「圭ちゃん、昨日興宮書房で買った本があるじゃないですか?」
詩音に話があると呼び出されて、彼女が口を開いた第一声はそれだった。
「……し、しおんくんがなにをいってるのかさっぱりだなあ」
「嘘も演技も最低レベル。棒読みで逃げようったってそうはいきません。その本、ちょっと私に貸してくれません?」
園崎家の情報網ってヤツか? くそ、迂闊だった……。
ナース、メイド、バニー、全網羅って書いてあったからソウルブラザーに自慢しようと思ったのに……。
「次からは違う所に買いに行こう……うぅ」
「あはは、そうですね。でも、圭ちゃんがそういう本を買うのは至って普通ですよ」
……そんなフォローはいらん。
でも、何だってそんな……エロ本なんかを詩音が?
「なぁ、貸してほしいって言うけどさ。その、お、女の子もそんなもん読むのか?」
「そりゃ、誰だって興味はありますよ。かといって流石に買うのも気が引けるじゃないですか。恥ずかしいし。でも読んでみたい年頃なんです」
「はぁ……わかったよ。どうせ断ったらみんなにバラすんだろーしなぁ」
……まだ未使用だからページが貼り付いているって事はないだろう。仕方ない。
どうしてページが貼り付くだの言ってるのかわからないヤツは察してくれ。
「…でも、それを女友達に貸せと言われ、貸そうとする俺の恥ずかしさは無視か、おい」
「てへ☆」
「てへ☆じゃねえ!」
「いいじゃないですか! 私と圭ちゃんの仲って事で! あ、いいんですよ。まだお姉も知らないはずのこの情報をみんなに……。レナさんはきっと鉈でその本を叩き割ってくれるでしょうし、お姉もきっと最初はからかうでしょうけど、そのうち圭ちゃんがそんなもので自分を慰めてると知って一人涙を……」
「だーーーー! うるせえうるせえ! わかったよ、貸せばいいんだろ、貸せば……!」
詩音を泣く泣く俺の家に連れてくると、もの珍しそうに詩音がキョロキョロと辺りを見回していた。
「何気に圭ちゃん家って来るの初めてですよね?これが噂の前原屋敷ですか。ね、ちょっとだけ上がっても いいですか?」
「駄目って言っても上がるんだろーが、お前は」
「きゅんきゅん☆」
「きゅんきゅん☆じゃねえ!はぁ……。今飲み物用意してくっから、先に俺の部屋で待ってろ。階段上がってすぐの部屋だ」
階段を上っていく詩音を横目に、俺がリビングに入ると書き置きがテーブルに残されていた。
『圭一へ、父さんの都合で今日は出掛けます』
ある意味ラッキーだと思った。女の子が俺の家からエロ本なんか持って帰る所を万が一にも両親に見られるのは、流石にまずいだろう。ほっと胸を撫で下ろしながら、コップに麦茶を入れて自分の部屋に戻ると……。
「そ、そこで読むなっ! 家に帰ってから読めよ! っていうか何で隠し場所まで知ってんだよおおおお!?」まさかの事態に、俺は頭を抱えて地面に膝を折るしかなかった。
詩音は既に布団に寝そべって昨日買った本を開いているだけでなく、秘蔵のコレクションまでも床に散乱させていたのだ。
「まぁまぁ、そんな事はいいじゃないですか。あ、それより圭ちゃん! このページってすごくないですか!?」
詩音が起き上がって、これこれ、と俺に本のページを指差して来る。
はぁ、と溜息をついて詩音の横に俺も座り、そのページを見てみると……。
そこはまだ読んでいないページだ。俺の股間が刺激される刺激される刺激される。
……それに、女の子とHな本を読んでいるというシチュエーションが、何だかすごく……。
と、詩音の手があるページで止まった。
「……あれ?」
『男を責めるには乳首責めも肝心!』という見出しのページ。
「圭ちゃん、男の子って乳首も感じるんですか?」
まるで理科の実験で質問する小学生のように、詩音が目を輝かせて俺に聞いてくる。
「し、知るかよ」
「へー……ふむふむ、なるほど」
詩音が俺のぶっきらぼうな返答を聞くと、そのページを興味深々に見てから、やがて再び俺の方を向いて悪戯っぽく笑った。
「……圭ちゃんも、興味ありません? ホントに男の子が乳首感じるかどうか」
「な、何言ってんだよ……そ、そりゃあ……ちょっとはあるけど……」
「ね、……ちょっとだけ試してみません?」
「え、ちょっ……」
詩音は俺の答えを待たず、俺のシャツを捲くり上げていた。
露になる俺の上半身。すかさず詩音が頭を俺の剥き出しの体に近づけて来て……
「ぴちゃ……」
「んっ……」
こ、こいつ、何、してっ……!?
