちゃん。レディが、人に向けて上履きを投げてはいけません」
「やあ~っ! そんなたかいところにのせないで~ぇ!」
 保健室を出ようとするたびに邪魔が入ったり、徒に沙都子を辱めたり、そんな姿を小さな子供に哂われたり……。
 感情の揺れ幅の大きさに、自身のコントロールがうまくいかず……白衣の襟に入った上履きを掃除用具入れの上に乗せ、今度こそ沙都子と。
「ほ…………っ。北条、こっちっ!」「あ……っ?」
「監督~。どうせなら僕に、結ちゃんの上履きをくれればいいのに~」
 それは一瞬の出来事だった。
 泣かせてしまった結の、その泣き声に体が硬直。すぐに上履きを取りあげた校長が結に肩を貸して、履かせている姿に見入っていたところに窓から富田が現れて、沙都子を攫っていってしまった。
「岡む~。クーラー点けっから、ソコ閉めといてくれよなー」「イエッサ~であります」
「ま……っ、待って」
 伸ばした指先が、閉められた戸で危うく挟まれかける。
「はっはっは! なかなかに素早しこい少年たちである! やられましたなー、入江先生」
「おんなをくいものにするぺどやろうには~ぁ、い~きみ?」
「……どいつもこいつもデカチチキチガイがっ!
 ってか結! シスターのコスした知恵先生が出ていったんだけど、カレーパンを買い占めた吸血鬼でも出たのかーッ?」
「ん~と~ぉ……。はにゅりかちゃんに『げきからかれ~しゅ~くり~む』をたべられちゃったんじゃないかなぁ~。
 ってかゆかりん。『きちがい』にはいちお~〇でふせよ~ね~」
「そう言うお前もな。
 知恵先生はそれで、はにゅ梨花を探しにいったのか。
 ってか、沙都子のヤツ。富田を使って、絶妙なタイミングで逃げやがったな。計ってやがったか?」
「入江先生。診療所から電話ですぞ。……ぬう? 先生までぼうとして、もしや医者の不養生というやつですかな?」






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最終更新:2011年04月17日 20:30