圭一の家の台所で、魅音はせわしなく立ち回っていた。
昨日の部活で負けた魅音は、圭一の家に朝食を作りに行くという罰ゲームを受けていた。
これは、圭一の両親が仕事の都合で暫く家を空ける為に、圭一が自炊するの面倒くさい、
朝起きれない等という理由の為に決めたものだ。
「圭ちゃーん、ご飯できたよー!!」
「……」
しかし、魅音の発した声だけが、広い家の中を木霊するだけだ。
一回魅音が来訪した時にドアを開けたのだから、起きてはいたはずなのだが。
とりあえず、圭一の部屋まで呼びにいくことにする。
「圭ちゃん!」
返事がない。ただの二度寝のようだ。
仕方がないので彼の部屋に入って叩き起こす事にした。
(くっくっく、どんな起こされ方したって文句は言わせないよ)
とりあえず手に持っているのは油性マジック。
音を立てないようにゆっくりと戸を開けて部屋に入る。
思ったとおり、部屋で倒れて気持ちよさそうに寝ている圭一。
何を書いてやろうか。額に肉、なんていいかな。
そんな事を考えながら、ゆっくりと戸を閉める。
が、しかし――
(あ……圭ちゃんの、におい……)
戸を閉めた瞬間に魅音は、不意にここが自分にとって特別な空間だと認識する。
高鳴ってしまう胸。顔が、熱い。
心臓の音で起きちゃわないかな……と、魅音は圭一に聞こえるはずもない自分だけの音に戸惑う。
さっきまでの悪戯を企み、ワクワクしていた男女は、一人の女の子に変身していた。
ゆっくりと部屋で横たわる圭一のもとに近づいていく。
すーすーと気持ちよさそうに寝息を立てる圭一の寝顔、男の子だと感じさせられる圭一の腕、引き締まった身体。
そして――
(圭ちゃんの……寝顔…圭ちゃんの……)
膨らんでいる股間に魅音の目は止まる。
朝の生理現象なのです、にぱー☆
周りに誰も居るはずがないのに、辺りを見回す魅音。
誰もいない、聞こえるのはひぐらしの鳴き声だけ。
ごくん、と唾を飲み込む音が自分の喉元から響いた。
(……起きない、よね?)
手に持っていたマジックをぽとりと床に落とし、おそるおそるそこに腕を伸ばしていく。
きゅっ……と、ズボンの上からではあるが、軽く指先に力を入れて握ってみる。
(すっごく固くて……びくびくして……これが、圭ちゃんの…)
「……っん…」
圭一が呻く様な声を上げると、咄嗟にその手を引き戻す。
「……すー、すー……」
再び眠りに就くその様子を見て、ほっ、と胸を撫で下ろす魅音。
撫で下ろしたその手には、まだ圭一の感触と熱が残っている。
「圭、ちゃん……」
身体が、ひどく疼いてしまう。圭一の匂いがする空間。
触れてしまった圭一の熱。
気付けば、片手を自分のスカートの中に。
ブラウスのボタンを開けてもう片方の手を隙間に差し入れていた。
「ふぅっ……んっ……」
(やだっ、圭ちゃんの前で……あたし、何やってんだろ……)
下着を押しのけてくり、くり、と胸の突起を弄り回すと、既に固くなっている事に気付く。
ショーツを太腿の辺りまで、スカートの中でするすると下ろし、秘裂を指でなぞり上げる。
ネクタイを噛んで、必死に声を押し殺しながら、ゆっくりと敏感な部分を弄る。
(でも、いつもよりも気持ちいいよぉっ……もっと……もっと……)
足りなくなったのか、固くしこった乳首と肉芽の両方をぎゅっと摘んでみる。
「あっ!?」
不意に、全身に電流が流れたようにびくっ、と大きく魅音の身体が跳ねた。
ふるりと大きな乳房が揺れ動き、口元からは唾液を含んで糸を引いたネクタイが離れた。
「あっ、んああっ、も、も…ぉ、だめっ! け…ぇちゃん、圭…ちゃぁん…!」
片手では余るほど重量のある胸を円を描くように揉み回し、こね回す。
