私は沙都子が好きだ。いつもちょこちょこ動き回って、甘えん坊で、元気いっぱいな沙都子は見ていて楽しい。そんな沙都子が、可愛らしくて仕方ない。
でも最近、沙都子と顔を合わせる時間が少なくなってきている気がする。
と言うより、なんだか避けられているような気がする。
私が会いに行くと、いつもすぐに裏山にトラップを仕掛けに行ってしまう。
やはり、このあいだのアスパラがいけなかったのだろうか……?
自分としては結構、自信作のつもりだった。
美味しくできたと思って、つい調子に乗って無理をさせたのかもしれない。
私が差し出すと、あ~んと口を開いてくれる沙都子が可愛くて、次々にアスパラの天ぷらを投入してしまった。
今思えば、あのあと沙都子の顔が赤く、むくれていたような気がする。
ちなみに、圭ちゃんも顔を赤くしていた。こっちは別の意味だ。まず間違いない。私の大切な義妹を……沙都子をそんな目で見るなんて許せない。汚らわしいオス猿め。しっかりと**しておいたが……。
それとも、沙都子のネクタイが曲がっていたのを直したのが気に障ったのだろうか? 自分でも直せるのに、勝手に私が直したため、馴れ馴れしいと思われたのかもしれない。
嫌われてしまったのだろうか……?
そんなのは凄く悲しかった。
たとえアスパラやネクタイが原因でなかったとしても、自分でも知らない内に沙都子に嫌われるようなことをしてしまったのかもしれない。
だからせめて、謝りたかった。
私は今、沙都子と梨花ちゃまが住んでいるプレハブ小屋の前にいる。
「よしっ」
大きく息を吸って、気持ちを固める。
コンコン とドアを叩くと、中から人が近付いてくる気配がしてきた。
「はい。どちら様ですの?」
沙都子が出迎えてくれた。
「はろろ~ん☆ 沙都子。遊びに来ちゃいました」
「しっ……しし……詩音さんっ? あ……あのあの……その……そんな急に来られても部屋が……」
慌てふためく沙都子。
私はしゅんと肩を落とした。
「あ……そうですよね。急でしたよね。ごめんなさい」
やっぱり、嫌われていたんだ……。
「あーっ。違いますわ。そんなんじゃありませんの。ちょっとだけ、ちょっとだけ待ってて下さいまし。今すぐ片付けますわっ!!」
ばたんと勢いよく扉を閉め、中へと消えていく沙都子。
どたどたと中から凄い音が聞こえてくる。ときおり「まったく、だからあれほど掃除しようって言ってましたのにーっ!」という声も聞こえてきたかもしれない。
数分後。沙都子は汗を掻きながら扉を開けた。
「お……お待たせしましたわ詩音さん。どうぞ、散らかっていて申し訳ありませんけど……」
「はい。……それじゃ、お邪魔します」
私は頭を下げ、プレハブ小屋の中へと入った。
沙都子に居間へと案内される。
「ご……ごめんなさい。本当に汚い部屋で……」
「いえ。そんなことないです。綺麗ですよ?」
私は手を振って沙都子に頭を下げるのをやめてもらった。
「あれ? ……梨花ちゃまはいらっしゃらないんですか?」
いつも沙都子と一緒のはずなのに……。
ちゃぶ台の前に座りながら、私は沙都子に訊いた。
「梨花に用事だったんですの? ごめんなさいですわ。梨花は今日は朝から祭具殿の中に篭もっていますの。何でも捜し物があるとか言ってましたわ」
とたとたと沙都子は台所に向かい、お茶を淹れながら答えてきた。
「いえ、別に梨花ちゃまに用ってわけじゃないんです」
むしろ、私にとっては沙都子と二人っきりで話が出来るチャンスだった。
「では、どうして……?」
私の前にお茶の入った湯飲みが置かれ、沙都子は私の正面に座った。
「沙都子に会いたくなったから……ではいけませんか?」
「ふにゃっ!?」
