親父とお袋は仕事で、急に東京へと出かけてしまった。
今夜、俺の家には誰もいない。
マジかよ、何でよりにもよってこんなときに限って……。

富竹さんが喉を掻きむしって死んで、鷹野さんが失踪した。
誰が? 何で? どうやって殺した?

彼女らは俺に隠し事をしていた。
仲間なのに……連続怪死事件のことを話してくれなかった。そんなに俺のことが信じられなかったっていうのか?
それを聞いたからって、別に雛見沢のことを嫌いになんかなったりしないのに……。

レナにそのことを訊いた。
あんなの、俺の知ってるレナじゃない。あんな不気味な眼をしたレナなんて知らない。あんなに冷たくて恐ろしい声を出すレナなんて知らない。

レナが俺の背後で、気配も無く大石さんとの電話を立ち聞きしていた。
何がしたいんだよレナ? 何を聞いたんだよ? 何の用だったんだよ? どうして何も話してこなかったんだよ?

レナと魅音が針入りのおはぎを持ってきた。
どうして大石さんとのことといい、お昼のことといい、お前達は俺の行動を知ってるんだよ? どうやって見張ってるんだよ? 何で針なんか入れるんだよ? 俺が何したっていうんだよ? どうしてそんなにも俺を殺したいんだよ?

白いワゴン車に轢かれかけた。
畜生、ひょっとして相手は村ぐるみなのかよ?

