ひょんな事から圭ちゃんと入れ替わってしまい、
私は前原圭一として圭ちゃんの部屋にいる。

このパラレルワールドな状態を
古手神社の巫女さんである梨花ちゃんならなんとかしてくれるかもしれないという事で
明日の朝一に学校で梨花ちゃんに相談しようということになった。
本当だったら今すぐにでも相談に行きたかったけど
時間も遅かったし二人きりで頑張って生活している
梨花ちゃんと沙都子にこんな時間に迷惑もかけられなかったので
私と圭ちゃんは今夜はお互いの家で休むことにした。
圭ちゃんがばっちゃ相手に変なヘマしてなければいいんだけど…正直心配だなぁ…。
前原家の両親はとても朗らかで楽しい両親だったので
最初は緊張したものの割りとすんなり馴染む事が出来たし、
圭ちゃんを毎日見てるだけあって私の演技もなかなかのものだったと我ながら思う。

でも汗もかいたしそろそろお風呂に入りたいな…お風呂…オフロ?


!!!!!??????


「わ…忘れたっ!!!!!」
思わず声を張り上げる。
お互いの身体で生活するって事は当然私の身体に入ってる圭ちゃんが
トイレやお風呂に行く時は…あの…その…だから…

頭に血が上り恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になってるのが分かる。
私のバカバカバカ!なんで気づかなかったの!?
私も圭ちゃんも混乱していたから仕方ないけど…でもでも!
圭ちゃんに自分の身体を見られるなんて嫌ぁあああああ!
でも今更圭ちゃんにお風呂もトイレも入らないでだなんて言えるわけがない。
改めて意識させてしまったら余計に恥ずかしい。
問題はそれだけじゃなかった。私もお風呂に入るって事は…圭ちゃんの身体を…
どどどどどどどうしよう!?み…見たくないと言ったら嘘にな…いやいやいや!そうゆう問題じゃない。

COOLになれ園崎魅音。圭ちゃんは男の子なんだし
お風呂やトイレの時あまり下だけを見ないようにすればなんとか…
でも今私は圭ちゃんで…圭ちゃんの…圭ちゃん…

「…………ん」
ダメだ…圭ちゃんの事を意識していたら急に身体がボーっと熱くなってきた。
「え…!?ちょっと…何コレ…」
圭ちゃんの身体に異常が起こってるのがすぐに分かった。
いや、ある意味正常なのかもしれない。恐る恐る視線を下に向けるとズボンの布地が持ち上がっている。

「~~~~~~っ!?」
こ、これは…つまり…そうゆう事!?
圭ちゃんったら自分の事考えて欲情しちゃうなんて変態さんだなぁ~あっはっはっ!
…なんちゃって。一人でノリツッコミを行い少々寒い気持ちになる。
実際は私が圭ちゃんの事を考えていて欲情してしまったんだから変態なのは私なのか。

でも私だって年頃の女の子だし圭ちゃんの身体に興味がないかといったら嘘になるわけで。


「…ちょっとだけなら見てもいい…よね…?う…うん。」
誰かが返事をしてくれるわけではないので勝手に自問自答を繰り返す。
ドキドキしながらズボンとトランクスを少しだけ下げて中に手を入れる。
「ぅゎ…」
棒状なのは予想通りだったけど頭がぴょっこり天井を向いていて、思っていたよりもなんだか生々しい。
「これが圭ちゃんの…」
今まで生きてきた中で一番心臓が早鐘を打っているんじゃないだろうか。
自分が凄く興奮しているのが分かる。同時に好奇心が抑えられなくなっている事も認めずにはいられない。

