「……失礼しました」

心底疲れきった顔で、俺は職員室のドアを閉めた。
ようやく終わった知恵先生のお小言……。 それがまだ耳の中に残っているように聞こえている。
カレーを馬鹿にする人は~。 カレーはこの世でもっとも尊い~。 前原君もカレーの素晴らしさを~。
などといった、はっきりいって俺にはどうでもいい言葉ばかりが頭の中で繰り返し響いていた。
「ったく。 いくらなんでも、こんな時間まで説教しなくてもいいのになぁ……」
そのまま教室に戻りがてら、廊下の窓から外の景色を見つめる。
すでに空は夕焼け色に染まっていて、遠くからひぐらしがカナカナと鳴く声が聞こえている。
職員室に入ったのは、たしかまだ三時ごろだったはず……。
ということは俺は、二時間近くも知恵先生の説教(カレー談義)につき合わされていたわけだ。
「カレーカレーカレー……。 あれさえなければ、ただ美人でいい先生なんだがなぁ……」
もっとも元はといえば、部活の罰ゲームで俺がカレーの悪口を言ったせいではあるが……。
まあ*されなかったのは不幸中の幸い。 この程度のお小言で済んだのだからよしとしよう。
「レナと魅音、もう帰っちまったかな……」
木製の廊下をキシキシと軋ませながら、俺はおもわずハァっとため息をついた。
千恵先生に連行される前に言っておいたが、さすがにこの時間になったらもう二人は先に帰ってしまっているだろう。
梨花ちゃんと沙都子は別方向だからともかく、魅音やレナとはできれば一緒に帰りたかったんだが……まあ、しょうがない 
今日は両手に花は諦め、一人寂しく帰るとしよう。
「でも……あいつら、最近ちょっとおかしいよな……?」
廊下の曲がり角をクルっと回りながら、俺はあの二人のこのところの行動を思い出していた。
近頃の魅音とレナは、妙に俺に対して……なんというか、ものすごく『大胆なアプローチ』をしてきている気がするんだ。

今日の部活でもそうだった。 五人でトランプをやろうということになり、その席順を決めるときに、あの二人は異様に俺の隣に座りたがったのだ。
魅音はそもそもそういったことを決める権利がある部長であるし、レナもかぁいいモードになれば誰も止められるものはいない。
梨花ちゃんと沙都子が遠慮したこともあり、結局俺は魅音とレナに挟まれる配置になった。
ここまでならまだ納得できないこともない。 俺をビリにするために、二人して何か細工をしようとしている……とも取れるからだ。
だがそれでは説明が付かないことがある。 ゲームをやっている最中、あの二人は妙に……俺に体を預けてくるのだ。 ちょっと不自然なほどに。
まず魅音のやつは
「ちょっとちょっと圭ちゃ~ん、イカサマやってんじゃないの~?」
などといちゃもんをつけてきて、俺の腕にそのバインバインに膨らんだ巨乳を押し付けてきたのだ。
魅音はわりとウブだから無意識にやっているのかとも思ったが、更にその乳がムニュムニュっと強引に押し付けられてくると、いくらなんでもこれはわざとじゃないかと感じてしまったのだ。
もう片方のレナの場合は、もっとわかりやすい。
「はぅ~、レナトランプ落としちゃったぁ♪ 圭一くん一緒に探して~?」
などと甘えてきて、なんと俺のすぐ隣でスカートをペロンっと捲り上げたのである。
おもわず目を向けると、レナのまぶしいほどのふとももはおろか、その白いショーツまでもがはっきりと見えてしまった……。
「はぅ? ほらほら一緒に探してよ~圭一く~ん♪」
しかも追い討ちとして俺の手をガシっと取り、それをふとももの上に持っていってしまったからたまらない。
レナのムッチリとしていて引き締まっていたふともも……。 その感触が、今でもこの手のひらの中に残っている。
その後も二人はすごいことをしてきて、実は今俺のズボンの中は色んな意味で大変なことになっているのだった……。

「二人とも、あれは絶対わざとやってるよな……」

そんなこんなで、どう考えても最近のあの二人は俺を挑発している。
いや、誘惑しているといってもいいことばかりしてくるのだ。
いったい魅音とレナはなぜ俺にあんな行動を取るのだろうか。
そんなことをして彼女たちになにか得があるのだろうか。
そうして色々と考えてみたが、とりあえず一つだけはっきりしていることがある。 

