「り、梨花! やめてください!」
「沙都子、僕はもうちんぽがでかくてちんぽーたまらんのですよ」
 そう言ってパンツを下ろした梨花の股間には立派なちん棒が付いていた。
「ひぃっ!? そ、そんなもの見せないでくださいましっ!」
「怖がる沙都子も可愛いのですよ。でもすぐ気持ちよくしてあげますのです」
 その表情は、いつもの優しい梨花からは想像も出来ない加虐欲に満ちた顔であった。沙都子は震える足で床を蹴って逃げ出そうとした。しかし、足がもつれてその場に崩れ落ちた。
「無駄無駄なのですよ沙都子。さっき食べたのは誰の作った料理だと思っているのですか? 僕の愛情といけないお薬がたっぷり入った特製なのですよ☆」
 梨花は股間のブツをフル勃起させたまま立ち上がった。沙都子はその場から一歩でも離れようと、力の入らない体を無理やり引きずってほふく前進して逃げ出そうとした。しかし、すぐに梨花に捕まった。
「ふふふ、沙都子はどうやら後ろからがご希望のようなのです。ではお望みどおりに後ろからちんぽっぽしてあげるのですよ☆」
「い、いやあぁ……」
「ほぉら沙都子、沙都子の可愛いお花びらに僕のちんぽが入っていくのですよ」
 と、その時だった。扉を蹴破って古手梨花がもう一人現れた。
「り、梨花!?」
「そこまでよ羽入! それ以上私の沙都子に指一本たりとも触れさせはしないわっ!」
「くっくっく、ばれてしまってはしょうがないのです」
 そう、そこにいたちんこ付き梨花は羽入の変装だった。
「全てはオヤシロ様の意思なのですよ」
「ようするにあんたの劣情でしょ。いいからとっととその汚らしい物をしまいなさい。さもないと向こう1年間あんたの食事は鬼夢血よ」
「そういう梨花は後ろがお留守なのです」
 梨花がはっと振り向いたときにはもう遅かった。梨花の細い腕を万力のような力で締め上げる羽入の姿が後ろにあった。
「そ、そんなっ!? どうして羽入が二人も!」
「二人だけじゃないのですよ。僕もいるのです」
「いやいや僕もいるのですよ」
 次から次へと羽入が出てきた。しかも全員股間からは黒光りする凶悪なブツが生えている。
「この雛見沢で僕にはむかうなど無駄無駄なのです。オヤシロパワーのその42、オヤシロ分身なのです」

「なによその今考えたようなネーミングと適当な番号は! さっさと放しなさい! さもないと後でひどいわよっ!!」
「梨花のお口はすこしうるさいのです。羽入2号」
 羽入がそう命令すると、梨花を後ろから押さえていた羽入Bが無理やり梨花の口に自分の口を重ねて、さらに舌までねじ込んだ。
「うぶっ!? むうぅっ!!」
「暴れても無駄なのですよ梨花。僕たちの腕力は祭囃し編の赤坂を基準に作られているのです」
「そうそう、大人しく僕たちのちんぽを受け入れて気持ちよくなるといいのです」
 言って羽入Cが巨大なちんぽを梨花に突き出した。それを見て梨花は顔を青くした。小学生の体にあんなものを入れられたらどうなってしまうか。そしてそれは沙都子も同じだった。沙都子も顔面蒼白でがたがた震えていた。
「や、やめて羽入……」
「おや? 梨花が急にしおらしくなったのです。明日は雪かもなのです」
「せめて沙都子だけは助けてあげて……、お願いだから…………」
 私は目に涙すら浮かべて懇願した。
 沙都子は私にとって子どものような存在だ。その沙都子を汚されることは自分自身の腹を切り裂かれる以上に辛いことことなのだ。
 だからお願い、私はどうなってもいいから、沙都子にだけは何もしないで。
「そうですか。梨花がそこまで言うなら、沙都子にだけは絶対に手を出しません。あぅ、約束するのです」
 羽入は首を縦に振って答え、沙都子を捕まえていた手を放した。
 だが、私が安堵の息を漏らしたのもつかの間だった。床に膝を着いていた私の目の前に、羽入は自分の股間から生えた欲望の固まりを突き出した。
 そして、絶望的な一言を宣告した。
「では梨花は僕のちんぽを舐め舐めするといいです」
 酷薄に言ってのけた羽入の顔に情けや容赦といった類の感情は見られない。むしろ私を屈服させることに悦びすら感じている様子だった。
 それは例えるなら小さな子供がアリを潰して楽しんでいる時の顔。加害欲と嗜虐心に満ちた黒い笑みだった。
 ぎり、私は思わず歯軋りした。一年間鬼夢血の刑どころじゃ済まさない、そのムカつく面を思いっきりひっぱたいてやる。そんな気持ちを込めた視線で羽入を睨み付けた。
「んん? どーしたのですか梨花ぁ? あぅあぅ、まさか抵抗したりとかする気なのですかぁ? 愛しの沙都子がどーなってもいーのですかー?」
 慇懃丁寧に羽入が尋ねる。わざわざ神経を逆撫でにするような羽入の口調に、私は喉まで出かかった罵声を必死で押さえなければならなかった。

