悟史くんが目を覚まして数週間。
2年近く寝たきりだった悟史くんはまだまだ思うように身体を動かすことが出来ずベッドの上での生活だけど、悟史くんに話しかけて返事が返ってくる、そのことがすごく幸せに感じられる。
毎日診療所に通い、悟史くんとお話したり身の回りの世話をしたり…
病床に漬け込んで付きまとう私をうっとうしく思ってるんじゃないかという心配もしたけど、悟史くんは“そんなことないよ、詩音には感謝してるよ”と優しく笑いかけてくれた。
今はまだ親しい友人という関係だけど、私が望むような関係になれるのも時間の問題なんじゃないかという希望的観測をしている。
ただ一つ気がかりなことは、もし仮にこのまま悟史くんと恋仲になれたとしても、どうもその先…身体の関係に結びつきそうもないということだ。
なぜそう思うのか、それは悟史くんの性の知識に問題がある。
歳の近い圭ちゃんなんかと比べて、明らかに悟史くんはそっち方面に疎い。
まぁ圭ちゃんを引き合いにするのは妥当とも言えないけど…
悟史くんは圭ちゃんのような変態ではないので女の子の前でそんな話題をしようとしないのは分かる。
でも違う、話題を避けているだけでなく明らかに知らないのだ。
みんなでふざけて品のない話題がでた時、悟史くんは沙都子とまるっきり同じを反応をする。分かっててとぼけてるレナさんなんかと違う、あれは完全に分かっていない反応だ。
何より決定的なのは診療所で洗濯する下着。毎日のようにこびり付いているのだ、夢精の跡が、それはもうべったりと。
断言できる、悟史くんはオナニーをしていない。いや、オナニーを知らない。
私ももう高校生だ。好きな人と一緒にいたいってだけじゃない、性的な欲求だってある。
でもオナニーも知らない悟史くんと性的な関係を築く図がどうしても想像できなくて、募る欲求をうまく抑えられなくて…
正直に白状すると私は最近、葛西に頼んで欲求不満の解消を手伝ってもらった。
今でもそれを過ちだとは思っていない。恋愛の情とは違うけど葛西と繋がれたことは嬉しく思うし。
それでもやっぱり好きな人と心も身体も繋がりたいというのは女の子として当然のこと。
そしてそれはこのままの悟史くんでは到底無理なのだ。 
ならば私が、悟史くんに人並みの性の知識と欲求を持ってもらうように仕向けなければ。
とは言っても、まず何をすればいいものか…
いきなり悟史くんの病室で正しいセックス講座なんて開くわけにはいかないしなぁ。
あぁそうだ、まずはオナニーのこと教えてあげなきゃ。
このままじゃ悟史くんはほぼ毎日のようにパンツを汚してしまうだろう。
悟史くんも汚れたパンツ出すのは恥ずかしそうにしている。
でも自分で洗いにいく体力はないし、どうして汚してしまうのかも分からないんだろう。
うん、そうだ。そのことをさりげなく教えてあげよう。



朝、診療所が開くのと同時に私は悟史くんの病室にやってきた。
ここ数日、悟史くんのパンツは汚れていなかった。おそらく今日辺りは溜まっていたものが噴出してしまっているだろう。
ちょっとかわいそうだけど悟史くんの為だ、今日はそれを指摘してあげようと思う。
コンコン、まだ寝ているかもしれないから控えめにノックする。
「悟史くん?起きてますか?」
「あぁ、どうぞ詩音。起きてるよ」
「お邪魔します、悟史くん。よく眠れましたか?」
「うん、昨日はちょっと暑かったけどね。ちゃんと眠れたよ」
「それは良かったです。朝早くから押しかけちゃってごめんなさいです」
