2005/11/20(日)投稿


「圭ちゃ~ん、陣中見舞にきたよー!」
威勢のいい声と共に、我らが部長殿が現れる。勿論後ろには最精鋭の部員を引き連れての登場だ。
「腕へし折ったんだってー!?まだまだ鍛え方が足りないね!あっはっはっは!」
「み、魅ぃちゃん…そんな言い方はかわいそうだよ?圭一くんは轢かれそうな男の子を助けたんだよ?」
「そうだね。圭ちゃん偉い偉い~」
「魅音、もう少し他に慰め方はないのか…」そう言いながらも、口の端が持ち上がってしまうのが自分で分かった。
なんだかんだで魅音たちはすぐにお見舞いに来てくれた。それが嬉しかった。
「…でも、もう少しスマートな助け方はありませんでしたの?赤信号で交差点に出てって立ち尽くしてる男の子にいきなりダイブして転げるなんて、ドラマの見すぎですわ!」
俺の両手のギプスを突っつきながら沙都子が言った。
「ふっ…沙都子よ、しかしあの男の子はいずれ大きくなり思い出すだろう!幼き日に、自動車事故の脅威から自分を勇敢にも身を挺して救ってくれたその男のことを!」
「…そのまま自分でガードレールに激突して両腕を折った前原圭一という中学生がいましたわ、って思い出になると思いますわよ…」
「男の子のお母さん、感謝はしてたけど怪我に関してはコメントし辛そうだったよね…よね。」
「うあああああああッッ!それを言うなー!!!」
「…圭一はミイラ男みたいなのです。」
なでなで…
「はぁ~ん、でも手が使えないと色々不便なんじゃないの~?特に思春期の男の子にはちょいと酷なシチュエーションかもねぇ…くっくっく」
「はぅ…不便なことって何かな?かな?」
「???何のことですの、梨花?にーにーが野球で脱臼したときも不便でしたの?」
「…沙都子はまだ知らなくて良いことなのですよ、にぱ~☆」
「年頃の女の子が昼間っからそんなこと口走ってんじゃねぇ!!」

「しっかし、魅音?随分早く来てくれたんだなぁ。6限が終わってすぐくらいじゃないか?部活はお開きだったのか?」
ちっちっちっ。魅音は指を振っている。
「圭ちゃん分かってないなー。沙都子。」
「おーっほっほっほ!圭一さんの恥ずかしい罰ゲーム抜きには部活は終われませんでしてよー!!」
「そういうこと!」
「ま、まさか両手骨折の俺相手に部活をやろうってんじゃないだろうな…」
「ご名答!あ、やらないって選択肢はなしだかんね。その時点で不戦敗、罰ゲーム決定!」
くっ…!そんな予感はしていたが…認識するのが怖かった…。
だが!窮地に追い込まれれば真価を発揮するのがこの前原圭一サマだ!
腕の故障くらいハンデとしてくれてやらぁ!!
と、威勢良くタンカを切ってみたものの、そう簡単にゲームで勝てるわけがない。
早くも俺はみんなのペースに嵌り、連敗モードだ。
あっという間に最下位決定した俺は、みんなからギブスにマジックで落書きされていた。
「くっくっく…"私前原圭一はナースフェチです。"と」
「ぐはぁっ!?魅音、そんなこと書かれたら看護婦さんが引くだろうが!」
「"なぜ、どうしてナースなのかはわかりません。"、にぱ~☆」
「"ただひとつ判る事は、オヤシロさまの祟りと関係があるということです。"あははは。」
「…もうどうにでもしてください…」
「…私でしたら本当にこんな患者がいたら包帯でぐるぐる巻きにしてベッドに縛り付けておきますわ。」
「はぅ~包帯でぐるぐる巻きの圭一くん、かぁいいよぅ~☆」
「どこがかわいいんだよ!」
「お持ち帰り~!!」
「ぎゃああああ痛い痛いレナ!落ちる!落ちる!」
「はいはい。みんな、圭一くんをあんまりいじめちゃダメよ?一応病人なんだからね。くすくすくす…」
そんな騒ぎを聞きつけてか、鷹野さんが部屋に入ってきた。

「「ええーーーーーッ!!」」

みんなが驚くのも無理はない。ここは興宮の総合病院なのだ。
入江診療所には充分な入院設備がないから、ここに鷹野さんがいることに最初は俺も驚いた。
「た、鷹野さん?なんでかな?かな?」
「あらレナちゃん。知らなかったかしら?入江先生のとこの看護婦は常勤は少ないの。普段は興宮の非常勤もやっているってわけ。」
「はぁーんそうなんですか。てっきり監督のところで毎日毎日メイドメイド聞かされて嫌になって逃げてきたのかと思いました」
「くすくす。当たらずとも遠からずかしらね。圭一くん、そろそろお薬と検診の時間よ。」
「あ、そうなんですか。じゃあおじさんたちはそろそろおいとましようかね」
「ええ。それでは圭一さん、お大事に…復活後のウェルカムトラップ、楽しみにしていてくださいまし」
「沙都子…おまえサラリとひどいこと言うな」
そう言って魅音たちは帰り支度を始めた。
俺たちのそんな様子を鷹野さんは面白そうに見守っていた。
「それじゃ鷹野さん、圭一くんのこと、よろしくお願いしますね」
「もちろんよ。圭一くんはちゃぁんと私が手取り足取り面倒みてあげているから、安心してお帰りなさい?くすくす」

ぴきっ。
帰り支度を始めた部活メンバーの手が止まる。

「はい、圭一くん。お薬よ?あーんしてごらんなさい?」

ぴききっ。

「た、鷹野さん…あんまり屈むと…その…前が」
「あら、圭一くんたら☆」

ぴきききっ。

「ひっ…!」俺は、完全に場の空気が変わったのを感じた。帰り支度を終えドアに向かっているはずのメンバーの足元から、寒々とした冷気が染み出しているのが分かる…!
おいおい、もう部活は終わったぜ!俺は負けた!だから罰ゲームを甘んじて受けた!
な!?そんな言い訳が心の中に湧き出るが…た、頼むからこっちを振り返らないでくれ…。
いや…自分をごまかすのはやめろ…前原圭一…もう…気づいてるんだろ?
原因はわからないが。きっと彼女達は恐ろしい形相をしている…!俺にはそれがなぜか分かる!