 ダメだ私。落ち着かないといけない。ここで羽入を怒らせたら沙都子がどうなるか分からない。クールになるんだ古手梨花。
 見ると、沙都子は逃げられないように羽入Dと羽入Eによって手足を押さえつけられている。目には大粒の涙を浮かべて、恐怖心からくる震えを我慢できずひたすら体をガタガタ揺らしていた。
 自分が言う事を聞かないと代わりに沙都子が汚される。それだけはあってはならない。
 私は黙ってうつむいた。これから起こる汚らわしいことへの想像から、自分の体が小刻みに震えているのがわかる。
 しかし、私は覚悟を決めて堅く口を結んだ。
「ふふふ、大人しくなりましたのです。それでいいのですよ梨花。僕は普段のおしゃべりで生意気な梨花も好きですが、そういうしおらしい態度の梨花はもっともっと好きなのです。では僕のちんぽを食べるといいのです。はい、あーんなのですよ」
「……羽入。せめて沙都子を私から見えないところまで連れて行ってよ…………」
 私が小さく言葉を吐いた次の瞬間、羽入は私の髪の毛を鷲掴みにして、口に股間のブツをねじ込んだ。急な不意打ちに私はこみ上げて来る吐き気を堪えるので精一杯だった。
「んむぅぅ!!? んぶぅぅぅ!!!」
「梨花は何か勘違いをしてるようなのです。今、梨花は僕に何か言えた立場じゃねえのですよ。梨花は僕のちんぽ人形になったのです。僕がちんぽを咥えろと言ったら咥えればいいし、うんこを食べろと言ったら迷わず食べるべきなのです。わかりましたか?」
 目いっぱい口を開いてもまだ咥えきれない巨大な肉の棒を一気に喉の奥まで押し込まれ私はただ苦悶の声を漏らした。目からは涙がこぼれ落ちてきた。
 羽入はというと、そんな私の苦痛さえ快感の一部であるように、残酷な愉悦に顔を歪ませていた。
「あぅあぅ☆ 梨花はそうやって黙って僕のちんぽを咥えていればいいのです。沙都子には僕と梨花の愛のちんぽショーを特等席で見せてあげるのですよ。二度と僕の梨花に手を出そうなんて考えつかないようにじっくりと☆」
 言って羽入は、いきなり私の口元に繋がった自分の腰を激しく前後に動かし始めた。
「おぶっ!? んんんッ!! んむううっ!!」
 羽入の動きは普通の男女がするようないたわりの感情を一切見せない荒々しい物だった。
 まるで私が物言わぬ道具であるかのように、乱暴に喉の奥に己の欲望の分身を叩きつけ続けていた。
「んぶっ!! ぇう!! うぇぇ!!」
 私は満足に呼吸することすら出来ず、苦しみに目を見開いた。必死で羽入の物を吐き出そうとするが、羽入が前髪を掴んで無理やり物を咥えさせているせいで逃げる事が出来ない。
「あぅあぅあぅ!!! 梨花のお口の中、暖かくて柔らかくてとても気持ちいいのですよっ! 梨花も気持ちいいのではないですかっ!? 気持ちいいに決まってるのです! 僕が気持ちいいと梨花も気持ちいいのですよっ!!」

