お姉を見ると、数人の男たちに取り押さえられて服を剥ぎ取られていた。

私はそれを客観的に見ていたけど、実際自分にされるのもそう遠くは無さそうだ。男たちがじりじりと間合いをつめ、近寄ってくる。
とうとう男の手が私のシャツにかかった。その男をきっと睨みつける。
「ほー、気の強い孃ちゃんじゃねぇか。よがった顔が見てみたいぜ」
「案外こーいうのがすっげぇ淫乱だったりするんだって。にしても、良い体してんじゃねーかよ」
じろり、と詩音を上から下まで眺めるその汚らしい視線。これ以上人を不快にさせるものなんてあるのだろうか、と詩音は思った。
顔を近づけてきた男の頬にぺっと唾を吐きかける。このアマ、と男は詩音に蹴りを入れるが、それでも気丈に睨み続けた。恐怖の色はあるが、迷いは無い。
その瞳に苛つきを感じ、男たちは詩音の服を引き裂いた。あられもない姿にされても、尚も睨む事をやめない。
「…この女、くそ…っ!」
「面白くねぇ。…コイツ、びくりともしねぇよ…」
それが唯一の抵抗だった。声なんてあげてやるものか、怖じ気づいたりするものか。悟史君、私がんばるよ、悟史君、悟史く………

「いやぁああああ!!痛い、痛いよぉおお、助けてにーにーぃいいい…!!!!!」

―――――沙都子。
その叫び声を聞いた瞬間、何をされても動じなかった私がぴくりと震えた。それを山狗は見逃さない。しめた、とばかりに微笑む。
「あーぁ、コイツ、つまんねぇよ。…あっちのガキんとこにいっちまおうか、なぁ?」
「……なっ、……!」
「そっちのが締まり良さそうだな。…まだガキだからよ。痛ぇだろうな~!」
…………けだもの。こいつらは人なんかじゃない!私が鬼だとしても、こいつらと比べるとよっぽど人間らしいと思った。
男がいやらしく笑いながら立ち上がった。沙都子の方に向かおうとする。
「…………待って…!」
「ぁあん?」
男は私が呼び止める事を予想していたのだろう。すぐに振り向いて、私の言葉を待っている。私は悔しくて悔しくて、ポツポツと絞り出すように…言った。
「…お願い、私には…何しても良いから、…………沙都子には…やめて…」
―――にやり。男が不適に笑った。その笑顔が憎くて憎くてたまらない。
「くっくっく…、聞いたか?今の。…おいお前ら、好きにして良いだとよ!」
その言葉に数人の男が興奮してはやし立てる。そのうちの一人の発言に、私は目を見開いた。
「ここでオナってみせろよ!」
「お、…っ…!?」
そんな事、出来るわけがない――――そう言おうとした瞬間に男がまた沙都子の方へ足を進める。
…それだけはさせてはならない。沙都子の負担を軽くするために、少ししでも多くの男をこっちに引きつけたかった。

「わ、分かった、やります、やりますよ…!皆さん、今から、いやらしく、オ…オナニーする私を、見て下さい…!!!」

声を大きく張り上げて卑猥な言葉を叫ぶ。屈辱のあまり、血管が切れそうだ。顔が暑い。火が出そう。
…でも、詩音の作戦は成功した。沙都子や魅音、レナを襲っている奴らが手を止めてこちらを見たからだ。こちらを見ている間だけでも、奴らの辱めから開放される。
…何としてもこちらに目を向けさせなければ、と詩音は必死になって自慰を始めた。
「んくっ、…ぁ…あふんっ!見て、私を見て下さい…っ!私のっ、いやらしいっ、ひくひくしてるの、見てぇ…!」
片手は胸に、片手は股間に。せわしなく手を動かし、安っぽいAVのようなセリフを吐く。
…最初は演技だった。乳首をつまんで引っ張って、膣に指を突っ込んで。いやらしいセリフを言っているうちに、いつしかそれは本当の私の言葉になっていた。
「はっ、んっ、ぁっ、気持ちいいっ、イイっ、気持ちいいのぉおおおっ!!!!!」
「すげぇ…」
「おっ、俺もう我慢出来ねぇっ!」
一人の男がガチャガチャとズボンを下ろし近づいてきた。その汚らしい性器を露わにする。
既にソレはパンパンに腫れ上がっていた。男は間髪入れずに一気に挿入する。
「うぁああああああっ!!」
「くっ、良いぜぇ…っ!」
ず、ずちゃっ、ずず…っ
卑猥な水音が響いた。ほどなくして男は腰を降り始める。
挿入をされる前に自慰をしていたのは正解だった。たっぷりと溢れた愛液が潤滑剤の役割を果たし、痛みを感じる事なくスムーズに挿入されたからだ。
男は無我夢中で腰を振る。その激しさに私が達しそうになった時、耳元で音が聞こえた。
バチバチバチ…
見覚えのある音。はて、どこで聞いたものか……朦朧とする意識で音のする方を見て、私は目を見開いた。

「………は、…うっ………」
「さっきはどうもなぁ。…痛かったぜぇ…?」
…私がスタンガンを浴びせ気絶させた男。そいつが次は、奪ったスタンガンで“浴びせる側”になっているのだ。
「イったらバリバリ、だぜ?」
そう言って男はスタンガンで乳首をコリコリと擦る。こんなに心臓に近いところでスイッチを入れられたら…終わりだ。
「…っひ…!」
その瞬間、大きく男に突き上げられ、突然の衝撃に堪えきれずイきそうになる。
ぐっと唇を噛み締め抑えるが、背後から別の男が私の胸をいじくり始めた。
「ひゃっ、ふぅうっ…!」
ぐりぐりと乳首を押し潰すようにこねる。ぴんと弾き、男がちゅうちゅうと吸い始めた。
「ああああっ!!やめ、っ!」
「いくぜぇえええっ!!」
ずん、とまたもや大きく突き上げられる。ナカを掻き回すように男のモノは私の中で暴れまわった。
こりっ――――胸を吸っている男が乳首を噛む。それと同時にもう一人の男が私の剥き出しになっている突起をつまんだ。
「んぁああああああああああああああああっ!!!」
イってはいけない…そう必死に言い聞かせるも、襲いくる二重の快楽に耐えきれず――――私は達した。
「はっ、ふ、ぁ……………  あうあぁあああああっ!!!」

バチバチバチッ! 

首に宛がわれたスタンガンから電流が一気に私の体を駆け抜ける。それと共に、私の意識も遠のいていく。
…………ごめんね、悟史君。
最後にそう呟いた言葉も、奴らの下卑た笑い声にかき消され――――闇に消えた。

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最終更新:2007年04月29日 17:23