詩音は……俺の乳首にねっとりと舌を這わせていた。
「圭ちゃんの肌って、キレイですよね。ぺろ、え、ろぉ……」
「はぁっ…! ば、かっ! お前、何やっ……ぁ…」
「ふふ……んっ、ふ……ぺろ……ぺちゃ、ち…ぅ……っ……」
ひんやりとしてぬるぬるとした舌が、俺の乳首に糸を引いた唾液を絡めて行く。
乳輪をなぞられたり、乳頭を舌でなぞられる度にぞくぞく、と俺の背筋が震えた。 
「やっぱり、男の子も乳首って、感じるんですね……」
ちゅぱ……と、詩音が唇を離して、上目遣いで俺を見つめる。
俺の乳首と詩音の舌が糸で紡がれていて、その情景が視界に入っただけで頭がくらくらとする。
「ぅ、あ……、だって、こんなの……」
感じるな、という方が無理だ。
呼吸を整えながら詩音の方を見ると、詩音は俺の一点を真っ赤になりながら見つめている。
……しまった。
「圭ちゃんの……その、お、おっきく……なってます」
「――!? あ、こ、これは……」
「み、見ても……いいですか? さっき本でも見たんですけど、実物も……見てみたいです」
「おい! 待て……!」 
俺の返答を待たず、詩音はおずおずと俺のズボンのチャックに手をかけてゆっくりとそれを下ろしていった。
たぶん、その気になれば突っぱねる事が出来ただろう。
けれど俺は何か魔法にかかってしまったかのように、体を動かすことが出来なかった。
「わぁ……、こ、これが……ね、触ってみても…いいですか?」
うっとりとした瞳で俺の棒を見つめる詩音。
女の子に初めて自分の陰部を晒してしまい、俺はもう恥ずかしさで頭がどうかしてしまいそうだった。
「あ、あんまり見るなよ、恥ずかしいだろ……」
すっ、とひんやりとした感覚に包まれると、詩音が俺の陰茎を両手で包んでいるのがわかった。
「熱い……こんなに熱いんですね」
「ぅ、ぅぅっ……」
「き、気持ちいいんですか?」
女の子に肉棒を握られているという事実には興奮するけれど、ただ握られているだけでは何とももどかしい。
「何だか乳首の時より反応が薄いですね。なら、こっちで気持ち良く……んっ……」
詩音は俺の反応が面白くなかったのか、再び俺の乳首に舌を這わせ始めた……。
「うあっ!? 詩、詩音っ…」
不意を突かれた感覚に、俺の顔が我慢の表情に変わる。
それを見た詩音は満足そうに、微笑んでいた。
俺をおもちゃに出来て満足ってことなのだろうか。
「圭ちゃん、可愛いです…。ん、ぴちゃっ、ちゅ……ちゅぅっ…!」
「あっ……ああああああっ、し、おんっ……」
「乳首、固くなって……ん、ちゅ、ぅっ……ちゅっ、ぢゅ、んぢゅぅううう!」
さらに苛烈に吸いつかれて、乳首から全身に電気が走ったように快感が伝わり、俺の体をびくびくと震わせた。
「や、めっ、あっ、ああっ」
たまらなくなって、俺は両腕で詩音の頭を抱きかかえていた。
やめて欲しいと言いながら、さらに詩音にその行為を促しているとしか思えない自分の行動に驚いた。
わかってるだろ、前原圭一……。もっと、してほしいんだろ……。
「けいちゃんの、えっち……、そんな事言いながらこの腕はなんなんですか? ちゅ、う……ちゅっ!
