…梨花ちゃんと口付けをして肌を触れ合った日から数日がすぎた。
あれから、みんなの前では梨花ちゃんは前と同じように俺に接してくれる。
魅音もレナもそれに安心したようで部活も大いに盛り上がっている。
時々、レナが梨花ちゃんに何かささやくたびに、真っ赤になる梨花ちゃんを見て
少々不穏なものは感じているのだが…

「おっしゃ!!これで今日は俺の勝ちだな!!」
大富豪で革命を起こし一気にトップに躍り出た俺はそのままトップを維持し、
勝利をもぎ取った!めずらしく今日の罰ゲームは魅音だ。
「さて、魅音。今日負けたらメイドさんの格好をして
 校長先生の頭をなでにいくんだったよなぁ…」
「にぱー。
 きっと魅ぃはエリアルコンボをくらって星になってしまうのですよ
 かぁいそかぁいそなのです」
「おーほっほ。
 残念でしたわね、魅音さん。さて、覚悟を決めてくださいまし」
わいわいと罰ゲームに決定した魅音を攻め立てているうちに、
さりげなく梨花ちゃんが隣に立つ。
周りの皆にあまりばれないように、としているつもりみたいだけれど
梨花ちゃんは以前にもまして甘えてくるようになったと感じる。
俺は、こんなときはまず梨花ちゃんの頭に手を置いて髪をなでてやることにしている。
梨花ちゃんもそれを望んでいるようで特に抵抗されることもない。
ただ、今日はいつもとちょっと様子が違った。
何かを言おうとしてこっちをみたまま必死で口をぱくぱくとさせてくる。
俺はちょっと首を傾げつつ、梨花ちゃんの次の言葉を待った…

「あ…あの…圭一…、今日の放課後、時間はありますですか?」
私は何度か声にならない声を出しての予行演習の後、思い切って声を絞り出す。
今日は私の炊事当番だ。だから買出しは私の仕事。
それに事前のレナからの情報で今日圭一の両親は留守とのこと。
だから、きっと大丈夫。なんども心に言い聞かせる。
どうにも先が見えなくなってから私はひどく臆病になってしまったかもしれない。
とても楽しみで、どきどきして、でもとても不安なのだ。
断られたら…、と言う不安と。一緒に行けたら…という期待と。
両方の思いを込めて圭一を見つめる。
「いいぜ、どうせ今日は帰ったらすることもないしな。
 学校から直行するのか?」
「は、はい…なのです。よ、良かったら圭一の分も作るから一緒に…」
「ん…夕飯までご馳走になるのは悪いけど…いいのか?
 ちょうど今日は俺一人だから好都合ではあるんだけどな」
圭一が何かを思い出したのかちょっと恥ずかしそうにぽりぽりとほほを掻く
「にぱー。
 さ、沙都子と羽入も一緒の予定なのです。みんなで仲良く食べるのですよ」
本当は二人っきりの方が都合が良いのだがその場合は私の心臓が持ちそうにない。
二人っきりで食事を作ってなんてまるで夫婦…。
まてまてまて、何を考えてる古手梨花。羽入も沙都子も一緒。だからそんなことにはならない!
だから静まれ、この頬の熱…!沙都子や魅音に気が付かれる!
真っ赤になったまましばらく圭一の手の感触に幸せを覚えるのだった…

梨花ちゃんからのお誘いに正直俺は驚いていた。
今日は両親がいないから買い置きの豚骨しょうが味のカップラーメンで
済ませようと思っていたところだった。
もしかしたら、レナあたりからの差し入れには期待していたが梨花ちゃんからの誘いは
ちょっと意外だった。
部活メンバーと別れ、二人で買い物に行く。
そして梨花ちゃんがやっぱり村の人気者なのは代わらない。
俺は荷物持ちに専念。梨花ちゃんは村の中で買い物をおこなうとサービスが多い。
俺と言う荷物持ちいるからか、遠慮なくいろいろと持たせてくれる。
本来の買い物より多いんじゃないか…これ…
「梨花ちゃん、相変わらず人気者だな」
「…どうせ、みんな古手梨花としては見ていないのです」
「え…?」
「みぃ、なんでもないのですよ。
 圭一早く次いくのです」
梨花ちゃんに促されて足を速めたのにあわせて歩いていく。
でも、さっきの言葉が心に引っかかった。
そしてすぐに思い当たることがある。
梨花ちゃんは村の人にもともと好かれる「オヤシロさまの生まれ変わり」だと。
「村の連中がみんなそんな目で見ているわけじゃないだろ。
 少なくても俺やレナ、魅音や沙都子はオヤシロさまの生まれ変わりだ、
 なんて特別扱いする気はないからな」
頭に手をのせてゆっくりと撫でて行く。
少々不満そうな目線で見上げられるが、抵抗する気はないらしい。
此処最近の梨花ちゃんをみていると女の子なんだといっそう意識する。