「それは……魅音もレナも、俺にベタ惚れってことだな! まちがいないっ!!!」

廊下に誰もいないことをいいことに、俺はおもいっきりほくそ笑んでしまった。
常識的に考えて、好きでもない男に胸を押し付けてくる女などいない。
目の前でスカートをめくり、わざわざふとももまで触らせてくるなんて……それしかないだろ、常識的に考えて。
まさかこの雛見沢では、年相応の女は男を誘惑しなければいけない、なんて習慣があるわけでもあるまい。
これはもうまちがいなく、あの女達は俺に抱いて犯して光線を出している。
それはつまり……。
「レナと魅音。 あの安産型のうまそうな尻と、ボインボインのでかいおっぱいが……両方とも俺のものなのだあああぁぁぁぁぁぁっ!!!」
廊下いっぱいにこの世の春を迎えた男の声が響き渡った。
どちらかと付き合えたらいいな~なんて思っていた俺にとって、これはとても嬉しい誤算だった。
今日だってもし一緒に帰ったら俺の方から、二人とも俺の女にしてやるぜ!なんて言ってやろうと思っていたところだ。
残念ながら知恵先生の説教でその予定は狂ってしまったが、あいつらが俺に惚れている事実に変わりはない。
「魅音とレナ、そんなにも俺のことを好きだったとはなぁ♪ いやまあな~、なんとなくはわかってたけどなぁ~、まさか二人いっぺんとはなぁ~♪」
嬉しさにおもわず廊下をスキップしそうになりながら、俺は自分のバッグが置いてある教室まで向かっていくのだった。

「さ~て、じゃあ今日は一人で帰るか!あくまでも『今日は』だけどな。 明日からは両手に魅音とレナを……ふひひひひ♪」

そんなことを言いながらようやく教室の前までたどり着くと、俺は入り口のドアに手をかけた。
そのままそれを開けようとした、その時……中からなにやら話し声のようなものが聞こえてきた。
「あん、魅ぃちゃんってばぁ……ダメぇ~」
「え~、いいじゃんかさ~べつに~」
聞いた瞬間、すぐにそれはわかった。 
レナと魅音だ。 二人の声が教室の中から聞こえてきたのだ。
「あの二人、こんな時間でもまだ……俺を待っててくれたのかっ!?」
遅かったら先に帰っていいと言っておいたのに、さすが俺の未来の嫁達だ。
二時間近くも待っててくれるなんて、俺に相当惚れ込んでいる証拠にちがいなかった。
さっきの考えはもはや確信に変わり、俺はその教室のドアをガラっと開け……ようとした。
だが立て付けが悪かったのか何なのか、それは小さく音を立てわずか十センチほどしか開かなかった。
「なんだよ!俺と魅音とレナのめくるめく甘い一時を邪魔する気かこのやろ…………う?」
そうしてドアを蹴っ飛ばそうとした時、俺の目に信じられない光景が飛び込んできた。

「んもう、魅ぃちゃんダメだよぉ……あん」
寄せていた机の上に体を投げ出し、身をよじりながら色っぽい声をだすレナ。
「いいじゃんレナぁ……んぅ」
そしてレナを押し倒すようにして抱きつき、自分の顔をゆっくりと近づけていく魅音。
二人の柔らかそうな唇が、そのまま俺の視界の中でムチュウっと重なり合った。
「ん、んぅ~♪」
「あ、あーんもう魅ぃちゃんったらぁ……んふぅ♪」
口を塞がれたレナは魅音の体をやんわり手で押しのけようとするが、魅音はそれを許さず背中にまで手を回してレナの体を抱きしめる。
そうして唇を更に押し付け、レナのピンク色の唇が魅音のそれに絡み合っていく。
「ん……魅ぃちゃん♪ ん、んぅ♪」
「逃がさないよ……レナ」
濃厚なキスをしながら、そのまま魅音はレナの胸元に手を運んでいく。
セーラー服の胸元にあるスカーフをシュルシュルとほどき、柔らかそうに膨らんだレナの乳房をサワサワと撫で回していく。
「あ、あん、くすぐったいよぉ……♪」
レナはそれにピクンと反応すると、魅音の口からぷはっと離れる。
「も、もう、魅ぃちゃんたらほんとにダメ~♪ もうすぐ圭一くん帰ってきちゃう~♪」
「えーへーきだって。 知恵先生カレーのことになると話長いから……ほらレナ、もう一回もう一回♪」
「う、ぅんもう♪ しょ、しょうがないなぁ魅ぃちゃんは……」
そうして魅音が強引に顔を近づけると、今度はレナの方からも口を伸ばしてキスをしていった。
ピンク色の二つの膨らみがふたたびプチュっと重なり、それが今度ははむはむと甘噛みするように動いていく。
「んっ、んっ、んぅ♪ レナはあいかわらずキス上手だねぇ……」
「んぅ、魅ぃちゃんが教えてくれたくせに……ん、ん、ん♪」
甘い声を出し合いながら、二人はチュッチュッチュッと何度も何度も小さなキスを唇を重ね合わせていく。
女の子特有のなにか妖しい雰囲気を出しながら、魅音とレナが当たり前のようにキスをしている光景が……そこにあった。