ん、はむ…れろ、れろぉ…」
「あ、ふ……ぅ、っく……」
さらに腕に力を込めると俺と詩音の体がさらに密着して、ちょうど詩音の豊満な胸が俺の股間で押しつぶされていた。
「圭ちゃんの固いの、胸に当たって……あっ、ああっ!」
うわ、うわ……、おっぱいってこんな柔らかいのか……!?
同年代の女の子と比べても、明らかに大きく実りすぎた詩音のそれ。
俺はその感触がたまらなく気持ちよかったせいか、詩音に乳首を吸われる度にこれ以上ないくらい勃ったものを詩音の胸に押し付けていた。
柔らかくて、ぷにゅぷにゅと、俺の肉棒で淫らに形を返るそれは俺を更に興奮させた。
だが、詩音は俺が想像だにしない行動を取るのである。
「うぁ!?」
サマーセーターの上からではあったが、ものすごく柔らかい感覚に俺の肉棒が包まれたのがわかった。
……俺が自分の棒を見つめると、詩音が自分の手でその凶悪に実った胸を両脇から掴んで、これ以上ないくらいに歪な形に乳房を歪ませていた。
ふわふわとした服の生地と、とろけそうなくらいむにゅむにゅとした詩音の乳房の感触。
さらに、敏感になった乳首までも吸いつかれているのだ。俺の陰嚢がひく、ひく、とせり上がっていく…… 
「こ、れ……すごく、えっちじゃないですかっ……? ん、ぢゅ、ぅうううっ、ちゅ、る」
「ぁっ……詩音っ、おかしく、なっ……」
「いいですよ、おかしくなってください……気持ちいいですか? ぺろ、れろ、ぇ……ろぉ…」
「そんなの見りゃわかるだろ……!」
「そうですよね……。ちくびは固くなってるし、私のおっぱいの中ですごくぴくぴくしてるのがわかります
……ちゅ、ちゅぅ、はむ…!」
唇で乳首を扱かれ、棒の幹が柔らかいもので固定され、上下にまんべんなく擦られている。
「圭ちゃん、すごいえっちな顔してますよ……この本に出てくる人よりも、すごく、えっち…です…っ」
「う、ぁ…っ、ああっ……」
だらしなくよだれが俺の顎を伝って、肉棒に滴り落ちる。
詩音が唾液を絡めて舐めている乳首からも、俺の体を伝って肉幹に絡み合っていく。
くちゅ、くちゅ、と粘りのある液が詩音の胸を汚し、淫らな音をかき鳴らしていた。
サマーセーターは先走りと唾液で濡れてしまい、ふわふわな感触はなくなっていくが、それに反比例して詩音の胸のものすごい柔らかさが一層伝わってくる。
さらに俺の赤黒い亀頭は、詩音の白い服の色に包まれてよりいやらしく映ってしまうのだった。
「し、詩音! もう、やめ…ろ……俺、そろそろ……」
「ん、ちゅううううううう! ちゅる、ちゅぴ! ちゅ、ぁ……ちゅる、ぅううっ……!!」
俺の乳首が詩音に吸い取られてなくなってしまうんじゃないかと錯覚するほど、詩音が俺の乳首を吸引する。
それに反応して肉棒から先走りが勢い良くぴゅ、ぴゅ、と飛び出して暴れるも、詩音が胸でその震えを無理矢理静止させた。乳房には今まで以上に固定する力が込められ、暴れる陰茎を押さえながらも、根元から液を搾り出すように俺の赤黒い棒を扱いて犯している……。
「……っ! お、お……ぃ、もう、本当に…」
「圭ちゃんの、……から、ホントに白いのが出るの……ぴ、ちゅ、ちゅぅっ! 見てみ、た…ぃ、です…んむっ!ぺろれろ、ぴちゃ、ぢゅ、ぅう!」
「ば、ばかぁ、や、めっ、詩音……! ほんとに、で…る! ほんとに出るからっ……ぁ、ぁあ…っ!」
声にならぬ声と共に、堰を切って大量に放出される俺の白濁。 
どぷ、どぷ、と詩音の胸の中で脈動して、白いセーターをさらに白く染め上げていく。
射精がひとしきり終わった頃には、どろりと詩音の服から大粒の白い雫が糸を引いて零れ落ちた。
「あ、あはは……こんなに出るんですね」
詩音が胸元から指先で白濁を掬い取っては遊ばせて、ぽーっとした瞳で言った。
……俺もその量と濃さには驚いている。
初めて自分じゃなくて、女の子に射精させられてしまったが、こんなにも変わるものなのだろうか……。
「圭ちゃんの、すごく汚れちゃってますね……」
「え……あ、ああ。いや、それよりお前の服……」
「あ、あはは、白いから目立たないですよ。それより、圭ちゃんのを綺麗にしないと」
そう言って詩音が俺の肉棒の前に跪くと、ゆっくりと可愛らしい舌を出した。