レナに言わせると、悟史と俺は同じらしい。
冗談じゃない。俺は「転校」なんてしねぇぞ。

ぺたぺたと背後から足音が聞こえる。
あり得ないあり得ないあり得ないあり得ない。恐い恐い恐い恐い。

「畜生っ!!」
俺は一人きりの居間で、柱に拳を打ち付けた。


ぴんぽーん
不意に鳴り響いたチャイムの音に、俺はびくりと震えた。
誰だ?
誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ?
もう夜も遅いんだぞ? 七時を回って外は真っ暗なんだぞ? 何でこんな時間に人が尋ねてくるんだよ? あり得ないだろこんなのっ!!
ぴんぽーん
俺の聞き間違いであって欲しいという希望を打ち壊すかのように、チャイムは繰り返し鳴らされる。
…………きっと……俺が出るまで諦めることは……ない。
歯を食いしばりながら、俺は玄関へと向かった。
チェーンを掛けたまま、俺は鍵を開けた。
バンッ!
勢いよく扉が開かれ、盛大な音を立てる。
「あっ。……チェーン掛かってたんだ」
扉の隙間から覗くその人影と、その声に……俺は一瞬、悲鳴を上げそうになった。
なんで……レナがこの時間に?
「ねぇ……圭一君。チェーン外してくれないかな? かな?」
ちょいちょいとチェーンを指で突きながら、レナが微笑む。
チェーンを外せだって? そんな……無防備な真似が出来るかよ。
嫌な想像が湧いてくる。もしこの扉を開けて、レナがあの鉈を俺の頭に振り下ろしてきたら……。
「うち、夜は必ずチェーンを掛けてんだよ。……気にすんな」
「……そうなんだ」
悲しそうに、レナは俯いた。口元だけが笑顔の形を保っているのが……レナが笑顔を保とうとしている努力が、俺の胸に痛い。
ごめんレナ。俺だって……疑いたくはないんだぜ。
だからせめて、心の中で謝っておく。
「レナ。いったい何の用なんだ?」
それが終わったら、さっさと帰ってくれ……。
「……あのね、圭一君。ご飯食べた?」
いや、食べていない。お袋がいないから待っていても夕飯は出てこない。
どうせカップラーメンなのだから、食べたければいつでも食べられる。
「いや、まだだよ。でも、それがどうしたよ?」
「あ、あははは、じゃあよかった☆ これ見て? お総菜とか持ってきたの」
レナはそう言って、風呂敷で包んだ重箱を差し出して見せた。
「お台所とか貸してくれれば、お味噌汁も温めてあげられるよ☆ お豆腐もお野菜もたっぷりなの」
ごくり と俺は唾を呑んだ。
何を隠そう、俺は具沢山の味噌汁は大好きだったりする。
「ご飯も持ってきてあげたから、レンジで温めればすぐに食べられるんだよ☆」
もちろん味噌汁にご飯は欠かせない。ご飯をばくばくと喉にかき込み、合間に味噌汁をすする。ああ、よくぞ日本人に生まれけり……。
「あとね、山菜のお漬け物もつくってきたんだよ。それからね、それからね――」
おいおいまだ続くのかよ……。美味そうだ。実に美味そうだ。
俺はカップラーメンでいいやなどと言っていた、不健全な自分とおさらばすることにした。
レナの裏表の無い笑顔に、いつしか俺の警戒心も薄れつつあった。
いや……でもちょっと待てよ?
それを思い付いた瞬間、俺の心臓は大きく震えた。
このレナの行動には、ある前提が必要になってくる。
「なぁレナ? 有り難いんだけど、でも何で急に? 俺の家でももう夕食を済ませたとは思わなかったのか?」
そう……両輪の不在を知っていない限り、誰もこんな真似はしない。
「圭一君。もうカップ麺、食べちゃったの?」
「い、いや……そういうわけじゃ……」
ちょっと待て、親がいると思っていたら、カップ麺が夕食なんて考えないだろ?
「……圭一君。カップラーメンだけじゃ体によくないよ? …………好きなの? 豚骨ショウガ味。買ったのはセブンスマートだっけ?」
俺の顔から血の気が引いていく。何故、レナはそんなことまで分かるんだ?
間違いない。レナは俺の両親の不在を確信している。
くすくすとレナは笑った。
いや……よく考えろ前原圭一。これは危険だけれど……どうしようもなく危険だけれど、チャンスでもある。
俺にとって、血の気が引いたのはむしろよかったかもしれない。おかげで、少し落ち着きを取り戻すことが出来たのだから……。
今ここにいるのはレナ一人、それは間違いない。下手をすれば今後、より大人数で俺を襲ってくるかもしれない。もしそうなってしまったらアウトだ。
だから、せめて……今のうちにレナから聞けることを聞き出しておくべきだ。
