かすかな泣き声が聞こえる。
寝ぼけた目を擦り、まだはっきりとしない頭で泣き声の主を探す。
部屋の中はまだ暗い。時計は見えないが、かなり遅い時間だろう。
それでも、俺は起きなくちゃならない。彼女を探して大丈夫だと教えなければならない。
……だけど何故、それをしなくちゃならないんだ?
ふと、俺の頭の中に疑問がよぎる。
何故だ? 俺が何故、それをしなければならない?
ぼんやりした頭が、回転数を徐々に上げていく。
――泣いてるんだから、安心させてあげなきゃダメだろ?
違う。それだけじゃない。それだけの理由なら、俺じゃなくても良いはずだ。
――彼女をなだめられるのは、俺しかいないから?
そんなような気もする。でも、もっとこの漠然とした使命感は強い感情な気がする。
だんだん俺の頭は覚醒へと向かっていく。
それにつれて泣き声だけでなく、彼女の呼ぶ声が耳に届きはじめる。
「にーにー……ぇにーにぃ……何処? 何処ですの……?」
俺を呼んでいる、声。
――そうだ。妹が泣いているんだから、安心させてやるのはにーにーの務めじゃないか。
かちん、と頭の中のピースがはまり、頭が一気に冴え渡った。
「……沙都子?」
隣に並べた布団の中には、沙都子の姿はなかった。
「沙都子っ!?」
「……っく、…圭……にぃ……ひっく……」
声を頼りに暗闇の中を探す。狭い部屋だから、すぐに見つかる。
布団から少し離れた壁の端、そこにうずくまって沙都子は泣いていた。
「沙都子、どうした?」
頭を撫でてやると、感極まったように腕の中に飛び込んできた。
「うわぁぁぁぁん! 圭にーにー! うあぁぁぁぁぁ!」
静かな夜に、沙都子の泣き声だけが響き渡る。
少しでも多くの温もりを求めるかのように、ぎゅっと全身で俺にしがみつく。
俺も少しでも安心してもらえるように、ただ頭を撫で続けた。
臆病な、いや臆病になってしまった妹は、まだ泣きやむ気配を見せない。
いい加減暗闇に目が慣れてきた俺は、改めて狭い部屋を見渡した。
二組の布団、端に寄せられたちゃぶ台、小さな冷蔵庫。
たったそれだけ。テレビを買う余裕すらない。
壁に掛かったカレンダー、昭和60年の6月。
そうか、あの日からもう二年も経つのか。
俺が沙都子のにーにーになったあの日から……


一人の男によって、俺たちの日常は狂わされた。

沙都子から笑顔が奪われたあの日、俺たちは無力だった。
いや、違う。誰もが自分を犠牲にする勇気がなかっただけだ。
魅音は初めっから俺の意見に反対ばかりしてたし、何より園崎家、園崎家と体裁ばかり気にしやがる。
レナも助けたいと言っている割には何もしようともしなかった。
梨花ちゃんだって、そうだ。
一緒に住んでいた家族のはずだったのに、あの叔父のもとへ連れ去られるのを引き留めることが出来なかった。
全部、自分まで犠牲になるのを恐れたからだ。
子供だから何も出来ない、無力だと、そんな言い訳をかざしていたんだ。
そして俺も最初はそうだった……
どうせ何も出来ないと、沙都子が傷ついていくのをただ見ていただけだったんだ。
俺自身、何処かで自分が傷つくのを恐れていたから。
だけどあの日、俺はあいつらとは一線を越えた。
そんな自分が傷つきたくないだけの、非情な奴らとは……