「ちょ、ちょっと待てよ! お前、何しようと……」
そうは言いながらも、詩音が何をしようとしているのか察しはついていた。
「確か、その、な……舐めたりもするんですよね? 舐めて綺麗にするって書いてありました……。だから、やってみたいなって……」
「で、でも。そのっ、なんか白いのいっぱいこびりついてるしっ……って、あっ……」
ためらわずそれを口に含んだ詩音が、こびりついた白い粘りを丁寧に舐めとっていき……
俺の敏感になった先端を、ぬるぬるした生き物のような詩音の舌がねっとりと何度も何度も這って行く。
うわ、これ、が……
「れ、ろっ、れろっ……ん、く…」
やがて、詩音の喉が大きく動いたのを見て、こびり付いたそれを嚥下したんだなと気付かされた。
「け、ほっ……ん、確かに、ちょっと苦いけど…嫌いじゃ、ないです」
「……マジか」
「それに、飲むと喜ぶって書いてありました…」
「俺もそう思ってたけど、今こうして考えると実際はそんな無理はしてほしくないっておもっ……うわっ!?」
「んっ、ちゅぅ、ちゅ……ちゅる……」
「あああ……残ってるのが全部……すわ、れ…る……っ」
精液を味わった後は、俺の肉棒を唇で咥えこんで、じゅるじゅると唇を窄めて吸い上げてくる。
俺は壮絶な感覚に腰を完全に引かせてしまうけど、詩音の両腕が俺の腰に巻きついてきて精液を吸いだすまで逃がしてくれそうになかった。奥に残っている残滓も吸い取られて、俺の精液はもう確実になくなっていた。
けれど、詩音は吸引をやめてくれない。
カップの底にあるジュースをストローで一滴残らず吸い取るように、詩音が俺の尿道というストローで奥にある淫汁を吸い取ろうとする。その度にまた肉棒が硬度を取り戻し、先走りが滲み出て、詩音の口腔内を犯していく。
詩音、それは精液じゃない、先走りだっ……吸い取られる……
「ば、馬鹿! や、め、……っぁ……」
「気持ちいいんですか? っちゅ…、圭ちゃんのがぷるぷる震えてるのがわかります。んむっ……こ、れ……、やらしいれふ……ちゅるっ……」
詩音自身も男のものを唇に咥えこむという卑猥すぎるシチュエーションに気付いたのか、顔を真っ赤にしながらもうっとりと瞳を閉じて、その淫らな感覚や男の味に酔いしれているようにも見えた。
気がつけば、俺はそんな詩音の唇に自分のモノが飲み込まれていく淫靡な光景に目を奪われ、さらに行為を促すかのように詩音の綺麗な髪を撫でていた。
詩音もそれに気をよくしてか、行為に激しさを増していく。
「あっ……何か出て来てます…!ん、ちゅ、ちゅる、こくん、ちゅっぱ! ぢゅっぱ!じゅぱ…!こく、こくん……」
……歯磨き粉のチューブが出なくなった時、普通根元の方から先端に何度も何度も指で絞って行く。
詩音の口淫も、まったくそれと同じで唇をきつく締めて、根元から汁を絞り取るように何度も何度も俺の肉棒を扱いていく。先走りが滴る度に、うっとりとした瞳で喉を鳴らして嚥下していく。
しかし、その間も器用に唇と舌で俺を責めたてるのを忘れることはなかった。
もう、詩音が口で俺を犯しているようにしか思えなかった。
「はー……っ、は、ぁっ! あっ……ふ、っく…」
……自分の声とはいえ、情けない。
敏感な鈴口を舌が強引にほじくりまわしてくる度に、俺は少しでも喘いで快楽に耐えるしかない。
「すごい……、っ、ちゅぁ…まはおおきふ…らってます……びくびくって……ぢゅぱっ……、こういうのってホントに気持ちいいんですね、圭ちゃん……」
「あ、ぁぁっ…、ああ……」
詩音への返事なのか、絶えず俺に刺激を与えてくる故の喘ぎなのか、俺自身にもわからなかった。
また茎が肥大化したのは、すでに一度詩音を汚している白濁汁の二射目が溜まったからだ……
「も、ぉ……ゃめっ……詩音……。また、出るっ……」
俺の静止する声を聞いて、どういうわけか詩音は俺への責めを強めていく。
「んっ、ぶ! ちゅっぱ、ぢゅるっぱ! ん、ぱぁ……ん、ぢゅる、っぽ! れぇ…ろぉ…・・・っ!!」
「ぅ、はぁ……腰、に力がっ……」
これまでに感じたことのない苛烈な責めに、俺の腰からは力が抜け落ちそうになるが……
ぎゅううう!