「…………えーと。 魅音とレナが……チュッチュしてますなぁ」

とりあえず俺は、目で見たままを口に出してみた。
そして頭の中で自分よクールになれと命令し、冷静にもう一度目の前の光景をよく見てみることにする。
夕焼けの光が教室内をオレンジ色に染めていて、そこに二人のシルエットがとても綺麗に浮かび上がっている。
部活用に中央に寄せていた机達はそのままで、その上に寝そべるようにしてレナの体が横になっている。
短いスカートの中からはチラチラと白いショーツが見えてしまっていて、レナが今そういったことを気にしていないという。
つまり女として油断している状況である、ということを如実に物語っていた。
更にそのレナに魅音の体が押し倒すように重なり、背中に手を回して彼女の体を抱きしめている。
どちらかというと魅音が攻めのようで、レナの背中を撫でてやったり、頭を撫でてやったりとまるで可愛がるように愛撫している。

つまり教室の中で、二人がまるで恋人どうしのように抱き合っているという光景だ。
誰もいない放課後の教室、そこで彼女達はお互いにしっかりと唇を重ねる濃厚なキスシーンを演じている。
時折どちらかの唾液が混ざり合っているようで、ここにいる俺にまでピチャピチャと卑猥な音が聞こえている。
「……何してんだろ。 キスの練習とか……かな?」
俺に惚れているもの同士、俺とキスをしたときのための予行練習をしている。
そう考えれば一応つじつまがあう。 女の子同士でふざけあっていたら、つい盛り上がりキスまでしちゃった~という可能性も捨てがたい。
とりあえず俺はこのまま廊下で立ち尽くし、ドアの隙間から彼女達の情事を覗き見てみることにした。

中の二人はまだ長いキスを続けていて、唇が接着剤でくっついたようにムチュっと重なったままだった。
「あむ……あんっ。 んぅ魅ぃちゃんもう終わりー♪ ダメだよー♪」
いつまでたっても唇を離してくれない魅音をレナがやんわりと叱る。
だがそれはまるで怒っているという感じはなく、むしろ喜んでいるようにも見えた。
「えー嫌だってー。 おじさんもう辛抱たまんないんだからさー、このままここでしちゃおうよぉ♪」
魅音もそれがわかっているようで、彼女はさきほど触っていたレナの胸元に置いた手を動かし始めた。
ふっくらとセーラー服をおしあげている乳房をムニュっと掴むと、それをこね回すようにモミモミと揉んでいく。
「あ、あん♪ やぁだ、魅ぃちゃん揉んじゃダメだよぉ……♪」
「んーどうして? レナはおっぱい感じすぎちゃうもんねぇ!ほれほれ~♪」
そのまま両手を使い、魅音はレナの胸を遠慮なくモミモミと揉んでいく。
少しだけ乱暴といった感じの微妙な感じで、セーラー服の前がしわになるのもかまわず……。
モミュモミュモミュとレナの乳房がいびつにゆがんでいく。
「あ、あぁんもう♪ いいよーレナも揉んじゃうからぁ♪」
胸をされるがままだったレナが反撃する。
自分のものよりも大きい魅音の乳房をガシっと掴み、指全てを埋めながら乱暴に揉みしだいていく。
「あぁん! ちょ、ちょっとちょっとレナぁ少しは手加減しなよねーもう」
「平気だよぉ♪ 魅ぃちゃんの方がおっきいんだから、少しくらい乱暴にしてもだいじょーぶ♪」
そう言ってレナは更に早く、乱暴に魅音の巨乳を揉みしだいていった。
彼女の制服の胸元に付いているネクタイごと、さっきのセーラー服のお返しとばかりにしわくちゃにさせながらモミモミと揉みこんでいく。
「あ、はぁっ! や、やだなぁレナ、そんな乱暴にされたら……」
「んふふー♪されたらー? なんなの魅ぃちゃーん?」
「ふっふっふ……今度はおじさんも反撃だー!」
次は魅音がそれをやり返す。
レナの胸元を揉んでいた手をススっと下に降ろし、彼女の少し大きめのお尻にまで持っていく。
胸と比べてふくよかな臀部を手のひらでガッシリと鷲づかみにし、スカートの上からセクハラするようにモミモミ揉んでいった。
「ほーれほれほれー♪ レナは胸はともかく、お尻はけっこうでっかいよねぇ~? この尻デカ娘めー♪」
「はぅんっ! ダ、ダメダメぇそこ恥ずかしい魅ぃちゃーん♪ あ、あはははは♪」
魅音に少し大きめのお尻を揉まれ、恥ずかしさとくすぐったさに体をよじらせて笑うレナ。
そしてまたレナが反撃に魅音の巨乳を鷲づかみにすると、今度は魅音の方が声をあげる。
「お、ちょ、ちょっとちょっとそんなにしたら痛いって。 あ、あはぁ……♪」
「嘘だっ♪ 魅ぃちゃんもう乳首硬くなってるよぉ~?このコリコリはなんなのかなぁ、かなぁ~?」
そういってレナは指で巨乳の中心を摘むと、そのまま左右にこね回すように動かす。
「あ、はぁ♪ ちょ、ちょっとレナほんとにだめだって♪ あ、はぁ、はぁ♪」
「魅ぃちゃんはここが一番感じるんだよねぇ~? ほらーこりこりこり~♪」