ごめん!圭ちゃん!!おじさんを許して!
心の中で圭ちゃんに謝り、私は圭ちゃんのそれにそっと手をかけた。

「ふぁ…」
自分が普段圭ちゃんの事を考えてするのとはまた違う感覚。これが男の子の快感なんだ…
どうやったら気持ちいいのか、手探りで探すように手を動かす。
「ふぅ…ん…っ…ぁ…」
圭ちゃんはいつもこんな事してるのかな。
圭ちゃんへの罪悪感と好きな人の身体をいじってる快感に挟まれてたまらない感情が湧き上がる。
「は…っ…ん…はぁ……」
指先の力を強めたり、上下に擦ったりしている内に手の中がヌルヌルとして、
その濡れたような刺激がさっきより快感を倍増させてくれたらしく、私は行為に没頭していた。
「ひゃ…!あぁっ…は…っ…んん!」

どうしよう、どうしよう。流石にもうやめなきゃ…これ以上は圭ちゃんに悪い。
でも…でも…

「あっ!?んっ…ァ…」
刺激を与えていくうちに最初よりも硬く大きくなっているのが分かる。
もうやめないとと思う理性を裏切るかのように私の両手は欲望に従ったままだ。
「は…だめ…腰が…もう」
段々と座っている体勢がきつくなってきて側に敷いてあった布団にそのまま崩れ落ちた。
そして身体を横にした事が致命傷である事を私は思い知る。
「っ…はぁ…ぁ…っ…け、圭ちゃんの…はぁ…ん」
敷かれた布団からはいつもの圭ちゃんの匂い。
「ひぁ!?…ああっ…ん…あ、はぁ」
圭ちゃんの匂いを感じただけでこんなに興奮するなんて。
そうだ、よく考えたら圭ちゃんはここで生活しているんだ。当然この布団で毎日寝てるわけで。
「んんっ、はっ!はぁ…は…う…あっ…」
圭ちゃんが生活してるこの空間で、圭ちゃんの身体を圭ちゃんの事を考えながら弄んで。
感じないわけがない。圭ちゃんの匂いをもっと感じたくって思わずシーツに顔を擦り付けた。
「圭ちゃん…圭…っ…んあ…!」
クチュクチュと水音が大きくなるのが気にかかったけど、もうイけるところまでイってしまいたい。
次から次へとべたべたした液体が先っぽから溢れてきて、
まるで電気を流し込まれているような…そんな痺れた快感が次から次へと身体に送り込まれる。
股間に血液が集中しているような熱さがこみ上げてきた。
「はっ…アアッ!ん!圭ちゃん…けいちゃ…!イ…イク!も…!」
気持ちよすぎて声なんてとても我慢できなくって
顔を押し付けていたシーツをそのまま思いっきり噛んだ。

「――――――――――――――っ!!!」
手の中でさっきまで溢れていた液体とは比較にならない
粘着質な液体が飛び散るのを感じる。

「っ…はぁ…はぁ…はぁ…はっ…圭ちゃ…ん」


ビクビクと震える身体と吐き出された白濁の液体が限界を迎えた事を私に教えてくれた。



…――――――――――――――――――


「おはよう…圭ちゃん」
「おう、おはよう魅音」

いつもの待ち合わせ時間よりちょっと早めに二人で落ち合う事にした。
普段圭ちゃんを家まで迎えに行ってるレナには申し訳なかったが
まだ二人で話したい事もあったし
ここで待っていれば会えるだろうという事になったのだ。
それにしても自分の顔を見ながら会話をするというのはなんだかむず痒い。

「一晩寝たら元に戻るかと思ったけど…やっぱそんなに甘くなかったみたいだな」
「今日起きたら時に自分の部屋に戻っていれば有難かったんだけどねぇ。…ところで圭ちゃん。
ばっちゃに不審がられたりしなかった?おじさんそれが心配で心配で」
「不審がられたりしなかったが…女のくせにはしたない!と飽きられちまった…申し訳ない…。
俺の両親はどうだった?大丈夫だったか?」
「あはは。でも圭ちゃんがその程度で済んだなら大したもんだよ。
それとおじさんの方は大丈夫だったよ。おじさんは上手く圭ちゃんを演じたよ!えへん!」
「そうか、それなら良かったよ。ただ…さ。お前、風呂とか着替えって…」
「…っ!」