詩音の両腕が俺の腰に巻きついて、俺の腰を落とすまいと力が入る。
このまま射精するまで、詩音が支えてくれるという事なのか、射精するまで逃がさないという意味合いなのか。
「けい、ちゃんっ…、私がっ! っちゅる! 受け止めますから、このままっ……ずぢゅっ! このまま……」
「ぃ、っ……く、ふ…ぁああっ!!」
「んぶっ!? ん、ぢゅるるうるる…こ、くん、まだ、出てッ…んぶっ、飲みきれなっ……ぷあっ!?」
詩音の口腔内で爆ぜた俺の肉棒。詩音が暴れる棒を諌めようと唇を締めて精液を口腔内で受け止めるのだが、飲み下していく速度が、俺の精液の勢いと量に追いつけなかったらしく……
「あ……ぷ、かふっ、やっ……熱っ…あっ…!」
「わ、悪い! 詩音っ……とまら、な……あっ、あ…!」
ちゅぽん、と詩音の唇から白濁の糸を引きながら、肉棒がぶるんと暴れて口腔粘膜からひんやりとした外気に晒される。けれど、俺の茎に宿った熱は迸ったままで、びゅるびゅると、何度も何度も何度も脈動して、詩音の顔に欲望の熱を振りかけようと粘る精子が宙を舞っていく。詩音は精液が脈動して降り注ぐ度に、びくん、びくんと瞳を閉じ、脈動のタイミングと同時に体を震わせて白濁を享受していった。
「はーっ……は…ぁ……」
ようやく二度目の射精が収まったと思い、俺が視線を落とすとそこには顔を白濁で汚されて困った表情を浮かべる詩音が居た。
「あ、これが……が、顔射ってヤツですか……? あ、あはは……、すごく出されちゃったんだなってカンジです…」
「ごめん、俺もこんなに出るなんて……」
それくらい、初めて感じる女の子の体や口内が俺にとっては強烈だったのだろう。
「……何だか圭ちゃんに犯されちゃったみたいですね」
「な、何を言って……」
口では何とか否定したいけど、俺の匂いの漂う白濁の化粧を見に纏った詩音の痴態は、ひどく扇情的で。
本当に、普段強気な詩音を俺の思うがままに犯してしまったような気さえしてくる。
……再び俺のモノに硬度が戻っていく。ひく、ひく、ひく、と次第に角度を取り戻していく。
体に力なんか入らないのに、棒に否が応にも力が宿る。
次第に大きくなっていく一部始終を、詩音に見られてしまい俺は何だか恥ずかしくなってしまう……
そんな詩音は、ぺろり、と口の周りの白濁を舌で舐め取って、再び悪戯っぽく笑っていた。
「ね…圭ちゃん……」
「…っ」
俺は二連続射精後の敏感なモノを詩音にぎゅっと握られていた。
声にならない声が俺の口から漏れる。そのまま、体の力を失った俺は詩音に押し倒されて……
詩音が俺の棒を握ったまま、俺の体の上に馬乗りになっていた。
「興味、ありませんか?」
「なに、を……っ」
「本当に、コレを入れて……気持ちいいのかって……」
「ま、待てよ詩音。よく考えろ……。それって、つまり……」
「ダメ、ですか……?」
しゅん、と詩音の眉毛が力なく下がっていく……
「ダメじゃない、けど……」
「じゃあ……」
詩音がスカートからショーツをずらして、ゆっくりと俺の肉棒の先端に跨る。
既に今までの行為で興奮していたのか、ずらしたショーツと詩音の露になった秘所を粘る糸が継いでいた。
あれが……女の子のっ……
それがすごくいやらしく映って……思わず目を覆ってしまった。
……今にして思えば、これまでの行為が服を着たままってのが余計いやらしく感じてしまう。
上手くは言えないけど、衣服を着用したままのこれまでの行為、これからの行為が、明らかに今までの自分にとっては異常なのに、結局は探究心に即した日常の1ページである事を強調しているようで。
余計に俺の心をかき乱していく。
服は脱がしても、靴下は脱がすな、か……否。
靴下は脱がしても、服は脱がすな……。
ゆっくりと、詩音が俺の肉棒に体を沈めていく。
う…わ、……呑み込まれて……!