秘所には指を挿れて、自分が欲している部分を的確に探り当てて、膣内の媚肉を擦り上げていった。
くちゅ、くちゅ、と卑猥な水音が圭一の部屋に響き渡る。
「ふぁぁぁあああっ!!」
ごぽ、ごぽ……
指を抜くと、音を立てて大量の愛液が零れだす。
声を抑える事も忘れて、魅音は想い人の部屋で、想い人の前で達してしまった。
しまった、と思いながら寝ている圭一に目を向けると。
よかった。まだ寝ている。よかった……

しかし、安心して息を整えている肩に、ぽんと自分の手ではない手が乗せられていた。
「まさか、気付いてねーとでも思ってんのか?」
「け、けけ圭ちゃ……さっきまで寝て……」
「……あの状況で中途半端なトコで起きれるか!」
要するに、圭一は魅音が達するまで待っていた事になる。
魅音が喘ぐ様子、声、全てを見て聞いていた……
「お前、人の部屋で何やってんだよ……」
「あ、あの、その……これは、ね…」
圭一の言う事ももっともだ。
いきなり起きるやいなや(しかも喘ぎ声で起こされ)自分の部屋で女友達が自慰行為に耽っていたのだから。
淫乱だと思われたろうか。恥ずかしくて、死にたい。
(何て言おう。何か言わなきゃ。何か何か何か何か……)
だが、魅音の口から飛び出した言葉は――。
「け、圭ちゃんが悪いんだからねっ!」
自分の身体を腕で隠すようしながら、涙を零して、魅音はそう叫んでいた。
「は……はぁ!?お前、何言って……」
「…………圭ちゃんがっ、こんな罰ゲームにして、圭…ちゃんが起きなくって、
 っ、圭ちゃんの匂いがして……寝顔が…かわいくて、圭ちゃんが……おっきくして…て……」
「お、おいおい、魅音?」
「それだけでドキドキしちゃうくらいに圭ちゃんの事……好きになっちゃってて……」
「……へ?」
圭一の怪訝な表情に、自分が言った言葉の意味に気付く。
言ってしまった。咄嗟に身体を隠していた手を口元へと運ぶ。
「……え? あ、ち、ちちち違うのっ、今のは……おじさんの冗談……あは、あははは」
「魅音……」
(魅音が……俺を……?)
場を誤魔化そうとして笑う魅音の声がひとしきり部屋に響き渡ると、今度は沈黙が訪れた。
圭一は初めて異性に告白されて、一瞬放心していたが、正気を取り戻して魅音を見つめる。
はだけた胸元を必死に隠している仕草も、普段より女性らしさ、女性らしい肢体を際立たせている。
普段からは考えられない熱っぽい表情でこちらを見つめている魅音。
だが、やがて圭一の視線に気付くと、ぷい、と視線を逸らした。
(やべぇ……なんか、すっげー可愛い……)
圭一が真剣な表情で魅音に近づいていく。
「け、圭ちゃん、待っ……んむぅぅっ!?」
静止するよりも早く、圭一は魅音に口付けていた。
今まで見てきた魅音とは明らかに違う、何だか可愛らしい魅音。
また、彼女が自分に好意を持っていると知って。
明らかに今、圭一は魅音を一人の女の子として意識していた。
唇を離してからも、鼓動や顔の熱がさらに高まった事からも明らかだ。
「俺も……魅音の事…好きになった、かも……」
ぽーっと、焦点の合っていない魅音。やがて、圭一の言葉をようやく聞き取れたのか、
ぼん、と一気に顔から湯気でも出たかのように、顔色が変わる。
「お、おじさんはね、あのあのその、レナと違って女の子らしくないし、
 沙都子みたいに妹みたいになれないし、梨花ちゃんみたいに可愛くなんか……」
しどろもどろになって顔を上気させたまま、自分を貶めていく魅音。
魅音は、よっぽど女の子らしくないという事を気にしていたのだろうか。
だが、それを人一倍気にしていてすぐに頬を染めるその様子こそが最も女の子らしいのだと、圭一は気付く。
――魅ぃちゃんにも、すごく女の子らしい所があるんだよ?