忘れようと思っていた昨夜の淫行が脳裏を過ぎる。
「あああああああ!大丈夫!おじさんなるべく見ないようにしたから!うん!うん!!」
真っ赤になり大慌てで捲くし立てる。ああー…これじゃぁバッチリ見ました。って言ってるようなものだよね。
しかも見ただけじゃないし…。今更になって罪悪感が湧いてしまう。
「いや、その…俺の事よりも魅音の事…」
圭ちゃんが私の姿で顔を赤らめ呟く。
「へ!?」
そうだ…思い出した。私が圭ちゃんの身体で一晩を過ごしたように
圭ちゃんも私の身体で一晩を過ごしたんだ。しかも私の姿をした圭ちゃんはバッチリ着替えてるわけだから
つまり…えーっと…
「あ…あぅ…」
よりによって大好きな圭ちゃんに自分の身体を見られてしまったのかと思うと居た堪れない。
真っ赤になった顔を隠すために私は思わず俯いた。
「うわーー!ごめんごめん!俺に言うのも変なかんじだが泣くな魅音!」
「な…泣いてないよ!ただ…圭ちゃんに見られたのかと思うと…その…」
涙目になってしまった目をごしごし擦りながら慌てて言い訳をする。
「いや…その。ごめん。正直状況が状況だったとはいえ、
魅音の身体勝手に見ちゃって申し訳ないと思ってる。正直凄いドキドキした。
でも、こんな形じゃなくって俺――――」
「…えっ?」
圭ちゃんの言いたい事が分からず私は顔を上げる。



「あーーーーー!!!!圭一くーん!魅ぃーちゃーん!」

「「わっ!?」」
レナの声に驚いて思わず同時にすっときょんな声を上げる。

「もうー圭一くんの家行ったのに圭一くん先に行っちゃうんだもん!
でもここで待っててくれたみたいでよかったよー」
レナが可愛らしい笑顔でこちらに向かって走ってくる。
しかしレナはまだこの入れ替わりの状況を知らない。
「あれ!?圭一くん!?なんで泣いてるのかな?かな?」
レナは私の顔を心配そうに覗き込んだ。
「あ…いや、その…レナ…」
私は慌ててレナに弁解しようとした…が。
「はぅぅぅ~!!泣いてる圭一くんかぁいいよぉ~!お持ち帰りぃ~!」
「きゃー!!ちょ、ちょっと待っ!」
かぁいいモードONになったレナを"私"の中に入った圭ちゃんがひきとめる。
「ち!違うんだ!レナ!これは俺だけど俺じゃなくって!!」
"私"の中にいる圭ちゃんが思わずレナに説明をしようとする。
「はぅ!?お、"俺"???魅ぃちゃん!?どうしちゃったのかな!?かな?」
「えっと順を追って説明するとだな…」


…こんなかんじで朝からドタバタしてしまったけど、
放課後には部活メンバー全員で古手神社に集合し、
私と圭ちゃんは梨花ちゃんにお祓いをしてもらって無事に元に戻る事ができた。

「オヤシロ様が魅ぃ達をからかったみたいなのです。
でももう大丈夫ですよ。僕がオヤシロ様を辛~いキムチで罰しておくので安心してくださいです」

なんて天使のような黒い笑顔で梨花ちゃんが不思議な事を言っていたけれど
これでもう大丈夫という事なんだろう。ほっと一安心して私達は解散し帰路についた。





ひぐらしの鳴き声を聞きながらふと思う。今朝、圭ちゃんが言いかけた言葉はなんだったんだろう。
聞きたいけれど同時に自分がしてしまった昨夜の行為を思うととても聞き出せない。

もやもやとした気恥ずかしいようなくすぐったいような気持ちを抱えたまま、私は自宅の扉を開けた。

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最終更新:2007年06月26日 01:42