「ぁっ……」
先端からどんどんぬるりとしたものに絡みつかれていく。
その感覚がどうしようもなく気持ち良くて、俺はまた情けなくも声を漏らしていた。
既にいろんな汁でぬるぬるに濡れそぼった俺の肉柱と、これまでに俺を責めて興奮した詩音の秘所があまりにも濡れていた為か、想像していたよりもスムーズに詩音の中に俺の肉棒が呑み込まれていった。
……が。
「い、たっ……」
詩音の顔は俺とは対照的に苦痛に耐えるように歪んでいた。
俺と詩音が繋がっている部分から、重力に従って俺の棒を伝って血液が俺の腹に滴っていく……
……おいおいおいおい。
やっぱり、初めてなんじゃないか。
いいのかよ。
こんななし崩し的に。
いいのかよ。
……俺が、相手で。
なぁ、お前って確か好きな人がいるんじゃなかったのかよ!?
お前が読もうとしているこの本にだって、初体験は大事なものだって書いてあるんだぜ?
「け……ぃ、ちゃん……」
俺に跨っていた詩音が体を倒してきて俺に体重を預けてくる。
ぎゅっ……、と詩音が俺の背中に腕を回して来た。
「もうちょっとだけ、このままでいいですか……?」
「ああ……無理なら、一回抜いて……」
「それは嫌です…抜いちゃ嫌です……」
近い距離にある涙目になった詩音の目と、俺の目が合って恥ずかしくなる。
……少なくとも、確実に今。
詩音は俺を見ていて、俺を求めている。
何より、もう俺に今更止めてほしいと言われても、止められる気なんてなかった。
すでに精液と詩音の唾液と愛液に塗れてどろどろの肉棒で、詩音のどろどろになった蜜壷を掻き混ぜたくて仕方がないんだ。でも、そんな自分をどうにか縛り付けて、俺は詩音に声をかけた。
「詩音。大丈夫か…?」
「あ、あはは……全然大丈夫ですよ。爪を剥ぐよりはマシって所ですね」
「…嘘つけ。お前、まだ泣いてるじゃねえか」
俯いていた顔を上げた詩音の表情を見て、もう少しこのままでいるべきだと察す。
少しでも詩音が気を紛らわせられないかと思ったのか、それとも強がる詩音を愛おしく感じたのか、わしわしと詩音の頭を乱暴に撫でてやる。
俺の見間違いかもしれないけど、……かぁっと、詩音の顔が真っ赤になった気がした。
そんな彼女の反応を見て、いつか。
詩音に言われた言葉を思い出した。
――圭ちゃんのこと、ちょっぴり好きになってもいいですか?