そういえばコレって梨花ちゃんと二人きりで買い物って…
「これってデートみたいだよな…」
言葉にして体がかっと熱くなる。二人っきりで村の中の店を回ったわけだから
宣伝しているのも一緒と言うことで…。いや、考えすぎだ前原圭一。
梨花ちゃんの面倒を見ている前原屋敷のせがれ…くらいのものだろう。
見れば梨花ちゃんも真っ赤になって抗議の視線を向けていた
「け、けけけ…圭一っ、な、ななんてことを言うのっ!
 で、でも、圭一となら…嬉しいのです…」
梨花ちゃんが体をぴったりと寄せてくる。
梨花ちゃんの感触にこの間のことを思い出しさらに真っ赤になる。
「さ、さあ、もう買うものはないのか…?」
「あ、ま、まだあるのです…」
さらに、二三件回ったところで買い物は終了となる…。
「おんやぁ…梨花ちゃま。今日は将来の婿殿といっしょかえ?」
そんなことを言われて二人して硬直したのだが。

…時々私は馬鹿じゃないかと思う。
せっかく圭一との仲はひっそりと深めていこうと計画していたのに、
こんなに目立つことをすれば村のうわさになるのは当然ではないか。
村の皆への不満はやや八つ当たりだった。
ただ、その後に圭一が頭をなでながら話をしてくれる。
言われなくても感じていることだったが、口にしてくれるとなお嬉しい。
「これってデートみたいだよな…」
この言葉はそんな嬉しさに心に隙が生まれた瞬間に届いた。
頭が真っ白になるのと同時に一気に混乱が押し寄せてくる。
「古手梨花」を演じられないほどに心がざわめく。
つまりつまり、デートを皆に見られている、というかむしろ宣伝していると言うか。
思わず時を止めて圭一とともに全力で逃げ出したいとさえ思う。
そんな思いをこらえるように思い切り圭一にすがりつく。
買わなければいけないものはまだあるのだ。
自分の体がにげないようにと、しっかり圭一の体を感じつつ
その香りに幸せをかみ締めていた

……帰ってきて、私は完全にしてやられた、と思った。
仕掛けの犯人はレナだろう。
…実はレナにはすっかり私のことはばれているようだ。
レナほど鋭くて頭の回転が速ければ私の行動の意味などはばればれだろう。
そもそも、圭一を私の家に送り込んだのがそもそもレナだったこともある。
今日のこの状況からしてもレナはどうやら私を応援してくれているらしい。
「予定外で困るのです…」
帰ってきて返事がないのを不思議に思ったのが第一。
つづいてテーブルの上に置手紙。沙都子の筆跡で書かれていた内容は以下の通り。
「レナさんにお呼ばれしましたの。羽入と一緒にお食事して参りますわ。
 梨花もよろしければいらっしゃいまし。
 必要がなければ自分で作って食べてくださいな」
羽入も一枚噛んでいるとみて間違いはない。
…この恥ずかしさはどうしてくれようか。後で激辛キムチでも準備しよう。処刑用で。
圭一と二人きり。
考えれば考えるほど顔から火がでそうなシチュエーションだ。
今こうして食事を作る間にもこの心音が聞かれているのでは、とすら思ってしまう。
ちらり、と視線を送ると圭一も私の方を気にしてくれていたらしい。
目が合ってしまい、あわてて目をそらす。
圭一も二人きりの事を意識してくれているんだろうか…。それとも平気なんだろうか…。
緊張でいつもの倍くらいの気合と時間をかけて料理しながら、不安と期待を心に抱いて、
食事の準備を続けていく…