……そうした永遠に続きそうな卑猥な『お返し』を、彼女達は俺の目の前でさも当然のように繰り返していった。

「魅音とレナ……きもちよさそうだなぁ。 あんなにでかいおっぱいとお尻なら、さぞかし柔らかいんだろうなぁ……」

レナの指がムニュムニュ食い込まれていく、魅音の乳房。
魅音の指がモミュモミュ包み込まれていく、レナのお尻。
女の子がお互いの体を愛撫していく光景を見ながら、俺はおもわず生つばを飲みこんでいた。
すでに下半身はビンビンに反応していて、ズボンの中でははちきれそうなほどにアレが大きくなってしまっている。
いくら俺とのときのための予行練習といったって、少しやりすぎだ、けしからんと思った。
しかし二人はそうして乳と尻を揉みあいながら、ふたたび甘い口付けをかわしていく。
「レナ、ほらもう一回キス……んっ♪」
「あん魅ぃちゃん……んふふ♪」
二人とも目を瞑り、お互いを離さないようにしっかり唇をからませていく。
とても濃厚で甘いその光景に、俺は少し違和感を感じていた。
「なんか……いくらなんでもあいつら、ちょっと怪しいよな?」
魅音もレナも、一見普段の仲の良い雰囲気はそのままのように見えるが……どこかおかしい。
俺とするときのための練習なら、キスだってするかもしれないし、体だって触るかもしれない。
だがそんなものだけでは説明できない、まるで恋人同士のような『本気』っぽいものが感じられた。
「まさか……ほんとに? ま、まさかな!ま、まさかだよなー♪」
あやうく二人の俺への愛を疑いそうになったが、とりあえずもうしばらく俺はこの情事を見てみようとふたたび教室の中に目をこらしていった。

「ん……ねぇ魅ぃちゃん♪ もっとしてぇ?」
「んぅ? くっくっく、なぁ~んだダメとか言って、レナもノリノリじゃんか~♪」
「はぅ~だって体熱くなってきちゃったんだもん……♪ 魅ぃちゃんのせいだよぉもう♪」
レナはプーと頬を膨らませ、寝かせていた体を少し浮かせていった。
すると魅音がレナのお尻に手を回し、制服のスカートの中に手をゴソゴソと入れていく。
「あ、だいじょうぶ。 おじさんが脱がせてあげるから……♪」
「あ、あん。 魅ぃちゃんのエッチ……♪」
そうしてレナのスカートの中から、スススっと白いショーツが抜かれていく。
魅音はそれをふとももから足の先まで綺麗に脱がすと、可愛らしいショーツを手の中で広げた。
「そういえばさぁ。今日の圭ちゃん……ほらこれこれ♪」
「あ……うんうん♪ 今日も圭一くん、ね♪」
レナの白いショーツを広げながら、二人はうんうんと何か思い出すようにうなずきあった。
突然自分の名前を呼ばれて、俺はようやくきたかと二人の会話に耳を傾けていった。
「まったく遅いぜ。 さあ今日も圭一くん(圭ちゃん)かっこよかったねとか、そういうことを言うんだろ……?」
わくわくしながら俺は二人の会話に耳をこらした……が。