……最も、それに気付くのには多くの時間を費やしたが。
「俺……そんなところが何ていうか、魅音のかわいい所なんだって思うぜ……」
頭を掻きながら、いつもみたいに笑って、圭一は言って見せた。
その表情を見た魅音は照れ隠しの表れなのか、枕を抱えて表情を隠しながら呟く。
「ふぇ? あ、で、でも! 圭ちゃんの部屋で……
 その、勝手にひとりでえっちな…ことしてた女の子だよ……それに――」
「だああっ!」
圭一は魅音の紡ぐ言葉を消し去るように叫ぶと、ぽん、と魅音の頭に手を置いた。
そのままそっと優しく頭を撫でる行為はレナや沙都子、梨花によく行っているものだった。
自分に自信がなくて、圭一の言葉をなかなか信じられなかった魅音の心も、安心感で満たされていく。
圭一も、ちょっと照れくさいのか魅音を直視する事はないが。
「もうそんなのいいって。それに、魅音が俺の事どう思ってくれてるかよく分かったから……」
「……えへへ。ホントは、圭ちゃんにこうしてもらってるレナ達がずっと羨ましかった」
「そ、そっか……」
暫しの間魅音の頭を撫でている圭一。どれくらいそうしていたかはわからない。
やがて圭一がバツが悪そうに口を開いた。
「ところでさ、魅音」
「何?」
「俺……この状況じゃ、その……出すまで元に戻りそうはないよ」
圭一がそう言って指差したのは、自身の股間だった。
痛いくらいに張り詰めている様子が目に見える。
「あ……」
「魅音が俺の前であんなやらしい声あげて、やらしい音させて……今だってそんな格好してて…」
「ゃ……やだ……そ、そんな事言わないでよぉ……!!」
「魅音、責任とってくれないか?」
「ちょ、ちょっと待って」
だが、圭一は既にズボンのベルトを緩めて、これ以上ないくらいに固くなった自身を取り出している。
初めて見る勃立した圭一のモノに、魅音は目を奪われるも驚きと戸惑いの表情を浮かべた。
肩を掴まれて、ぽふっと布団の上に転がされると、彼女の長いスカートがふわりと捲くれ上がる。
ショーツが太腿の辺りまで下がっているために、ひく、ひくと震える秘所が圭一の瞳に映る。
そのまま熱くたぎる己の先端を、魅音の既に一度達して潤っている秘所に触れさせる。
ちゅく……と、十分に潤ったそこは、圭一を受け入れる準備が出来ているかのような音を立てた。
このまま少し腰を進めれば、いつでも入ってしまいそうだ……
「このまま、魅音の中に入れちゃっても……」
「ま、待ってよ圭ちゃん! お願い……待って…本当に、待って……」
「……ご、ごめん、俺……」
怯えた瞳で身体を震わせて圭一を見つめる魅音の様子に、我に返ったのか、圭一は罪悪感に苛まれて魅音から離れる。
魅音も、本当に気まずそうにしている圭一の様子に、自分が言った言葉の真意を告げようとする。
「違うよ! 圭ちゃんと、その…するのがイヤなんじゃなくって……。こういうのってやっぱり、あの…順番……とか……」
「え……」
「あーーー! もう知らない知らない!」
自分で言った言葉をかき消すように、魅音は頭を抱えてかぶりを振って小さくなってしまう。
先程頭では理解したが、やっぱり魅音も女の子なんだなと思わざるを得ない言葉と仕草だ。
こんなに可愛かったっけ……こいつ。
「大体、そんなのがいきなり入ってくるだなんて怖いに決まってるじゃん!
