1-2  『あっちこっちで』




「ひゃうんっ! あはっ! ふあっ! 圭ちゃんんっ……やっ……ンッ! はぁんっ!!」
 後ろから圭一に串刺しにされた魅音が、ベランダに面した窓ガラスに上体を押し付けられ喘いでいた。その際に魅音の胸が、圭一の背中越しからでも脇乳となって垣間見えていた。
 ふたりは制服姿のまま、脱ぐ物も満足に脱がず、真夏の部屋でかれこれ三十分以上、休むことなく愛し合っていた。
 圭一はシャツの前を全開にして、魅音のこの格好は、圭一の趣味だろう。スカートを脱ぎ、白のショーツに黒のハイソックス。はだけたシャツからは胸もあらわに、自由となった大きな双房はぐにゅりと窓ガラスに押し潰れて汗に塗れて、ぺったんぺったん餅ぺったん。餅搗きならぬ餅突きが行われ、ぎしぎしと窓枠を。腰からもじゅぷんぐぷんと魅音の“臼”に圭一の“杵”の打ち込まれる音が、この圭一の部屋でずっと聞こえていた。
 目の前の光景に目と言わず身も心、五感が釘付けとなり、もうそのことしか考えられないでいた。
「はあっ……くおっ。あ……っ、おォおおぉオオ――ッ!!」
「ふぁ……っんはぁ……ぁあっ?! ンッあっ……ああぁアア――ッ!!」
 休むことも煩わしげに、ふたりは――刹那の吐息――蜜月のキス――お互いの名を熱く呼びあい阿吽の呼吸で、これで幾度目だろうか……ふたりで高みへと達した。
 普段と違う――女の子らしい――声で、女の声を上げ続ける魅音。
 はたしてふたりは一体どんな貌をして、その愛を囁いているのだろう……。
 圭一と魅音はこれが初めてらしく、いざ行為に至るまでには初々しいやりとりが交わされていた。
「魅音の、すげ……イイ匂いで、も……ゥ、堪ンねぇ…………」
「……け、圭ちゃ……ンぁ……ッ?! も、もう……。くすぐった……ぃアっふあーっ!」
 萎えることを知らない圭一は中に挿れたまま、魅音のうなじに顔を埋め、息も絶え絶え。深く静かに熱っぽく、魅音の香りで肺を満たしていた。
「ひゃ……っ!」
「うお……っとと」
 汗で滑った魅音を圭一が支えた。
「魅音……大丈夫か?」
 ひどくやさしい、圭一の声。
「ぅぁ…………あ、はは……平気平気。えへへ……滑っちゃっただけだから」
「ん……そうか」
 魅音の照れ笑いに圭一も笑って応え、ふたりはどちらからともなく目を細め、再び一つに。汗の滴る二房を鷲掴みにし、圭一の若さに任せた抽送が始まると、魅音の口から鼻に掛かった声が漏れ出した。
「な……なあ、魅音。尻だけじゃなくってさ…………こっちでも、やらないか……」
 そう耳元で囁いて、圭一は魅音の股間に手を這わす。
「ふぁ……ん! ……もう。そっちはダメだってば…………」
「だからちゃんと外で出すって。それとも……尻に挿れた後じゃあ、やっぱり嫌か…………?」
 初めてが……? 兄妹でもないのにおしりで……?
「ちっ……違うよ圭ちゃん。イヤとかそういうんじゃなくって、え…………ぇっ、と……ぁのね……」
 …………あの日、だから?
「…………あの日、だから……」
「……ぅ……うおっ?! そっ、そうだったのかっ!」
 圭一にしてはその一言で通じたらしい。それからふたりは真っ赤になって相手を気遣い、謝り合った。
「ねえ圭ちゃん。少し、休も? 沙都子だってもういいかげん来るだろうし……って、休んでるヒマなんてないじゃん!」
 自分と圭一の格好に、魅音は慌ててシャツのボタンを留めながらスカートに飛びついた。
「そういえば、沙都子のヤツ遅いな……。
 ……まさか、一学期最後の罰ゲームをすっぽかす気か……?」
 紳士面から一転、おのれおのれと、スケベ面に疑心を乗せベランダへ。が、すぐに「あちーっ!」と、汗で張り付く服を脱いで着替えを用意しだした。
「魅音もどうだ、いっしょに。風呂に入らないか。ん? んん~?」
 魅音もここで脱いじゃえよと、背中を向けてスカートを穿く魅音に圭一が股の、燃える槍を振りかざして迫る。
「だから圭ちゃんってば! 人の話、聞いてる?!
