…なんでこんなことになってる…
そんなことを思いながら、前原圭一は階段をのぼる。
時刻は九時を若干回ったところ。
階段の先は、多少行き慣れた感のある古手神社だ。
…昼に行くならまだしも、夜なんて初めてだが。

先ほどの圭一の自問に答えるなら、
それはいつもどおり部活で負けたからだ。
罰ゲームの内容は、夏も近いということで「肝試し」に決定した。
部長の魅音曰く
「古手神社の賽銭箱に封筒をくくりつけておくから、
 明日の朝にその内容を実行するってどう?」
とのこと。
本編どおり結構臆病な圭一はこれを激しく拒否したが、部活ルールは絶対だ。
かくして、圭一はこの状況に置かれているのである。

「…回想終了…と
 いやしかしまいったな、こりゃ…」
苦笑するが、ぶっちゃけびびっているのが丸分かりである。
階段を昇り終える頃にはかなり精神力を削られていた。
「…っと、賽銭箱は…あぁあったあった」
駆け足で駆け寄っていく。
たったった ひたひたひた
「封筒ってこれか…よいしょと…って魅音め、こんなに硬く…ふんっ!」
封筒を(半ば破りながら)はがして、中身を…
「見ようと思ったけど、ここ明かりがないんだよなぁ…」
月明かりのある位置に移動しようとして振り向く。
「こんばんは、なのです」
「!?」
立っていたのは神々しい服を着た御八代様…
ではなく、巫女服を着たご存知梨花ちゃんである。
「…っ!驚かさないでくれよ…梨花ちゃん…っ」
尻餅をついて言う圭一。
「…驚かせてすみませんです。
 でも、気付かない圭一もいけないのですよ」
その様子が面白かったのか、にぱーっと笑顔を浮かべながら答える梨花。
よいせと立ち上がりながら、圭一はふと気付いた。
「…って梨花ちゃん…なんで巫女服なんて着てるんだ?」
「作者にも色々あるのですよ」
その答えに、溜息を漏らしながら質問をもう一つ。
「で、なんでここにいるんだ?
 もう夜遅いんだぞ…危ないじゃないか」
「…それは…圭一に聞いてもらいたいことがあるからなのです」
梨花は圭一にそっと歩み寄って
「…部活の仲間がいると、話しづらいのです…だから…」
「あ、ああ…なんだ?」
「…圭一…私を…妻に貰って欲しいのですよ」
…衝撃の告白をぶちかました。

………ああどうしよう、考えながら書いているから行き当たりばったりだ!

「…圭一…ボクを、妻に貰って欲しいのですよ」
梨花の口から今、衝撃の告白が…って
「なんで一人称変わってるんだ梨花ちゃん」
「作者にも色々あった様なのです…事は現在進行なのですよ」
よくわからない解説に、しかし微妙に納得する圭一。
ああ、きっと三個ほど上のレスに衝撃を受けたに違いない…
それはそれとして。
「圭一、納得もいいのですが、返事がまだなのです」
上目遣いで、真っ赤な顔で…おお、その趣味の人にはたまらないシチュですな!
「いや、年齢的に駄目な点が多すぎるだろ?」
「些細なことは気にしないで欲しいのです…」
ん…と背伸びして、圭一の手から封筒を奪い取る梨花。
中に入っていた紙を広げ、その文面を読み上げる。
「この小説にでてくるキャラクターは、全員18歳以上です
 外見的に幼く見えていても、実年齢はループ現象で云々…」
「都合いいなおいっ!
 っていうか梨花ちゃんはいいとして沙都子はどうよ!?」
「ボクならいいというのも、それはそれで失礼ですよ」
不満そうに視線を上げるが、まだ全部読んでいなかったらしく、
文面を再び読み上げ始める。
「…というわけで、圭ちゃんには梨花ちゃんこと
 オヤシロ様と色々できる権利が与えられました
 頑張れ圭ちゃん!…とのことです」
「わーい嬉しいね♪
 …でもそれでなぜ梨花ちゃん!?
 オヤシロ様って言うからには普通俺が婿に…っていうか生贄か?
 それにさっき『私を妻に…』って言わなかったっけ?」
「くれぐれも、ボクはボクが一人称なのですよ…
 で、その回答なのですが、作者にも…」
「それは分かったけどさ…
 つまり作者的には梨花ちゃんでえちぃが書きたいと」
「(こくん)」
「しかし…俺にロリコンの気はないぞ?」
「…本人を前に、ロリというのも失礼ですが…
 その気が無いなら、気を出してあげるまで…なのですよ」
梨花が巫女服の袂からおもむろにスプレーを取り出し、圭一の顔に噴きかけた。
「うっわー!何その無駄に本編活用な小道具!?」
ごろごろ転がって痛がる圭一に、注射器の針が迫る。
「無駄に長かった前振りもここまでなのです…
 さあ、次回からえっちぱーとなのですよ…にぱ~☆」
なぜかカメラ目線で、次回も行き当たりばったりか!?