「ううん、いいよ。ここにいると一日中退屈なんだ。詩音が来てくれて話し相手になってくれると嬉しいよ」
「あはは、お役に立てて光栄です。それで早速なんですけど洗濯をしちゃおうと思うんです。
申し訳ないんですけど今着てるやつも洗濯に出しちゃってください」
「えぇ?今着てるのもかい?」
「はい。昨日は暑かったから大分汗かいたんじゃないですか?」
「う、うん、確かにぐっしょりだ。わかったよ」
悟史くんは患者用の寝巻きを脱ぎ始めた。キメ細かく透き通るように白いきれいな肌が露になる。
そのまま見ていたいけど、悟史くんに悪いので作業をして目を逸らしておく。 
下の寝巻きは布団の中で脱いだみたいだ。腰から下は布団を掛けたまま、脱いだ寝巻きを私に差し出す。
「じゃあ、よろしく頼むよ」
「あ、悟史くん下着もですよ」
「し、下着はいいよ。昨日替えたし」
やっぱり渋ったか。
「汗かいたままだとよくないですよ。新しい下着で一日気持ちよく過ごさないと。すぐ新しいの用意しますから」
「む、むぅ…」
かなりしぶしぶだけど悟史くんは下着も脱いで渡してくれた。
悟史くんから受け取った下着は…うん、重い。やっぱり私の予想通り昨夜は夢精をしてしまったようだ。
よし。ここからが勝負だ。さりげなく、うっかり気付いてしまった風を装って…
「あ、あれ?」
下着の股間部分を持って私は言う。
「なんか、随分湿ってますね…」
「あ、う…、むぅ」
悟史くんは、真っ赤になって俯いてしまった。湿った部分の中をひっくり返し中身を確認する。
白濁した液体が下着を汚していた。
「さ、悟史くん、あのコレって…」
「む、むぅ…その、精液だと思う」
「…ですよね」
多分、おねしょだと勘違いされるのがイヤだったんだろう。悟史くんは真っ赤になりながらも、ごまかさずに答えてくれた。
少なくとも、それが精液だと言うことは知っているようだ。
「ご、ごめん。汚くして。どうも寝てる間に出ちゃうみたいなんだ…」
「いえ、気にしてませんから。その、聞いたことあります。夢精って言うんですよね?」
「そうなんだ?」
「え、えぇ。男の人は溜まると夜中に勝手に出ちゃうって。…あの、悟史くんて、その…ぉ、オナニーとかしないんですか?」
「えっと、おなにーって何だい?」
「ぁ、ぅんと、その自分で精液を出すんです。ホントにやったことないんですか?」
「う、うん。おかしいのかな?」
「普通は中学生くらいから男の子はみんなやるみたいですよ?圭ちゃんなんかもしょっちゅうやってます。」
あ、見たわけじゃないですよ。と付け加えておく。
「圭一も…そっか、知らなかったよ。でもそれに何か意味があるのかな?」
「い、意味は…まぁ色々ありますけど。そうやって自分で出しておけば、寝てる間に勝手に出ることもなくなるみたいですよ?」
「そっか、オナニーをしてなかったからいけなかったんだね。分かった、じゃあ今度からちゃんとオナニーするようにするよ」
あぁ、なんて純粋なんだろう悟史くん。こんな純粋な悟史くんにオナニーする宣言させてしまったことに
若干罪悪感を覚えるけど、彼のためでもあるんだからしょうがない。
このまま知らずにいても困るんだろうし。
「で、どうしたら精液が出てくるんだろう?」
うん、そっか、そうだよね。やったことなきゃ分かるはずもないか。
でもどうしよう、女である私が男の子のオナニーの仕方知ってるなんてエッチな子だと思われてしまうだろうか。
そんなにカマトトぶる気もないけど、言葉にするのはやっぱり恥ずかしい…いや、いまさらか?