途端、沙都子がそっぽを向く。
「ごめんなさい。……何だか最近、沙都子に避けられているような気がして……それでつい……」
「あうっ。……そそ……避けてるなんて……そんなことありませんですわ」
「嘘言わないで下さい沙都子。今だって顔を背けてるじゃないですか」
「んっ……それは…………」
沙都子は相変わらず目を合わせないまま、沈黙した。
重い……静寂。
窓の外から聞こえる蝉の声しか耳に入らない。
ぽつり と沙都子は口を開いた。
「詩音さんは……、にーにーが好きなんですのよね?」
「はい。大好きです」
私がそう答えると、沙都子は嬉しいような寂しいような、複雑な表情を浮かべた。
「詩音さんがその……私に優しくしてくれるのは、私がにーにーの妹だから…………」
そう沙都子は自嘲した。
私は大慌てで首を横に振った。
「沙都子? 違う。それは違います。私は沙都子が好きです。沙都子が好きだから……」
私は沙都子が好きだ。最初はどうだったか分からないけど、少なくとも今は悟史君の妹だから……約束だからというだけで面倒を見ているつもりはない。好きでなければ、長続きなんてしやしない。私は…………そんな女だ。
「ごめんなさい。……私も詩音さんのことがその…………好きなんです」
「それじゃあ沙都子。……どうして?」
沙都子は俯いた。
「……最初は、優しくしてくれて嬉しいだけでしたわ。けれど、詩音さんは綺麗で、スタイルもよくて、上品で、料理も上手で……私の憧れになっていって……」
「沙都子……?」
ぽろぽろと沙都子は涙を流した。
「でも、詩音さんを目で追っていくうちに……どんどん……なんだか胸が苦しくなっていって。……胸が痛くなってきてしまって……」
ぐしぐしと沙都子は涙を手で拭った。
「ごめんなさい。……こんなこと言ってしまいまして。でも、私はもう……ヘンなんですの。ですからもう、詩音さんは私に……いえ、私はもう詩音さんのそばにいる資格が無いんですわ。だから……」
「沙都子……」
沙都子? ……あなた、馬鹿です。この私が沙都子のこと嫌いになるわけないじゃないですか。
むしろ、こんなにも私のことなんかを想ってくれた沙都子が、愛しくて仕方なかった。
私はちゃぶ台の上に身を乗り出し、沙都子の頬に手を当て、顔を上げさせた。
「…………詩音さん?」
「動かないで?」
私は優しくそう言って……沙都子の小さくて愛らしい唇へと向かっていった。
『んっ』
私の唇と、沙都子の唇が重なる。
沙都子の唇は、最初は驚いたように固く縮こまっていたけれど……すぐに緊張を解いてくれた。
そしてそれから数十秒後、私は沙都子から離れた。
立ち上がって、上着を脱ぐ。
「し……詩音さんっ! 一体何を?」
「沙都子……私とじゃ、イヤ?」
私が尋ねると、沙都子はぶんぶんと首を横に振った。
「ちょっ……ちょっと待って下さいましっ!」
そう言って沙都子は玄関へと駆け出し、鍵を掛けて戻ってきた。
「詩音さんは緊張感が無さ過ぎですわ。こんなところ梨花に見つかったら……」
そう言ってぷりぷりと怒る沙都子。
私は微笑みながら、スカートを……そして下着を脱いだ。
生まれたままの姿を沙都子に晒す。
「ねーねー。……綺麗ですわ」
「うふふふふ」
私は微笑みながら、沙都子へと近付く。
「あ……う…………詩音さん?」
「ダメです沙都子。……ねーねーって、呼んで?」
「は……い……。ねーねー」
沙都子が顔を真っ赤にして……本当、可愛いんだから。
私は沙都子の前に立ち、沙都子の服のボタンを外していった。
「ねっ、ねーねーっ? 服ぐらい……自分で脱げますから」
「いいから? ……ね? はい、万歳して?」
