誕生日裸祭り事件・前編


「をーっほっほっほ!をーっほっほっほ!最高の気分ですわぁーーーーーー!!!」
「あははははははは!レナとっても楽しいよ?あははははははは!」
「おじさんは脱いでもすごいんだよー?あひゃひゃひゃ!!!」
「みぃ♪・・・でもちょっと寒いのです」
「皆さんやりますねぇ。私もそろそろ本気を出しましょうか~?」

毛糸の帽子を被り、コートにマフラーまで巻いて高笑いをする沙都子。
体操着に制服のスカートといういでたちで
ぴょんぴょん飛び跳ねてはシャドーボクシングをするレナ。
セーラー服にベスト、スカートの下からジャージを覗かせてボーズを取る魅音。
シュミーズにジャージのズボンを履いてちぢこまっている梨花ちゃん。
スクール水着の上にカーディガンとパンストを着けて不敵に笑う詩音。
トランクスに靴下片方だけの俺。


なぜこんなことになったのかというと・・・。




今日は沙都子の誕生日だ。
そこで、梨花ちゃんの家に集まって誕生日パーティーを開くことになった。

詩音が沙都子を連れ出している間に、(俺以外の三人で)料理をし部屋を飾りつけ、
プレゼントを運び込んで準備を整えた。


例によって内緒にされていた沙都子は、部屋に一歩入るなり涙ぐみ・・・
それをぐっとこらえて、「皆さん、ありがとうございますですわー!」と健気に言ってくれた。


プレゼントを渡し、食事を済ませ、
ゲームを始めてしばらくは普通に楽しく過ごしていたのだが・・・。
ゲームを小休止して、お菓子をつまみながら他愛ない話をしている時、俺はグラスの中身に違和感を覚えた。
入っているのは普通のりんごジュース・・・のはずだが、
微妙に苦く、頭がふらつくような感じがする。
もしかして・・・。
俺は周りを見た。


みんな相変わらず楽しく談笑している。
――――が、よく見ると、レナはさっきから笑いっぱなしだし、魅音はいつもに増してオーバーリアクションだし、沙都子は上気して目の焦点が合ってないしで、いつもと変わらないのは梨花ちゃんと詩音ぐらいだ。
いや、梨花ちゃんはすっかり大人っぽい素の口調に変わってしまっている。
詩音は・・・いつの間にか俺のグラスに飲み物を注いでいた。
俺の視線に気づくと、詩音はにやりと笑った。
「圭ちゃん、美味しいでしょう~?このジュース」
お前かー!!!

詩音はさっさと俺から離れて他のみんなにも注ぎに行った。




魅音が部屋の中央に進み出る。
「じゃ、みんなー!盛り上がったところで、本日のメインイベントいってみよー!!!」
沸きあがる歓声。
「心の準備はいいかな~?最後の種目は!!何と!!
大晦日のテレビを飾る古典的にして華麗なる競技!!その名も・・・『野球拳』!!!!!」

な、何だってー!!?
このメンバーで野球拳。
となると、勝てば双子の巨乳もレナの尻も梨花ちゃんのつるぺたも沙都子のスジも拝み放題ですか旦那ー!!!
オラ、生きててよかっただーーー!!!

「みんなー!異議はないねー?」
当たり前だー!!!と俺が答える前に、レナと沙都子が叫ぶ。
「はうー!レナはいつでも準備OKだよ!だよ!」
「をーっほっほっほ!わたくしに苦手な競技はありませんわー!!」
普段なら反対するはずのこの二人の良心も、アルコールですっかり飛んでしまったようだ。
詩音が魅音に向かって親指を立てる。親指を立て返す魅音。



「衣装はいくらでもあるからねー!」
魅音が隣の部屋から荷物を引っ張ってきた。
中には、制服や体操服や、帽子に手袋にマフラー、コートまであらゆる種類の衣装が揃っていた。
「負けたら脱ぐのは当然だけど、勝ったら一枚着ること。全裸になったらおしまいだからね!」

なるほど。あの大荷物はこれだったのか。
魅音と詩音がやけに沢山の荷物を抱えていたので、小雨の降る中、
俺とレナはここまで運ぶのを手伝うはめになった。

幸い今日は、昨日からの雨でかなり涼しくなっている。
これなら多少着こんでも大丈夫だろう。
――――最初からこういう計画だったのだろう。


もちろん、こんな勝負なら俺にも異議はない。
男の俺には最後の一枚以外は大した抵抗も無いから、他の五人よりも有利だ。いひひひひひひ。
などとほくそ笑む俺を、梨花ちゃんがじっと見詰めていた。
「にぱー☆」
きっと全部読まれてしまったんだろうな・・・。

「いいわよ。イレギュラーは大歓迎だし。――圭一脱がしてみるのも楽しいわね」
いつの間にか大人の表情になって含み笑いをする梨花ちゃん。
酒のせいか、かすかに赤く染まった頬と潤んだ瞳が色っぽくて、いやが上にも期待は高まるのだった。