ぶすり。

「うっ…ぁ…」
二の腕に鋭い針が挿し込まれ、何かの液体が注入される。
「即効性のフィクション的媚薬なのです」
親切に解説ありがとう、だが圭一は未だに目が見えてない状態のままだ。
「それも狙いなのです…目が見えないと、とっても敏感になるのですよ」
「そんなのどこで習ったーーーっ!?」
目を押さえたままで、器用に突っ込みを入れる圭一。
「沙都子で実験済みなのですよ」
しかし梨花は一瞬もひるまず、暴れる圭一のズボンに手をかける。
「それに、膣内に出さなければギリギリ犯罪にはなりませんから」
ベルトを外してズボンを一気にずり下ろすと、トランクスにテントが張っていた。
「ふふっ…圭一ってば、もうこんなになってるのですね…」
優しげな、それでいて見下ろすような、なんともいえない視線を注ぐ梨花。
ようやく目が見えるようになり、
その視線を股間に注がれていることに気づいて真っ赤になる圭一。
その様子を見て梨花も気分が乗ってきたらしく、
そっとテントの頂上に手を伸ばす…
「あ…熱くなってます…」
「うぁっ…!ちょ、ちょっと梨花ちゃ…っ!?」
媚薬によって火照った身体は、ろくに力も入らなくなっている。
圭一は梨花の行動を止めることも出来ず、流れに身を任せるしかなかった。
「うぁ…どろどろなのです…このままじゃ、パンツが大変なことに…ですね」
そういって、トランクスを下げ始める梨花。
「り、梨花ちゃん!それだけはやめ…っ!?」
下着が擦れただけで、先走りの量がどっと増える。
「ん…もう始まってしまっているのですから…圭一も楽しめばいいのですよ…?」
圭一の両足の間に更に深く潜り込んで、梨花が誘惑する。
巫女服の隙間から、当然だが下着を着けていない胸があらわになっている。
「………ん」
その年不相応な色香と勢いに流されるように、圭一は静かに首を縦に振った。
「…にぱ~☆」
答えに満足したのか、梨花はいつもの笑みを浮かべたまま…
「………ぐっ!」
圭一のペニスを、まるで飴でも舐めるかのように、愛撫し始めた。

にちゃ…と妖しい水音が境内に響く。
「ぺちゃ…ちゅっ…ちゅぱぁ…」
竿を根元から、先端に向けてゆっくりと舐め上げる動作を繰り返す。
その動きにあわせるように、圭一の投げ出された足がびくっと痙攣する。
「あっ…り、梨花ちゃん…すご…上手い…っ!」
「んぁ…はぁ、そうれふか…光栄なのですよ…♪」
梨花も、好意をもった男にこういう行為をするのは初めてらしい。
それでも健気に愛撫を繰り返すうちに、息が荒くなってくる。
「んぁは…けいぃひの…おいひぃ…の、れふ…」
顔中を唾液とカウパーでべたべたにしながら、梨花は更なる快感を圭一に与え始める。
「じゅる…ちゅっ」
「くっ…!り、梨花ちゃんもう俺…っ!」
早いなおい。
梨花は圭一のペニスを優しく握りながら、今度は口に含み始めたのだ。
「んむ…ん…、んん…」
熱い口内で、爆発寸前の圭一の男根が暴れる。
梨花も、早く出せと言わんばかりに顔を激しく前後に揺らす。
そして、とうとう圭一に限界がきた。
「だ、駄目だ梨花ちゃん!ぬ、抜いてくれって…!」
さすがに口内射精には抵抗があったようだが、
梨花はその言葉を拒否し、あろうことか今までで一番深くくわえ込み、激しく吸いたてた。
「うああああっ!あ、あぐっ!?」
…そして、圭一の男根から、マグマのように熱い精液が噴出した。
「ん、んんんっ…!!」
梨花は暴れ回る男根を必死にくわえ、精液を飲み干そうとするが、
その量はあっというまに口内を満たし、梨花の口からあふれ出る。
そればかりか、その拍子に放してしまった男根からの精液を
梨花は顔中に浴びる事になってしまった。
「あぅ…べたべたなのですよ…」
言葉とは裏腹の、機嫌の良さそうな口調で梨花。
指先で器用に精液をかき集め、口に運ぶ。
その様子を見て、圭一の一物は再び首をもたげてしまう。
「あ…圭一はまだし足りないようなのですよ…」
まだ経験は浅い圭一…というか、女性にされるのは初めてらしい。
梨花の言葉に反応はしても、まだ力が入らないのでなすがままだ。
「今度は、こっちで…」
しかし、さすがに袴を下ろした梨花の、幼いそこを見て罪悪感にかられる。
「そ、それは…いや、梨花ちゃんがいいってならいいけど…まだ…」
「さっきも言いましたが、沙都子で…いえ、正確には沙都子と実験済みです」
なんてこった。
梨花の初めての…いやそれ以上の関係性を持った相手が沙都子だったとは!?
圭一は今度こそ観念した。
(駄目だ、この子には…追いつけん!)
「初めからこの時のために準備を色々としてあるのです…抜かりはないのですよ」
相手の心を見透かすような、透明な視線で圭一を縛る梨花。
「さあ、一緒に気持ちよくなるのです…♪」
んしょ、と圭一の男根をまたいだ姿勢になる。
当然、このまま腰を落とせば…
「ってちょぉタンマ!さっき膣内に出さなければって…!」
「ああ、もうどうやっても犯罪だと上の人が指摘してくれましたですよ」
「開き直るなーーーっ!」
叫ぶ圭一を無視し、梨花が濡れそぼったそれを近づけてくる。
「では、圭一も祝・どぅてぃなのですよ、にぱ~☆」
「ええいもうどうにでもなっちまえ…っ!」
やけくそになって、梨花の腰をつかむ圭一。
そのまま線の細い、可愛らしくも儚げな肢体を強引に引き寄せた。
「え、ちょっと圭一…っ!ひゃっ、んぃやあああっ!?」
開き直ったのは圭一の方だったらしい。
標準男子より若干大きい主人公特権的な男根で、梨花を荒々しく突き上げる。
こうなると、不利なのは梨花のほうだ。
「け、圭一…っはげっ…激し…っ!」
圭一に腰をつかまれている都合上、
梨花は両手で身体を支えることが出来ない。
肩のはだけた巫女服を汗で濡らしながら、だらしなく涎を垂らしながら喘ぐ。
「梨花ちゃんの膣内(なか)…すっげ、きもち…ぃっ!」
「ひゃ、あひゃうあああっ!奥に、奥に当たって…っま、ますですようっ!」
先ほどのフェラチオで充分に濡れていて、痛みは無らしいい。
そして、なんだかんだで愛する男性に抱かれている喜びは大きいらしく、
荒々しく貫かれて、梨花は満ち足りた表情で絶頂へと駆け上がっていく。
「あ、圭一…っ!もう…だめです…っ!くあああぁああああぁっ!」
びくびくびくっ!と激しく痙攣する梨花に、しかし圭一は動きを止めない。
「け、圭一…っ!?」
開き直りは、圭一の野獣を目覚めさせたらしかった。
梨花の腰を激しく上下させながら、叫ぶ。
「梨花ちゃんもへええええええええっ!」
「も、萌えはいいです…っ!また、したいならっ…い、いつでも」
「俺はまだ逝ってないもん!」
野獣ついでにわがままも炸裂させつつ、圭一は尚も梨花を責め続ける。
「ふゃっ!やはあああっ!け、けぇいち…っまたいっ……!?」
「も、もう少し我慢してくれって…っ!」
「ひにゃああああっ!も、もうらめ…け、けいいひ…らめええええええっ!」
無理矢理快感の渦に放り込まれた梨花は、
息も絶え絶えに目一杯背中をそらせて絶頂を繰り返す。
十分ほどもそうして、ついに圭一の男根が二度目の射精を行った。
「くっ……!」
「あにゃああああっ!け、圭一!圭一いいいいぃぃぃいいっ!」
がくんっ!
二度目とは思えない溢れるほどの精液を受けて、
梨花はようやく開放されたのだった。