「「今日も圭一くん(圭ちゃん)、単純スケベだったよねー♪」」

そうしてハモるように、魅音とレナの声が重なり合った。
更に二人はクスクスと笑いあいように話を続けていく。
「魅ぃちゃんにおっぱいムニューってされて、圭一くんすっごく鼻の下伸ばしてたよぉ? あははは♪」
「なーに言ってんのさ。 レナだってあんなスカートめくっちゃって、圭ちゃんおもいっきりチラ見してたよぉ? くっくっく♪」
あははははっと楽しげな声が、教室じゅうに響き渡る。
「レナのパンチラに興奮して、ズボンの前パンパンにしてたしさぁ。 あれはおじさんちょっとやりすぎだと思うけどなぁ♪」
「あーずるいー。 魅ぃちゃんだってその後、トランプ拾うフリして圭一くんのそこにおっぱい押し付けてたじゃない。あれはどうなのぉ?」
「いやーだって圭ちゃん、そういうことでからかうとおもしろいくてさ~。 反応がアレで……♪」
「あ、それわかるなぁ♪ 普段エッチなこと言うわりには、けっこうウブだよねぇ圭一くんって♪」
「レナなんてふとももまでわざわざ触らせちゃって……どうだった?何かしてきた?」
「はぅ~それが残念。 てっきり中まで触ってくるかなぁと思ったけど、圭一くんなぁんにもしてこないの」
「あーやっぱりかー。 圭ちゃんああ見えてたぶん……ほら、あれあれ♪」
「あ、やっぱり魅ぃちゃんもそう思う? くすくす……レナもそうそう♪」
そうしてまた呼吸を合わせるように息を吸うと、二人はゆっくりと口を開いた。

「「圭ちゃん(圭一くん)って、絶対童貞だよねー♪」」

ズキリと胸に突き刺さる言葉が届くと、魅音とレナはまたクスクスと笑いあった。
その二人の『女の会話』を聞きながら、俺はとめどない衝撃を受けていった……。

「な、なんだよこれ……魅音とレナが、お、俺のこと……馬鹿にして……?」

まさか魅音とレナが、俺のことをこんなふうに思っていたとは……。
ここ最近の彼女達の『アプローチ』は、ただのイタズラだったということなのだろうか。
俺にそれっぽいモーションをかけておきながら、心の中ではウブな俺をこうして笑っていたということなのか……。

受け止められない事実におもわず体が震えていくのを感じながら、目の前の彼女達は更に俺を罵る言葉を重ねていく。

「圭一くんのオットセイ、今日もすっごくおっきくなってたけど。 魅ぃちゃんあの時のあの『反応』、どう思う?」
「ん~ああ、あれでしょ? ゲームの最中、レナが圭ちゃんの股間にこう手を……」
「うんうん♪ レナが『こんなに膨らんじゃってる、痛くないの圭一くん?』って言って、手で撫でてあげたときの」
「レナの後におじさんも『うわ~ほんとだ!圭ちゃん大丈夫?』ってさすってあげたやつだよね?」
「そうそう、すっごく硬かったよねぇ圭一くんの♪ もうレナ達の手の中でビクビクしちゃって……すっごくかぁいかったよぉ~♪」
「あっはっは♪ レナにとってはアレもかぁいいときちゃうかぁ~。だからあんな優しくさすってあげてたわけぇ~?」
「はぅ~、魅ぃちゃんだってこう……上下にシゴくえげつない触り方してたよぉ? そしたら圭一くん、ビクンって痙攣したんだからぁ♪」
「そうだねぇ~。やっぱりあのビクンは、『アレ』かな?」
「絶対そうだよぉ♪ レナ聞いたもん、圭一くんのうぅぅって気持ちよさそうな声。 あれはもう『アレ』しかないよぉ♪」
そうして二人がまたもや息を合わせていくのに、俺はおもわずやめてくれと口に出しそうになった。
だが……。

「「あれはズボンの中で、絶対射精しちゃってたよねー♪」」

あっさりと言われてしまい、魅音とレナはまたくすくすとさぞ楽しそうに笑いあっていった。

これ以上ないという絶望に落とされながら、俺はもはやこの事実を受け入れていくしかなかった。
たしかに彼女達の言うとおり、俺のズボンの中はちょっと大変なことになっている。
部活中魅音とレナに勃起していたそれを擦られ、俺はたまらずズボンの中で射精してしまったのである。
目の前には梨花ちゃんや沙都子もいたというのに、情けなくもガマンできずに達してしまったのであった……。
だがそれでも、いくらなんでもここまで俺を罵ることはないだろうと思う。
たしかに二人の言うとおり俺はまだ経験がないが……ないが。