…正直梨花ちゃんと二人きりになるとは思わなかった。
「落ち着け、クールになれ、前原圭一。
 此処には食事をしに来たんだ。梨花ちゃんを襲うために来たんじゃないだろ」
梨花ちゃんと二人きり、というシチュエーションが否が応でも前回の記憶を引き出す。
あのときの感触を思い出すとどうもこちらから襲い掛かってしまいたくなる。
梨花ちゃんが制服のままエプロンを付けている姿はかわいい。
そう、幼な妻が夫のために健気に食事を作るときの魅力とでも言おうか。
お盛んな夫婦が朝食をつくっている奥さんを襲うきぶんというのはこんな感じだろうか。
そして今この場所は梨花ちゃんが寝泊りしているところだと改めて意識をする。
なにもしないでじっとしている、というのもどうにも性に合わない。
「なぁ、梨花ちゃん。俺にも手伝えることは何かないか?」
「みー、圭一に料理を任せるのは怖いので食器を準備してもらえますですか?
 そこの棚に入ってますですから」
「よっしゃ。任せとけ!」
来客用なのだろう。あまり使われている様子はないがきれいに拭かれている食器を準備する。
「そこにおいてくれると助かるのです。今煮物をそこにもりつけますから。
 盛り付けたらもって行ってくれると助かるのですよ」
そんなやり取りを行いながらできたものから順番にテーブルに運ぶことにする。
体を動かしていたほうがいろいろ考えなくて良い。
そして、今日のメニューがそろっていく・・


圭一に配膳だけを手伝ってもらい、今日の食事の準備が完了した。
「お待たせしましたですよ。いっぱい食べてください、なのです。にぱー」
「おう、それじゃ、遠慮なくいただくぜ」
私は圭一が食べ始めるのを座ってじっと見つめる。
失敗はしていないはずだ。だからきっとおいしいはず…。
期待と不安と交えつつ圭一が食べるのを待つ…。
味噌汁、煮物、ご飯…と一通り口にした圭一が笑顔を見せてくれる
「さすが梨花ちゃんだな。ちょうど良い味になってるぜ?
 梨花ちゃんも食わないと俺が全部食っちまうぜ?」
「みー。ボクもちゃんと食べるのですよ。
 圭一があまりにもおいしそうに食べてくれるので嬉しかったのです」
圭一の笑顔に鼓動の高鳴りを確認しながら、笑顔で返す。
「ボク」に比べてかわいげのない「私」は圭一の前ではできるだけ控えるようにしている。
普段圭一が見ているのは「ボク」だ。
だから「私」を全面にだすようになればきっと嫌われる。
部活のメンバーとの食事のときのようなにぎやかさはない。
いつもと比べて圭一も私も口数は少ないのだけれど、どこか暖かい。
圭一も緊張してくれているのだろう。顔が赤かったり、動きがぎこちなかったりしている。
その様子をみて、ちょっと安心している自分が居る。意識しているのは私だけではないんだと。
ちゃんと私を女としてみてくれているんだと。
そう思うと頬の熱の高まりと共に安心感が胸のなかに沸いてくる。
沙都子が帰ってくるまで、もう少し圭一に甘えたい、と思う…。


「ふぅ…ごちそうさま。美味かったぜ」
…食事の味は実際にはあまり覚えてなかった。
隣にいる梨花ちゃんの事を意識していることの方が大きかったからだ。
そんなことを言ったら悲しませるので言うことはないが。
「お粗末さまでした。なのです」
俺が空になった食器を運ぼうとすれば、梨花ちゃんはボクがやるのです、といってさせてくれなかった。
仕方がないので、てきぱきと梨花ちゃんが片付けていく様子を見ることにする。
どことなく動きが硬い気がするのは気のせいだろうか…。
しばらく台所の方で動き回っていた梨花ちゃんは食後のお茶を準備していたらしい。
二人分のお茶をテーブルに置いてくれたその後、無言でぴったりと俺に擦り寄って…。
「り、梨花ちゃん…?」
「け、圭一……あの……」
ごく、とつばを飲み込む。梨花ちゃんの香りが俺の鼻腔をくすぐる。
梨花ちゃんが真っ赤になりながらこちらを潤んだ瞳でじっと見つめてくる。
こういう目をするとき、梨花ちゃんが何を求めているか、察した俺は小さな体を抱きしめながら、
梨花ちゃんの唇へと口付けをする。

