桜幻樂典 ~ Fantasic record of Cherry-blossom
サークル:Sensitive Heart
Number | Track Name | Arranger | Length |
01 | 妖々夢 ~ Snow or Cherry Petal | koutaq | [2:45] |
02 | 無何有の郷 ~ Deep Mountain | koutaq | [4:04] |
03 | ブクレシュティの人形師 | koutaq | [3:32] |
04 | 天空の花の都 | koutaq | [4:48] |
05 | 幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble | koutaq | [3:42] |
06 | 東方妖々夢 ~ Ancient Temple | koutaq | [5:05] |
07 | 幽雅に咲かせ、墨染めの桜 ~ Border of Life | koutaq | [4:11] |
詳細
レビュー
- 原曲香る系ダンスロックイージーリスニングアレンジ。妖々夢オンリーで全体的にまったりする進行である。原曲の哀しくも激しい進行とはまた違った、抽象的に例えてみれば「哀しさの隣にあるもの」を透明感と丁寧なアレンジで作り上げたアレンジャーのアプローチは興味深い。
天空の花の都ピアノアレンジは、この曲のアレンジによく見られるものの、シンプルにピアノで主旋律を作り、バックに金属的な音の刻みを入れて響かせる手法は心地よい。ブクレシュティの人形師アレンジは、アリスの苛烈さではなく、独り踊るアリスの周りを回る人形たちを想起させるような、しんみりとしたアコギの進行が印象に残る。幽霊楽団はこのアルバム唯一の強烈なロックサウンドが今までまったりしていた耳を驚かせるだろうが、しかしもの悲しいピアノの音が時折入り込み、駆け回り、弾幕展開中の幽々子がふと何かを思い出しているようにも聴こえる。その他各曲アレンジに、アレンジャーとして自分の解釈をきっちり提示したと言えるだけの丁寧な工夫、技巧、構成を備えている。
しかし、というべきか、それとも必然的にというべきか、全般的に楽曲の色が薄く、各曲がそれほど強く印象に残らない点が難しいところだろう。BGM的に流すのであればよいだろうが、それを超えて突っ込んで聴くと、どうも物足りない。いずれの曲も短いのもその一因だろう。もう少し力を込めたキラーアイテム的なアレンジが欲しかった、と言わざるを得ない。ただ、そう言わせることができたならば、このアルバムは成功なのかもしれないが。 -- 電波? (2006-11-06 01:32:22)