多分悟史くんは気にしない、というより基準が分かってないから気付かない…かな。
「あ、えっと、本で読んだんですけど、擦るんだそうです」
「こする?何をだい?」
「ぅ、ぉ、おちんちんを、です…」
「むぅ、…擦るだけでいいのかな?」
「えーと、いやだめかな。そのまま擦るんじゃなくて…」
あー、もうしょうがない。やっぱり悟史くんには性の知識は皆無だ。
このままじゃ到底私が悟史くんに抱いてもらえる日なんて訪れないだろう。 
もう恥ずかしがってはいられない。私が悟史くんを導いてあげねば。
「悟史くん、悟史くんはおちんちんが大きくなってしまうこと、ないですか?」
「ん、あるよ。朝起きたときとかは大きくなってる。」
「朝以外では?例えばその、エッチなことを考えてしまったりとか、エッチな場面を目撃してしまったりとか…そうゆう時に大きくなりません?」
「え、エッチな?…む、むぅ」
そんなに予想外の単語だったのだろうか?悟史くんは真っ赤なまま狼狽し、考え込んでしまった。
しばしの沈黙の後、悟史くんは口を開いた。
「そ、そういえば昔、いつだか忘れたけど、学校で魅音のスカートがめくれてパンツが見えてしまったことがあったんだ。あの時は、うん、たしかにちんちんがむず痒いような変な感じがして、…おっきくなってたんだろうね。ズボンの上からでもちんちんが分かりそうですごく恥ずかしかったのを覚えてるよ」
「そうそう、そうゆうのです」
うーむ、昔の事とはいえ悟史くんがお姉のパンツに欲情してたなんて聞くとなんとなく癪に障るな…。
くそ、今度腹いせに圭ちゃんのをおっきくさせてやる。
「あ、あと野球の試合のとき…あの時の魅音は多分詩音だよね?ほら、詩音とハイタッチしようとして僕、間違えて詩音の胸を触っちゃったじゃないか?詩音の胸すごく大きくて柔らかくて、初めての感触でさ、すごいドキドキしたらちんちんも大きく堅くなっちゃって…。しばらく元に戻らなくて大変だったんだよ」
「ぁ、ぅ、そ、そうだったんですか…」
さ、悟史くん、私の胸でおっきくしてくれてたんだ。
さっきはお姉に悪態ついたけど、いざこう言われると、かなり恥ずかしい。まぁ、そりゃ嬉しい、けどさ。
「あ、ご、ごめん恥ずかしいこと思い出させちゃったかな?」
「ぃ、いえ、全然。…コホン、まぁそうゆう風にですね、エッチなことでおちんちんを大きくしてから擦るんだそうです。さらに擦りながらもエッチなことを考えた方がいいみたいですよ」
「えっちなことを考えて、大きくする…?」
「そうです、さっきみたいなエッチなシーンを思い出したり、女の子の裸を想像してみたりしながら擦ってればそのうち精液が飛び出してきますから」
「うん、そうか。でも、勝手に裸とか想像したりしたらその子に悪いんじゃないかな?」
「あ、うーん、まぁ、確かにそうゆうの嫌がる女の子もいますけど…でも普通そんなこと気にしないです。どうせ分からないんだし。悟史くんてホント律儀ですねぇ」
「む、むぅ、そんなことないけど。でもやっぱりそんなこと勝手に想像するのは申し訳ないよ」
悟史くんはいい案だったけど実現不可能だとでも言うような雰囲気で俯いてしまった。
勝手に想像できないって、許可でも取るものだと思っているのだろうか。
つまり許可があれば安心して想像できるのかな。
「…その、例えば、わ、私なら想像してもかまわない…ですよ。」
「…え?えと…し、詩音?」
あぁぁ、私何馬鹿な事口走ってんだ。引かれた。絶対引いたよね悟史くん。
どうぞ私の裸想像してくださいって言ったようなもんじゃないか。バカ詩音、どうする?なんとか誤魔化さないと。
「…な、なーんて私のなんて想像しても面白くないですよね。ははは。その、気にしないでください例えばってだけなんで。別に許可なんていらないんですから悟史くんの好きな子を勝手に想像すればいいんですよ。そうだほら、レナさんとかどうですか?レナさんも別に気にしないと思いますし。あとは梨花ちゃまとか。梨花ちゃまは巨乳に想像しないと怒るかもですけど…。あ、沙都子は駄目ですよ沙都子は。あは、あははは」
「あ、いや、あの詩音がそう言ってくれるんなら僕は詩音の裸を想像することにするよ」
「ぁう。さ、悟史くん。別に無理してくれなくていいんですよ?ホントに、悟史くんの好きなようにすれば」
「うん、だから僕の好きなようにするよ。僕は詩音の裸を想像したい。詩音、僕が想像してもいいかい?」