「んんんぅっ!! んぉ……おぶうう!!!」
 気持ちよくなんか無い。吐きそう。息も出来ない。死んじゃう。
 口からあふれ出た唾液が頬を伝ってぼたぼたと落ちていく。
 私は必死で羽入の腰を引っぺがそうと力を込めたが、赤坂を基準に作られた羽入の怪力の前にはびくともしなかった。
「んぉぉ……! うぶぅっ!! おぐっ! ふゥンン!!!」
 苦しい。いや。助けて。お願いだから。
 もう許して。上目遣いに羽入の顔を見つめて、涙を流しながら私は懇願した。もう抵抗する気力もない。私はただひたすら許しを請うように、涙を流しながらすがりつくような視線で羽入を見つめているだけだった。
 しかしそれでも羽入は私の喉の奥を殴りつけるような乱暴な動きを止めようとしない。一突きするごとに漏らす私のくぐもった悲鳴、それを快感として求めているかのように、ひたすら私の口内を蹂躙し続けた。
「ほらほらほらほらぁ!! 梨花ぁ! 気持ちイイのです! 僕はとっても気持ちいいのですよぉ! 気持ち良すぎてちんぽ汁出ちゃいそうなのです!」
 羽入はサディスティックな快感に酔いしれるように恍惚の表情を浮かべていた。
 休むことなく舌の奥に押し付けられる羽入の欲望。私は逆流してきた胃液を飲み込む事も吐き出す事も許されない。唾液は口と鼻から垂れ流されている。
 もう意識は霧が掛かったようにぼやけていた。酸欠からくる苦しみで朦朧とした意識の中で、私の耳に届いたのは悲鳴のような沙都子の声だった。
 私は薄く閉じかけた目で沙都子を見た。沙都子は羽入の分身たちに腕を羽交い絞めにされながら、必死で何かを叫んでいた。泣きながら大声で何かを叫んでいた。
「梨花ぁぁーーっ!!! 梨花ぁあああっ!!!! うわああああああっっ!!!!」
 まるで親に泣きつく子どものように、沙都子は涙を流して私の名を呼び続けていた。
「羽入さんっ! も、もうやめてくださいまし!! 梨花が……梨花がぁぁぁ……!!!」
「はぁはぁ! 梨花ぁ? 聴こえますですか!? 愛しの沙都子が梨花のことを呼んでるのですよ! 可愛く泣き叫びながら梨花を呼んでるのですよっ!!」
「んぶっ……ぉふ……、ざ……ざぼご…………」
 沙都子、ごめんなさい。
 お願いだから今の私を見ないで。
 悲痛な思いは透明な涙となって瞳から溢れ出た。しかしその涙もすぐによだれと鼻水に混ざって消えていった。

「あぅあぅ、今の梨花の顔はとっても可愛いのですっ! あんまり梨花が可愛いので僕のちんぽももう限界なのですっ! 梨花のお口の中にちんぽ汁たっぷり出してあげますから全部ごっくんしてくださいなのですぅっ!!」
 甲高い声で叫ぶように言葉を吐き出した羽入が、一段と強く私の口奥に自らの一部を叩き付けた。
 私の喉に押し付けられたそれが大きく震えて膨らみ上がった次の瞬間、私の口内に勢いよく大量の粘液が吐き出された。
「あぁぁうぅぅ!!! 出てますですぅぅ!! 梨花のお口の中に僕のちんぽ汁が出てるのですぅぅぅっ!!!」
 無遠慮に次から次へと吐き出され続ける羽入の液はあっという間に私の口内を満たし尽くして唇から溢れ出した。
 強烈な臭気が鼻腔を刺激する。私は口の中にたまったそれを本能的に吐き出そうとした。
「おっとっと梨花ぁダメなのですよっ! 僕の真心込めて出してあげたちんぽ汁を吐いたりしちゃ駄目なのですっ!! 全部飲み込んでくださいなのですっ!!」
 羽入は私の口にブツを突っ込んだまま、私の小鼻を指でつまんで塞いだ。
「んンンッ!? んむうううう!!!!」
 鼻口を摘まれ私は呼吸を完全に止められた。必死で首を振ってもがくが、羽入は容赦なく私の鼻を押さえたまま、なおも口の中に濁った液体を排泄し続けた。
「ぶふっ!! うぅぅ!!! んむ!! ぐうぅぅ!!!」
 私は必死で抵抗した。
 嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ。こんなもの飲みたくない。お願いだから許して。
「あぅあぅ☆ 梨花の頬っぺたが真っ赤っかなのです! 膨らんだお口がまるでタコさんのようなのです!」
 私の必死の抵抗も長くは続かなかった。窒息寸前まで呼吸を止められ、もはや私には口の中を満たした羽入の液を全て胃に流し込むほか選択肢がなかった。
 こみ上げて来る吐き気を必死で堪えて、私は口内の液体を飲み下していった。
 羽入は己の吐き出した欲望の塊りを私が喉を鳴らして飲む様を見て、嬉しそうに甲高い叫び声をあげた。
「あぅあぅあぅあぅ!!! どうですか梨花!? とっても美味しいでしょう!! 僕のちんぽから出たお汁は美味しいしょう!?」
 おいしいわけない。臭いし、苦いし、喉に粘りつくような感触は吐き気をもよおすほどに気持ち悪い。最悪だ。