ああそうだよ。こんなわけの分からない話はもうまっぴらだっ!
俺は大きく息を吐いた。
覚悟は……決まった。
そして俺は…………チェーンを………………外した。
俺の命綱とも言えたロックがドアに当たり、耳障りな音を立てる。
「いいぜ。……入りな、レナ」
俺の声は、自分でも驚くほど落ち着いていた。
「うん、ありがとう。圭一君☆」
重箱を手にしながら、レナは家の中に入ってくる。
最初に警戒していた……いきなり襲いかかってくるということはしなかった。
レナの脇を擦り抜け、扉に鍵とチェーンを掛ける。
背後からレナの様子を見てみるが……どうやら、鉈のような凶器は持ってきていないらしい。
「うわ。圭一君。この下駄箱どうしたの?」
「ん? ……ああ、ここで転んじまってな。バットで壊してしまった」
「ふーん。そうなんだ。危ないなあ、気をつけなよ? 圭一君」
「ああ、そうだな」
どうでもいいだろそんなこと。
いや……そうとも限らないか、ここで俺と乱闘になれば、その痕跡としてこの下駄箱が証拠となることもあるかもしれない。
もしレナ達の目的が「俺を鬼隠しする」ということなら、こんな何かここであったと思わせるような真似はしたくないはず。あくまでも俺を忽然と消さなければならないはずだ。
なるほど……だから、レナはここでは何もしなかったということか。
偶然とは言え、夕方に襲ってきた謎の足跡に、俺は少しだけ感謝した。
「じゃあ圭一君。台所まで案内して? すぐにご飯つくるから☆」
「ああ。分かった」
レナに付き添いながら、俺は台所へと向かった。
レナは俺を見上げながら、にこにこと笑っている。
俺を油断させる気なのか、それとも……俺を殺せるのがそんなにも嬉しいのか……。
俺はレナの一挙一動を見逃さないよう、レナを見つめ返した。
「ここだよ。ここが俺の家の台所」
「うん。それじゃ圭一君、テーブルに座って待ってて」
「いや、いいよ。俺はここで待ってる。俺だけ座ってるってのも、なんか悪い気がするしよ」
ヘタに座ると、もしものときに逃げ出しにくくなるしな。
「そう? そんなの気にしなくていいのに……」
くすくすと笑うレナを俺は眺める。
レナは風呂敷を解き、重箱をテーブルの上に並べた。
そしてレンジでご飯を温めていく。
その姿はなんだかレナをお嫁にもらったみたいで……こんな状況でさえなければ、俺はきっと心弾ませていたに違いない。
でも、そんな甘い想像に浸ることなんて、俺には許されない。
今のところレナの行動に不審な点は無い。
なら……きっとこの重箱の中身に、毒が入っているに違いない。
「レナはもう夕食はすませたのか?」
「ううん、まだだよ。圭一君と一緒に食べようかなって……。うふふ☆」
「ふぅん」
だけど、そんな言葉……信じられるわけがない。
もうこんな茶番は沢山だ。いつまでも付き合ってられるか……馬鹿馬鹿しい。俺の最高の仲間の一人であるレナの姿で、レナの真似なんかするんじゃねぇ。
俺はゆっくりと、レナへと近付いた。
「あ、圭一君。ナイフってどこかな? かな?」
パンッ
台所に乾いた音が響く。
俺の気配に気付いて振り向くレナを俺は平手打ちした。
「…………え……?」
目を丸くして、レナは赤くなった頬に手を当てた。
自然と俺の目は細くなっていった。
右手でレナの胸ぐらを掴みあげ、引き寄せる。
身長の低いレナは、つま先立ちになって思うように動けない。
「レナ……ナイフをどうしようってんだ?」
俺が凄むと、レナは短く悲鳴を上げた。
「おい……レナっ!!」
そのままレナを揺さぶると、ようやくレナは震える唇を開いた。
「だ……だって……、夕食に……」
「嘘だっ!!」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。そのナイフで俺を殺すつもりだったんだろう? レナ。
レナの顔を俺の顔に近付けると、レナは俺から目を背けた。
何故ならそれはレナにやましい部分があるからだ。
きゅっと固くレナは目を瞑った。
そんなレナの態度が、余計に俺の神経を逆撫でする。
「なあレナ。……富竹さんが死んだこと、知ってるよな?」
「し……知らない、そんなの知らないよ。圭一君」
「嘘だ」
今度はレナの耳元でそう囁く。
「この前、教室で言ってたじゃないか、鬼隠しに遭ったって」
びくりとレナは身を強ばらせた。
「あ、あれは……その……」
「あの様子じゃ鷹野さんが失踪したことも知ってるんだよな?」
「う……うん。魅ぃちゃんから聞いたの」