 それに……こんなにおっきくなるなんて……知らなかったし……」 
「じゃあ……」
魅音の言葉を聞くやいなや、圭一はそそり立つ肉棒を魅音の眼前に曝け出した。
「あの……圭ちゃん……? ちょっと……」
「魅音が俺のコレに慣れるまで、怖くないと思えるようになるまで視姦するもよし!触るもよし!」
「い、いやらしい言い方しないでよーっ!」
膨れっ面をしながらも、魅音の心臓は眼前の圭一のモノに対して高鳴っていた。
怖れなのか、好奇心なのか、魅音自身よく分かってはいなかったが。
「で……でも、確かに慣れるって意味では少し触ったりしてみたほうがいいかな……?」
魅音のその言葉を聞いてにやり、と口先の魔術師の口元に笑みが浮かんだが、魅音は気付いていない。
おずおずと両手を伸ばして、先端や袋、裏筋といった様々な所を本当に興味本位で触ったり擦ったりしてみる。
触れる度、ひくひくと力なく震える肉棒を見て、不思議に思ったのか、圭一の顔を見上げてみる。
そこには眉間に皺を寄せて、快楽に耐える一人の少年の姿があった。
「ぅ……ぁ……っ、いい……」
「…………え、これ、だけで気持ちいいの……?」
「あ、ああっ……魅音の手、すべすべしてて……っ……」
「そ、そうなんだ……あはは……」
自分の行為により圭一が気持ちよくなっているという事に、気をよくした魅音。
既に、そこには圭一の肉棒に対しての怖れといった感情は少しずつ薄れてきているように見えた。
そんな魅音の様子を感じ取ったのか、圭一は少し調子に乗ってこんな事を言ってみる。
「慣れてきたら、舐めたりしてくれるともっと気持ちいいんだけどな」
「な……舐めっ……」
要求された行為を想像したのか、カァッと顔を真っ赤にしながら俯く魅音に、圭一は焦りを感じてしまう。
そもそも、気付かれたか。もはや「魅音が男性器に慣れる」という目的ではなく、
既に「圭一が快感を得る」という目的にすり替わっている事に。
(流石に言い過ぎたか……)
「…い、いや、その、悪い。無理しなくてもいいぜ……?」
「……する」
「へ?」
「…………圭ちゃんが喜んでくれるなら、何だってするよ……」
そう言った魅音はゆっくりと、肉棒に顔を近づけていく。
だが、まだ若干抵抗があるのか難しい顔をして、少しの逡巡の後に決意したように舌を先端に這わせていった。
ぴちゃっ……
「んっ……」
圭一が眉を顰めて、粘膜に這う暖かな生き物の愛撫に耐える。
(け…圭ちゃんは気持ちいいのかな…?)
圭一の声に反応したのか、時折魅音がチラ、とこちらを上目遣いで見上げてくる。
コイツはその威力を絶対にわかってない。圭一は思う。
その動作はただ単に好きな人が自分の拙い愛撫で感じてくれているのか心配しているだけの、健気な感情によるものだ。
しかし圭一にはそれが、とてつもなく背筋を震わせるような淫らな意味が含まれているように錯覚してしまう。
(すごく、震えてる……圭ちゃんにもっと気持ちよくなってほしい……)
「はむ、じゅ、ぢゅっ……ちゅ…ぅ…」
「!? 魅音っ…!」
先程までは、舌が這っていた為に一部だけが暖かかった。
だが、今度は亀頭全体がその暖かさに包まれていた。
かつ、先端部に蠢きを、周囲には唇の吸い付きと柔らかさが加わる。
突然肉棒を咥え込まれて以前とは比べ物にならないほどの刺激が圭一を襲う。
少しでも違う事を考えて、快楽を保たせる為に魅音の頭をそっと撫でていく。
しかし、魅音はそれに気をよくしてか、さらに圭一を悦ばせようと躍起になる。