きっかけは沙都子の発狂だった。

校長先生の足音を叔父だと思いこんで、ひどく沙都子は怯えた。
後で梨花ちゃんが教えてくれたが、沙都子はそう言う病気らしかった。
そして梨花ちゃんが沙都子に注射をしようとして……
「っ!?ちょ、沙都子?」
沙都子は脇目もふらずに、俺の胸に飛び込んできたのだ。
全ての人に怯えていた沙都子が、何故か俺だけに助けを求めてきた。
「わぁぁぁぁ……っく、助けて、助けてよ……にーにー!」
どうすればいいのかもわからなくて、俺も助けを求めるように周りを見渡した。
魅音のうろたえた目、レナの悲しそうな目、そして頼みの梨花ちゃんでさえ信じられないというような目をしていた。
ぽつりと梨花ちゃんが呟く。
「あり得ない、沙都子が圭一をにーにーと思いこむなんて……あり得ない……」
沙都子を見る。純粋に、ただ純粋に俺の助けを求めていた。
そして俺は悟る。沙都子を救えるのは、俺しかいないってことを……

夕方の診療所。俺の手を握ったまま眠る沙都子。
監督と、梨花ちゃんもいる。みんな、沙都子を見つめていた。
注射を忘れると沙都子は臆病になってしまうこと。
周りの人を自分に敵意があると思いこむようになってしまうこと。
なのに、何故か俺だけが例外だったこと。
監督と梨花ちゃんが説明してくれたことが、ただ頭の中をグルグル回っていた。
クールになれ、と自分を落ち着かせようと頭で何度も繰り返す。
沙都子はまだ、目覚めない。
「……監督」
「何でしょう? 前原さん」
「沙都子が目を覚ましたら、沙都子はあの家に帰らなきゃならないのか……?」
監督が口を閉ざす。それが答えだった。
「圭一」
ふと、ずっと黙っていた梨花ちゃんが口を開く。
「ボクが前、圭一に頼んだこと、覚えてますですか……?」
「沙都子のにーにーの代わりをしてくれって、あれか?」
小さな頭が、頷きを返す。
「それは沙都子が貴方に悟史の面影を重ねていたから。でも今までこんなことはなかった」
「……梨花ちゃん?」
よくわからないけど、梨花ちゃんが急に大人びたような気がして、俺は少し驚いた。
「いくら症状が出てるからって、圭一を悟史と間違えるなんてあり得ない……」
そう小さく呟き、そして続ける。
「圭一、確かに貴方は悟史と重なる部分がある。でも……」
――沙都子のにーにーでは、無いのですよ……
その言葉が何を伝えたいものだったのかは、今もわからない。
だけど、その言葉が俺を決心させたのかもしれない。
正直なところ、その言葉に俺はカチンときた。
そうだ。確かに俺は沙都子のにーにーじゃない。
でも、なることは出来るはず。
あの時沙都子は俺を選んだ。
悟史と重なる部分があったからかもしれない。だけど他の誰でもない俺を選んだ。
だから俺がやるしか、俺が沙都子を救うしか――
「監督、せめて俺が沙都子を家に連れて行ってもいいですか?」
「歩きでですか? 結構遠いと思いますけど……」
「負ぶって帰ってやりたいんです。せめて……」
俺が必死に頼み込んだせいか、監督は折れてくれた。
まだ目覚めない沙都子を背負って俺は歩く。
見送るのは監督と梨花ちゃん。これが一生の別れと知らない二人。
何処へいく? あてなんて無い。でも、確実に雛見沢からは背を向けて。
ただひたすら彷徨い歩いた。ポケットに入っているお金は少しだけ。
走った。ただ少しでも遠くへ行こうと思った。
そう、あの日俺たちは――逃げた。


その後のしばらくの日々は大変だった。
今でこそ俺がバイトで稼いで、こうしてボロいながらもアパートに暮らせている。
だけど当時はずっと野宿だったし、ご飯もろくに食べられなかった。
沙都子はあの日から臆病なままで、俺から少しも離れなかった。
しかもニュースで雛見沢大災害のことを知って、戻れる場所はもう無くなった。
だけどただひたすら前へ進んで、今の俺たちがここにある。
幸せを掴んだ俺たちが……