……あれ以来、梨花ちゃんは二人きりになったとき、よくキスを強請って来る。
梨花ちゃんと触れていたい俺としては好都合なので断ることもない。
唇を絡ませるような深いキスの方が好きなことを知っている俺は、
唇を舌でつついてやり、梨花ちゃんの口内へと舌を差し入れていく。
互いの唾液を交換するような舌の動きをするほどに、
梨花ちゃんとつながっていくような気がする。
最初に肌を重ねたときのようにまた、梨花ちゃんの胸へと手を当てる。
前回と違うのは制服の上にエプロンがある、と言うことだ。
「梨花ちゃん…、触ってもいいだろ…?」
「きょ…今日は沙都子がいつ帰ってくるかわからないの…です。
 本当は圭一の好きにされたいのですが…」

プルルルルル… プルルルルル…

抱き合ったまま沙都子が帰ってきたときのようにびくっと体を振るわせる。
突然の電話に狼狽したまま梨花ちゃんが慌てて離れ、
顔を赤くしたまま電話に出る。


「…は……え…、じゃ…ちょ…」
なにかいろいろと話しているようだが此処からはよく聞こえない。
口調からすれば部活メンバー、もっといえば沙都子のようだが…
しばらくの時間が相手からゆっくりと梨花ちゃんが帰ってくる。
うつむいていてどこか元気がないように見える…
「どうかしたのか?梨花ちゃん…」
「け…圭一…あの…良かったら今日泊まって行きませんですか?」
どきん、と胸が高まる、いやいや、落ち着け前原圭一。
今日は沙都子が帰ってくるんだろ、だからそんなことにはならない。
深呼吸をしてから改めて問い返す。
「お、俺は嬉しいけど、いいのか?沙都子も帰ってくるだろうし」
「そ、それが…、沙都子は今日レナの所急遽泊まるって今電話が…
 なので…圭一さえよかったら今日泊まって行って欲しいのです…
 そして…」
ぺたん、と梨花ちゃんが俺の前に座る。
うつむいていた表情がここではっきりと見える。
真っ赤になっているが、上目遣いで瞳を潤ませて居る。
ゆっくり緊張しながら梨花ちゃんの体を引き寄せて抱きしめる。
「梨花ちゃん…良いんだよな…?」
「…圭一以外には許したくないのです…、
 そ、それと…二人きりの時には……り、梨花…って呼び捨てにして欲しい。
 みんなの中でわた…ボクだけ呼び捨てじゃない…ですから」
抵抗されることなく俺の腕の中にすっぽりと梨花ちゃんが納まる。
此処が自分の指定席だと主張するように服をしっかりとつかんで離さない。
「わかったよ。梨花…でいいか?
 なんかちょっと気恥ずかしいな」
俺は恥ずかしさをごまかすために梨花ちゃんに口付けをすることにした…。

……レナはどこまで私に不意打ちをしてくれれば気が済むんだろう。
圭一の腕の中でその体温を感じる幸せに浸りながら、ぼんやりと考える。
今夜は二人きりで泊まっていって、なんて、どこかのドラマみたいな展開だ。
実際に言ってみて、やっぱり恥ずかしかった。
そして、圭一との距離をもっと縮めたくて、ぼんやりした頭で名前だけで呼んで欲しいと強請る。
あまりにもボーっとしていて思わず呼び方を間違えそうになってしまう。
でも、圭一のはずかしそうな表情を間近で見ることができた。
うれしい、と感じる間もなく唇を圭一に奪われる。拒む要素はない。
圭一との口付けの甘さに頭の中がさらに融けていく。
「ボク」の仮面はヒビだらけだ。嫌われるかもしれない、と思っても感覚に逆らうほうがつらい。
さっきの続きを体も心も求めている。
圭一の手が胸に触れた。一度経験はしていてもやっぱり不安はある。
沙都子にばれないようにと何度も自慰をして求めた手。
片手で圭一にしがみつきながらも、求めるように手を重ねる。
どきどきと心音だけで壊れてしまいそうな身体。
「…圭一、私を、圭一だけのものにして…。他の誰の物にもしないで…。
 そして、圭一も私から離れないで…」
圭一のぬくもりを無くすのが怖い。
そんな私に圭一はぎゅっと抱きしめてくれた。
より体が熱を持つ。熱くて、とても心地良い…
「…離すわけないだろ。梨花ち…梨花はずっとつらかったんだろ。
 だったら、俺が居てやる。俺だけじゃない、沙都子やレナや、羽入、
 魅音や詩音だって梨花と一緒に居る。きっと、だ」
目を閉じれば圭一の雄姿が目に浮かんでくる。
この圭一は持っていないはずの記憶。大人たちやお魎にも一歩も引かなかった姿。
圭一に服を脱がされていく感触がする。
「いいんだよな…?」
圭一の声がちょっと震えている。顔をみればきっとまた、真っ赤になるだろう。
だから、目を閉じたまま、こくん。とうなずいた。
エプロンも取り外され。胸が空気にさらされる感触がする。
そして素肌に圭一の手が触れる。ぞくっと背中に何かが走る気がする。
自慰の時に思い出しても、再現はとてもできなかった、圭一の手がそこにあった。


