初秋、雨上がりの境内にひとつ、月を眺めている影。
表情はおぼろげで、彼女が何を考えているのかは読み取れない。

「…………」

ただ眺めているだけなのだろうか…
それとも何か想う事があるのか……



たったったったっ……

軽やかに階段を昇ってくる音がする。
こんな時間に誰?と思ったが、身を隠す間もなくその人は現れた。

「…ったく、この俺が忘れ物をするとは…これも全部あの夕立のせいだな」
「……圭一ですか?」
「ん?あ、あれ?羽入?なんでこんな所にいるんだ?」
「あぅ、それはこっちの台詞なのですよ」
「ああ、今日の放課後、ここにみんなで集まっただろ?
ほら、来週十五夜も兼ねた秋祭りの打ち合わせで、って、
 んでそのときに弁当箱の入ったバッグをうっかり忘れちゃってさ、
別に明日でもいいかなとか思ったんだけど、母さんこういうのにうるさいんだよ」
「あぅ、そうだったのですか…」
「たぶんどっかにあると思うんだけどなぁ……」
「あぅあぅ、圭一の探してるのはこれですか?」

実はさっき、境内を軽く散歩した時に見つけていた。
知らないふりをしてそのままにしておこうかと思ったが、
良く見たら圭一のかばんだったので、明日にでも学校で渡してあげようと思い持っていた。

「あ!そ、それそれ!うおぉ!ありがとうな羽入!もし見つからなかったら
どうしようかと思ってたぜ」
「あぅあぅ、圭一は結構うっかりさんなのですね」
「いやぁ、ははは……うん、そうかもな、でもほんとにありがとな」

ふっ と、圭一の手が伸びて僕の頭をわしゃわしゃとなでた。
されるがままに身を任せていると、圭一の小指が僕の角に軽く…ふれる。

すりっ
「あぅっ!」
「ん?」
「あ、あぅ、ご、ごめんなさいです、変な…声出して…」

圭一たちはコレをアクセサリーだと思ってくれてる。
…もし、コレが角だってばれたら…みんなはどんな顔をするんだろ……
ひょっとしたらもうみんな分かってくれてるのかも知れないけど……けど、
それはみんなが僕に気を遣ってくれてるだけかも……でももし違ったら?

僕はいったいどうしたらいいのかわからない。
でもたぶん…すっごく悲しくなると思う。それだけはわかってる。


120 :名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 22:59:36 ID:V2nRt42z
おもわず月を見上げた。

  こんなものなければいいのに
  みんなにはないのにぼくだけ
  じゃああそこにかえればいい
  いいえそんなのはもういやよ


「…羽入?」
「…なんでもないのですよ…あぅ…」

鳴き虫たちの声がやけに大きく聞こえる。

「……圭一、もし圭一が僕を赦してくれるのなら、僕は話します」
「?」
「僕は圭一にひどいことをした事があったのです…でも圭一はその事を
知りません、だけど…もし圭一が僕を赦してくれるのなら……僕は話します」
「……なんだかよくわからないけど、許すもなにも、羽入が転校してきてから、
一緒に部活をして、楽しく遊んで、…そしてあの戦いをみんなの力で超えた、
そんな仲間の1人の羽入の事を信じないわけがないじゃねぇか。羽入だってそうだろ?」
「あぅ…そうでした……僕もみんなと初めて出会えてからずっと…信じてきました」
「はは…なら簡単な事じゃねぇか」
「あぅ…そうですね…簡単な事なのでした……聞いてくれますか?僕の話…」
「ああ、何でも受け止めてやるよ」

賽銭箱の前にふたりで並んで座る。
圭一は僕の方を向いて、そして僕は上を向いて。

独り言のように話しを始めた。


121 :名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 23:00:13 ID:V2nRt42z
「実は…僕は……あぅ…何から話し始めたらいいかわからないです…」
「あはは、あるある、そうゆうのって良くあるよな」
「……じゃあまずは…僕の正体です」
「ん?」
「僕は…ヒトではありません」
「…………」
「ずっと…ずぅっと昔にこの雛見沢に来ました」
「ちょ、ちょっと待て羽入!…それってどういう……」

構わず続ける。
僕が実際に過ごしてきた年月、過去の出来事、記憶。
楽しかった事、嬉しかった事、悲しかった事、つらかった事……

僕のせいで圭一の身に起こった惨劇の事…………

圭一の声に構わずただ喋り続けた。その間もただ上だけを見続けていた。

「…そして、今までこの村を1人で見守ってきたのです……実は転校してくる前から
みんなのことは知ってたのですよ、あぅあぅ、だまっててごめんなさい」
「……そうだったのか」
「…赦してくれますですか…僕のこと……」
「許す!」
「あぅ…」

即答だった。

「んー、っつうか許すもなにも最初に言ったろ?『信じる』って、それに
俺は、仲間の事はちゃんとまじめに聞くし、何でも受け止めるぜ!」

歯を見せて笑う圭一。あぅあぅあぅ、かわいい……どきどき…

…実はさっき、圭一に角を触られたときにちょっとした身体の変化が起きていた。
もうすいぶんと長い間、他の人に触られた事などなかったから……その……
なんか……おなかの…奥が……へんな感じ…あぅ……


