「レナああぁぁ。さっきはよくも見捨ててくれたなあ!? くっくっくっ……覚悟は出来ているんだろうなあ?」
「ささ……さっきはごめんね圭一君。だ、だって……仕方なかったんだもん」
 鬼ごっこの果てに、俺はレナを体育館倉庫に追い詰めた。
 レナは倉庫奥でマットに躓き、震えながら涙ぐむ。
 俺はわきわきと両手を蠢かせながら、ゆっくりと……更にレナに近付いていく。レナに逃げ場は無い。俺にこのまま慰みものにされる運命しか残っていない。
 怯えた表情を浮かべ、きゅっと身を強張らせるレナ。
 許しを請うその上目遣いの視線が、俺の情欲を駆り立ててくる。
 著しく不道徳なシチュエーションに、俺の心臓はもうドキドキだった。両脚を揃え、ブルマから伸びるその太股が眩しい。しかも両手をきゅっと握って顎の下にくっつけ、眉毛をハの字にさせるとは……レナ、お前分かってる。よく分かってるっ!!
くっふっふっ。全身をくまなく、そしてたっぷりとくすぐってやるぜレナあぁ~~っ!? 思わず何かに目覚めてしまっても恨むなよお~?
 ぐひゃぐひゃと俺の下卑た笑い声が倉庫内に響いた。
 さあ、行くぜっ!!
 と……その直前レナが顔を赤らめる。その潤んだ瞳は妙に色っぽい。
 やべ……ちょっと本気でくらっときた。さっきまでは一応、半分冗談のつもりだったけど……あ、危なかった。
 しかも……。
「いい……よ。圭一君なら非道い事しないって信じてるし……」
 覚悟を決めたと……レナはそんな震えた声を出してくる。
 思わず俺は硬直する。
 少女の「いいよ」という台詞が、何度も俺の脳内に再生された。いいよ……いいよ……いいよ……。

“レナのこと、好きにしていいよ?”