「んむぅ……んっ、んっ……ふぅ……ん、く…」
魅音が根元まで圭一を咥え込んで、鼻で息をつくと、圭一の茂みが揺らされる。
唇をきゅっ、と締めて、圭一の肉棒を吸い上げながら先端部へと扱いていく。
その手管に、圭一の肉棒からはぬるりとした液が根元から搾り上げられ魅音の唇が先端部に辿り着く頃には、
口腔内にぬるりとした先走りが溜まっていく。
吐き出すワケにもいかないので、魅音はそれを従順に涙目になりながらも喉を鳴らして飲み込んでいった。
そしてその奉仕行為を何度も、何度も、繰り返していった。
「ぐ、ぁ……っ、ま、て…魅音……吸い取られ……ぅぅっ」
「んっ! んっ! んんっ…!」
魅音は奉仕に熱が入って、圭一の静止も聞かず、魅音の口淫の速度は速くなっていく。
圭ちゃんを喜ばせたい。気持ちよくなってほしい。
その一心で魅音は気恥ずかしさを押しのけて、大胆な口淫に及んでいた。
「く、ぅ……っ」
(このまま魅音の口の中で……でも……)
一方、圭一は欲望と罪悪感の葛藤に苛まれていた。
だが折角魅音が慣れてきたのに、また振り出しに戻っても困るという思いから、圭一のとった行動は――。
「あっ、圭ちゃっ……」
魅音の頭を掴んで、強引にずるっ! と彼女の唇から肉棒を引き抜いた。
つぅ……
射精直前の震える亀頭と魅音の唇が淫らに糸を絡ませて繋がっている。
その糸が消えると、今度はぼた、ぼたっ! と先端部から魅音の唾液と圭一の先走りが混じった液体が、部屋の床に滴っていた。
「はぁ……はぁ……」
息を整えながら今にも射精しそうな肉棒を見て、圭一には魅音と繋がって全て吐き出してしまいたいという思いもあった。
だが、魅音は挿入した瞬間、白濁で胎内を満たされ、そのまま掻き回されたくなどないだろう。
一回は抜いておく必要がある。
と、肩で息をする圭一の眼に映ったのは、魅音の自慰行為によってはだけた胸元だった。
思わず、ごくり……と唾を飲み込む圭一。
この射精直前の状態を保っている内に……圭一はそっと魅音に耳打ちした。
誰もいないのだけれど、大声で言うには少しはばかられたからだ。
「魅音、胸……胸で俺のを……」
「え、えーーー!!」
口腔内に射精してしまうよりは、幾分かマシだろうという圭一の結論であった。
あぅあぅ、といった感じで、戸惑っていた魅音だったが、圭ちゃんがそこまで言うなら、という事で……
ブラを外し、ブラウスの前のボタンを全て外して、その豊かな双乳を曝け出した。
「む、胸でって……? こ、こぅ……?」
立っている圭一の前で膝立ちになり、重そうに二つの乳房を持ち上げて、圭一の肉棒の根元に下ろしていく。
そして、谷間に溺れた肉棒に向かって、腕で外側から力を入れる。
亀頭が押しつぶされて、魅音の乳房がむにゅぅ……と肉棒の形に変形していた。
「……これ……すげ…ぇ…柔らかくって、むにゅむにゅして……」
「ね、ねぇ…圭ちゃん、おっぱいでこんな事、変だよ……」
そうは言いながら、魅音もこの通常ではない性戯に相当興奮しているらしい。
頬は紅潮し、息も何だか荒い。
胸を圭一の熱い肉棒で擦り上げられ、眼を下ろすといやらしくひくひくと震える亀頭が見え隠れしている。
魅音から見ても、ひどく卑猥な光景だった。
「うは……ぁ…あっ…い、いいぜ……魅音っ…!」
「はぁ……ん、圭ちゃん、やだ……変な声出さないでよっ…」
たぷたぷと波打ちながら圭一を擦り上げていく魅音の乳房。
やがてもの足りなくなったのか、圭一も腰を動かし始める。