そうこう思い出しているうちに、沙都子はいつの間にか泣きやんでいた。
「落ち着いたか? 沙都子」
頷く。もともと赤い目が、もっと赤くなっていた。
「一体どうしたってんだ? 怖い夢でも見たのか?」
「ええ……圭にーにーが……いなくなる夢」
「大丈夫だ、俺はいなくなったりしねぇよ」
言って、乱暴に頭をぐしゃぐしゃと撫でてやる。
あの日以来、沙都子は俺を『圭一さん』とは呼ばなくなった。
でもにーにーとだけで呼ばれていると、悟史と重ねられてる気がして嫌だった。
沙都子を置いていった悟史とは、俺は違うんだ。
だからせめて分けてもらえるよう『圭にーにー』と呼ばせることにした。
それなら俺は圭一であり、なおかつにーにーであることが出来た。
「でも、でも……」
「大丈夫だ、沙都子を置いていなくなったりなんてしない」
「嫌……、圭にーにー、いなくならないでくださいまし……」
「だから沙都子――」
「嫌、嫌……私を、沙都子を置いていかないで……」
「……はぁ」
沙都子はこうなると、思いこみが治らない。
そういえばバイトをはじめた当初も、こうやって離れたがらなかったっけ。
こうなったときは、俺がここにいることを沙都子に教えてやらなければならない。
「沙都子」
「いなくならないで……圭にーに……!?」
頬をギュッと押さえて、その小さな唇を塞いでやる。
突然の口づけに驚いたように目を丸くしたが、落ち着くにつれ段々と目が閉じていく。
「ん……むぅ…っ……」
頃合いを見計らい、舌を差し入れる。
特徴的な八重歯を舌先でなぞっていると、待ちかまえていたように小さな舌が絡められた。
砂糖菓子のような甘さの残るその感触を、頭を撫でるように楽しむ。
「ふ…んんっ……む…」
深く繋がるにつれて、沙都子の鼻から甘えるような吐息が混じり出す。
沙都子の口腔に唾液を流し込み、俺も沙都子の唾液を飲み干す。
小さな舌は忙しなく動き、俺の方にも快楽を与えてくる。
もともと器用なのか、沙都子はキスが上手い。
時折俺の方が責められてるような錯覚すら覚えるほどに。
俺も負けじと舌を吸ったり、歯茎を舌先でくすぐったりする。
が、段々と息苦しくなって唇を離す。
つぅーっと繋がる、一本の銀糸。
「沙都子……」
紅潮した頬が、何とも可愛らしい。
そのまま首筋に口づけ、舌先でうなじをなぞっていく。
肌を軽く吸うと、ぴくんと体が小さく跳ねた。
こうやって赤い華を沙都子という大地に点々と咲かせていく。
パジャマのボタンを外し、徐々に脱がせる。
まだ育つであろう二つの膨らみが現れ、沙都子は小さく息を飲んだ。
これから与えられる全てが楽しみで仕方がないとでもいうように。
そっとその膨らみに指を這わせ、少しずつ力を込めていく。
何とも言えない柔らかさと、弾力と、温もり。
手のひらに吸い付いてくるような感触が愛おしくて、力を込めすぎそうになるのを必死に理性で止める。
「ん……はぁ……」
熱く、しっとりとした吐息が小さな口から漏れる。
もっと聞きたくて、淡い色をした蕾を摘む。
「……っ!…ふぁっ!」
コリコリと転がすように刺激を与えてやると、ぷくりと硬さを増してくる。 耳に舌を這わせる。ビクリと体が大きく跳ねた。
「ん……あっ、や……っ!!」
沙都子は耳が弱い。舌先で輪郭をなぞって、耳たぶを軽く吸ってやる。
手の動きは変えぬまま。揉みしだき、時折先端を弄ぶ。
あー、沙都子、結構胸大きくなってきたな……
俺が弄っているせいもあるのか、最近特に成長著しい。
そろそろブラジャーでも買い与えてやらないと不味いんだろうか?
どんなのが良いだろう? 色はピンクとか黄色あたりが似合いそうな気がする。
――なんて、兄じみた思考と今している行動の矛盾に少々心が痛む。
妹であるはずの彼女との、背徳的な行為。
くそ……っ!
俺の中の二つの思考が葛藤する。
くそ、くそ、くそっ!
クールになれよ、落ち着け前原圭一!
そんな言い聞かせるような思考ですら、煩わしくなって。
ならば忘れて堕ちてしまえばいい、と俺は『俺』を手放していく。