「あ…は、はい。どうぞです…」
悟史くん、私を想ってオナニーしてくれるんだ…。単なる社交辞令かも知れないけど。
いや、悟史くんのことだからホントに、許可を取ってない女の子のことなんて想像できないだろう。
きっと律儀に許可を得られた私のことだけをオカズにしてオナニーするはず。悟史くんはそういう人だ。
…見てみたい。悟史くんが私をオカズにしてオナニーするところ。
「あの、悟史くん。今、一度試してみますか?」
「い、今!?オナニーをかい?そ、それはさすがに恥ずかしいよ」
「布団の中ですれば見えないから大丈夫ですよ。ちゃんと正しく出来てるか教えてあげられますし」
「む、むぅ…むぅ。た、確かにみんな普通にやっていることならちゃんとできなきゃまずいのかな。一度ちゃんと教えてもらった方がいいって気もするけど…でも」
悟史くんは腕組みをしながらうんうん唸っている。
さすがにコレは無理だろう思って聞いてみたことだったけど、悟史くんは真剣に悩んでいるようだ。
「し、詩音が嫌じゃなければ、指導してもらおうかな…」
「私は嫌じゃないですよ。じゃあその、悟史くん頑張りましょうね」
「う、うん。よろしく頼むよ」
わ、わ。ホントにいいんだ。悟史くんここでオナニーしてくれるんだ。
好きな男の子がオナニーするところ目の前で見学できるなんてすごい出来事だ。
逸る気持ちを抑えて一つ咳払いをする。
「コホン、えと、まずは…」
まずは服を脱いでもらおうと思ったけど、気付けば悟史くんはさっきから布団の中で全裸のままだった。
結局グダグダ話してて私が替えを用意してあげなかったせいだ。まぁ脱ぐ手間が省けて結果オーライか。
「服は脱げてるんで、さっき言ったようにエッチなことを想像してみてください」
「うん、わかった」
悟史くんの視線が私の全身に注がれる。
頭のてっぺんからつま先まで下ると、悟史くんは深く呼吸をして視線を胸に釘付けた。
おそらく悟史くんの頭の中で私は上半身の服を脱がされブラジャーを取り払われているところだろう。
そう考えていると体がかぁっと熱くなるのを感じる。
私の胸はどんな風に想像されているんだろう。
今後実際に見せるようなことになったとして、想像と違くてがっかりされたりしないだろうか。
そんないらぬ心配をしている間に悟史くんの視線は私の下半身へと移ってゆく。
あぁ、分かる。今まさに私が一糸纏わぬ姿とさせられたのが。
だって薄い布団越しに股間の隆起がはっきりと見て取れるから。
恥ずかしさで金縛りにあったみたいに身体が動かない。
けど何とか気持ちを落ち着かせ私は次の指示の言葉を搾り出さねば。
「―――そしたら、ぉ、おちんちんをそっと擦ってみてください」
「ん…」
悟史くんは股間に手を伸ばし、ぎこちない手つきでそれを擦り始めた。
あぁ、でも違う。さすが悟史くんだ。
当然握って擦ると思っていたが、悟史くんは掌で上から撫でている。
「そうじゃなくて、その…」
勝手に見たり触ったりしては申し訳ないので、私は彼の布団の中に手をいれ、彼の手をソレを握るように誘導する。
「こうやって握って、上下にそっと…そう、そんな感じです」
ゆっくりと撫でるような擦り方だけど、初めての悟史くんにはそれだけで十分な刺激だったようだ。
「あ…なんだか、コレ不思議な感覚だね。んぅ…」
快感を感じているのだろう。ただ恥ずかしそうだった悟史くんの表情は恍惚としたものに変わってゆく。
「気持ちいいですか?」
「ん、うん。多分これは…気持ちいいんだと思う、んっ、はぁ」
「悟史くんが気持ちいいと感じるように徐々に強く擦っていってください」
そんなこと言わなくてもこの頃になると悟史くんは、自分で更なる快楽を求めて陰茎に強い刺激を与え続けている。
息は荒くなり、時折くぐもった声が漏れる。その間中、悟史くんの視線は私の身体に注がれたままだ。
初めは胸と股を行ったりきたりしていた視線も、今や股ぐらに集中して離れない。
悟史くんの視線を受け、その彼の大事なところが快楽に溺れている様子を目の当たりにすると私自身のソコが彼を悦ばせているような錯覚に陥り、いやらしくヒクつくのを感じた。
「ぅ、はぁっ、はぁっ…」
腕の動きが早くなり、悟史くんは快感に喘ぐ。
あぁ、彼と快感を共有できないのがもどかしい。
「はぁっ……あっ、あっ、あっ!」
悟史くんは突如前屈みになって大きく目を見開いた。