先程の奉仕で大量の唾液が肉棒に、塗りたくられていた為、それがローションのように行為に滑りを加えていた。
「っ、すげぇぬるぬる……してるな……」
「はぁ……っ、はぁっ……圭ちゃんが胸の中で、ぴくぴくして……」
くちゅ、くちゅ……と、肉が擦れ合う行為なのに、粘着質な音が淫らに響き渡っていた。
根元から這い上がっていく双丘に、搾り取られる感覚を感じずにはいられない。
魅音が、これ以上ないくらいぎゅぅぅぅ……と、棒に向かって乳圧を加えた瞬間、圭一の咆哮が響いた。
「く、ぁああああっ!!」
谷間から顔を出していた亀頭が弾けて、勢いよく大量に白濁を放出していく。
「ぁっ!? こ、これ……圭ちゃん、の……んんんっ!」
どくん……どくん……
何回脈動して精を放ったかわからない。
勢いのよいものは魅音の顔を汚し、勢いのないものはそのまま今も肉棒を固定している双乳の中へ注ぎ込まれていった。
精液の熱にうなされてか、魅音は空ろな瞳で圭一の白濁を見つめていた。
魅音の顔にこびり付いてしまった白濁を、そっと指で拭い取ると圭一はまだ興奮の収まらないモノを魅音の胸から引き抜いていく。
魅音は圭一に顔を拭われて、ようやく我に返ったようだ。
そのまま見つめ合う二人。欲望を一度吐き出して、クールになった圭一には、既に一つの想いしかない。
この目の前の女の子と、繋がりたい。
これは魅音に不本意とは言え、想いを打ち明けられてから、圭一が気付き、彼に芽生えた感情。
「魅音……」
「圭……ちゃん」
圭一は両手を魅音の肩に添えると、ゆっくりと彼女を寝そべらせた。
向かい合う形となって、魅音は圭一に微笑んで、首を縦に動かした。
もはや、言葉は必要ないということなのだろうか。
ロングスカートを巻くりあげ、ショーツを足首の辺りまで下ろしていく。
圭一は肉棒を、魅音の秘所にあてがい……今度こそ腰をゆっくりと押し進めていった。
「……っく!」
「んぁああっ……!!」
肉棒を挿し入れた瞬間、少しでも気を抜けば直ぐに搾り取られてしまうであろう蠢きに圭一は驚く。
だが、自分に襲い掛かる快楽に耐える力を、魅音が泣いている事に気付けなかった悔恨の情で
圭一は手に入れたようだ。
「ご、ごめん、痛いのか? 魅音……」
「……あ、あははは…や、やだっ……コレはね、圭ちゃんと一つになれるって思ったら……」
「魅音……」
「だって…ずっと夢見てたもん。圭ちゃんじゃなきゃやだって、ずっとずっと…思ってたもん……」
今度は圭一が耳まで真っ赤になってしまった。
いつか、この目の前の女の子を男女なんて言っていた自分が恥ずかしい。
魅音。ごめんな。
俺、お前が俺の事をそんな風に想ってくれてるだなんて知らなくて。
なのに、俺はお前と男友達と同じような付き合い方をしていて。
それで傷つけた事もきっと数え切れない程あったんだろうな……
愛おしくなって、圭一は魅音の涙に唇を落として拭い、涙で潤ったそれを息を絶え絶えにする少女の唇に落とす。
「ん、むぅっ」
舌を絡め合わせると、魅音はうっとりとした表情で圭一の唾液を享受した。
とろり、と二人の唇を淫らに銀の糸が紡いでいた。
魅音の身体の強張りがとれるまで、圭一はずっと魅音に口付けていた。
やがて魅音の膣内の締めつけが少し弱まったと同時に、どちらからともなく唇を離した。
「圭ちゃん……いいよ、動いて……」
「大丈夫なのか?」
「圭ちゃんこそ大丈夫なの? びくびくしちゃってるけど?」
「お、俺はなぁ! その、お前の事を心配して……」
「あは…大丈夫……もう、ホントに大丈夫だから……」