……

「ほあっ!?」
気づくと朝になっていた。
昨日の情事から後の事はよく覚えていない。
ただ、梨花ちゃんと…
そういう関係になったのだな、と思うと自然ににやけ顔になる。
いつも通りに起床する。
朝ごはんを食べ、歯磨き、着替えてから
「おっはよう圭一君!」「よっす圭ちゃん♪」レナや魅音と学校に向かう。
梨花ちゃんとは「二人きりのときには恋人」と約束を交わした。
それでも昨日、教室を前にして気合をいれ、勢い良く扉を開け放つ。
「おうっ!おはようみん…おっと」
それでもこれは読めていた。
上方から降ってきた(今日は普通の)黒板消しを受け止める。
「はっはっは、沙都子よ!
 いつものパターンを破るオーソドックスな逆転のはっそぶはああああっ!?」
目の前に立つ沙都子の手には、見覚えのある境内の写真が握られていた。
「なになに?」
「んー?何そのしゃ…」
写真と沙都子を引っつかみ、教室の端へ移動する圭一。
「ほほほ、秘密の取引なのですわー♪」
「え、なんだろ?なんだろ?」
「おじさんも混ぜてー」
「付いて来るなよ!俺を放っておいてくれ!」

「で、なんだこれは」
「ふふふっ圭一には賢い判断をのぞみますわ」
「答えになってねえっ!」
とにかく、当事者の一人であるはずの梨花へ視線を送ると
「にぱ~☆」
「うわなんだこの状況は!?」
「だから、圭一にはこれから梨花をよろしく頼もうとおもうのですわ」
「それがなんでデバガメなんだよ!」
「だって、他の人にフラグが立ったら大変ですもの」
「脅迫すんなああああああああっ!」
朝の教室に、圭一の叫び声が響き渡った…

「で、作者よ一ついいか?」
ぐるりとこちらを向く圭一。
「なんでこんな落ちなんだよ!俺ばっかり報われないぜ!?」
だってほらさ、結局黒幕はお魎で、気を利かせたのは魅音だから。
「どこまでが行き当たりばったりだったんだよ…」
…すみません、もうしません。

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最終更新:2006年09月08日 23:19