風の音塊 -ボス編-
サークル:Kota-rocK
Number | Track Name | Arranger | Original Works | Original Tune | Length |
01 | Fragment of memory | 鼓太蝋 | 東方風神録 | 稲田姫様に叱られるから | [04:32] |
02 | Dark side of Light | 鼓太蝋 | 東方風神録 | 運命のダークサイド | [04:24] |
03 | Water imp | 鼓太蝋 | 東方風神録 | 芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend | [05:27] |
04 | Braggart's rhythm | 鼓太蝋 | 東方風神録 | 妖怪の山 ~ Mysterious Mountain | [02:53] |
05 | Sin | 鼓太蝋 | 東方風神録 | 信仰は儚き人間の為に | [05:07] |
06 | 組曲「風神」 Introductory chapter | 鼓太蝋 | オリジナル | - | [00:54] |
07 | 組曲「風神」 Agency of Providence | 鼓太蝋 | 東方風神録 | 神さびた古戦場 ~ Suwa Foughten Field | [04:32] |
08 | 組曲「風神」 Dimension interstice | 鼓太蝋 | 東方風神録 | 神さびた古戦場 ~ Suwa Foughten Field | [04:58] |
09 | Native Face | 鼓太蝋 | 東方風神録 | ネイティブフェイス | [04:02] |
詳細
レビュー
- 全体に明るい色をしたアレンジの曲調で、ピアノを主に主旋律に据えつつギターを掻き鳴らすといったスタイルを貫いてきたKota-rock。
前作の原曲やや破壊系風神録道中編と対になる、原曲破壊系風神録ボス曲編である。
一曲目から早速、前作に比べて原曲の破壊度はかなり増しているようだ。「稲田姫~」は明るい秋の空を想わせる曲調が美しくそのままKota-rocKに合うかと思っていたのでここまでの破壊は正直意表を突かれた。二曲目は前作の道中編で聴けた「厄神様の~」に似た曲調と言えるだろう。これまた、オリジナルメロで爆走しつつ原曲の印象的な旋律はしっかり奏でてくれて前作の道中同様素直に脳内物質に酔える。
今回は、前作にも増して本格的に疾走曲が多く、ギターも激しいアレンジとなっているようだ。
三曲目は原曲の水中感は無い、あくまでKota-rocKのアレンジが施されている。一曲目に続き、プログレ的な印象を強く持たされた。ネオクラ的な雰囲気もそうだが、特にプログレ的な雰囲気もまた、前作より開き直って前面に出してくるようである。
アップテンポなリズムで、これまでと違った雰囲気をもつ妖怪の山は、あの元曲でもっとも印象的な、風神録を代表すると言っても過言ではない、聴いていると自然と強烈に湧き上がる郷愁に胸を掻き毟られ、哀愁を根源とした激しい感情の昂ぶりに襲われるサビ部の旋律を全面カットするというかなり冒険的なアレンジとなっている。
これまた妖怪の山とは違いどこか悲愴な哀感をまき散らし涙を込み上げさせる原曲は信仰は儚き人間の為に。こちらは原曲の旋律をそのまま使いつつ部分を分解し、上手くオリジナルの展開と融合させている秀曲だ。
続くAgency of Providence神さびた古戦場は、原曲の旋律をそのままに上手く入れ替えてオリジナルの旋律と共に組み直し、見事ハイライトと呼べる素晴らしい名曲になっていると思う。
あの荘厳だとか威厳だとか辞書に載っているような二文字熟語で語るにはあまりに神々しい原曲の美しきパワーを、しっかりと受け継いでいると思う。
ネイティブフェイスが何故か土着顔面になっているのはもうご愛敬としかw まさに原曲破壊である。中身はストレートなサウンドなのだが、どうせなら原曲のスピード感を活かすピアノの手数と疾走感をもったアレンジがよかったかなと感じた。後半入る回転ピアノ(なんというのか忘れてしまいました)と透明感のあるクワイアは秀逸。
前作よりも開き直ったというか、どこかメリハリが出てこなれた印象の作品となった。全体的に従来の明るいピアノプログレメタル的なKota-rocKサウンドを踏襲しつつ、ギターサウンドとピアノの主旋律が1:1ぐらいに増えたバランスも取れたアレンジとなった。完成度もさらに高まり垢ぬけた印象を受ける。Kota-rocKサウンドのひとつの到達点という言い方もできるのではないだろうか。秀作と呼ぶにふさわしいサウンドを確立したと評価したい。
あとは、ギター・ピアノの演奏・特に表現力あたりにさらなる磨きをかければ、キラキラと明るく美しい曲調ゆえに多少淡泊に感じられる部分があるのを修正できるだろう。これで脂っこくなり過ぎない程度に音にしっかりとした説得力が出れば、本当に隙の無い作品を生み出す力は育ってきているのではないかと、次作に期待したい。
と、その次作は某PとMのつくサークルもやっていたリミックスフルVo.となるようである。ヴォイトレだけは、しっかりとw 現在のサウンドの完成度で大きく生まれ変わった初期音源を、楽しみに待ちたい。
-- Ironbird-White for Marisa (2009-01-05 03:30:33)
- Native Faceはわざと「Face」にしてるのだろうか・・・? -- 名無しさん (2011-10-11 03:21:09)