そう言って、魅音は涙を自分の指で拭って笑顔を作って見せてくれた。
こんな時にも悪態をつく所が魅音らしいというか。
その想いに応えるべく、圭一はゆっくりと抽送を始めた。
くちゅっ、ずちゅ…
肉棒を奥へ進めて行くと膣壁の一つ一つの襞が捲れ上がり、圭一をぬるりと擦り上げる。
最奥まで辿り付くと、先端部にちゅぅ……と、何かが吸い付いてくる。
「ぅぁ、魅音…っ、すっげぇ絡みついて……吸いついてきて…きもちいい、ぜ…」
「ゃぁあっ、い、いちいち言わないでよっ……」
圭一は必死に腰を打ちつけていくが、目の前で淫らに揺れる大きな二つの乳房に目を奪われた。
魅音の細腰に力強く接合する為に当てていたその腕を、円を描くたわわな双乳に移していく。
先程の精液がローションとなって、魅音に与える性感も倍増しているようだ。
「ひゃぅっ! だめ、だめだめっ…! 今っ…、ち、くびっ…いぢっちゃ……ぁあああっ!」
「ぅ、ぉ……」
圭一が魅音の敏感な胸を愛撫する度に、それに呼応して肢体が跳ね、
膣壁が収縮して絡み付いては圭一を搾り上げていく。
その女性の柔らかさと暖かさにきゅぅきゅぅ、と吸い付かれる圭一は情けない声を上げてしまう。
魅音の締め付けに、圭一の上半身からは力が抜けて彼女に覆いかぶさる形となる。
とにかく、今はこの快楽を長く味わう為に、目の前の快楽からは逃げなくてはならなかった。
倒れこんだ圭一の顔の近くには、魅音の顔があった。
その状況を恥ずかしく思ったのか、魅音が不意にぷい、と顔をそらしていた。
だが、そんな魅音の様子など今は汲み取る余裕のない圭一は、そっと目の前にある耳に口付けてみる。
「ふぁあっ!?」
びくんっ! と大きく魅音の肢体が跳ねた。
圭一としては、ただ快楽から意を逸らす為に行っただけの愛撫。
だが予想外の反応に、圭一としては面白くて仕方がない。
「魅音……耳、いいのか?」
「~~~~~~~~~っ!!」
そっと唾液で濡れた耳に囁くと、湯気でも出てきそうなほどに魅音の顔が上気する。
舐め上げる耳にも、無論その熱が伝わってくる。
「……っ、れろっ……れろぉ…」
「ぃ、やぁっ、けい…ちゃ、やだぁ…っ!」
圭一に舐め上げられる水音と結合部から響く水音が調和して、魅音の耳を犯していく。
それが否が応にも、気持ちとは裏腹に魅音の羞恥心を煽り、彼女の身体を昂ぶらせていた。
「ん、く、はむ、は…む…」
「ふぇ……ちょ、か……噛んじゃ…ぃゃだよ…ぅ…、ゃめ……んんんっ!」
「魅音…!! ぅ…今、すげぇ締まって……っ」
舐め上げるたび、抓り上げるたび、腰を打ちつけるたび、魅音は身体をくねらせている。
瞳からはぼろぼろと涙が零れているが、これまでのように罪悪感は芽生えてこない。
この雫は性感を刺激されて滴る愛液の一つにすぎないのだから。
自分の一挙一動にこうまで反応があると、圭一も何だか嬉しくなってくる。
気持ちの高揚と共に、魅音を求める動きにも勢いが増してきた。
「っ、ふ……んっ、ぅ……魅…音っ…!」
「ぁっ、圭…ちゃんっ! 圭ちゃぁ…んっ、す、きぃ……好…きぃ…!」
ずちゅ…! ぐちゅっ! 
一心不乱に、吸い付いてくる最奥をぐりぐりと亀頭で擦り、絡みつく膣の襞をかき回す様に肉棒を挿し込んでいく。
とめどなく圭一の陰茎からは先走りが、魅音の膣からは愛液が溢れ出し、
二人の行為に滑りと快楽を与えて、さらに激しいものになるよう促す。
「ひああっ! け、圭ちゃん、待って…お、奥、壊れちゃ……ぅよっ!」
「も…ぅ、止まら…ねぇ…!」
どくん!