梨花ちゃんを腕の中に抱える密着状態で白い肌を暴いていく。
梨花ちゃんとこんな関係になるのを想像していなかった数日前。
目の前の梨花ちゃんを愛しく思う気持ちはここ数日で何倍にも膨れ上がっていた。
「いいんだよな…?」
理性で抑えられるぎりぎりのところで最後の確認をする。
けれど梨花ちゃんは抗わない。
こくん。とうなずいたのを確認してその白い肌に手を這わせる。
こうして抱きしめていると緊張しているとかがちょっとだけ伝わってくる。
まだ未成熟だけれど、確実に存在するやわらかさを手で感じる。
俺はこの白い肌に俺だけの証を残したくなり、胸元に痕が付くくらいに強く吸い付いた
「つっ…」
梨花ちゃんの肌には刺激が強すぎたのかびくっと身体が震えたのがわかった。
それでも、抵抗が無い事を良い事に梨花ちゃんの肌への何箇所にも
口付けを落としていく…
「や…圭一…そんなに吸わないで、お風呂に入ってないから汗臭いでしょ…」
「そんなこと無いぜ…、梨花の匂いしかしないからな…」
梨花ちゃんの身体を持ち上げるようにしながら口づけする場所を増やしていく。
この体勢では梨花ちゃんの表情が丸見えだった。
俺の呼吸も梨花ちゃんの呼吸も、高まりあう。
夏で薄着をしているはずなのに身体が熱くて、服なんか着て居たくない
なんども口付けを繰り返していくうちに、梨花ちゃんの胸の先の感触が変わってくる…
「梨花…胸の先、固くなってるぜ…。たしか、こういう時って気持ちよくなってるんだったか?」
どこかの本で読んだ無駄な知識に当てはめつつ、たずねる。
梨花ちゃんはいやいやをするように首を横にふる。
「やぁ…圭一…そんな風に言わないで…恥ずかしい…」
「こっちも確かめないとな…」
「ぁ…そこっ…んっ…!」
真っ白な下着の上から梨花ちゃんの一番恥ずかしいと思われる場所に触れる。
驚いた事にそこはしっとりとした湿り気を帯びていた。
直接の刺激は強すぎるかもしれないと思って、下着の上からなぞり始める。
「や、そこ、ぞくぞくしすぎるっ…あんまり触ったら、私が…んぷ…」
更に何か言おうとする梨花ちゃんの唇をふさぐ。
下着の生地を押し付けるようにしながらなぞっていくと湿った感触が指に伝わってくる。
舌を絡ませて。互いにむさぼるように求めあいながら、下着を更にぬらしてしまおうと
細かく指を振るわせていく…。
やがて、かすかにおくに入り込むような感触とともに何か突起のようなこりっとした感触を
指が感じた瞬間
「~~~~~~!!」
舌を絡めていた梨花ちゃんの身体が思いっきり突っ張る。
一瞬、何が起こったかわからずにびくんびくんと連続して振るえる梨花ちゃんの身体を抱き続ける
少しの間をおいて…ぼんやりとした表情で俺の事を見つめ…
「け、圭一…私…真っ白になったの…。圭一に触られてるところが熱くてぞくぞくして…」
「それって、達した…って奴なのか…?」
「わからない…初めて…だもの、こんな風になったのは…」
多少落ち着いたのか視線をそらして恥ずかしそうに縮こまる。
そんな姿をみて、俺の股間のテントはいっそうそそり立つのだった。