 身勝手な妄想と脳内変換。
その甘い幻聴は俺の理性をあっさりと打ち砕いた。





【TIPS:Kの妄想劇場(体育倉庫編)】

「きゃふっ!?」
 ぷつりと俺の頭の中で何かが切れた次の瞬間には、俺はレナを押し倒し、彼女の上に覆い被さっていた。
 口の中が粘っこいもので満たされる。肺の中の空気が熱い。少しでも冷静になろうと新鮮な空気を取り込むけれど、それはすべて欲情した荒い吐息へと成り下がっていく
「け……圭一君?」
 俺は無言でレナを見下ろす。戸惑ったような瞳のレナに、心の中で告げる。
 ああ……お前が悪いんだからなレナ。こんな場所でお前みたいなかぁいい女の子にそんな格好で……そんな事言われて我慢なんて出来ねえよ、畜生。
「やっ……はぁっ……」
 俺はレナに覆い被さったまま、彼女の唇を塞いだ。両手でレナの頬を押さえ、逃げられないように力を込める。
 堅くすぼまった唇は、可憐な花の蕾をイメージさせてきた。そしてそれは更なる暴力的な衝動を刺激した。この堅い蕾をこじ開け、そして無茶苦茶に嬲りそして散らしたい。……言葉にすればそんな感情。
「ん~っ。んん~~っ!?」
 か細く呻くレナの唇を俺は舌で幾度も舐める。
 弱々しくレナが俺の胸を腕の力だけで押しのけようとする、けれど、少女の細腕にはそれだけの力はない。
 その力の差も、かえって彼女が“女”であることを俺に意識させてくる。
 俺の分身がはち切れんばかりに膨張していく。
 俺はレナの頬から手を離した。そして強引に彼女の両手首を掴み、頭の上へと移動させ、そして左手で押さえつける。
 レナは震えながら俺から目を背け、目を瞑る。
 俺は上半身を少し浮かせ、レナの胸を掴んだ。体操服の柔らかい生地の下から、ふにふにとしてそれでいて弾力のある感触が伝わってくる。
「や……あ。そんなところ……止めてよ。ダメ……なんだよ、だよ」
 レナの懇願にも、俺はもう止まれない。
 雄の本能がそうさせるのか、もっと……もっとと俺を駆り立てる。
 熱情に浮かされたまま、それでも俺はレナの胸を優しく愛撫する。円を描くように、潰さないように弄ぶ。俺の手のひらの中で、レナの乳房が踊った。
 レナは相変わらず抵抗を続けるけれど、すべて無駄な話だった。
 俺は上半身を起こした。けれど、レナのお腹の上に座っているため、彼女は俺から逃げ出すことは出来ない。
 俺が上半身を起こすのと同時に、レナが両手で自分の胸を抱きかかえる。
 そのまま俺は、レナの体操服を捲り上げていく。ゆっくりとレナの白い肌が露出していく。へそ……そして胸へと。
「手……どけろよ」
 静かに、声を抑えてそう言うと、レナはびくりと震えた。いやいやと、小さく首を横に振ってくる。
「もう一度言うぞレナ? その手をどけろ」
 小さくレナが呻く。
 手は相変わらず胸の上に置かれたままだ。
「…………………………………ちっ」
 俺は数秒だけ待って、小さく舌打ちする。
 びくっとレナの体が震えた。殴られると思ったのかも知れない。流石にそこまでするつもりはなかったけれど……。もっとも、力尽くで欲望を満たしていく考えに代わりはなかったが。
「は……ぅ。うぅ」
 レナが小さく呻くのと同時に、硬直していた腕の力が抜けていくのを感じた。観念したということらしい。若干の勘違いもあったけれど、結果オーライといったところか。
 手そのものは相変わらず胸の上に置かれたままだったが、俺は構わずに体操服を捲し上げていった。特に抵抗もなく、大人しくレナ手が胸から外れていく。
 そのまま、俺は白いスポーツブラをずり下ろす。
 白く淡い双丘に桜色の乳首が慎ましく息づいていた。その蠱惑的な光景に、俺は息を飲む。
「ねえ……圭一君。お願い……もういいでしょ? レナ……もうこれ以上は……」
 いつしかレナはうっすらと涙を浮かべていた。その涙が、一瞬俺の理性を呼び覚ます。もう止めろ、ここで止まらないと本当に戻れなくなるぞと訴えてくる。それほどまでに、彼女の胸は清楚で美しかった。
 少女の整った乳房に魅入られながら、俺は逡巡する。留まるか? 既にやってはならないことをしたのは分かってる。けれど、だからといって……。
(いや……無理だ)
 ぎりっと歯を噛み締める。
 ダメだ。やっぱり俺はもう戻れない。ここまできて後戻りは出来ない。こんなものを見て、止まれるわけがない。