 だが、私は口内に溜まったそれらを全て飲み干した。それを見て、ようやく羽入は私を押さえつけていた手を放した。
「はっ……、ぅう……! ハァ、ハァ……!!」
 地獄のような時間からようやく開放され、私は床に手を着いて荒い息を吐いた。
 四つん這いになって小さく息をする私を見下ろすようにして、羽入は満足げに鼻を鳴らした。
「ふふ、どうですか梨花? 僕のちんぽはうまかったですか? うまかったに決まってますですよね。沙都子の作るお料理なんかよりも、僕のおちんぽ汁のほうが一万倍おいしいのです」
「…………もう、いいでしょ……?」
 私は小さく呟いた。
 自分の口の中から耐え難い臭気がこみ上げて来る。その臭いが嫌でも知らせる。私は汚された。口に生殖器を入れられて、しかもそこから排泄したものを飲み込まされた。
「……ぅぐっ……っ! ぅ……くぅ……っ! もういいでしょ……? もう満足でしょ羽入っ!? さっさと沙都子を放してよっ!!」
 こらえきれない涙が次から次へと流れ出てきた。もう嫌だ。何もかも嫌だ。
 でも、沙都子を守る事ができた。それだけが私にとって唯一の救いだった。
 我慢できる。沙都子のためだと思えば、精液を口から飲まされることくらい何でもない。何でもないんだ。
 そうやって必死で自分を慰めていた私に、羽入は信じられない一言を突きつけた。
「何をたわけた事を言ってるのですか? まだ僕は梨花の初めてを貰ってないのですよ?」
 一瞬、彼女の言っている事の意味が理解できなかった。
 だが、すぐに私自身の顔から血の気が引いていくのが分かった。背筋を冷たい物が走った。心臓を氷の手で握りつぶされたような感じがした。
 油の切れた機械のようなぎこちない動きで振り向いた私の目には、股間から生えた巨大な突起物に手を添えた羽入の姿が映った。
「な……にを、言って…………」
「もちろん梨花は初めてですよね? 安心してください、僕が優しくしてあげますですから。さあ、自分でおまたを開いておねだりするのですよ。『ボクをお嫁に貰ってほしいのです~』と言った感じで☆」
 次の瞬間、私は素早く床を足で蹴って逃げ出そうとした。
 だが、いつの間にか私の後ろに回りこんでいた羽入Bと羽入Cによって両腕を掴まれてしまった。