「野球~す~るなら!こういう具合にしやしゃんせー。アウト!セーフ!よよいのよい!」
みんな一斉に拳を突き出し、戦いの火蓋は切って落とされた。

俺は順調に勝利を重ね、順調に着膨れしていく。

「よよいのよい!」

チッ・・・。俺の一人負けか。
まあいい、これだけ着てりゃ一枚くらいどうってことはない。涼しくなっていいぐらいだ。
「ちょっと待った、圭ちゃん」
上着を脱ごうとした俺を魅音が引き止める。
「うちの『野球拳』は、敗者が一人だった場合、特別ルールが適用されるんだよ」
そうなのか――って、みんな、何手をわきわきさせてるんだ!?
何だか強烈に嫌な予感がするんですけど!?

「一人負けは、みんなに一枚ずつ脱がされるのですよ。にぱー☆」
「心の準備はできた?け・い・ちゃ・ん?」
いやらしい笑みを浮かべつつ、みんなじりじりと俺を取り囲み・・・。


「はうーーーーー!!!!!」
レナの雄叫びを合図にみんな一斉に襲い掛かる。
「覚悟なさいませー!!!」
「みーーー♪」
「あっひゃっひゃ。口では嫌がっても体は正直よのう?」
「やっぱり靴下ですよね~。感度はいいのかなぁ?」
「うへへへ、止めてください詩音さま。いやあのかわいそかわいそじゃなくて」

剥がされるついでに頬擦りされたりなでなでされたり足の裏をくすぐられたりとそりゃもう大騒ぎだ。



――――で、冒頭に戻る。



「よい!!!」
「うぎゃー!!!!!」
沙都子の悲鳴が響き渡る。
みんなはチョキ、沙都子はパー。

「ふっふっふ。沙都子ぉ~。俺の恨みを思い知れー!!!」
「はうー。沙都子ちゃんも脱いだほうがかぁいいんだよ!だよ!」
「帽子があると、なでなでしにくいのです。にぱー☆」
「暑いよね~?今すぐおじさんが楽にしてあげるよー!!」
「もう、こんなに汗かいちゃってるじゃないですかー?ねーねーがフキフキしてあげますよ~?」


「きー!!もう負けませんことよー!!!」
それでも、体操着とブルマ姿の沙都子にはまだ余裕があった。俺に比べて。




「よいッ!!!」
「はうーーー!!!レナの一人勝ちぃ!!!何にしようかな?かな?」
一人勝ちの特権は、みんなの脱ぐ物を指定できること。

レナは真っ先に梨花ちゃんに目を止めた。
「梨花ちゃ~ん。ズボン脱いでくれるかな~かな~」
梨花ちゃんに擦り寄っておねだりするレナ。完全にスケベオヤジだ。
「みぃー・・・」
ズボンの下から梨花ちゃんの細くて白い足が現れた。よし、もう少しだ(何が)。
沙都子はブルマを脱がされ、憤慨しながら体操着のすそを引っ張っている。
「屈辱ですわー!!!」
「はぅうううううううッ!!!梨花ちゃんも沙都子ちゃんもかぁいいよーーーーー!!!!!」

レナはひとしきり騒いだ後、魅音のベストと詩音のスク水を取り上げた。
カーディガンの隙間から詩音の胸の谷間を楽しんだのもつかの間、俺は最後の獲物としてレナの判定を待った。

靴下か、トランクスか。
いつものレナなら・・・いや、いつものレナはこんな勝負はしない。

レナは改めて俺を上から下まで眺めた後、神妙な顔になり・・・。
「圭一くん・・・。脱いでくれるかな・・・かな?」
そこまで言うと、いきなり赤面した。
あれ?酔いが醒めたんだろうか・・・と思う間も無く、レナは顔を崩して、

「トランクス!!!!!!」

と高らかに叫ぶ!!!!!



仕方なく、俺はトランクスに手を掛ける。
みんなの視線が熱い。
詩音や梨花ちゃんまで赤くなっている。


――――くっくっく。

甘い!甘すぎるぜみんな!!
伊達に部活で鍛えられちゃいねえ!!!

熱い期待に応えてトランクスの下から現れたのは・・・ブルマ!!!!!
みんなの驚きを俺は爽やかに笑い飛ばす。

「ん~?トランクスの下に何も履けないってことはないだろう~?」
「あ・・・あははは。こりゃおじさん一本取られたねぇ」
「はぅーん・・・」
捨てられた子犬のような目で俺の股間を見つめるレナを梨花ちゃんがなでなでする。
期待に答えられなくて悪かったなレナ。



「では、改めて勝負ですわー!!!」
試合再開。
闘志(脱衣への執着)を赤々と燃やしつつ、再びこの場は戦場となった。





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最終更新:2007年10月14日 11:49