……私の身体ってこんなに気持ちよくなりやすいものだったのだろうか
圭一に痕をつけてもらった場所が熱い。
圭一が触れる場所がぞくぞくとする。
圭一もこういうことをしたのは初めて…と思っているのだが妙に手馴れている気がする。
熱に融けた思考で、思わずたずねる…
「…ぅぁ…圭一…、妙に手馴れてない…?んっ…」
「俺はこうするのは初めて、だぜ…?
 そ、そりゃ、本とかには興味はあったけど…、それだけ、相性がいいって事じゃないか?」
気恥ずかしそうに、ぶっきらぼうに、だけど目をそらさずに応えてくれた。
ああ、相性がいいのか…、それならいいかもしれない、と思考を放棄する。
もうひとつ気になるのは圭一のふくらみ、
半裸の姿のまま。圭一のズボンへと手をかける…。受けるだけじゃ…だめよね…。
「梨、梨花…?ちょ…」
「さっき、私はとても気持ちよくしてもらったし…
 私だけされるのは嫌…、圭一にもしたい…」
「う…」
うるうるとした瞳で見つめるとしぶしぶながら身体を一度離してくれた。
すこし肌寒くなり寂しさを覚えたが、これは私が望んだ事。
圭一のズボンを下ろし、オットセイを…
「え…け…圭一の…こんな…?」
てっきり、オットセイと思っていた圭一のそこに居たのはかめさんだった。
知識と違う形のそれにまっかになって戸惑う。

「り、梨花ちゃ…そんなにまじまじと見られると恥ずかしいぜ…」
「さっき、私の事をじっと見ていたお返しよ。我慢して」
本当は私の方が恥ずかしくてどうにかなりそうだったけれど、何とか強気に返事をする。
恐る恐る、圭一のかめさんに手を触れる。
ぴくん、とそこが跳ねる。恥ずかしいけれど、ちょっとかわいい、と感じる。
だけど、ここから、どうすればいいのかがわからない…ちょっと戸惑いながら…
「け、圭一は…どうされるのが気持ちいいの?」
「そ、それはだな……梨花の舌で、舐めてもらっても良いか…?」
これを舐める…じっとかめさんを見つめる。
これも、圭一の一部…そう思うと匂いすらもあまり気にしなくなっていく。
舌をだして、ゆっくりと圭一のを舐める。
正直、おいしい物ではない。だけど、圭一に喜んで欲しい、と思ってさらに舐める。
半裸になって圭一のを舐めている自分、味も、匂いもちょっと我慢しているとすぐに慣れた。
それどころか、頭の芯がぼーっとしてくる。
「はぁ…圭一…こう…?」
「そ、そうだ…梨花…の舌…気持ち良い…、やばい、俺、長く持たないかもしれない…」
何が持たないのか…ぼんやりとした思考では思いつかないまま、圭一のをなめ続ける。
さきっぽから、更に味が悪い液体が出てきたけれど、きれいにしようと舐めていく…
「うぁ…、そこ舐められると…やばい…でるっ…」
あ…と思う間もなく鼻先に白い粘着質の液体が張り付いてくる。
すごい匂いに顔をしかめる…コレが…男の人の…精子なのだろうか…。
おしっことはぜんぜん違う匂い…。
「うわっ…梨花ちゃんごめん…。今吹いてやるからちょっとまってくれよ…」
圭一がティッシュを探して戻ってくるまでのちょっとの時間で顔にへばりついている液体を指で触れる。
そしてちょっとだけ口に含んでみる。とても不思議な味だった…