もちろん、俺をからかう為の冗談に過ぎなかったのだけど……
「……ちゃん、圭ちゃん」
「ん? あ、ああ、ごめん」
詩音の声で我に返る。
「もう……大丈夫です。動きますね……」
「えっ…ぁっ……ふ、ぁっ」
俺の腹に手を置いて詩音が上下に腰を動かしていくと、我に返ったばかりの俺は不意をつかれた感覚に囚われていた。現実に引き戻らざるを得ないみちみちとした女性の感触に、俺は再びだらしなく頭を床にのた打ち回らせて耐える。結合部にきゅぅ…と力が入り、結合部が先端から根元に上下する度に、根元から精液を吸い取ろうと扱かれてるのがわかる。
結局は、口淫にしろ手淫にしろ、『棒の根元から精液を搾り取る』というものが根底に据えられた行為なのだ。
「んっ……んんっ…!」
詩音が口を押さえてそっと涙目になりながら腰を上下させている姿が、ふと目についた。
「ど、どうした? 詩音……まだ、痛むのか?」
「そ、そうじゃ、なくって……その……っ!! ひ、ぅんっ!」
ふい、と恥ずかしげに俺から顔を反らす詩音。腰を上下させる度に、鼻からくぐもった声が漏れる。
……そうか。声が漏れるのを抑えてるんだ。
「…っ! ……ぅ、んっ、んんっ!」
俺もどうしようもなく気持ち良くて、詩音の動きに身を委ねる。
「ぁっ! ぁぁっ……んっ、んんーっ……!!」
「ぉっ、ぅ……く…!」
ひく、ひくっ、と膣全体と、結合部にひときわ強く締め付けられたかと思うと、俺のお腹に大量の愛液が降り注いだ。やがて、きつく締まった膣がふるふると力なく震えている感触だけが残る。
「詩音……? その、これって…」
「えっ、あ……」
俺が言わんとしていることを察したのか、詩音は手で顔を覆い隠してしまっている。
つまり、自分で腰を振って、達してしまったのだ。
「ふ、ぁ……」
真っ赤になりながらも、くて、と俺の肉棒を締め付ける詩音の体から力が抜けた。柔らかくなった最奥部が、俺に吸いついてきてこそばゆい……。
既に二度も搾り取られたせいか、まだ達していない俺の肉棒を中途半端に刺激されるのはどうにももどかしかった。
俺は詩音の腰をぐっと掴むと、詩音の腰は俺の体に引き寄せ、俺の腰は詩音の体へと突き上げていく。
詩音の体の力が抜けてこなれた膣内の奥部を、無理矢理突き上げて先端部で擦り続けた。
「やぁっ! 圭ちゃん…! 突き上げちゃ、ぃ、ゃですっ…! ああああっ!」
「はー……っ、はー……っ、し、おんっ…!!」
確か本には突き上げつつも、擦り付けるという行為が推奨されていて、実際には少し難しかった。
だが、詩音の細い腰を俺の腕で左右に操り、腰をひたすら上に突き上げる事で何とかその行為の真似事は強引に出来ていたように思える。
「お、おかしくなっ! ふ、ああああっ! ゃぁ……! ぁっ……、あぁっ…!! 壊れ、壊れちゃ……」
俺が突き上げ、擦り上げる度にがくん、がくん、と詩音が人形みたいに仰け反って白い首を俺に見せ付けてくる。
おかしくなってるのは俺の方だ……。
もう、詩音を求めて腰を突き上げるのを止められそうになかった。
突き上げて俺の先端が詩音の子宮をごりごりと刺激すると、達したばかりで敏感になっている詩音の膣内も俺を搾り取ろうと収縮し、愛液を絡みつかせてきた。
「あっ、ぁあ…っ、く、ふ…ぅ」
「もう……もぅっ、入らなっ……ひぅっ! ああああっ! け、ぃちゃっ…!」
「詩音っ……!」
「ゃっ…!」
突き上げるだけじゃ物足りなくなったのか、俺は詩音を押し倒して、先刻までの体勢とは全く逆の体勢へと変えていた。
俺が上で、詩音が下。奥を責め続けるだけの動きじゃなくて、肉棒全体を利用した抽送が可能になる。
先端部が膣口に近づくと、愛液が自分の先端部の首で掻き出されて、スリットの入ったスカートから覗く白い脚を、俺の液と詩音の液で絡み合ったものが溢れて穢していた。俺の先走りも迸っては、詩音の膣壁に吸い取られていく。
もう、限界だった。
腰がぶるぶるして、だらしなく俺も詩音も口元からは涎を垂らしている。