律しようとすればするほど、堕ちていく。
どうせ堕ちるなら、正面からのめり込むように。
全てを忘れて没頭してしまえば、背徳感は快感を高めるためのスパイスにしかならない。
ただ快楽だけを求めて、堕ちていけ。

「ひゃうっ!」
美味そうな色合いをした蕾にしゃぶりつく。
そのままただ貪るように、赤ん坊がおっぱいを飲むように吸い付く。
「あ…っ、や、んぅ……けぇ、にーにぃ……」
脳を直接溶かしつくすような、甘ったるい声。
それに煽られていくように、ただひたすら嬲り続ける。
ミルクにも似た、ふわふわするような甘い女の子の匂い。沙都子の匂い。
立ち上っていくそれを空気に盗られるのが惜しくて、鼻から息を大きく吸う。
右手は背筋からまだ未発達な腰のラインを辿って、小さなお尻を撫で回す。
「きゃうっ!……っや、あぁ…くぅん……」
子犬が甘えるような鼻にかかった声。心の底から可愛いと思う。
熱に浮かされたような真っ赤な頬と、潤んだ瞳。荒く息をつき、小さく開かれた唇。
俺の視線に気付いたのか、そっと瞳を閉じ、唇を少し突き出してくる。
せがまれるままに、キスに応じる。ギュッと抱きしめ、頭をわしわしと撫でた。
「んむぅ……ちゅ…」
至近距離でぼやけてはいるが、満足そうに笑うのが見える。
ああ、まただ。また俺が二つに分かれていく。
その笑顔が、俺を癒す。俺を壊す。
聞こえるはずのないひぐらしの声が遠くで聞こえるような気がした。
たくさんの声が頭を満たしていく。ああ、わからねぇ。わからねぇよ!
俺は沙都子を守りたいのか?
――それとも、壊してしまいたいのか?
そんな自問の答えが出るのが怖くて、目の前の行為に集中する。
ぽよぽよとしたお腹を通り過ぎて、秘められたそこにそっと指を這わせる。
「ふぁ…あっ!……んんっ………やぁっ!」
そこは既にしっとりと濡れそぼっていて、俺を受け入れることが出来ることを示していた。
指先でややほぐしてやってから、俺は張り詰めた俺自身を取り出した。
沙都子を抱き上げ、俺自身と垂直になるようにする。
沙都子と繋がるときは、必ず座位だ。
一回だけ後背位でやってみようとしたことがあったが、ギュッとしがみつけないと不安なのか、俺を呼びながら大泣きしてしまったのでそれ以来やっていない。
そもそもこの行為をはじめたきっかけは沙都子を安心させるためなんだから、逆に不安にさせちゃ意味がない。
徐々に沙都子を下ろしていく。先端が沙都子に触れ、くちゅりと音を立てる。
「ん……あ、あぅ…や……けぇ、にぃ…に……」
ずぷずぷと沙都子の中に入っていく。まだ小さく狭い沙都子の中だが、合わさり慣れたそれは思った以上にスムーズに飲み込まれる。
そして最奥まで繋がった。
予想通り、すぐさま沙都子はギュッとしがみついてくる。
俺も抱きしめ返して、頭を撫でる。サラサラとした髪の感触が心地よい。
ここからじゃ表情が見えないが、きっと満足そうなあの笑顔なんだろう。
沙都子の腰を優しく掴み、上下に揺すって抽送を開始する。
「あっ、ん……や、やぁっ!ふぁぅっ!」
甘い喘ぎが響き渡り、沙都子が艶めかしく体をくねらせる。
可愛い妹でもなく、年相応の少女でもなく、そこにいるのは一匹の雌。
――わからない、わからない。
頭の中がガンガンする。ひぐらしの声がこだまする。
ただひたすら逃げるように、腰を打ち付けていく。
沙都子の嬌声、涙がこぼれそうな瞳、八重歯が覗くほど開かれた口。
狭い沙都子の中を夢中で掻き分け、きゅうと絡みつくそれを残さず感じ取る。
限界が近い。頭が真っ白になっていく。