へぇ……魅音か。やっぱりな。
俺は舌打ちした。
やはりとは思ったけど、魅音がそんなことをしたなんて思いたくなかった。だから今まで信じていた。それなのに、あいつは……そしてレナも俺を裏切った。
「何で富竹さん達は死んだんだ?」
「し、……知らない」
俺が優しく、ゆっくりとレナの頬を左手で撫でると、レナはがたがたと震えた。
「じゃあ、別の訊き方にする。……どうして富竹さんは死ななくちゃいけなかったんだ? 誰がどうやって殺したんだ?」
「知らない。……ごめんなさい圭一君。私……本当に知らないの……」
がちがちとレナの口から歯の鳴る音がする。
外見上はまったく傷を付けずに、女に大きな精神的負荷を与える方法。
俺は無言で、左手でレナの胸を掴んだ。
「ひうっ!」
初めて触れるレナの乳房は、俺の手にぴったりと収まっていて……想像以上に柔らかくて、そして張りがあった。
そのまま、ぐにぐにとレナの胸を揉みしだく。
レナの固く閉じられた目蓋から涙が溢れてくる。
「お願い。……お願い圭一君。もうやめて……」
「やめて欲しいなら俺の質問に答えろよ。話してくれたら、俺もすぐにやめる」
「でも……そんなこと言われても、本当に何も知らないの。悟史君のことだって……」
俺は溜め息を吐き、左手をレナの胸から放した。
そして、右腕から力を抜き、レナをまともに立たせた。
「圭一君?」
解放されると思ったのか、レナはうっすらと目を開いた。
けれど俺にそんな気は無い。
レナの顎に左手を当て、くいっと持ち上げる。
「圭……はぅっ!!」
強引に、俺はレナの唇を奪った。
きゅっと固くすぼまったレナの唇に俺の唇を覆い被せ、丹念に擦り、そして舌で舐め回す。
むーむーと呻くレナの声に嗚咽が混じり始めた頃、俺はようやくレナの唇から俺の唇を離した。
「非道い。……非道いよ圭一君。レナ……初めてだったのに……」
「へぇ。そりゃ奇遇だな。俺もだ」
俺は吐き捨てるように言ってやった。
「レナ。悟史はどこに行ったんだ?」
しかし、今度の質問にレナは返事をしない。
俺は、今度はレナのワンピースのリボンに手を伸ばし、ゆっくりと解いていった。
レナは抵抗しない。
ただ、ぎゅっと唇を噛んでいる。
完全にリボンを解いて、俺は両手をレナの肩に置いた。
「お願い。圭一君。もう……許して……」
「言ったろ? 俺の質問に答えればすぐにやめるって……」
「うっ……うっうっ……」
けれど、レナは泣くだけで俺の質問に答えようとはしない。
俺はゆっくりと、レナの肩に置いた手を下ろして……レナのワンピースを脱がせていった。
レナの華奢で柔らかい二の腕が、俺の手の中を通っていく。
徐々にレナの胸元が……白い肌が露出していくにつれて、レナは真っ赤になって俯いた。
やがて、服の縁はレナの胸の双丘に達して…………そして、白いブラが完全に露わになる。
「圭一君。……っく……ううっ……非道いよ。なんでこんなことするの?」
「その胸に訊いてみろよ」
涙を流しながら、レナはしばし押し黙り……。十秒ほどか? 沈黙の後、恐る恐る口を開いた。
「ひょっとして……昨日の、おはぎの……こと……かな? かな?」
「ああ、それもある」
「でも、あれは……ただのイタズラ」
それを聞いた瞬間、俺は怒りで我を忘れた。
「うるさいっ!」
「きゃああっ!」
レナのブラを掴み、強引に剥ぎ取る。
想像以上にあっけなくホックは千切れ、レナは慌てて両手で胸を覆い隠した。
でも、レナが隠すまでのほんの一瞬、俺は確かに見た。
レナの乳房は美しく整っていて、その瑞々しさとは裏腹に……いや、そうであるが故か……俺の男としての本能を、暴力的な衝動を刺激した。
ああそうだよ。こういう状況で興奮しないわけがない。
俺のものはとっくに固く膨らんでいた。
「あれがイタズラで済むのかよっ! なんだよそれっ!」
俺はレナを怒鳴りつけ、髪を掴んだ。
恐怖に染まったレナの瞳を覗き込む。
ふざけるなよ。何を今さら、そんな目をしていやがるんだよ。
震える唇で、レナが何事かを呟く。いったい何を言っているんだ?
俺は目を細め、耳を澄ませた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…………」
俺の奥歯が軋んだ音を立てた。
ごめんなさいだと? なんだよそれ? 俺が聞きたいのはそんな事じゃないんだっ!
「なあレナ。……何であんな事したんだ?」
努めて優しい口調で、俺はレナに訊いてみた。
けれど……レナは何も答えない。