「いや……あ……ああ」
 俺は結局、そのままレナの胸へと両手を伸ばした。
 鷲掴みにレナの乳房を掴んで、その感触を楽しむ。その滑らかな肌触りも、心地よい温もりも、すべてが体操服越しのときとは比べようもなかった。
「うぅ……うくっ……ひゃっ……ああぅ」
 あくまでも優しく、子猫の頭を撫でるようにレナの乳房を愛撫し続ける。欲望に支配され、この行為がレナを汚していると分かっていても、それでもこの感触がどこか愛おしい。
 甘く堅い突起が俺の手の中で膨らみ、俺はそれを時折指と指の間で挟み、刺激する。……たまに、レナの口から甘い吐息が漏れた気がした。
「ぅぅ……はぅ……うぅ」
 その切ないほどに勃起した乳首をもっとよく味わいたい。手だけじゃまだ物足りない。もっと……もっと……。
 浮かされた思考のまま、俺はレナの胸へと顔を近づける。
「はぁっ……ん。ああっ」
 ちろちろと舌先でレナの乳首を転がす。俺の舌に弄ばれながらも、突起は己の存在を誇示するかのように、決して潰れもしなければ萎えもしなかった。
「んぁっ……やぁっ……。だめぇ……だよ。圭一君。お願いだから……もう、吸っちゃ……やだぁ……」
 視線をレナの顔の方に向けると、レナは両手で顔を覆っていた。
 そして、押し殺したように……けれど時折甘い吐息を吐く。その甲高い少女の鳴き声が俺の欲情の火を煽り続ける。
 俺の下で、ぴくんとレナの体が撥ねる。
 そういった反応一つ一つに、俺の脳が沸騰する。気が付けば俺は、さっきからケダモノじみた荒い息しか吐いていなかった。
 生暖かい唾液でレナの胸を汚しながらも、俺は……身勝手にも……レナの胸が汚れたなどとは思っちゃいない。レナの胸を貪るごとに、彼女の存在が俺の中で大きくなっていく。
 そして、それと同時に同じだけレナの中で俺という存在を深く刻みつけたいと思う。
「ふぁぅ……んんっ。ふぁっ……あぁっ」
 少女の匂いが俺の鼻腔をくすぐる。どこか懐かしいようで、甘く狂おしく淫蕩な牝の香り。
 俺はレナの乳首から唇を離した。
 レナを味わうのを止めた訳じゃない。むしろその逆。
 俺は舌にたっぷりと唾液を絡めながら、レナの胸……腹へと舌を下ろしていく。
「…………………はぁっ……あぁん」
 身を強張らせながら、レナの体が震える。
 俺の舌はレナの腹を更に下り、赤いブルマへと行き着く。
 相変わらずレナはいやいやと訴え続ける。けれど、それにもかかわらずレナは暴れようとはしない。今なら、本気で抵抗すれば俺を払いのけることは容易だろうに。
 つまりは、観念したということなのか。
 俺はレナのブルマの上に舌を這わせる。そして秘部へと……。
「レナ……脚、広げろよ」
「……………………………………ん……」
 躊躇いがちにレナが脚を広げていく。彼女の太股は小刻みに震えていた。
 俺は股下を横にずらし、レナの秘部を露出させる。ぷっくりとした秘裂からは雫が溢れ出ていた。
「ひゃぅっ……くぅ……んん」
 躊躇うことなく、俺はレナの秘部にキスをする。そこは既にとろとろに蕩け、柔らかく俺の舌を受け入れた。
 肉の花びらを舐め回し、溢れ出る蜜を啜る。ほろ苦く熱い滴りはアルコールのように俺の脳髄を灼いていった。
 ぽっちりと勃起する肉芽を胸のときと同様に舌で嬲る。軽く吸うと、レナの口からくぐもった声が漏れた。
「んんっ……ふぁぅ……ああ……」
 自分が何をしているのか、次第に分からなくなってくる。レナを犯しているのか、それとも愛しているのか……。
 獣欲に流されながらも、それでも俺は胸に温かいものが湧き上がってくるのを抑えられない。
 何度も、何度もレナの秘部と唇を重ねる。あくまでも……優しく……。
 俺の唇がレナの雫と俺の唾液でべたべたになった頃、俺はようやくレナの秘部から顔を離した。
 そして……短パンを下ろし、はち切れんばかりに膨張した俺のものを取り出す。それは我ながらグロテスクなほどに節くれ立ち、ひくんひくんと脈打っていた。
「圭一……君?」
 肩で息をしながら、レナが俺を見上げる。戸惑うようなその視線を見返しながら、俺は……しばらく、彼女にどう言えばいいのか迷った。いや、そもそも言うべきなのかそうでないのか……。
 荒い息を吐きながら、俺は決意する。
 ああそうだ。きっと、言わないよりは言った方がいい。