しまった!私が惚けている間に彼はもう絶頂間際だ。そのままでは布団を汚してしまう。
「悟史くん待って!」
「あっ…あぁぁぁぁぁっっ!!」
慌てて彼に駆け寄り、彼の股間から布団を引き剥がしたが手遅れだった。
勢い良く飛び出した白濁液は布団に飛び移り、さらに勢いの収まらないソレが辺りに撒き散らされる。
まずった、後処理のことをすっかり失念していた。正しく教えるとか豪語しといてなにやってるんだ私は。
おまけに悟史くんの大事なところ勝手にしっかり見ちゃったし。
それも射精する瞬間という、おそらくもっとも恥ずかしい場面をだ。
初めて見た悟史くんのソレはなんてゆうか、うん、結構小さい方だとおもう。
アダルトな雑誌に出てる人や、葛西のものみたいな太くて逞しい肉棒っていう感じではなく、小さい子が精一杯背伸びして胸を張ってるような。
男の子はペニスが小さいのを気にするのかもしれないけど、私は悟史くんのがコレでちょっと安心した。
別に太いのを入れられるのが怖いっていう意味じゃない。
こんな可愛い悟史くんに自己主張の激しいグロテスクな逸物が付いていたらなんか嫌だからだ。
彼同様にいとおしくなるような可愛らしいペニス、萎えていく様子が可愛くてついじっくりと見入ってしまった。
女の子に間近で股間を凝視されているという状況もかかわらず、彼はソレを隠そうとする様子もない。
初めての絶頂の余韻にすっかり惚けてしまっているようだ。 肩で息をしながら、ぼんやり天井を眺めている。
私はベッド際においてあったティッシュBOXに手を伸ばし、悟史くんの飛び散らした液を丁寧にふき取っていく。
「ごめんなさい、悟史くん。ちゃんと教えるって言ったのに、布団を汚させてしまって」
「ぅん…あ、ご、ゴメン詩音。僕また汚しちゃったね。あぁっ、詩音の顔にも付いちゃってる、ゴメン汚いのに」
え?あぁ、本当だ。私の顔と髪にもベットリしたものが付いている。
「い、いえ私がちゃんと教えなかったから悪いんです。えっと、今更になっちゃいましたけど、イキそうになったら…ってわかります?最高に気持ちよくなって、精液が出てきそうっていう感じになったらティッシュか何かで受け止めるんです」
「うん、わかったよ、ごめんね」
「今回のは悟史くんのせいじゃないですってば」
そう言いながら私は自分に付いたものもティッシュでふき取った。 
コレが付き合ってて初Hの後とかだったら、顔に付いたのを舐めて汚くないですよアピールしてあげてもいいんだけど。
付き合ってもない女の子にそんなことされたら多分引くだろうから自重しておく。
「…それにしてもオナニーってすごく疲れるんだね。でも、なんていうか…すごく気持ちよかった、かな。あんな感覚初めてだったよ。」
相変わらず惚けた表情のまま悟史くんはつぶやく。
だいぶ疲れたようだ、病み上がりなのにちょっと無理させてしまったかもしれない。
「男の子はみんなオナニー大好きですからねぇ。いままでしてなかったのが悟史くんぐらいなものですよ。」
「む、むぅ…でもみんながしたがるのなんか分かったよ…これは、ちょっと病み付きになりそうだ。」
「悟史くんー、でもオナニーばっかりしてちゃ駄目ですよ。あ、あと間違っても人にオナニーしてるなんて言っちゃ駄目ですよ。」
「えぇ?やっぱりコレちょっといけないことだったんじゃないかい?」
「ぅと、まぁいけなくはないですけど、恥ずかしいことではありますねぇ。」
「むぅ…それを詩音の前でするなんて…僕は今日とんでもなく恥ずかしいことをしたんじゃ…ないかと…思ぅ……」
「悟史くん?」
目蓋が落ちている。口元からは小さな寝息が聞こえた。疲労と絶頂による虚脱感とで眠くなってしまったようだ。
全裸のままではすぐ風邪を引いてしまうだろう。私は急いで着替えを用意し、下着と寝巻きを着せてあげた。
布団も汚れたから別のに替えて洗濯しなくては。
洗濯ものをまとめて病室を出る前にもう一度悟史くんの顔を見る。
無垢な寝顔をみると、幼い子を騙していたずらしたような、そんな気になってちょっぴり良心が痛む。
「ごめんね、悟史くん。おやすみ」
額に軽くキスをして、私は病室を後にした。

さてと、今日は絶好の洗濯日和だ。


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最終更新:2009年02月13日 17:32