 ……もし沙都子にこんなとこ見られたら、どうするんだよ……」
「……そのつもりだったんだけどなー」
「な……なに言って……あっ?! い……つぅ……う」
 魅音が強く言うとぷちゅ……という音がし、瞬間、魅音は尻に手をやった。
「まっ、先に出すもの出して、魅音も…………そうだ。沙都子が来たら、三人で入るか」
「ちょちょ……っ! ちょっと圭ちゃん。さっきからなに…………やっ?! なな! 何で下着の中、に……や……はンンぅーッ!」
 魅音が身を捩りだすと、括れたウエストに引っ掛かっていたスカートが落ち掛けて、尻の一点で宙吊りになる。その内側にするりと手が滑り込み、圭一のいたずらが始まる。
「歩けるか魅音。こんな所でブリブリしない様に……俺も蓋をシテやるよ」
「あッ?! イヤ、止めて……よぉ圭ちゃひゃんっ! お、お尻なんかに……ぃ……ン……っ。挿れちゃ……やあぁ……」
 下痢と、指からもたらされる刺激に、魅音は顔に玉の汗を浮かべて弱々しくかぶりを振る。「魅音さえ良ければ……シモの手伝いもシテやるぜ?」
「うう…………。圭ちゃんのいじわるぅ……」
 恨みがましく呟く魅音に、圭一はからからと笑った。

 その日以降沙都子は、遊びにも世話をしにも一人で、圭一の部屋を訪れようとはしなくなった。



 時を戻して二週間後。すなわち、沙都子との事の後。

 富田はトイレに行くと告げ、通行人からこちらが見えないくらい、林のやや深い所まで潜っていた。
 緑の屋根が夏の日差しを遮り、人のいそうもない場所に辿り着き、念の為に周りを伺う。安心安全を確認後、いそいそと海パンを脱ぐ。と同時に、筒の中に残っていた精液が、縦揺れの先端から飛び出て、しなる鞭の如く白の曲線を描いた。その際に尿道を擦り抜けて行く刺激に腰が引けて、白い呻き声が漏れ出た。それでもまだ……自分も分身も熱が、抜け切れないでいた。
 富田は今出たものと、海パンにこびり付いている残滓を掻き集めだした。
 未だ濃厚に鼻の奥に居座る沙都子を、鼻から抜ける息と共に――彼女の尻の感触――蜜の味――を思い出しながらその手を股間へ。思った以上の感度に腰を後ろに突き出し、目の前の木に手を付くと指先に痛みが走った。沙都子に付けられた傷痕。それを見て、浮かんだ思い付きに胸がどくりと疼いた。
 指をおもむろに口に含み、刻み付けられた歯形を舌と前歯で探す。舌先で溝をほじくり歯先を喰い込ませて、彼女の愛撫をなぞる。汗の塩辛さばかりだが胸がずきずきと痛むほど、富田はこの行為に興奮を覚えた。  潤滑液が加わり、ぐちゅぐちゅと聞き慣れた音にさらに高ぶっていく。ほどなくして、炭酸飲料を飲んだときに似たあのスプラッシュが目の前を弾けていき……。
「んう……ッ。くんっ……あっ……さと……ぉく……っこぉ……うっ、うつウうーッ!」
 沙都子と、かつての呼び名を口に、白い想いを大量に吐き出す。
 いつもとはひと味もふた味も違う虚脱感に、富田は堪らずその場に尻餅を付いた。
 古手がもう少しで……へたをすると死んじゃってたかもしれないってのに……。
 萎れかけのモノをぷちゅぷちゅと搾りながら富田は、自分のサルじみた衝動に呆れた。
「あ、あれ……」
 放心気味の頭に生まれた隙間。そこに梨花、それとあの白い脚がふと浮かんだ。
 舌の根ならぬ竿の先が乾かぬ内に、萎れていた幹に張りが戻り茎となり、むくむくぷっくりと蕾まで生ってしまった。

 沙都子との最中。
 自分たちの後ろがにわかに騒がしくなったことで、富田と沙都子は我に返った。それから自分たちが何をしていたのか気付き、ふたりは一瞬で離れた。
 すぐ近くで車のエンジンの掛かるのはわかった。
 しかしそんなことなどどうでもよく、外の出来事――夢の中から外の物音を聞く様な――沙都子もそんな感じだったと、真っ赤な顔で頷いた。
 岡村と羽入の二人はいつも通り、レナに連れ去られたと聞かされた。