122 :名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 23:00:50 ID:V2nRt42z
「あぅ…ありがとうなのです…圭一に赦してもらえてなんだか安心しましたのです」
「そうか、羽入が安心してれたんなら、俺も少しは役に立ったって事かな?」
「もちろんなのです!……でも……まだ圭一にお願いしたい事があるのです……あぅ…」
「おう!もちろんいいぜ!何でも言ってくれ!」
「……いて……ください…………」
「え?!い、今…なんて……?」
「あぅ…抱いて…欲しいのです、僕を」
「えぇえぇえええ!!!!!!」
「あぅあぅいやなのですか?…やっぱり僕がヒトじゃないから……あぅ…そうなのですか?」
「い、いやそうじゃねぇ!おまえ…抱くって事、意味分かって言ってんのか?
羽入が人間じゃないとか、そういう事でもねぇ!それに理由がねぇよ!」
「理由ですか?」
「ああ!俺が羽入を抱く事の意味だ!」
「……僕の……ヒトへの憧れ……僕が……此処にいても良いという……証」
「……あ…」
「……それだけじゃ……だめですか?」

するり
袴の紐をゆるめる。
するすると音を立てて解かれていく。
ぱさり
と、地面に落ちる。

誰もいない境内で下半身を露わにしたままの羽入がいる。
月明かりで照らされた、真っ白な下部の秘裂が、てらてらと、輝いている。

「…それに…さっき圭一に触れられたときから…ずっと…こんな状態なのですよ…」

圭一の視線が一点に釘付けにされる。
つばを飲み込む音まで聞こえてきそうな静寂の後

「……やっぱり……俺……」
すっ
「…んん…ちゅ……んふぁ……」
「おわ!」

いつの間に目の前に来ていたのか、羽入がキスをした。

「あぅあぅ……隙だらけなのですよ圭一……あう……」
「羽入……」
「あぅ…お願いします…あんまり僕に恥をかかせないで欲しいのです…それに……」

羽入の手が圭一の股間に触る。そこはもうすでに固く張り詰めていた。

「…ほら、圭一も……いいよって、言ってるのですよ…あぅ」


123 :名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 23:01:21 ID:V2nRt42z
ジ…、ジジ……、ジーー

ズボンのチャックを下ろしていく羽入。
やがて屹立した股間が表に出される。 圭一の股間は夜気にあてられ、ひんやりと感じた。
それを慈しむように羽入は手に取り…口へと運んだ。

「あむっ……ぺろ……ちゅっ…ちゅちゅ…ぺろ…ちゅ……」
「お、おい…羽入……くあ……」
「はいほょうふ……ちゅぱっ…ふぅ…男の子の喜ばせ方は知ってますですよ……あく」

圭一にとってフェラチオは初めての行為だった、というか女の子とこういう事をした経験が
無いのだから何でも初めてという事になる。
羽入に股間を口淫され圭一の脳髄に衝撃が走る。

「あ、ああぁ…くぅ…わかっ……わかったから……」
「はひ?はんでふか?ちゅぷっ…ちゅ…ずっずずっずっ……ちろ…」
「も、もういいから…今度は…俺から……」
「あぅ?……ひゃっ?!」

ぬりゅ…ちゅく……
圭一の指が羽入の秘裂にやさしく…そっと…触れる。
もうそこはすでに十分に濡れそぼっていた。
ゆっくりと割れ目に指を縦に繰り返し往復させる。
つぷ…ぴちゅ…ぴちゃ…ちゅくっ…ちゅくっ……
淫靡な音を立てて羽入の割れ目から止まることなく雫が垂れてくる。

「あぅっ!…あぅ…はぅ…はぁ…あうぅ……い、いや、は、恥ずかしいのです…」
すりっ…ぴちゃっ…
「そうか?……でも…………気持ちいいんだろ?」
ちゃぷ……
「あぅあぅ…あうぅ…っはぁ…は、はい……」
「なら、良かった…俺…こういう事、その…初めてで……」
「あぅあぅ…圭一はとっても上手なのですよ…あ、はあぁあ…あぅぅ…あぅっ!」
「……ありがとな」


124 :名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 23:01:51 ID:V2nRt42z
羽入が脱ぎ捨てた袴の上にそっと横たわらせ、すっ、と、圭一は顔を下部に近づけていく。

ぺろっ
「け、圭一?!…な、何をするのですか!……だ、だめなのですだめなのです!
そんなとこ……き、汚いから……あうぅっ!!はぁっ…はぅっ……あぅあぅあぅ……」

ぺろ…ぴちゃ…ぺろ…ちゅく……ぴちゃ…ぴちゃ……くちゅ…
滾々と湧き出る雫を掬い取るように圭一は舌で舐め取っていく。

れろっ…じゅぷ……
「あ、あぁああ!あぅぁぅ…はぁあぁ…うっく…うぁ…あぁっ!!」

ぴちゃ…ずずっ…ぴちゃ…ちゅぅっ…ちゅっ…ちゅちゅっ…ずっ……
舌の動きはより激しくなり、時たま割れ目の上部に生えている突起にも触れる。
それに気付いた圭一は、一番敏感な突起をいやらしく音を立てて吸った。