冷めていく……。急速に、レナに対して今まで持っていた何かが冷めていく。
俺は静かに息を吐いて、空いていた左手でベルトを外し……ズボンのファスナーを下ろした。
膨れあがった俺のものを取り出すと、レナは蒼白になって、びくりと震えた。
「痛い。……痛いよ圭一君。そんなに強く……引っ張らないで」
髪をより強く引っ張りながら、レナの顔面を俺のものへと近付けていく。
必死にレナは目を逸らそうとするが、俺のそれが視界に入らないわけがない。
レナはバランスを崩し、俺の前に跪いた。
「レナ。答えないっていうなら……」
俺はレナの口の前に、左手で俺のものを構えた。
「やだ。……嫌だよ。お願い圭一君。お願いだから……あぐっ」
俺は躊躇無くレナの口の中へ俺のものを突き入れた。
髪を掴んだ右手でレナの頭を強引に揺らし、俺のものを出し入れさせる。
「おぶっ うぶっ ううっ ふぅうううぅ」
やたらと粘っこい唾液も、生暖かく柔らかい舌も、俺のものに当たってばかりの歯も……レナの小さな口に俺のものが収まっているのかと考えると、それだけで俺の口は愉悦に歪んだ。
「んんっ むぅっ んっ うっ んぐうううぅ」
レナの苦悶の声が、何よりも心地よく聞こえる。
ああ……いいぜ、レナ。もっと泣けよ。もっとその声を聞かせろよ。
とにかく乱暴に、俺は何度も、何度も、何度もレナの口腔を俺のもので犯す。
もっと激しく、もっと奥まで……。
いっそのことこのまま射精してしまいたいくらいだ。
しかし、レナが限界か……仕方ない。
よほど苦しいのか、レナの瞳から光が消えかかっている。
俺はレナの口から男性器を抜いた。
「おぶっ……ううっ……かはっ……はっ」
途端、レナは床に向かって盛大にむせ込んだ。
肩を大きく揺らし、犬のように舌を出してぜぇぜぇと荒い息を吐く。
その姿は何だか滑稽だった。
やがて、レナの呼吸も落ち着いてきて……レナは跪いたまま、俺を見上げた。
「お願い。……もう……いいでしょ? 圭一君…………もう……許して…………」
涙ながらに訴えてくる。
レナのその表情は、今までの俺なら十二分に憐れみを誘っていたんだと思う。けれど、今の俺にとってはさらなる劣情の呼び水でしかなかった。
「ねぇ……圭一君?」
レナの唾液でべとべとになった俺のものは、萎えるどころかより強く脈打った。
「レナ。…………もう一度だけ訊く。これが最後の質問だ」
「……………………何? 圭一君……」
ゆっくりと、俺は口を開いた。
「雛見沢連続怪死事件の犯人は誰だ?」
それさえ教えてくれれば、もうここでやめてやる……。
俺を殺そうとしたことも、全部これで無かったことにしてやる。
だから……話してくれ……。
疼く怒張が辛い。
けれど……レナの顔はくしゃくしゃに歪んだ。
「分かんない。……圭一君が何を言ってるのか全然分かんないよっ! 何で…………どうして圭一君……こんな……こんなことするの……?」
「そうかよ。……レナ」
俺は酷薄に言い放つ。
どうしてこんなことに? それはこっちが聞きたかったんだよ。レナ。
でももう……終わりなんだな。
俺は片膝をついて、レナの肩に両手を置いた。
「何……? 圭一君? 嘘……嘘だよね? お願いだから……ねぇ……圭一君?」
今さら何を言ってるんだレナ? 分かってるんだろ?
俺は無言のまま、力一杯レナを押し倒した。
「やだあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
そのまま体重を掛けてレナに覆い被さる。
レナは俺の胸に手を当て必死になって俺を押しのけようと力を込めるが、華奢なレナにそれだけの力があるはずもない。
俺はレナの手を掴み、そのまま両手を上に上げた。
レナを万歳させるような格好にした後、両腕をまとめて左手で押さえ付ける。
じたばたと暴れるレナの脚が煩わしい。
右手でワンピースのスカート部分を捲り上げていく。
ヘソが見えるところまでスカートを捲って、レナの下着の中に右手を突っ込む。
「ひぃううううっ」
ぐしゃぐしゃとレナの恥毛を掻き分け、秘部を撫で回す。
初めて触るレナの秘部は固く閉じてはいたけれど……その唇は柔らかかった。
「やめて……圭一君……お願い……もう許してえぇっ!」
泣き叫ぶレナの頬に、俺は舌を這わせた。
ぬらぬらとした俺の唾液が、レナの頬を汚していく。
レナの滑らかな肌触りが……温もりが……女の子特有の匂いが心地いい。
俺はレナの下着から右手を抜き、今度はレナの右の乳房に置いた。
そして、左の胸にキスをする。