 しかしそれは梨花を助けようと――起こっていたであろう事故を止めようとしての行動だったと――運転手の男性から、それと梨花の意見とから、その場の四人は想像した。
 やはり弁当は踏み潰されていた。
 富田が水着入れの中の惨状を確かめていたらその男性が昼をごちそうしてくれると、それと最悪の想像が外れたことに皆が安堵し、顔色に精彩が戻った。
 も、もう沙都子は戻ってるかも……っ。
 富田は、元気になってしまった竿を無理矢理仕舞って、気恥ずかしさと気だるさの残る体で急ぎ、元の場所に戻ることにした。


 富田が林に、沙都子はその反対方向へ花摘みに向かい、梨花は軽トラックの助手席に座っていた。
 全身、それこそ頭皮から足の裏まで汗を感じさせる、動くオーブンレンジにはあちこちに錆、錆、錆。そんな年季の入った軽トラックにエアコンなんてあるはずもなく。
 それでも日陰に止めてあり、なお且つ、この大量の発汗のおかげであまり暑さは感じてなかったりする。ただし口内の悪心、それと腹部に下腹部の微熱を除いてだが。
 梨花は、青筋の浮かぶこめかみ寄りに近い額に人差し指をあて、さきほどから行われていた彼女との交信を続ける。

(……羽入。いいかげん、その太いモノを咥えるのは止めなさい……。私がキムチを口にする前に……ね?)
『あ、あうっ。おっけーなのです』――『あっあっ……羽入ちゃあんっ。さきっちょばかりいじられたらあ……あうっ! すぐ、いっちゃうっ!』――『今日も羽入ちゃんと岡村くんをおっ持ち帰り~。はうー。今日はどんなことしようかな、かな』
 私の脅し文句に羽入の二つ返事がし、口からずるりと違和感が抜け出た。
『じゃあ……このサラミは岡村にあげるのです』――『あうんっ! 羽入ちゃんのしゃぶった梨花ちゃんのぶっといのがお尻に……』
 人のツマミをなんて所に……。岡村もナニ、いかがわしいコト言ってるのよ!
 レナの小脇に抱えられての色ぼけコントに、私は呆れ半分の笑いを送る。
 私と羽入、それに岡村とレナの四人で顔を向き合わせて会話をしている様に見えるが、ここには私と運転席の村人のみ。もちろん、サラリーマンが外回りに使う車に積み込んでいるという自動車電話で話しているわけでもない。
 自分が実体化できることを思い出した際に、羽入が取り戻した力の一つ。
 言葉を使わずに私や、症候群発症者との会話、イメージを送ることで鎮めることもできる僕電波こと交信能力。富田と沙都子をついさっき鎮めたのも羽入の、この力だ。
 今回の様にやや高いレベルでの急性発症でも、早期に手を打てば大事にはならないと。そして現在、レナの家に絶賛お持ち帰り中の羽入が、どこかナマイキな口調であうあうと復唱した。
 実は今までも無意識にこの力を使っていたらしい。しかし無意識ゆえにその力は弱く、負の感情の籠った想いはすべからく、そして末期発症に近いほど、羽入の言葉は歪められた。
 ひとつ覚えのごめんなさいではなく、うまく使っていればああも鷹野の好きにはさせずに済んだのに……。そんなぼやきは、羽入の頬を濡らす涙で流すことにした。
 かつての時代の人間に絶望し、人との絆を断った羽入。負い目から、無闇に追い掛け回して仲間たちを怖がらせてきた羽入。次第に力の存在も戦う意志も忘れ、そして……時の牢獄で飼い殺されてきた羽入。
 そんな己を恥じ、嘆くこの子に鞭を振るう気になんてなれなかった。だってこの子は私と同じなのだから。
 何度も何度も、私の殺されるあの六月を見てきたんだ。運命に嫌気がさして何もかも、忘れたくなるのも解る……。
 それにこれからは楽しいことをたくさん……みんなといっしょに何処までも、何時までも…………。まあ、それは今はこっちに置いといて……。
 私は口元の緩むのを、無駄と知りつつも誤魔化すべく咳払いを一つ。そして、まだ痛む首を振って念じた。
(改めて聞くけど、岡村とレナの声がこっちにまで聞こえるけど二人とも、それと富田と沙都子は本当に大丈夫なんでしょうね?)