「も、ぅ……! 出るっ……! で、るぅ…、詩音っ! 詩音っ……!」
「あっ! ああっ! 圭ちゃん……の、すごくおっきく……は、ぁああっ…」
「っく! ぅ、ぉああああっ!!」
どうにか下腹部に力を入れて、声を張り上げながら必死に肉棒を詩音の中から引き抜く。
これ以上服を汚しちゃいけないとだけ、どうにか残り少ない理性で考えた俺は……
「ひゃぅっ!? ん、んぶっ、ぷ、ぁっ……ああっ…! こ、ぷっ…」
既に何度も汚してしまっていた詩音の顔に、その溢れる迸りを浴びせていた。 
射精はこれで三度目なのに、一度目、二度目とも変わらないほどの粘りと濃さと量を併せ持った精液で驚くしかない。
「ふ…ぅっ! ごめん、詩音っ……まだ」
一回、二回……何回脈動したか分からないが、勢いは衰えず肉棒がびく、びく! と震える度に俺の欲望の白い塊が降り注いでいく。顔中に白濁をこびり付かせた詩音が、やがて俺の射精中の棒を掴むと、ゆっくりと自身の口内に押し込んでいた。
「んんっ……んぷ、はむっ……ぢゅ、ぢゅっ…ごく、こく…んっ」
「ば、バカっ……今、そんなことしたらまたっ…!」
脈動中も唇で吸い付き、舌を動かされ俺の興奮が収まるわけもなく。
自分でも信じられない話だが、再び体の奥から熱い体液が生み出されて先端部に上り詰めていくのを感じた。
「ま、ま…たっ、くぁ…ぁああああああ…」
「んむぅっ!? ん、んぷっ、んぶうっ! ちゅ、ぷ……、ん、く……はーっ……、はーっ…」
さすがに量もおとなしめだったこともあってか、詩音は多少涙目になりながらも全部口腔内で受け止めて溜まった精液を順々に飲み干していく。全部喉を鳴らして飲み込むと、俺の白濁で熱の篭った吐息を吐いて、詩音は呼吸を整え始めているようだ。
信じられないほど従順に俺を飲み込んだ詩音を、何だか愛おしく感じた俺はそっと抱きしめていた……
やがて、お互いに呼吸が整って身体の熱が冷めてくると。
どちらからともなく俺達は真っ赤になって、ばっ! と密着させていた体を離れさせた。
なんだかものすごく恥ずかしい事をしていた気がする……じゃなくて、もうそんな次元の話じゃなくて……!
俺がどぎまぎしながらいそいそと床や体を拭いていると、同様に顔や服を拭いていた詩音とふと目が合った。
「…………」
……暫く見つめ合ってしまって。言葉をなんだか喉から捻り出せなくて。
「……あ、あはは……圭ちゃん。あの、ごめんなさい。悪戯のつもりが……、その、つい」
「い、いやっ……お、俺の方こそ……ごめん」
先に沈黙を破ってくれたのは詩音だった。けれど、一頻りの作り笑いの後は、再び気まずい沈黙。
そもそも何で、こんな事になっちゃったんだっけ……?
「さ、最初は……その、こういうの知っておけば、いざという時に男の子って喜んでくれるのかなって思っただけ だったんですけど……。てへ☆」
てへ☆じゃねえ! と、突っ込んで茶化すことを詩音は望んでいたのかもしれないけど、俺には出来なかった。
だって、俺にとっては詩音と繋がってしまったという事実が強烈すぎて。
どんな言葉をかければいいかわかんなくて……。
何度目の沈黙に耐えかねたのかわからないが、詩音が再び口を開いた。
「あの……け、圭ちゃん」
「な、何だよ」
「その……ど、どうでした?」
「ど……どうって、そのっ……、訳わかんねえくらい気持ちよかったよ……」
「えっ、あ……」
真っ赤になって俯いてしまう詩音。
……思えば、俺は今までにこんな彼女の表情を見た事があったろうか?
胸が高鳴る。この高鳴りは、どんな本にも書かれていないものだ。
「あの、圭ちゃん……また、借りに来てもいいですか?」
『また』。その時にはこの答えも出ているのだろうか?
ぽーっ、と頬を赤らめながらの詩音の問いかけに、俺はこくんと首を縦に振る事しか出来ないのだった……

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最終更新:2008年07月12日 15:31