「ううっ あ……うっ」
直に触れるレナの胸の感触は、服越しのときとは比較にならないほど心地よかった。
レナのきめ細やかで滑らかな肌は、俺の手のひらに吸い付いてくるかのようで……そしてそのむっちりとした張りのある柔らかさと温もりが、確かな存在感を訴えてくる。
欲望の赴くままに俺はレナの乳房を撫で回し、揉みしだき、舌で舐め回し、唇を押し付け、尖ってきた乳首を甘噛みし……貪る。
「はっ……うぁっ……はぅ……んんっ」
俺が与える一つ一つの刺激に対し、レナは体をくねらせて反応してきて……。
それがまたなんとも……俺の情欲を誘う。
暴れるだけの体力も残り少なくなってきたのか、抵抗も徐々に弱まってきた。
俺は右手でレナの胸を弄びながら、レナの両手首から左手を離した。
途端、レナはこれをチャンスだと思ったのか……それともこの気を狙っていたのか……予想していたよりもずっと強い力で身をよじった。
うつ伏せになり、匍匐前進のような形で逃げ出そうと手を前に出す。
正直、まだレナにこれだけの体力が残っていたというのは意外だった。まあ、逃げ出せない以上どうでもいいことだが。
俺は上半身を起こし、レナの胴を左腕で抱きかかえた。
俺の腹の下にある、レナの白いパンティに手を掛け、ずり下ろしていく。
「やだ……やだやだ。やめてよ圭一君。脱がさないでっ……」
レナの丸みのある尻は白くて……指に触れるそこもまた、柔らかかった。
男性器を尻に擦り付けると、レナの背中がびくりと跳ね上がる。
「やだ……もうこんなの嫌だよ……本当にもうやめてよ。圭一君……」
だから、さっきから煩いんだよ。レナ。
右手を俺のものに添え、亀頭を尻の割れ目に沿って移動させていく。
「や……やだ。ねぇ? ……ねぇ? 圭一君っ!?」
やがて……茂みに到達すると、そこは僅かだけれど………………湿っていた。
「へぇ……、あれだけ嫌だ嫌だと泣いていたくせに、感じてたのかよ」
俺がそう言うと、レナは必死になって首を横に振った。
「違う。違うの圭一君。レナ……本当に……違うの……」
「まあ、別にどっちでもいいけどよ」
「それって……どういう……?」
その次の瞬間、レナの顔が驚愕に歪んだ。
まるで鯉か金魚のように、口をパクパクさせる。
「は……うっ。あっ…………」
ぽろぽろと、再びレナの目から涙が零れた。
ぎゅうぎゅうと亀頭を締め付けてくるレナの膣内に、俺は強引に自分のものを突き刺していく。
じわじわと、俺のものがレナの中へと侵入していく。
途中……、特に抵抗が強いと思った部分を通り抜けた瞬間――。
「いやああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
レナは絶叫した。
がりがりと何度も床を指で引っ掻き、背中をよじり、必死で俺から逃げ出そうと藻掻く。
けれど、俺は決してレナを放そうとはしない。
完全に、レナの奥まで俺のものを埋め込む。
「うううっ……うっ……ひっく……ううっ。痛い……痛いよ……っく……圭一君……本当に…………痛いの……お願いだから……抜いてよ……」
無論、俺にそんな気はさらさら無い。
もっとも、もしあったとしても、レナのこれだけ強い締め付けではそれもなかなか難しい話だったろうが……。
レナの哀願を無視して、俺はゆっくりと……ピストン運動を開始した。
「うっ……あぐっ……ううっ……くっ」
潤いの少ない……固く狭い蕾は、俺のものにがっちりと絡みついて離れようとしない。
とっくに我慢の限界を超え、敏感になっていた俺のものは、あっさりと欲望を吐き出した。
「なに? えっ? いや…………あっ……あうっ…………うっ……ううっ」
最初、レナは呆然としていたけれど……子宮の入り口に当たる、熱い感覚が何か思い至ったのだろう。身を震わせて、嗚咽した。
どろどろの精液がレナの中を満たしていく。
これで、ようやく少しはスムーズに動かせそうだ。
そんなことを考え始めた頃、ようやく俺のものは脈動をやめた。
「ねぇ……もう……いいでしょ? ひっく……圭一君? うううっ……うっく……。お願いだから……これ……以上はもう……」
けれど、俺のものはまだ萎えようとはしない。
だから俺は、レナの問いかけに対し、もう一度腰を打ち付けることで答えてやった。
レナは床に突っ伏したまま、泣きじゃくった。

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最終更新:2007年08月23日 11:45