私は出かけなければならない。
この世界の惨劇を打ち破るために。
すでに圭一はバットの素振りを始め、部活にも出なくなっている。
このままでは・・・・・・・・またあの惨劇が繰り返される。


「梨花ぁ?どこへ出かけるんですの?」
沙都子の声が聞こえてくる。
「みぃ、ちょっと夜の散歩なのです。」
私はできる限り心臓の鼓動を抑え、快活に答える
沙都子が不審そうな顔をする。
「気をつけてくださいましよ。最近物騒ですから。」
「大丈夫なのです。沙都子は心配性なのです。」
そう言うと私は家を後にする。外の空気が肌寒い。


気が付くと隣には露出大の巫女服の少女がいた。
頭には二本の角があり、どちらも直角に真下を向いている。一目見ただけで気弱だとわかる。
「梨花・・どこへ行くんですか?」
まったく苛立たしい。どこでも良いだろうに。
「ちょっとした散歩よ・・・こうやって気晴らしをしているんだから、
こんなときくらい一人にさせてくれてもいいんじゃない?」
しかし、その少女はまだ疑わしいようにこちらを見ている。
「ほんとうに、ほんとうにただの散歩なのですね?」
「しつこいわね・・本当にただの散歩よ。分かったら早く帰ってくれる?」
「ぼ、僕は梨花の事が心配で・・・・」
本当に腹が立った。
「うるさいわね!早く消えなさい!!!」
「あう・・ごめんなさいなのです・・・」
そう言うと少女は少し悲しそうな顔をして消えた。

あの少女の名は羽入。私が生まれた時から、ずっと私のそばにいる。
私以外の誰にも見えず、誰にも触れられない。
幼い頃、母に「その子」の話をすると、こっぴどく怒られたものだ。
「そんな子はいない」と。
しかしその子は確かに私のそばにいる。姿も見え、話もできる。
その頃から私は母に心を開かなくなったのかも知れない。
羽入にさまざまな事を教えてもらい、考え、想像し、
そのおかげでこんな私が出来たのかも・・・・・と思える。


前原家へ向かう間にもさまざまな考えがよぎる。

最近では羽入の性格がだんだん解ってきた
あの子はかなりその・・・・ネガティブなのだ。
全てを悪い方へ考え、その事を私に諭す。
「どうせだめなのです。」「僕たちは、何も出来ないのです・・」
「この世界でも、惨劇は終わることは無いのです。」
圭一を止める計画を話しても、必死で止めるだけに違いない
ああ、考えるだけで腹が立ってきた。
頭の中の羽入にボディーブローを放ち、ひとまず落ち着かせる。
少し考えれば、さっきは言い過ぎたかもしれない。
帰ったらとりあえず誤ろう・・・・

そんなことを考えている間に、前原屋敷がゆっくりと闇の中に浮かんで見えた。

私はポケットの中の注射器を握りなおす。
圭一の両親はすでに東京へ出かけているはずだ。
つまり家には圭一しかいない!
雛見沢症候群を初期のうちに撲滅するならチャンスは今しかない。
私はゆっくり前原屋敷の裏手に回り、音をさせないように裏口を空けようとした――――


そのとき私は、後ろからしのび寄る影に気が付かなかった・・・・・




羽入は焦っていた。
梨花が帰ってこない。散歩といってももう三時間以上たち、日付も変わろうとしている。
沙都子はすっかり冷めてしまった夕飯の前で頭をもたげ、眠っている。
おそらく梨花が帰ったら起こしてくれるだろう・・・・という考えだろう。
羽入は考えた。そして思いついた。
まだループ暦が少なく正義感の強い梨花の事だ。富竹か鷹野に忠告をしにいったのかもしれない。
とにかく今日は入江がまだ診療所にいるはずだ。行ってみよう・・・と




あぅあぅあぅあぅ!
梨花はどこなのですか!
僕はもう心配で爆発しそうなのです!
あ!あの部屋には明かりがついているのです!たーぼ全開なのです!

「ふっふふ~ん♪ やっぱりメイドさんの気持ちを知るにはこれしかありません!」

いたのです。
馬鹿がいたのです。
コイツ自分であの服を着てやがるのです。
「やっぱり沙都子ちゃんにはエプロンを、梨花ちゃんにはフリフリが目立つのが良いですよね~♪」
知らないのです。独り言にも度が過ぎるのです。早く睡眠薬飲んで氏ね。なのです。あぅあぅww

でも入江がこれだけ暴走してるってことは梨花はまだここには来てないのです。
じゃあ他に行きそうな場所は・・・・

あうっ!


いまなにかへんな感覚が走ったのです・・・

あぅぅ!・・・・またなのです・・・・・・


入江が冥土ダンスを踊っている傍らに、羽入がうずくまっていた。

つい先ほどその感覚は自分の下腹部から来ている事に気が付いた。
自分の性器のいりぐちがなにかでほぐされている感覚だ。
「あぅ・・あぅあぅ・・・ひゃう!」
あまりの感覚に立ち上がる事ができず膝を付き前かがみになり腹を抱える体制になる

「あぅ・・・・梨花・・・」
自分の体と梨花の体はリンクしている。今ここで自分の体に何かが起こっているとは考えにくい。
つまり梨花の身に何かおこったと考えるべきであろう。

「とにかく梨花を・・・ひゃぁあぅ!」

また下腹部に、今度ははっきりと快感が襲った
股を嘗め回されている感覚だ、気持ち悪い・・・
そう考えると自分の性器が濡れて来るのがわかる。
「あ、あううぅうぅぅぅう・・・」
体中に力を入れ立ち上がってみるようとするが、別の感覚にそれを邪魔される

性器に、何かが押し当てられ、進入しようとしてくる・・・
入り口が広げられ、裂けそうになる痛みが羽入を襲う
「あぅううう・・・・・」
ゆっくりと腰から手を入れ自分の性器に触れてみるが、
広がってもいなければ何かが押し当てられている感覚も無い。
つまりこれは梨花が今感じている感覚・・・・

そう考えると力が沸いて来た。梨花を傷つける奴は許せない!
「あうあうぅ・・梨花、今行くのです・・」
なんとか立ち上がり、踊り来るっている馬鹿を尻目に入り口へ向かう
その瞬間、恐ろしい痛みが性器を襲った
「あああああああうぐぅぅうぅぅぅぅうっぅううう!!!!!」
それは初めての痛み。・・・いや、遠い昔、感じたことがある痛み。
性器に押し当てられていた何かが入り口を突き破り、梨花の・・羽入の中へと進入をしてきたのだ。
「あぐ!、あう!、あぎ!、あわぅ!」
進入してきたものが中をかき回し、突き、抜く。
これを何度も繰り返され、羽入は床へと倒れこむ
限界だった。
もう立ち上がる元気は無かった。
意識を失う寸前に羽生はつぶやいた
「何をしようとしても・・全て無駄なのです・・・」
その言葉が終わると同時に進入してきた物が脈打ち、果てた。

その部屋の中で動いているのはメイドメガネマンだけになった

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最終更新:2007年08月20日 18:23