ちゅぅ……ちゅちゅ…ちゅっ…ずちゅ……ずっずっ……ずるぅっ……
「ひゃあぁあああ!も、もう……だ、だめ……あぅぁああぁーーーっ!!!!」

圭一に舐めまわされて達した羽入はぐったりとしたまま圭一を見つめる。

「はぁっ、はぁっ……圭一、も、もういいから……来て…ください……」

圭一は目で頷き、先ほどから衰えていなかったモノを
ぴとっ
と、羽入の割れ目に添え、ゆっくりと、ゆっくりと、埋没させていく。

ぬぷっ…ぷっ…ずずずっ……にゅぷっ…ずず……ずっ
あまり発達していない身体のせいなのか入り口が、きつい。

「んくっ…つっ…はぁああぁ……はぁっ…ぁぅ…」
「はぁっ、はぁっ…羽入…入ってる?」

ずぷっ…にゅぷ、にゅぷ、ずりっずりっ……ぬぷっ
最初はきつかったが中程まで進入すると、圭一のモノをすんなりと受け入れた。

「あぅ…はい…全部…圭一のが全部…入ってるのです……」
「平気か?」
「あぅ…だ、大丈夫ですよ……んはぁっ…はぁ……だから動いても…いいのですよ」
「わかった……つらくなったら言ってくれよ?」


125 :名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 23:03:28 ID:V2nRt42z
すっぽりと収まったモノを、そぉっと引き抜いて、そしてまた埋め込んでいく。

にゅぷっ…ぬぷぷっ…ぬりゅっ…ずぷ…ずずっ…ずぷぷっ……
「あぅぁ…んはぁっ…はぁっはぁ…あ、あ、あ、あぁ……」
「…はぁっ……はぁっ……」

ずぷっ…づゅちょ…づゅちゅっ…ぷちゅ…ずちょっ……
「あぅ!あ、あぅぅぁ、あぁ、はぅ…あぅ、あぅ、あぅぅ!」
「…あぁっ…つっ、は、羽入……もう、お、俺……」

ず、ずずっ、じゅぷっ、ずずっ、ずずず、ずぷぷっ……
「あ、い、いいのですよ…んはぁっ…な、膣内にっ…膣内に出していいのですぅっ!!」
「くぁっ!!」

ぶぴゅっ!!びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ、
「あぁぅ!あっ、あっ、あぁぅあぁあぁあーーーっ!!」

睾丸の中の精子が全て出尽くし、なおも搾り取られるような物凄い射精感のなか、
圭一はその余韻を楽しむ暇もなく、ただぐったりと羽入に覆いかぶさっていた。

ずるぅ…………とろぉ…………
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
「ふぅっ、ふぅっ、ふぅ…あぅ……」

汗まみれになった圭一の顔を横目で見ながら、羽入はぼんやりと思い出そうとする。

(あぁ…そういえば……何年振りだっけ?……)


126 :名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 23:04:11 ID:V2nRt42z
見上げた先には蒼深の月、暗い夜の中に光っていた。
その月明かりの下、ふたつの影が重なっている。
ひとりの表情はおぼろげで、何を考えているかは、読み取れない。

ふと、もうひとりが気付いた。

「…どうかしたのか?」

仰向けのまま、夜の空を見つめ、ぼんやりと、呟いた。

「……月を…見ているのですよ……」
「月?」
「あぅ…たまにですけど、なんだか月が……いとおしくなるのです」
「ふぅん……」
「心の奥の方では…あの月が欲しいと、思っているのかも知れないのです」
「じゃあ、やるよ」
「あぅ?」

突然の言葉に、わけがわからない。
今なんて言ったの?
……月を……くれる?

「ほら、見てみろよ」
「…………え?」

指を差す先には水溜り。
見ればそこには綺麗に映し出された月があった。

「な!」

だからその笑顔は反則よ……もぅ……
……まったく、少し本気にしちゃったじゃない。
……でも……そんな圭一が好き。

なんていうか……安心感のような……

圭一に赦して貰えて、おまけに月も貰っちゃった。

今は、これ以上は望まないわ。

あ!そういえば……また、子供できちゃうかな?
くすっ…それもいいかも……
あなたとの子供だったら……きっと楽しい事が起こりそうな気がするわ。

「あぅあぅあぅ、圭一はやっぱりすごいのでした。あぅあぅ」
「ははは、うん、そうかもな」

そう言って、また頭をなでてくれた。

水溜りに映る月。
ちょっと触ってみたら、
ゆらゆらと揺れていた。

でも消える事はなく、
しばらくしたら、
また元の姿で輝いていた。

(了)

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最終更新:2006年09月10日 12:38