「くそ……あ、あいつら天使みたいに無垢な顔して、ほんとは俺のこと馬鹿にしてやがったのかっ!」

さっきまで好きだと感じていた魅音とレナに、俺は沸々と沸きあがってくる怒りを覚えていた。
何かこの二人の百合っ娘に対して、復讐できやしないだろうか……。
一瞬このまま教室の中に踏み込み、二人をむりやり犯してやろうかと考える。
だがまだ職員室には知恵先生が残っている、悲鳴でもあげられたら終わりだ。
なにより俺はクールな男。 自ら犯罪に手を染めることはしないのだ。
童貞だからそんな勇気がないとか、むしろ魅音とレナに逆レイプされそうとか怖気づいたわけでは決してない。
あくまで俺は冷静に、そしてクールに復讐の構えを進めていく。
とりあえずは二人のあの甘い雰囲気……女同士の百合の世界を汚してやろう。
そう思った俺は、パンパンに張っているズボンの前を開いていった。
そして中からすでにいきりたったペニスを取り出し、魅音とレナが抱き合っているすがたを見ながら……それをシゴいていくことにした。

レナと魅音は会話しながら、お互いの服を脱がしていた。
「でもさぁ魅ぃちゃん。 圭一くん絶対勘違いしちゃってると思うな♪ 思うな~♪」
「あーだろうねぇ。 たぶん、レナと魅音は俺にメロメロだ~!なんて思っちゃってるかもねぇ」
レナは魅音の制服の前を開き、ブラに包まれたその巨乳に顔を埋めた。
「ん……くすくす♪ でもレナは圭一くんのこと、好きだよ? 魅ぃちゃんもでしょ?」
「あはは、それはもちろん♪ 圭ちゃんはちょっとスケベだけど、結構優しいしね。 そういうとこすっごく好きだなぁ……」
魅音はレナのスカートをペラっと捲り、さきほどショーツを脱がし何にも包まれていないその割れ目に指を這わしていく。
「あん♪ ん、まぁでも、所詮『オス』には変わりないけどね♪ 魅ぃちゃんの魅力にはぜんぜん叶わないよぉ♪」
「それはこっちのセリフだってば。 レナはほんとにもう可愛くて可愛くて、おじさんもう辛抱たまらないんだからさぁ~♪」
魅音はそのまま指を這わし、レナの割れ目をやんわりと愛撫していく。
すでにそこは濡れているようで、指が擦れるたびにそこからクチュクチュといやらしい音が聞こえていた。
「あれあれぇ~? レナもう濡れてるじゃん♪ まさか圭ちゃんのこと話してて感じちゃったの~?」
「あん、もうイジワル~♪ 魅ぃちゃんが大好きだからにきまってるよぉ……ん、そ、そこきもちいい……」
「ん……ここ?」
魅音が言われたところを指で刺激すると、レナはわりと本気な声を出して喘いでいった。
顔はだんだんと赤くなっていき、その色っぽいレナの表情を見ながら俺はペニスを乱暴にシゴきあげる。
「あん……。 魅ぃちゃんの指きもちいい……あ、あ、あぁ」
「冗談じゃなくさ、レナはほんとに可愛いよ? こんないい子、悪いけど圭ちゃんにはあげられないなぁ……」
すでにしとどに濡れている割れ目に、ジュプっと魅音の指が入り込む。
「あ、あん! レナも、レナも大好きな魅ぃちゃん圭一くんに渡したくないよぉ……あ、は、入ってくるぅ」
魅音の指がズブズブと入り込むたび、レナはたまらないといった感じに声をあげていく。
はぁはぁと息を吐くその仕草がとても色っぽく、俺は普段見たことのない彼女にものすごく興奮した。
「ん……このへんがいい? それとももっと奥のほうがいい?」
「も、もっと奥まで……魅ぃちゃんの指、全部レナに入れて欲しいの……全部レナがもらいたいのぉ」
自分からもやんわりと腰を動かし、レナは魅音の指をジュプジュプと膣の中に貪っていった。
そしてそれがジュプンと根元まで入ってしまうと、レナはビクンと背中をのけぞらせた。
「あはぁんっ! あ、あー入っちゃったぁ♪ 魅ぃちゃんのお指、根元まで入っちゃったよぉ……」
「すっごいよ、レナの膣……。 あたしの指にウネウネ絡み付いてきて……あいかわらずスケベだねぇ♪」
「あ、あーんもう、いじめちゃやだよう……ん♪」
そうして甘えながら、ふたたびレナはチュっと魅音の唇にキスをしていく。
魅音もそれに答え、指をジュプジュプと割れ目に出し入れしながらレナの唇を舐めていった……。

