∵Ga[Я]deN∵
サークル：黒夜葬
| Number | Track Name | Arranger | Original Works | Original Tune | Length |
| 01 | Mystletainn | 刹那 | 東方風神録 | 運命のダークサイド | [04:28] |
| 02 | アッシェンプッテルの檻 | 刹那 | 東方永夜抄 | シンデレラケージ ～ Kagome-Kagome | [03:39] |
| 03 | Rosen∵Kreuz∵Orden | 刹那 | 蓮台野夜行 | 魔法少女十字軍 | [05:02] |
| 04 | [Я]e Incarnation | 刹那 | 東方夢時空 | Reincarnation | [03:24] |
| 05 | 永続紫怨拘束領域 | 刹那 | 東方花映塚 | ポイズンボディ ～ Forsaken Doll | [03:42] |
| 06 | GardeN-片翅ノ蝶- | 刹那 | 東方妖々夢 | 幽雅に咲かせ、墨染めの桜 ～ Border of Life | [04:39] |
| 07 | 翼型術式魔装-鴉- | 刹那 | 東方文花帖 | レトロスペクティブ京都 | [03:57] |
| 08 | Divine Ash | 刹那 | 東方永夜抄 | エクステンドアッシュ ～ 蓬莱人 | [03:48] |
| 09 | Master Of Puppet | 刹那 | 東方妖々夢 | ブクレシュティの人形師 | [03:25] |
| 10 | Paradise Lost | 刹那 | 東方花映塚 | 今昔幻想郷 ～ Flower Land | [04:54] |
レビュー
- ネオクラシカル・パワーメタル／インダストリアル・ゴシック／ゴシック・トランステクノ系東方アレンジCD。
独特のセンスで注目の新進サークルが放つ第二弾…そのコンセプトは"ifの幻想郷"。CDタイトルの元であるGarden[庭]の語源はヘブライ語のGard[囲う] + Eden[楽園]、すなわち"エデンの園"であり、結界で閉鎖された幻想郷との対応を示唆するものと見られる。コンセプトとジョン・ミルトンの"失楽園"との関連がどこまであるのか不明だが、(Paradise Lostなんて曲名もあり)なかなか幻視力を刺激される。
前作"-Gothic-"で見せた、SPACE ODYSSEYや初期ADAGIOを日本のSCHWARZ STEINで割ったような、もしくはALI PROJECT meets MOI DIX MOISのようなハイブリッドなバロック調暗黒アレンジを踏襲しつつ、今回は更なる音楽性の広がりも感じさせ、一層表現力が増した。選曲もニヤリとさせられるものばかりで、アピールの仕方をよく弁えている。ただし、Tr.2, 4および5はギターレスのトランス曲で、メタルにしか興味の無い人にとっては肩透かしになる恐れもあり(とは言えコテコテのシンフォゴスアレンジには変わりないが)、なおかつ相変わらず濃い目の作風ということもあり、入手の際は前もって視聴をお薦めする。
この敢えてトランス曲を配した試みもそうだが、今回は楽曲のムードを支配するための様々な手段を新たに導入していて、Tr.1と7のプログレメタル的要素、Tr.6と9でアクセントとなる長調モードへの転調、Tr.6で炸裂する原曲が墨染桜とは思えぬ程のアグレッションなどから、作者氏の意気込みを十分感じとることができよう。
個人的には、Tr.7レトロスペクティブ京都アレンジでの劇的な曲展開によって、サビメロの開放感が一際鮮烈に響くのがとてもツボだった。そしてTr.10幽香曲の神々しくもメランコリックで、寒々しい中にじわりと湧き立つ熱き魂を感じさせる絶妙のアレンジは、トリを勤めるに相応しい出色の出来。
如何せんギターが篭り気味のプロダクションのせいで、全体がややボヤけてしまったのは非常に惜しまれる。攻撃性とクサさを撒き散らしながら慟哭するギターワークがこのサークルにとって最大の武器の一つだと思うので、更なるリファインを期待したい。
色々書いたが、普通の東方アレンジに食傷気味の人にとって、方向性さえ合えばとてもいい一枚になると思う。 -- 蝦夷の人 (2008-01-20 04:18:09)
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