『岡村とレナの声がはっきり聞こえるのは、僕の力が強くなってきているからなのです。レナの中の、僕の仲間も今は大人しいので、だいじょぶじょぶ☆
 富田と沙都子も僕がさっきもみもみしてあげたから、ばっちこいばちこいべいべ~♪ なのですよ☆』
(もう……。いちいちふざけないで。
 じゃあ……富田まで、入江の世話になるってことには……)
『そこまで酷くなんてないのですよ。
 たぶん僕と岡村の仲にやきもちして、自分も沙都子と……って思っている内に思い詰めてしまったのかも……なのです。でもぉ~? あうあう~?
 沙都子じゃなくて富田を心配するなんて、もしかして梨花は富田にホの字なのですか?』
(……ばか。小学生みたいなこと言ってるんじゃないわよ。沙都子だって……心配に決まっているでしょう)
『……歯切れが悪く聞こえるのは』
(……気のせいって言いたいけど、あんたには隠し事ができなくなったのよね……。人の断りもなく一方的に覗いてくれるから…………)
 人の気も知らないで…………というか、もう知っているくせに……っ! (……羽入。親しき中にも礼儀ありって言葉、知ってる? 知るわけないわよねぇ……おつむは小学生並みだし? そのくせ胸だけは一人前。沙都子だってそう…………。
 圭一をあれだけ慕っておきながら今日のアレは何? 富田といつの間にあんな仲になったの?あんたとも何かといちゃいちゃしてるし……。
 私が遠慮してやってるからって…………あんたとのつきあいの長さだったら、私の方がずっと長いんだからっ!
 …………黙ってないであんたも何か言いなさいよ……)
『あう~。メロンがおいしいのです~』――『まだアイスとね、レナが作ったプリンもあるから。だから二人とも、また逃げたりしたら……ヤだよ?』――『りゅ、竜宮さんっ。くっ……くっ、首が苦しっ……ですっ』
 私の言葉に、返事の代わりに胸を揉まれる感覚。それとメロンの味。
 レナは……自分の部屋でか、羽入と岡村を両脇に侍らせ、岡村と肩でも組んで羽入の胸を……といったところか。
 三人のやりとりと伝わってくる刺激で、向こうの状況を想像する。それはそうとあの鉈女……。いつもいつも羽入の体を好き勝手に……。
 そのレナの愛撫は、ふたりのかぁいい姿を見る為かやさしく、岡村などはすぐに昇天していた。しかし羽入の反応は薄い。度し難いスケベだが花より団子なアレの内では、目の前の甘い物の魅力とでちょうど相殺でもされているだろうが私は違う。
 求めて止まない巨乳と肉の重さ。それが弄られる快感が胸のあたりに生まれ、あたかも本当に巨乳になったかの様な錯覚に、体が嬉々と反応しだす。止まっていた汗が胸の疼きによって再び流れ始め、私の内の女も……あ……はっ……ん……っ! でもどうせなら……この手が沙都子か羽にゅンッ?!
『あ゛うッッ!』――(う゛ッ……ンンんーッッ!)
 不意に走った痺れに、私と羽入が距離を越えて繋がった。
『……甘い物にだけじゃなくてレナにも、羽入ちゃんの甘い声を、聞かせて欲しいな…………岡村くんみたいに』――『……あ……うう! 乳首に……レナの指が僕のおっぱいにめり込んであ、うんっ! きっ……気持ちイイのです』――『袋のたっ、まぁアッー! 竜宮さんにっこねこねされて……っ。お尻もサラミずぽずぽされ……あっ?! いい……っ、いっちゃいっ……ア、ああ――ッッ!!』
 視覚までは伝がってないので、私は羽入と目隠しをされて犯されているみたいで……。 そんな倒錯した想像に私は……女のソコかしこが疼き、蜜を垂らしてしまっていた。
 汗と愛液で水着も服も、座っているシートも本当、すごいことになってきた。こんなところを、戻ってきた二人に見られでもしたら……。でも、席を立とうにもドアを開ける音で、隣に眠る彼に気付かれそうで……。そもそも足腰が立たないほどに、今の私はふやけてしまっていた。
 この力はまず羽入から相手に干渉してくる上に、こちらからは交信を断つことができない。
 いつ終わるとも知れないレナの辱めに備え、私はタオルでこの水溜りを吸い取ることにした。
 足元の水着入れに手を伸ばした、私とシートとに生まれた隙間。それだけで、そこから低く、ぐぷりと……。慌てて手を引っ込めたら、ぐちゅぷんっと…………。
 これも一種の自慰と言えるのだろうか。私は自ら流したモノがぬめる音に、鼓膜をも辱められた。