“レナ……本当にごめん”

 心の底から彼女に謝る。
 我ながら、この状況下では偽善でしかないと解っている。けれどそれでも、言っておきたかった。
「え? …………あ……」
 俺は自分のものをレナの入り口へと当てた。
 開かれた花弁の奥へと、ゆっくりと挿入を開始する。
「や…………あ……あ……ああっ……」
 途切れ途切れに呻き声を漏らしながら、レナの目が大きく見開かれるのが彼女の指の隙間から見えた。
 丹念な愛撫で解れていたとはいえ、レナの膣内は狭く、俺は無理矢理こじ開けるように奥へと侵入していく。
 奥まで埋め込むと、痛いほどにレナの膣は俺のものを締め上げ、責め立ててきた。けれど、その堅い締め付けすら……俺は今まさに自分を彼女に刻みつけたんだと、単純な快感以上の悦びが湧き上がる。
 レナの息が荒い。
 俺はレナの息が落ち着くまで、そのままでいることにした。

“…………いいよ……”

「……え?」
 掠れたレナの声に、俺は思わず聞き返す。あまりにも意外な台詞だったから、よく聞こえなかった。
「……いいよ。圭一君……優しくしてくれてるもの」
「……………………ああ」
 胸が熱い。
 けれど……こんなにも胸が熱いのに、こんなときに限ってそれを上手く口に出来なくて……俺は彼女に頷き返すことしか出来なかった。
 だから俺にあと出来ることは、彼女の頼み通り優しくすることだけだった。
 あまり激しくはしない。
 それでも俺は十分満足だった。レナから伝わってくる温もりだけでも心地よかった。
 ゆっくりと腰を動かし、亀頭の傘でレナの膣壁を擦る。
「はぁっ……ああん……ああっ……はぁっ」
 入り口付近だけじゃない。先端部分だけではほんの少し物足りなく、ときにはレナの奥まで入れて腰を回し、竿の部分からも快楽を味わう。
 じわじわと高まる射精感。
 焦れるようなその感覚を楽しみながら、少しでも長くこうしてレナと一つになっていたいと思う。
「はぁん………ああっ……ううぅ……」
 俺のものがレナの膣を出入りするたび、彼女は甘く切ないと息を漏らす。それは俺が腰を動かすたびに甲高い色が混じるようになっていく。
 俺のものも更に堅さを増し、きゅうっと力が込められ射精に備えていく。
 俺のものから伝わるレナの温もりが堪らなく心地よくて愛おしい。
「あっ……はっ……あああああっ」
 俺はやがて……歯を食いしばりながら、レナの膣内へと欲望を吐き出した。熱く滾ったどろどろの欲望がレナの膣内を満たしていく。
 レナは身悶えしながら、俺の欲望を真っ正面から受け止めていく。
 俺はそんなレナを見下ろしながら、奥へ奥へと腰に力を入れる。もうそれ以上は入り込めないと分かっていても、その想いを止めることが出来なかった。
 この一回ですべてを絞り尽くすかのように、欲望を吐き出す。
 見下ろすと、レナが微笑んでいた。その瞳は真っ直ぐに俺を見詰めている。
 俺もまた、その視線に応えるように微笑みを浮かべた。
 再び俺はレナに覆い被さり、彼女と唇を重ねた。





「……はぅっ!?」
 思わずとんでもない想像をしてしまい、俺はオットセイ☆を抑える。
 お……おのれレナ。対思春期男子用石化魔法を唱えるとは卑怯なり。……ってあれ?
 何となく薄ら寒い空気を感じ、俺は体育倉庫内を見回す。
「あ……あれ?」
 いつの間にか、レナだけではなく魅音に沙都子、それに梨花ちゃんに羽入まで倉庫の中にいたりした。
 しかも……どういうわけか全員生ぬるいような冷ややかなような視線で俺を見詰めている。
 状況をよく理解しないまま、でも背中に冷たい汗が流れた。
 ごくり……と喉が上下する。
「ひょ……ひょっとして俺……?」
 考えていることを口に出す癖があるというのは以前から指摘されていたけれど……。
「いやー、圭ちゃんの想像力って本当に逞しいねえ。おじさん、感心しちゃったよ☆」
 ぎゃああああぁぁぁぁ~~~~っ!? マジかよ~~っ!?
 魅音の言葉に俺は心の中で絶叫する。
「……………………圭一君のえっち……」
 違……違うんですレナさん。あの……これはそうじゃないんです。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。
「まったく、破廉恥極まりないですわね。呆れ果てましたわよ」
「くすくす。……圭一も仕方ないわよねえ。……くすくす」
「人の業とは……かくも深いものなのですか」
 いたたまれない空気に、俺はあぅあぅと呻くことしか出来ない。
 穴があったら本気で入りたい。
 ああ、オヤシロ様。もしもこの俺を哀れに思うなら、この出来事を無かったことにして下さい。
 軽薄に……けれど冷たく魅音が嗤う。
「くっくっくっ……でもまああれだよねえ。確かに、健康な男の子としてはそんな妄想の一つや二つくらい抱えていても仕方ないよねえ? でもさ……いくらなんでも、昼間の……しかも授業中にこれって、圭ちゃんは本当にお猿さんだよね」
 魅音の冷たい視線に射抜かれ、びくりと俺の体が震える。
 レナもその場から立ち上がり、ゆっくりと俺に近付いてくる。
「やっぱりさ……そんなえっちな圭ちゃんにはにはお仕置きが必要だと思うんだ」
 わきわきと指を蠢かしながら……彼女らの包囲網がどんどん狭くなってくる。に……逃げられない……。
「大丈夫だよ圭一君」
「な……何がだよ?」
 俺が聞き返すと、くすりとレナが笑う。

“優しく食べてあげるんだよ☆”

 その言葉を合図に、仲間達が俺に一斉に襲いかかってくる。
「ひぃっ!? ちょっ……嘘……お前ら……止め……。アッーっ!?」
 倉庫内に俺の悲鳴が響いた。


―END―


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最終更新:2008年09月03日 22:12