私がそう促すと、沙都子は素直に従ってくれた。
何だか、ちょっと大きなお人形で遊んでいるような感覚……。
沙都子の上着を脱がすと、そのしなやかな肉付きの上半身が露わになる、
女と呼ぶにはあまりにも未熟だと思うけど……それでも私は、沙都子の裸を綺麗だと思った。
「お願い沙都子。……隠さないで、沙都子のおっぱい見せて下さい」
「で……でも私、ねーねーみたいに大きくないですし……」
「そんなの、気にすることないです。だって沙都子は、これから大きくなるんですから……」
「ねーねー? …………ふにゃっ!?」
私は沙都子の前に立て膝を付き、そして沙都子の胸からその手を引き剥がし、気を付けの姿勢にさせた。
「ふふっ☆ 沙都子のおっぱい。可愛いです」
膨らみかけの沙都子の胸の上で、さくらんぼのような乳首が息づいている。
大丈夫ですよ沙都子。沙都子の歳でこの大きさなら、すぐに私にも負けないくらい大きくなります。ねーねーが保証します。
「にゃっ!? にゃにゃ~っ?」
あむっ と私は沙都子の胸を唇で挟んだ。
「ねーねーっ!? あううっ」
成長途中で敏感な沙都子の胸を刺激し過ぎないよう、私は優しく舌で愛撫する。
円を描くように舐め、そしてぷっくりと尖ってきた乳首を弾く。
沙都子の泣きそうな……途切れがちな息が、私の耳を甘く溶かしていく。
いつしか、私の顔も赤くなっていた。
沙都子の胸から唇を離す。
「ねぇ沙都子。下も……脱がせていい?」
「はい。……ねーねー」
見上げると、沙都子の目も熱を帯びて潤んでいた。
興奮して、私の手も震える。……あーもう、我ながら情けないなぁ。
深呼吸しながら、沙都子の短パンを脱がして……。
次に、沙都子のパンティに手を掛ける。
純白の柔らかい生地が、私の指に心地いい。
するすると脱がしていき……やがて沙都子も生まれたときのままの姿になる。
あ、沙都子ってまだ生えてないんだ…………可愛い☆
「さあ、沙都子も……横になって?」
「はいですわ。ねーねー」
私も沙都子も、その場でごろりと横になる。
寄り添いながら、私は沙都子のスジに手を当てた。
きゅっ と沙都子の体に力が篭もる。
私は目を瞑る沙都子を自分の胸の中に埋めた。
「ほら……沙都子。沙都子も、私の……触ってみて下さい」
沙都子は私の胸の中で、頷いた。
恐る恐る、沙都子の手が私の秘部に伸びてくる。
そして、沙都子の細い指が私の秘部を覆った。
「んっ……。いいですよ沙都子。そのまま、私のを弄くって下さい」
私が沙都子のスジにするように、沙都子もまた私の秘部を愛撫する。割れ目を擦り、そして唇を揉みしだく。
沙都子のスジに粘ついた感触が溢れてくるように、私のものからも愛液が溢れてきた。クリトリスが勃起して……疼く。
「沙都子…………お願い、私の……おっぱいも……」
「わ、分かりましたわ……」
はふっ と沙都子が私の胸に吸い付くと同時、私の背筋にぞくりとした刺激がはしった。
敏感になった乳首が、沙都子の舌に転がされ、痺れるような快感を伝えてくる。
沙都子は私の胸を揉み、そして上目遣いで私を見詰めてきた。
その様子がもうなんていうか……子猫のようで……やっぱり、可愛いとしか言いようがない。
私の体が熱く火照ってくる。
ダメ……もうダメ。私……もっと沙都子を……。
「ねぇ……沙都子」
「はい。……ねーねー」
私達が考えていることは同じだった。
薄れた意識のまま、私は体を起こし、私の秘部を沙都子のスジにあてがった。
沙都子の太股を抱きかかえながら、思うままに腰を振る。
くちゅくちゅと水音がして、私のものと沙都子のスジが擦れるたび、私達から喘ぎ声が漏れた。
もっと……もっとっ!!