俺は慌ててティッシュの箱を探してきて梨花ちゃんの顔についている俺の出したものを
ふき取っていく事にする。
どこかぼんやりした様子なのはきっとこんなのをかけられたショックからだろう。
これは、嫌われたか…?と思うと明日の部活メンバーの様子が恐ろしくなった。
特に沙都子のトラップが…。
人形のような顔立ちの梨花ちゃんの顔に俺のモノがべったりと張り付いている…という絵は
神聖なものを穢して自分だけのものにしたような、そんな屈折した支配欲を満たすが、
このまま、続けてもいいのかどうか、悩む…。
「梨花ちゃ…っと。梨花。大丈夫か…、ごめんな…」
なんどか身体をゆすって正気に返ってもらうようにとする
「あ…圭一…、謝らなくていいわ…でも、気持ちよかったの…?」
「ああ、とっても気持ちよかったぜ…。正直、あそこまで気持ちがいいとは思わなかった」
「よかった…、圭一は満足した…?それとも…」
さきほどまで白濁に汚れていた顔で笑う。その顔を見ているとまだまだ自分も満足はできていない
「つ、続けてもいいのか…?もっと、梨花にいろいろしちゃうかもしれないぜ?」
こくん、と梨花ちゃんがうなずいてくれる。
さっきの梨花ちゃんの自分を俺だけのものにして欲しい、という言葉が、
更に俺の欲望を加速させていく…。
梨花ちゃんの身体を引き寄せるとそのまま、床に寝かせる。
そして、先ほどすっかり湿らせた下着を脱がせてしまう…。

「此処も、きれい…だな…」
「いいえ、そんな事はない、そんな事はないからじっと見ないで…」
「さっき、梨花は俺のをじっとみてたろ、おあいこだぜ」
直に触れるのは初めて。だ。ゆっくりと秘所を開くように指で触れてみる。
「…け、圭一…そんな広げて見ないで。いや、汚いから」
顔を見られたくないのか真っ赤になって頭をぶんぶんと振る。
でも、俺の目には梨花ちゃんのあそこはとてもきれいに見えた。
さっき、俺のものを舐めてもらったお礼。といわんばかりにその場所を舐め始める。
「な、なめちゃ…そこは汚いから…駄目…はひゃっ…」
ぶんぶんと頭をふって嫌がってはいるけれど足の方の抵抗は無いので続ける事にした。
こうしてみると、さっきふれたと思われる小さなものが見えた。
慎重に舌でつついてみる。
「ひぁっ…圭一…そこ…しびれて…さっきみたいに…真っ白に…」
此処が俗に言うクリトリスなのだろうか…と考えながら、更に舐める。
ぴくびくと太ももが震えているのがとてもいやらしく見える…

「梨花…そろそろ…ひとつになろうぜ…」
この俺のものを、巫女の梨花ちゃんに突き入れて、ひとつになる。
魅力的な誘惑に呼吸もあらくなる。
梨花ちゃんも真っ赤になってぐったりとしながらこく、とうなずいたのを確認し、
ゆっくり俺のものを梨花ちゃんのモノにあてがう、
サイズが異なるので、ちょっと不安に思いつつ、少しずつ慎重に腰を…
「ひ、ぎっ…、いやっ、痛いっ…痛いッ!!いやっ…」
わずかに肉棒が中にこじ入れられようとしたところで梨花ちゃんがおもいっきり痛がり暴れる
俺も驚いて思わず挿入をやめる。
はっ、と我に返った様子の梨花ちゃんはひどくおびえた表情を浮かべた。
「け、圭一…ちょっと初めてなのでびっくりしただけよ…
 大丈夫…だから…このまま…」

選択肢
このまま、抱く
やっぱり抱けない -圭x梨花 2

俺自身もう、止まる事もできない欲望が渦巻いている。
梨花ちゃんの意思を確かめるように一度口付けを行ってから肉棒を梨花ちゃんのそこにあてがう。
「梨花…、次、悲鳴を上げたらここでやめるからな…」
「わ、わかったわ…、圭一…」
こく、とうなずいたのを確認してまた肉棒をゆっくりと進める。
ぐ…と眉を寄せて耐えてはいるけれども、声は出すことがなくなった。
つらそうな様子にやや腰が引けるが、やると決めたからには腹をくくる。
ゆっくりと腰を推し進めていく。
すこしずつ俺のを締め付けてくる梨花ちゃんの中に強く興奮しつつ
できるだけ負担を減らせるようにとゆっくり奥へ進む事に意識をさく。
「~~~~~」
声を出さないようにとはを食いしばる梨花ちゃんが歯をいためてはまずいと
一度動きを止めて呼吸を整えるときに、エプロンの一部を咥えてもらい、
更に奥へと進む…。
どのくらいかかったかわからないが、とうとう梨花ちゃんの中に俺のものがすっかりと埋まる。
正直狭くて痛いくらいの中で動くに動けず。
ぎゅっと痛みに耐え、本当に声を出さなかった梨花ちゃんの頭をなでながら、口付けをする。
「これで、すっかりうまったぜ…。 大丈夫…なのか…?」
「はぁっ…はぁっ…大丈夫…このくらい…、本当に身体を引き裂かれる痛みより
 何倍もましなんだから…。 圭一を受け入れてる…嬉しい痛みよ…。
 それより…圭一…まだ…終わっていないんでしょ…?」
この状態で動け、というのは梨花ちゃんにもだいぶ負担を与えそうな気がする。
俺自身もうごくかどうかためらっていたときに中の動きが微妙に変わった気がした
俺も勢いでしてしまったが、正直長く持ちそうに無いのを感じていた。
ゆっくりと動いて梨花ちゃんの身体を十分に感じていく。
時間の感覚が途絶えたまま、梨花ちゃんの中をゆっくりと往復をし続ける。
「く…また…」
梨花ちゃんの声はやや苦しそうだが、さっきよりは落ち着いているように聞こえる。
自分のものに走る感覚にそのときが来たのを感じれば、
中に出すのはまずい…と思って引き抜こうとしたところで梨花ちゃんの腰が絡みついてきた
「り、梨花ちゃ…このままだと、中に…」
「はぁ…んく…いい…の…このまま…」
一度こみ上げてくるものをせき止めるすべを知らない俺は、そのまま、梨花ちゃんの中へと
精をはきだしていく…