『レナの分も上げるからね……』――『ん、ん、ん……。あむ……う、んん……あう、んむ……」――『むちゅっ、ぷあ! もっと……っんっんッ、ンッくっン……ンッ!』
 半開きの口内にメロンの果肉が口移しで、それと生暖かいモノが暴れる感触。対して羽入は、レナの舌を冷静にじっくり味わい、ときにいなす感が伝わってくる。
『はう……っ。岡村くっ、んは……激しいね。ねえ……羽入ちゃん。またレナといっしょに……岡村くんをめちゃくちゃにシテ、あげよ……』――『……あふう。待って、ましたのです……』――『え……もうです……あっ、ふあ……っ!』
『……岡村くんのココにアイス……挿るかな、かな……?』――『岡村……。レナがアイスを持ってくるまで、お尻の中をくーるにしておくのです。それと僕も……ん…………う、ンっ……ん、あふん……!』
 ……ンっ?! 冷たっ! な……なにコレ……。
 指先に……これは、氷? それを、岡村の尻の穴に挿れると羽入は三つもの塊を、自分の尻にも捻じ込んできて……。
『お尻の奥が……ぁ、冷たくてっ……りっ、梨花のおちんちンっが太くて長く、てアうっ?! おくっ……あ゛う゛っ! ごりごりし……て……ぇっ。イッ……いっ…………ちゃっあうー! りっ、りィかああァーアああ――ッッ!!』――「ンンンンうー!! あっあっー! は……っ、はにゅーううぅうあァーアああ――ッッ!!」
 私は巨乳を搾られながら羽入にバックで貫かれる幻に、周囲も体裁もかなぐり捨てて、大声を上げてイッた。(あ……は…………。あっ! はあっ! やめ……羽にゅ……う。ちょ……と待っ……ぁう! いや……ぁ。はあっ……ああぁ……)
 ダッシュボードに額を押し付け、絶頂の余韻も治まらぬ内にきゅっと窄まったその奥に、追い討ちを掛けてどくどくどぷぷぅ……と大量の幻精が注ぎ込まれ、氷が融けていく……。体にはまったく力が入らず、はしたない声を止めたくても手が……持ち上がらない。涙に涎が垂れ流れるまま、そして懼れていたことが起こってしまう。
 スクール水着の股間の内側から、次いでふともも伝えにシートの下にまで零れ出し、尻の下にも嫌に熱いモノがじんわりと拡がっていく……。
 人前で漏らし続ける股間にようやくタオルを押し付け、私は羞恥に耐え続けた。その間も享楽極まりない刺激が容赦なく送られ、私を嬲物にしてくる……。
 このままでは本当にまずいと、恥ずかしさから恐怖じみたものに駆られ、私は車から転がり出た。とにかく体を冷まそうと、小川へとよたつく私の前にブレーキの音がした。
「……お、おや? 梨花ちゃん……ですか?」
 引きつった顔で見上げるとそこには自転車に跨り、ずれた眼鏡を直す入江がいた。
「……あ、監督。こんにちは……古手? もしかして、具合でも悪いのか……?」
「……お……お待たせしましたわ…………あ、あら監督……梨花? ……あっ! やっぱり頭が痛みますのね?!」
 入江に続いて前と後ろから、まるで申し合わせたかの様に富田と沙都子が帰ってきた。
『あっ……ンっ、あううっ! 岡む……らあっ! もっとぅら……裏筋から先に向けておもっ……つ……舌で強く、コスってなのですう……っ!』――『んっ……ふ……ぅ。ぅ……うんっ! はひゅうひゃんのカルピヒュ、いっぱいちょふだひいっ!』
「ンぅ……っ。やだ……ま……っ、またイ……くう……ッ!」
 今度は男性器をしゃぶられる快感を指を噛んで、漏れ出る声と共に必死に堪えた。
「……熱中症でしょうか。
 梨花ちゃん。日陰に行きましょう」
 丸くなって、今の顔と体の状態を晒さない様にしていた私は入江に抱えられて、道端の草の上に寝かせられた。彼は、顔から火が出る思いで顔を隠す私の手をやんわりと退かし、一言断ってから服と、その下のスクール水着を腰まで脱がした。
「……監督。私も何か、手伝えることがありましたら……」
 入江は、小川の水で濡らした手で私の体を摩っていた応急処置を沙都子に任せ、運転席の男性がぐったりしているとの富田の報告に、彼にも同じ措置を施しに向かった。それから時を置かず、私たちは診療所に運ばれるのだった。





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最終更新:2010年03月05日 22:27