ただ沙都子に笑っていて欲しかった。それだけなのに。

どうして今の沙都子の笑顔は、こんなにも胸を締め付けるんだろう?

俺、どうして、涙が止まらないんだ……?

「や、やあっ!にーにー!圭にぃ、にーっ!!ふああっ!」
呼んでいる。俺を呼んでいる。
ぎゅううっと一気に中が狭まり、沙都子の体が大きく跳ねる。
それに搾り取られるように、俺も全てを解放する。
びゅくびゅくと俺の全てをぶちまける。
一つ俺が脈打つ度に、一つ『俺』が崩れていく。
ワラう沙都子と裏腹に、俺はナイて果てた―――


「圭にーにー……?どうしたんですの?」
沙都子が心配そうに覗き込む。心の底まで見透かされそうな緋色の瞳。
その純粋さに、堪らず目を逸らしてしまった。
俺は気付いている。気付いていた。始めっから答えは持っていたんだ。
梨花ちゃんが言っていた。――俺は、沙都子のにーにーじゃ、ない。
俺は前原圭一であって、沙都子の兄の北条悟史にはなれない。
ほら、これが証拠じゃないか。
沙都子の足の間から零れ出す俺の、欲望。
いくら妹だと思っていたって、本当の兄ならこんなことしない。
沙都子を安心させるためだなんて言い訳、免罪符にもなりはしない。
それ以前に、俺は『圭一』であることを捨てきれなかった。
悟史と重ねられたくない、『圭一』のままでいたいと思ってたじゃないか。
その結果がこれだ。兄という偽りの仮面を被って、沙都子を縛り続けた。
ここまで閉じこめ、連れ去ってきてしまった。
「うあぁぁぁ……ごめん、ごめんな……沙都子……ごめんなさい、ごめんなさい……」
俺は沙都子を妹としてみてたんじゃない、俺は沙都子を自分のものにしたかっただけなんだ。
沙都子が好き、だったのかもしれない。手に入れたかっただけなのかもしれない。
二年越しの後悔が溢れ出して、止まらない。
「……圭一さん」
ふと、懐かしい呼び名。
顔を上げる。そこにいたのは、紛れもなく昭和58年の沙都子だった。
そっと頬を撫でられる。
「……わかってますの。圭一さんはにーにーと違うことぐらい。私だってわかってますのよ」
「……沙都子」
「だから『圭にーにー』と呼んできた。にーにーと似てるけど、違う。圭一さんは圭一さんなのですから……」
「……」
「わかってて貴方についてきました。だから、謝らないで。謝らなければならないのは私の方なのですから……」
そう言って沙都子は笑う。あの頃のままの笑顔で、涙を流しながら。
「私に縛り付けてごめんなさい……だから――」
――なかないで、圭にーにー。
それが発狂しかけた俺が都合良く見た夢なのか、それとも本当だったのかわからない。
でも俺は泣いた。見たかった笑顔を見れた喜び、過ちに気付いた悲しみ、全て。
互いに道化を演じた、嘘しかないこの世界。
それとも嘘を信じ続ければ、いつかはそれが真実になるのだろうか?
頬を撫でる沙都子の小さな手のひらだけが、やけに温かかくて心に染みた。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年08月10日 01:25