「ああ……沙都子っ……」
「ねーねーっ! ねーねーっ!」
私の息が荒い。
私達は夢中になってこの行為に没頭し、互いの敏感な部分を刺激し合う。
さっきからゾクゾクとした快感が、私の頭を痺れさせっぱなしで……。
「ねーねーっ! 私……私……もうっ!」
ぴくぴくと沙都子の体が痙攣する。
ごめん沙都子……私ももうちょっとだから……。
目を瞑り、それから数回、思う様に快楽に意識を委ねていって……。
「ふくっ……うっ……はあああぁぁぁっ」
私も、絶頂を迎えた。


窓の外から、蝉の声が響いてくる。
私達は絶頂の余韻に浸りながら、抱き合っていた。
沙都子の温もりが愛おしいと思う。
「ねーねー」
「……ん? 何ですか? 沙都子」
ぎゅっと沙都子が私にしがみついてくる。
「にーにーは、必ず帰ってきますよね?」
「ええ、もちろんです」
私は沙都子の髪を撫でながら、頷いた。
「…………私は、ねーねーが好きですわ。けど、ねーねーはにーにーが帰ってきたら……」
んー? 悟史君が帰ってきたら……?
私はしばし、虚空を見上げた。
「まあ、私のはまだ片想いですけどね。……どんな手を使ってでも必ず落としてみせますけど」
ちなみに、場合によっては犯罪“的”な手段を使うことも厭わないつもりだ。
びくりと沙都子が震える。
「けど、それで悟史君と結ばれても、だからといってさっさと沙都子を捨てる……みたいな真似をする気はありませんよ?」
はい? と沙都子が顔を上げる。
「じゃ……じゃあ、ねーねーはどうする気なんですの?」
「そのときはそのときです☆」
私が即答し。ウインクしてみせると、沙都子はあんぐりと口を開けた。
「ね……ねーねーは計画性が無さ過ぎですわ~っ!!」
そりゃまあ、出たとこ勝負が私の性分だし……。
あ、ぷりぷり怒る沙都子も可愛い☆
私はくすくすと笑って……。
「だから、少なくともそれまでは……ね?」
「ふにゃっ!?」
私は沙都子のおでこにキスをした。


一方その頃――。

「あぅあぅ。梨花、一体何を探そうというのですか?」
私は何か使えるものが無いか祭具殿の中に篭もり、古文書を読み漁り、そしてその場にあるものすべてを引っ掻き回していた。
「惚れ薬とか赤い糸を切るハサミとかキューピッドの矢とか……何でもいいわ。そんな類のものよ。この際、フワラズの勾玉でもいいわ。他に無いの?」
「あぅ……。そんなもの無いのです。それに、なんでそんなものを……?」
私は振り返り。きっ と羽入を睨む。
「決まってるじゃない。沙都子よ沙都子っ! 羽入。あんたも気付いてるでしょ? 沙都子のあの態度。あれは詩音に恋する乙女よ。おのれ泥棒猫めーっ! 私の沙都子をよくもーっ!」
「あぅあぅ。でもでも梨花……。梨花は圭一や赤坂が好きなのでは無かったのですか?」
「何馬鹿なこと言ってるのっ! 圭一も赤坂も、そして沙都子もみんな私のものよっ!」
「…………あぅあぅあぅあぅ。梨花は贅沢なのです。我が儘なのです」
「うっさいっ!!」
怒鳴り返し、はたと気付く。
「……あぅ? 何ですか梨花? 何だか目が恐いのです……」
……そうだ、何をこんな当たり前のことを思い付かなかったのだろう。無いものは創ればいいのだ。ここに転がってる役立たずアイテムだって、元々は羽入が作ったものなのだから……。
「羽入っ!! 惚れ薬を作りなさいっ!! いい? これは命令よ。破ったら埋葬用キムチだからねっ!!」
「あぅあぅあぅあぅううううぅぅぅぅ~~~~っ!!!!」

まあ、もう既に手遅れなのだが……。

―END―

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最終更新:2007年04月16日 19:56