「はぁ、はぁ……魅音、レナ…………うっ!」

普段は絶対に見られない、魅音とレナの甘い情事に……俺はたまらず射精していた。
ドピュドピュと大量の精液がペニスから吐き出され、それが廊下の床にボタボタと散らばっていく。
「はぁはぁ……ど、どうだ、やってやったぜ! あの百合な世界を汚い男の欲望で汚してやったぁっ!」
おもわずガッツポーズを作る俺を尻目に、教室の中からはふたたび甘い声が聞こえてくる。

長いキスをしていた二人は名残惜しそうに唇を離すと、すぐにチュッチュッと小さな口付けをしながら声を出していく。
「ん、んぅ♪ 魅ぃちゃん、ずっとレナと一緒にいてね? レナは魅ぃちゃんのそばにいたいの……ずっと」
「ふふ、嫌だって言ったって離さないよ♪ あたしとレナの邪魔は誰にもさせないんだから……ていうか、おじさんと結婚するんでしょ?」
「はぅ~♪ でも女の子同士じゃ結婚できないんだよ? だよぉ? ん、ん」
「へーきへーき。 園崎家の党首、園崎魅音が決めた相手ならこの雛見沢じゃ誰も文句言わないし……言わせないよ」
「……魅ぃちゃん、大好きだよぉ♪」
「レナ……あたしも♪」
何度も何度も小さなキスをし、そうしてまたムチュ~と唇を長く塞ぎあう魅音とレナ。
二人はとても幸せそうな顔をして、お互いの愛を深く確かめ合っていった……。

ふと床を見みると、今出したばかりの俺の精液がとても寂しげに……転々と散らばっていた。

「………………なんかむなしいな」

魅音とレナはあんなにも絡み合い、愛し合い。 とても満たされているというのに……。
俺はこうして誰もいない廊下で一人寂しく自慰をし、大事な子孫の元をただ床にばら撒いている。
普段も同じ事をした時に来るあの空しさが、今日はより一層重く感じられた。
その空しさはおそらく、魅音とレナに振られた……という事実を俺が受け止めたからにほかならなかった。

「く……くそ、くそっ! 女なんて、女なんてぇぇぇ……」

あまりの空しさに、俺はおもわずその場にうずくまりながら泣き出しそうになった。
目がしらが熱くなり、そこからポロポロと涙がこぼれそうになった……その時。

「女なんて、なんなのですの(か)?」

突然聞き覚えのある声が、耳の中に入り込んできた。
こんな学校の廊下で男が半泣きになりながら、アレを出しっぱなしでうずくまっている。
あまりに変態すぎると瞬時に判断した俺は、慌てて股間を隠しながら後ろを振り向いた。

「!?……さ、沙都子……梨花ちゃん」

てっきりもう帰ったと思っていたのに、そこにはなんと梨花ちゃんと沙都子が当然のように立っていた。
うずくまって泣きそうになっている俺を、二人はなんとも哀れな生き物でも見るような目で見つめている。
「圭一さん……なんて情けない格好なさってますの?」
「み~。 泣きそうなお顔なのです……」
おっしゃるとおり、おかしな格好で半泣きの俺はいきなり二人に同情の言葉をかけられてしまった。
一体この二人はいつからそこにいたのだろう。
ひょっとしたら射精していたところも見られていたかもしれない……。 
とりあえず俺は、なんでもないといったかんじに手をバタつかせた。
「ち、ちちち、違うんだ二人とも! こ、これはちょっとここをトイレと勘違いしてだな……ち、ちがうんだぞ!」
「……なにヘタないい訳してますの? ずいぶん前から見てましたけど……」
「何度も呼んだのですけど、圭一、ハァハァ言ってて全然気がつかなかったのですよ?」
俺の苦しいいい訳をサラっと流し、この幼女達はあっさりと男の恥ずかしい瞬間を目撃してましたと認めてしまった。
たしかに魅音とレナに釘付けで周りは見ていなかったが、まさかこの二人にずっと見られていたとは計算外だ……。
いくらなんでも年齢がまずすぎる……と思ったが、だからこそ逆に俺が一体何をやっているかわからなかったのでは?
この年でそんな性知識を知っているとは思えない。
とりあえず俺はクールな頭で冷静になり、男の自慰行為を何か別のものだと説明することにした。
「あ、あのな沙都子、梨花ちゃん。 さっきのは今都会で流行っている有名なスポーツで」
「まったくこんな廊下でなんてハレンチなこと! 信じられませんわねこの変態! 色欲魔!」
「圭一の恥ずかしいところ、全部見ちゃいましたですよ♪ これからは廊下自慰男、前原圭一と呼びますのです」
「きゃーーーっ!!!」