魅音の中で、さらに圭一のモノが跳ね上がった。
「ふぁ、んあっ…! あっ! あっ! あっ! また、おっきくなって…んんんっ!」
「はーっ……はぁっ……は……ぁっ……」
腰を打ちつける度に、嬌声を上げる魅音は、焦点の定まらない瞳で唇から涎を滴らせている。
もっとも、圭一も魅音の様子など見ていられる程の余裕もなく、獣のように腰を動かしている。
蜜壷を激しく弧を描く様にかき混ぜる棒によって立てられる粘着質な水音が、淫らに響き渡っていた。
「……も、ぅ、……圭、ちゃんっ……も、ぉ…っ!!」
「く、は…ぁっ! 俺もっ……出……る……!!」
「…ぁ、ああああっ! ふ、ぅああ……っ!!」
このまま魅音の中で射精して、その熱と滑りで更なる快楽に溺れてしまいたい――
だが、何とか最後の力を振り絞って、圭一はずるり……と愛液に塗れた肉棒を引き抜く事が出来た。
「魅、音っ……! く、ぅ、あっ……あっ……」
白い引き締まった腹に、己の欲望で更に白く染め上げようと思ったものの。
想像以上にビクン、ビクン、と跳ね上がる圭一の肉棒から飛び出す白濁は、
お腹を超えて、魅音の顔と乳房を白く染め上げていった。
一度目にそこに放ったものを遥かに超える熱と勢いと量だった。
「ふぁ、あっ……あつ、ぃよ……ゃぁ…圭、ちゃ……んっ! んっ!」
圭一は更に肉棒の根元から精液を搾り出す様に自身の手で扱き上げる。
にちゃ、にちゃぁ……と、肉棒にこびり付いた愛液と先走りが潤滑油となって、音を立てていた。
「はぁーっ……は……ぁ、魅音、ごめん……止まらねぇ…」
「ん、ぅ、ぁっ……まだっ……出て…っ……!」
まだ勢いのある白濁が、魅音の顔を白く犯している。
魅音は、圭一の熱をうっとりとした表情で受け止め、口元にどろりと垂れてくる白濁を喉を鳴らして飲み込んでいった。
「ん、く……こく、ん……これが、けいちゃんの……にお、い……味……」
「ふぅっ……は、ぅ…っ……」
やがて、全てを出し尽くした圭一が、魅音の肢体に倒れこんだ。
抱き締めあう二人。汗が、唾液が、精液が、愛液が。
あらゆる体液を共有し合い、溶け合ってしまったかのような二人。
「圭ちゃん……」
「魅音……」
いつまでもこうしていたいと余韻を感じあう二人だったが、圭一はある事に気付く。
「そういや俺達、まだ登校前……」
「……あ」


その後は、いつも通りの時間が流れる。
何事もなかったかのように今日の部活。
「をーほっほっほ。圭一さんの負けですわね!」
「みー☆ 魅ぃが一番なのです」
「今日の罰ゲームは何かな? かな?」
「そうだねえ。圭ちゃんには……今日はちょっと腰が痛いからおじさんの家まで荷物持ちをお願いしようかな」
「魅、魅音っ!!てめえ! 何だよ、さっきまであんなに可愛かったのに……」
「圭ちゃんは何を言ってるのかなぁ? おじさんはいっつもこーんなに可愛いのに」
いつもの調子に戻った魅音を見て、はぁ、と溜息をつく圭一。
沙都子と梨花と別れ、レナとも別れ、圭一は魅音の家まで辿り着いた。
「ちぇ、俺が勝ったらスク水にメイドに、エンジェルモートの制服でご奉仕三昧させてやっからな!」
「あはは、楽しみにしてるよ!」
別れ際に魅音の家の前で、圭一は舌打ちしながら魅音の方を振り返る。
両手を頭の後ろで組んで冗談めかして、圭一はこう呟いた。
「もちろん、身体のご奉仕も、な」
「え……?」
「まぁ、これは冗談――」
驚く魅音を見て、咄嗟に圭一はフォローを入れようとする。
が、制服のシャツを後ろからきゅっ、と引っ張られている事に気付く。
「ん?」
「そ、そしたらまた可愛いって言ってくれる?」
「あ……あぁ……」
うん、どうやら……時々また可愛い魅音にも会えそう、だな。


おしまい。

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最終更新:2007年07月03日 00:58