 それでも必死で逃げ出そうと足を動かしたが、私の短い肢体では無様に空中でステップダンスを踊るのが精一杯だった。
「いやあああああっっ!!!! 冗談はやめなさい羽入っ!! ほ、本気で怒るわよ!! やめなさいっ!! いや……嫌ぁ……、やめてえええええええええ!!!!」
「子どもみたいに泣きじゃくる梨花もとっても萌え萌えなのです☆ だからもっと泣かせてみたいのです。羽入Bと羽入C、梨花が暴れないように足をしっかり押さえておいてくださいなのです」
「はいなのです☆」
「なのです☆」
 羽入の命じた声に羽入そのものの声で答えて、羽入Bと羽入Cは私の足を痛いくらいにがっしり押さえ付けた。
 私は赤ちゃんがおしっこをさせられるときのような格好で体を丸ごと抱え上げられた。
 その私の下股に、羽入は自分の下腹部から伸びた物を向けた。
 私の股間に着き付けられたそれは、私の未成熟な体に対してあまりにも不釣合いに大き過ぎた。羽入が今からそれをどうするのか、考えただけで私は体中からふき出す冷たい汗を止められなくなった。
「最初はほんのちょびっとだけ痛いかもしれませんが、きっとすぐに気持ちよくなるのですよ☆」
「やめて……、お願い羽入……、やめて…………!」
 恐怖心が感情の全てを覆い尽くしていた。泣き叫ぶ気力も湧いてこなかった。私は震える声で小さく言葉をこぼすのがやっとだった。
 だが、私の願いは聞き入れられなかった。
「やめないのです。えいなのです☆」
 羽入の声は、私には途中までしか聞こえなかった。いきなり、弾けたように目の前が真っ白になった。
 一瞬後、凄まじい激痛と共に視界がよみがえった。
「っっ゛アアアアア゛あああああああああああああああああああ゛!!!!!!!」
 痛い!!! 痛い!!! 痛い!!! 痛い痛い痛い痛いぃぃぃ!!!!!!
 私は肺にある空気の全てを吐き出して悲鳴を上げた。激痛という言葉すら生易しく聞こえる激痛が私の体を襲った。
 ナイフで貫かれてもこれほどまでに凶悪な痛みはないだろう。丸い鉄の棒で肉体を押し潰されるような鈍い激痛が、電流のように私の全身を暴れまわった。
「あぅぅぅっ!!! 梨花のなか狭すぎなのですぅ!! 狭くてきゅうきゅうして気持ちよすぎるのですぅぅ!!!」
 羽入が恍惚の表情で叫ぶ。だが私には聞こえない。全身を痛覚だけが支配していた。視界は真っ赤に染まっていた。耳に音など届くはずもない。
 体中がばらばらになりそうな激痛に対して、私は泣きながらただあらん限りの声で叫ぶことしかできなかった。
「う゛アアア゛!!! 羽入ゥゥ゛!! 抜いで!!! お願い゛ィィ゛!!!! イダイの!!! すっごく痛いのぉぉぉっ!!! お願い゛ィィィィ゛!!!!」
 私は頭を左右に振って、狂ったように悲鳴を上げた。必死で痛みを訴えた。

 やめて。お願いだからもうやめて。今すぐ私の中に入ってる物を抜いて。死ぬ。本当に死んじゃう。痛くて、痛すぎて、死んじゃう。
「ん~? でも梨花。まだ僕の巨大ちんぽは梨花の中に半分も入っちゃいないのですよ? この程度で痛がってては先が思いやられるのです。まっ、なるべく痛くないように一気に根元までブチ込んであげるので、もう少しだけ我慢してくださいなのです!」
 頭に銃を突きつけられた状態で今から引き金を引くぞと宣告されても、今の私ほどの恐怖は感じずに済むだろう。
「や、やめでぇぇぇぇ゛……、もう許し…………」
「では思いっきりイきますよぉー。えーいなのです☆」
 ぢゅぐり、肉の裂ける音が私の鼓膜に届いた。腹を内側から殴打される感覚と同時に、全身を真っ二つに引き裂かれるような激痛が私の脳髄を焼いた。
 そのとき私のあげた悲鳴はもはや人のものではなく獣の叫び声に聞こえたことだろう。
 体の感覚はすでに痛覚以外に何も無かった。死ぬ程の痛みが次から次へと際限無く湧き上がってきた。
「梨花ぁぁああああ!!!! 梨花ぁあああ!!! あああああぁぁぁっっ!!!!」
 遠くで沙都子の声が聞こえた気がした。
 もう私の意識はほとんど飛び掛けていた。
 まるで壊れたテレビが点いたり消えたりを繰り返すように、私はあまりの激痛に意識を失いかけては、その激痛のせいで意識を取り戻し続けていた。
 気絶することも許されず、地獄の中でずっと腹を切り裂かれ続けた。
 いつの間にか、さっきまで羽入であったはずのモノが鬼に見えてきた。
「あぅっ! あぅっ! あぅぅぅぅっ!!! 梨花の中めちゃめちゃ気持ちイイのです!! 梨花のおまんまんが僕のちんぽっぽを痛いぐらいに締め付けてくるのですっ!! もう腰が止まらないのですよぉぉぉっ!!!」
 私の内側に突き入れられた物が乱暴に前後するたびに、私は肉をカンナけずりで削ぎ落とされるような激痛に襲われた。
「ア゛……ああ゛……ぁぁ゛…………」
 もう声を上げることすら出来なかった。
 羽入が気持ちよさそうに腰を叩きつける。そのたびに私は裂けた傷跡を撫でられる激痛から体をでたらめに痙攣させた。
 びしゃ、びしゃ、びしゃ、赤黒い液体がこぼれ落ちて床を汚している。
 血が出ていた。私のお腹の下から、凄まじい量の血が溢れ出ていた。
 羽入の腰元もどす赤く染まっていた。しかし、それでも羽入は動くのをやめてはくれなかった。
 胃が絞まるような感覚の後、突然私は吐いた。
「ぅ……ごぼっ!! がぼっ!!!」
 ぼたぼたぼたぼた、胃から逆流してきた物が私の口から床に垂れ流された。私の下した胃液にはさっき飲み込んだ白濁液が混ざっていた。
 私はお腹が針金で締め付けられるように猛烈に痛むのを感じた。自由に呼吸をすることも難しくなってきていた。