さすがこの年にしてトラップの天才とオヤシロ様の巫女。
男の自慰行為のこともしっかりと知っているらしく、二人の俺を見る目はあきらかに変態男のそれに変わっていた。
魅音とレナにもて遊ばれていたということに加え、更にこんな幼い二人にまで軽蔑される……。
一日にして部活メンバー全員に見限られた事実に、さすがの口先の魔術師もグーの音もでなかった。
「魅音とレナどころか、二人にまで……すごく、最悪です……」
ガクンとうなだれながら、俺は目の前にいた沙都子の胸につい顔を預けてしまった。
「ん……ひょっとして魅音さんとレナさんのこと、知りませんでしたの?」
すぐに跳ね除けられるかと思いきや、沙都子は俺の頭にスっと手をやるとそのまま抱き寄せてくれた。
すると隣にいた梨花ちゃんも、俺の頭にポンっと小さな手を置いた。
「み~……あの二人はだいぶ前からそういう関係なのですよ。 てっきり圭一も気づいていると思ったのですけど……」
そうして慰めるように、俺の頭をナデナデと撫でてくれた。
驚くべくことに、どうやら二人とも魅音とレナの関係を知っていたらしい。
幼くともやはり、恋愛ごとには敏感な女の子だということか。
つまり部活メンバーの中で、俺だけが唯一何も知らないピエロだったわけだ……。

「レナ、魅音……す、好きだったのに……うぅぅぅぅ」
「そ、そんな泣きそうな声出すんじゃありませんの……ほ、ほら」
「圭一、かわいそかわいそなのですよ……みぃ」
ダブル失恋に涙を流す俺を、彼女達は二人してギュっと抱きしめてくれた。
沙都子に加え、梨花ちゃんの胸の感触が顔いっぱいに広がっていく。
「うぅ、梨花ちゃん(グリグリグリ) さ、沙都子ぉ(グリグリグリ)」
ツルツルぺったんこな胸に顔を埋めると、魅音やレナと違ってまったく凹凸のない感触が少し悲しく……これもいいなと思った。
「いっぱいいっぱい泣いていいのですよ。 ボクの小さなお胸でよかったら、好きなだけ涙で濡らすのです……」
「まったく情けないですわね。 わたくしの……に、に~に~ともあろうものが」
その優しい言葉に俺は年上ということも忘れ、二人の胸の中で泣きじゃくっていった。
こんなにも小さくてもこの子達は女なんだ。 
男の馬鹿なとこを受け止めてくれる、母性を持った女性なんだと感じさせられて……ただ甘えていった。
「…………梨花、今夜はお夕飯三人分ですわよ?」
「み~。 わかっているのですよ、沙都子♪」
二人のその言葉に、おもわずガバっと顔をあげる。
するとそこには梨花ちゃんと沙都子、二人の可愛いらしい顔があった。
「男性を慰めるのもレディーの務めですわ。 こんなにも悲しんでいるに~に~のこと、ほっとけませんもの……」
「そのとおりなのです。 今夜はボク達のお家で、圭一を一晩中慰めてあげますのですよ♪」
そう言った二人の表情は……まさしく女神そのものだった。
こんな情けない俺を、このうえ家にまでお泊り招待してくれるというのか……。
「ぐすっ……あ、ありがとう、梨花ちゃん沙都子。 今日から俺、君達のための前原圭一になるから……なってみせるからなっ!」
せっかく慰めてくれた二人の為に、俺は空元気でガッツポーズを作ってみせた。
「ま、まったく調子がいいですわね。 泣いていると思ったらすぐうぬぼれて……」
「くすくす♪ でもそれが一番、圭一らしいのですよ……」
すると梨花ちゃんと沙都子はようやくにぱ~と笑い、俺にまるで天使のような微笑みを見せてくれるのだった……。




だがこの時、俺は何もわかっちゃいなかった。
いまこうして顔を埋めている二人の幼女こそ、魅音とレナ以上の『裏』を持つ悪魔だったってことに。
今夜彼女達の家で過ごすまで、まるで気づいちゃいなかったんだ……。


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最終更新:2010年03月05日 22:32