「圭 ち ゃ ん 」そう言って、魅音が振り返った!
…ヤバい!部長モードをジャンプして園崎当主モードだ!
おいおい、鷹野さんの冗談だっての!分からないのか?
「へぇぇぇ…。圭ちゃん?良かったね。看護婦に付きっきりで看てもらえるなんてさ?」
「いや、魅音、俺は…」
鷹のような目に射すくめられて、そのあとの言葉が続かない。
救いを求めるようにレナの方を見るが、レナはレナでかぁいいモードをとっくに解除し、目をすっと細めてこちらを見ている。
「ふ~ん。圭一くんよ か っ た ね。あははは。鼻の下が伸びてるよ?」
「そんなことは…」
「…圭一くん、鷹野さんのこと、どうして最初に教えてくれなかったのかな…?かな?」
「そ、それは…別に他意があったわけじゃ…」
「嘘だッ!」
「う、嘘なんかじゃ…さ、沙都子…」
沙都子の方を見るが、沙都子も汚らわしい
ものを見るような目つきで俺を見ている。
「圭一さんのご趣味は特殊でしたわね…念願適ったりといったところですかしら?」
違う、俺はそんな…。
確かに鷹野さんに食事を食べさせてもらったり夜にナースコールでシモの処理をしてもらったりするのは
ちょっとドキドキだったけど、それは14歳男子としては健全な感情なんだ!別にみんなを裏切って破廉恥
な行為をしているわけじゃないんだ!

俯いてみんなの視線を逸らす俺。
そんな俺の頭に、すっと手が翳される。梨花ちゃんだった。
「魅ぃ。レナ。沙都子。圭一は"病人"なのです。余りいじめてはダメなのです」
「「…」」
「そうよ?くすくす。圭一くん、モテる男の子は辛いわね」
「鷹野もなのです」「……」鷹野さんの方に向き直ると、梨花ちゃんはぴしゃりと言った。
「あら?私が圭一くんをいじめてるっていうのかしら?」鷹野さんも、冗談めかしながらも言葉にトゲを滲ませる。
「…圭一はボクたちの大切な仲間なのです。くれぐれもよろしくなのです」
「……」「……」

「う…?」
 深夜、下半身に妙な感覚を感じて、俺は目を覚ました。
(なんか…寒い?)
まだボーっとしている頭を振り、上半身を起こして…
そこで俺は信じられないものを見た。
闇夜に目立つ、白いキャップ。
そこから流れる、綺麗な髪を揺らしながら…
鷹野さんは一心不乱に、俺のモノを舐めていた。

「た…たた、鷹野さん!?」
「あら、やっとお目覚めなのね…」
「な、何してるんですか!」
 俺の絶叫に、静かにとジェスチャーをする鷹野さん。そして、そのまま人差し指を俺のアレに近づけ、その先端をくすぐる。
 それだけで、俺の背筋をゾワッとした感覚が駆け上がった。
「くっ…」
「くすくす…敏感ね…」
「な、何で…こんな」
「気持ちいいでしょう?」
 俺の疑問に答える気は無いのか…指を根元へと移動させながら、鷹野さんは楽しそうに微笑む。そして、そのまま目の前のモノに顔を近づけて…
 次の瞬間には、俺のモノは暖かい感覚に包まれていた。

「…たかの、さん…やめ…」
 抵抗らしい抵抗も出来ぬまま、流される俺。
鷹野さんは根元に手を添えると、ゆっくりと頭を上下しはじめる。
口内の暖かさと、絡みつく舌。
なによりも、女性が俺のモノを咥えているという、
その状況のいやらしさに、俺ははやくも限界を迎えた。

「……!」
 下半身を走る快感に声無き声をあげる。
鷹野さんは、嬉しそうに微笑むと、先端からでるソレを、喉を鳴らして飲み始めた。
「あ…」
 驚いた顔の俺を、鷹野さんは上目遣いに眺める。
やがて、吐き出されたモノをす全て飲み干したのか、鷹野さんは、俺のものから口を離すと…
「…くすくす…圭一君の、濃いわね」
 と言って、いやらしく微笑んだ。
その唇の脇から、糸を引くように白い液体が流れでている。
 その光景を目の前に、俺のモノは再び硬度を増していった。
「まだまだ、元気そうね…」
「は、はい」
「そうね…今度は胸で、なんてどうかしら?」
 その言葉に反応して、俺のモノがびくんと跳ねる。
俺の目は、既に彼女の胸から離せなくなっていた。
「じゃあ、胸でしてあげる…」
鷹野さんが、そう言って俺に近づくのとほぼ同時に…
病室のドア―――廊下の外からゴトンと言う音が聞こえた。

 その音に驚き、俺は身を竦める。
「誰か、いるのかしら?」
 鷹野さんの声に、ドアが開く。
そこから入ってきたのは、よく見知った四つの顔だった。

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最終更新:2007年12月23日 23:55