「あ…、圭一…」
圭一の熱が身体の中に伝わってくる。
身体は痛いけれど、心にはようやく落ち着きが満ちていた。
圭一と一つになれた事がとても喜ばしくて。熱を受けた腹部をゆっくりとなぞる。
「わ、わるい、思いっきり中にだしちまったな…。
 その…もし、できちまったら…責任、取らないといけないよな…」
「圭一は…私にこんな事をした時点で責任を取るつもりではなかったの…?」
「いや、それもそうなんだけどな。やっぱりきちんと定職に付くまでは子供は…」
妙に慌てふためいている圭一がかわいくなって私から口付けをする。
一緒に居る、という証をもらった気がして心にすこし余裕が出てきたみたいだ。
本当に現金だと自分でも思う。
「ん…ところで梨花ちゃ…と梨花…気になってたんだけど…
 そのしゃべり方、こっちが本来の梨花なのか」
「え…あ…に、にぱー。
 そ、そ、そ、そそんな事ないのですよ」
すっかり幸せを感じていて忘れていた事を思い出して慌てて取り繕う。
そんな取り繕いも今の圭一には通用しないらしく、じーっと見つめてくる。
心の中まで見透かされているような気がしておとなしく白状する。
「ええ…、そうよ…。こっちが本当の私。
 みんなの前ではかわいい子ぶってるって所ね…」
もしかしたら、声が震えていたかもしれない。ここまでして、もしかしたら嫌われて
コレっきりになるんじゃ…って。そう考えたら世界が終わる気がした。
「なんだ、ちょっと大人びた口調だったからびっくりしたけど、
 やっぱり梨花ちゃん何だな。じゃあ、梨花ちゃ…ってまた言ってるか。
 梨花も俺と二人きりのときは演技はやめてくれよ?」
きょとん。とした私の頭に圭一の手が乗る。
「え…、でも、みんなの前に居るときよりかわいげが…」
そんな言葉も圭一の口先の前に轟沈する。
言葉を並ばせたら右に出る人は居ないその言葉にすっかり言いくるめられて。
「私」は圭一の前だけは「私」で居続ける事にした…。

その夜。ちょっと硬い畳の上で二人で抱き合いながら、
初めての二人きりの夜を過ごした…。

翌朝。朝帰りの圭一は両親にいろいろからかわれたとか。
おきた時に来ていた服がいろいろ大変な事になって予備の服を出したとか。
レナがいっそう意味ありげな視線を送るようになったとか、
いろいろ合ったけれど。今日も圭一の隣に私が居る。
一緒に居ればどんな逆風でも立ち向かっていけるから。

 おまけ

「梨花も圭一も奥手ですからね、
 ここまで強烈に意識させて挙げないといけないとは
 二人とも手がかかるのです」
「は、羽入…、あの、私その…羽入にまた…」
「沙都子はいけない子なのですね。
 それじゃ、また、二人でゆっくり過ごすのです」
ボクはボクでこの生を思い切りたのしむのです。

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最終更新:2007年10月05日 02:02
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