 羽入はそんな私を見て心底嬉しそうに笑い声をあげた。
「あぅあぅ☆ 気持ちいいですか梨花? 気持ちいいですよね!? 僕はとっても気持ちいいです! よって梨花ももっともっと気持ちよくしてあげますですよ。羽入B、梨花の後ろの初めてを貰ってあげなさいなのです」
「あぅ☆ 了解なのです!」
「あぅ~! 羽入Aと羽入Bだけずるいのです! だったら僕は梨花のお口をいただくのですっ☆」
 両腕の拘束を解かれ、私の体は力なく地面に崩れ落ちた。
 その私の体を羽入の分身が後ろから掴んだ。直後、ほとんど感覚を失いかけた下半身にもう一度激痛が走り、肉を裂く音が響いた。
 私は潰れた声で悲鳴をあげた。開いた私の口に、また羽入の巨大な突起物が押し込められた。
 沙都子の声も、もう耳に届かなくなってきた。地獄の時間はそれからずっと続いた。


 熱い。すごく熱い。血が出てるんだってわかる。お尻の穴から、おしっこの穴から、いっぱい血が出てる。
 びしゃ、びちゃ、て音が鳴った。私の裂けた股から出た血が床にこぼれ落ちる音だ。
 下半身だけじゃなくてお腹も熱くなった。お腹の中に熱湯がたまってるみたいに熱くなった。お腹にあったものを吐き出した。びしゃびしゃびしゃ、すごい量の何かが口から出た。その液体は赤黒い色をしていて、鉄のような臭いがした。
 私が吐いたものはぜんぶ血だった。きっとおなかが破けたんだ、そう思った。
 それから、同じように何度も血を吐いた。裂けた股からも血があふれ続けた。
 3人の羽入はずっと私の体に自分の体をぶつけ続けた。
「……かふっ……ひゅぅ……ひゅぅ…………」
 ボールから空気が抜けるような音がきこえた。
 それは私の口から出てる音だった。肺から漏れた空気が出て行く音だった。
 出ていくばかりで、ちっとも入ってはこなかった。
 そういえば、さっきまで熱かったお腹や股がちっとも熱くなくなっていた。逆に水に漬かったように冷たくなっていた。
 よく見るともう血も出ていなかった。







 私はしばらく眠っていた。いや、気を失っていたと言った方が正しいだろう。
 目覚めた時に、私のそばに羽入はいなかった。
 代わりに、誰か別の人間の声が聞こえてきた。
「梨花っ!! 梨花ぁぁ!!! しっかりして下さいまし!! いやぁぁぁ死なないでぇぇ!!」
 沙都子の声だった。沙都子が私の体に寄りすがりながら、必死で私の名前を呼び続けていた。
「梨花ぁ! 返事をしてくださいませ! すぐ監督をお呼びしますから! すぐに病院に行って見てもらえばきっと大丈夫でございますから!!」
 よかった。無事だったのね。沙都子。
 そうだ。私は沙都子を守ったんだ。沙都子を守り抜くことが出来たんだ。
 あなたが何事もなくて、本当によかった。それだけで私は満足だから。
「……さ……とこ……」
「梨花……? 梨花っ!? 気がついたのですわねっ!? よかった! 私、梨花が、ひぐっ……死んでしまったのではないかと……えぅ……っ!」
 そう、心配してくれたのね。ありがとう沙都子。
「……沙都子…………」
「え? なんですの梨花……? 今は無理にしゃべらなくても結構でございますわよ……。お話なら後でいくらでも…………」

 沙都子……

「ごめんなさい」


「梨花? ……り、梨花っ!?」
 沙都子が私を呼ぶ声が聞こえる。その声は、どんどん遠くなっていった。
 目の前に沙都子がいたはずなのに、もう私には何も見えなかった。沙都子の声も、何も聴こえなくなった。

「梨花ああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!」





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最終更新:2010年03月05日 22:39