日が落ちるのがすっかり早くなった。風も冷たくなった。雛見沢に秋が訪れようとしている。
「だというのに、どうしてこんなことしなくちゃいけないのー」
 雛見沢分校の放課後、魅音は一人で居残り補習をしていた。最年長で来年は卒業して進学。
だというのに遊んでばかり。とうとう、知恵先生からの雷が落ちてしまった。
 唇を尖らせながら、訳の分からないプリントに向き合う。
「どうせ、こんなことしても無駄なのになー」
 適当に埋めていく。魅音にとって、進学とか勉強とかは意義が見えない。
自分の将来を決める。それは分かる。だが、自分には意味が無いのではないか?
 己の行く道は既に定まっている。園崎家頭首。これは幼い頃から決まっていた。
それこそ背に鬼を背負った瞬間から。 もちろん、頭首としての学ぶことは沢山ある。
魅音にはそれこそヘリの操縦から人に君臨する帝王学など無数に叩き込まれている。
だからこそ、学校の勉強なんて今更という感は強い。
「あーあ、圭ちゃん、今頃、レナと二人きりで……」
 鉛筆を机の上に放り投げて、頭の後ろに手を組む。魅音が補習を嫌がる理由はこれだ。
圭一と過ごす時間が少なくなるからだ。奥手で何もいえない。けど、少しでも一緒に居たい。
来年になれば一緒に通えなくなる。会えなくなる。だからこそ──未来より今なのだ。
 この頃レナの攻勢が激しいように見える。よく、ゴミ捨て場に二人きりでかぁいいものを
探しに行くという。それはいいとしよう。だが、手作りのクッキーなどのお菓子持参とは
どういうことか。とことん突き詰めたい。
「圭ちゃん……」
 小さく呟く。胸の内がじんわりとする。何度も呟く。さらに熱くなる。
 いつからか好きになっていた。いつからか意識していた。そして、いつからか後悔していた。
自分は前原圭一にとって親友でしかない。気さくでなんでも話し合える大切な親友。けれど、
愛を語り合う事は出来ない。ガラではない。そう決め付けたのは自分だ。胸がうずく。
「圭ちゃん──」
 口にしながら胸をまさぐる。制服の上から揉んでみる。柔らかく弾む。
自分の部屋で慰めていた。涙を流しながら求め喘いでいた。しかし、さすがに教室で
した事は無い。教室に誰も居ないとはいえ職員室には知恵先生が。他の部屋には職員が
いるかもしれないのに。
 けれど、スイッチが入った。熱く喘ぎながら胸を揉む。服の上から乳首を掴む。
自分の手を圭一の手に置き換えてまさぐる。ドンドン溢れてくる。甘ったるい夢を空想する。
圭一のささやき声を。唇を、手を、厚い胸板を。そして……見たこともない分身を。
熱くそそり立つと聞く。頭の中で思い描く。片方の手がスカートの下に入る。
縞パンの上からさわる。うっすらと湿り気が帯びている。
「ああっ、圭ちゃん」
 背徳感に溺れながら、また呟く。頬が熱い。口元からはしたなくよだれが少しこぼれる。

けれど足りない。

 教室という環境の所為だろう。今ひとつはじけられない。声を出してはいけない。
緊張感こそあるが盛り上がりに欠けるのだ。どうしたものだろうか。

 ふと、圭一の机を見たら、縦笛を入れてある袋が見えた。近づいて手に取る。
チャックをあけて取り出す。ずぼらな圭一だ。縦笛のお手入れなんてしないだろう。
かいでみる。口でくわえるところを。何となく臭う。圭一の匂い。そう思うと溢れてくる。
たまらなくなる。
「圭ちゃん」
 口で咥える。ぺろりと舐める。はむはむとする。歯で噛んでみる。ああ、自分は圭一が口で
咥えているものをもてあそんでる。いけないことだ。変態さんだ。でもやめられない。べっとりと
唾液で濡らす。ブラウスのボタンを外す。ブラもずらす。こっそり隠しながらも胸はさらされる。
先端を乳首につける。くねくね動かす。冷たく固い感触がする。でも圭一のものだ。声を押し殺す。
でも、胸からの刺激が焦がされる。痛くなるほどしこり固くなる。尖る乳首を指で捻る。少し声が洩れる。
縦笛でなぞる。我慢できない。思うが侭に溺れ、喘ぎたい。嬌声の限りを尽くしたい。でも我慢。吐息を強く
はいて、縦笛を胸から放す。でも、視点は下に向く。ゆっくりと足を開く。大きく開いてスカートの中へ
おずおずと縦笛の先端を押し付ける。

 くちゅり。

 濡れていた。縞パンはぐっっしりと濡れ、太ももまでたれている。先端を布地越しに押し付けて
こする。声は出せない。熱い喘ぎ声を漏らすだけだ。首をゆすり、髪が乱れる。足をM字にして
開いてむさぼる。圭一の口にしたところを己の秘裂に当たる。喘ぐ。空気を求めて口をパクパクした。
豆に当てると同時に乳首をつまんだ。唇をかみ締めて耐えた。
 大きく息を吐き出すと、下を向いて、縞パンをずらす。ゆっくりと縦笛の先端を濡れそぼる秘裂に
当てる。怖いから奥まで入れない。大切な物は圭ちゃんに捧げたいから奥まで入れない。ただ入り口に
当てる。グリグリと動かす。固い感触がする。けど、違う。これは圭ちゃんの口。圭ちゃんの分身。
圭ちゃんの怒張。肉棒だ。生み出される妄想と快楽に酔いしれる。いつしか小さく声がでていた。
ぽたぽたと垂れる。床を汚す。座っているイスを濡らす。止まらない。むさぼるだけだ。
「圭ちゃんっ、圭ちゃんっ、圭ちゃん!!」
 圭一の顔を思い描いて果てた。疲れきった息を吐き出す。熱い快楽の後は虚しさが襲う。べっとりと
濡れた縦笛を見て罪悪感が襲う。何にも行動を起こせない自分に嫌気がする。
「でも……」
 濡れた縦笛をハンカチで拭いた。けど、洗わない。ちくりと痛むが自分の汚した縦笛を圭ちゃんが
咥える。想像するだけで胸が痛むが同時に興奮する。
「好きだよ、圭ちゃん」
 そっと呟く。いとおしむ様に圭一の縦笛にキスをする。
「今度の音楽の時間はいつだったかなー」
 圭一が笛を吹く姿を考えながら魅音は縦笛を元の場所に戻した。
 いつの日か夢に描く事が現実になるのを願いながら。                          
終わり

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最終更新:2007年05月02日 22:15