「・・でね、圭一さんたら・・・って聞いていますの梨花?」
「聞いていますですよ。沙都子は圭一のお話の時だけは嬉しそうに話しているのです。」
「べ、別に嬉しそうになんてしてませんですわー!ちょ・・・頭を撫でないで下さいまし。」
「にぱ~☆」
沙都子は真っ赤になって否定している。
こんな反応をするから沙都子をいじるのがおもしろくて仕方ない。
圭一の話ばっか・・・と言うのが少し悔しい気もするが沙都子が幸せそうなのでいいとしよう
「圭一・・・・か」
この閉ざされた世界を唯一破ってしまう少年
人を惹きつける力がある
やって来て間もないのにみんなの中心的な存在になった
みんな圭一に惹かれている
私だって惹かれている・・・・と、思う
彼の行動一つ一つにドキリとさせられる
何かを期待している
どんな人よりも安心できる
閉ざされた世界のままでもいいと思っていたけど、今はその先を見てみたい
なにより
みんなと・・・圭一と、その先を過ごしたい。
だから私は立ち向かう
どんな絶望を突きつけられても打ち破ってみせる
運命なんて簡単に破れる事を圭一は教えてくれたのだから・・・・・
「おやすみ、沙都子」
そう言って私は目を閉じた
最終更新:2006年09月07日 01:25