-Gothic-
サークル:黒夜葬
Number | Track Name | Arranger | Original Works | Original Tune | Length |
01 | Nightmare | 刹那 | 東方妖々夢 | 妖々夢 ~ Snow or Cherry Petal | [03:12] |
02 | -歪- | 刹那 | 東方紅魔郷 | 月時計 ~ ルナ・ダイアル | [03:31] |
03 | 欠損少女 | 刹那 | 東方妖々夢 | 広有射怪鳥事 ~ Till when? | [04:57] |
04 | Doll | 刹那 | 蓬莱人形 | 明治十七年の上海アリス | [04:27] |
05 | Gothic Black | 刹那 | 東方幻想郷 | アリスマエステラ | [05:02] |
06 | Deadly Phantom | 刹那 | 東方妖々夢 | ネクロファンタジア | [04:19] |
レビュー
- 東方音楽の暗黒系ニューウェーブ/メタルアレンジCD。
"Gothic"と銘打つ通り、そのものすばりゴシックムーブメントに縁のある音楽性を大胆導入し、パイプオルガン、チェンバロ、クワイアなどを多用した荘厳で時に痛々しいまでに陰惨な音像をむき出しにした作風が特徴的。数ある東方アレンジCDの中でもかなり異端の存在だろう。
前半はリズムマシンによるビートが効いた、海外で主にダークウェーブと言われるような漆黒のインダストリアル/ヘヴィロック風味。後半は時にブラックメタル的でさえある暴虐性とツインギターも配したメロディックさを併せ持つ鋼鉄アレンジが収められている。
思い切った路線でインパクトは十二分にあるが、全体を通してアグレッシヴさに偏りぎみで、壮麗さの演出も過剰なきらいがあると感じられ、"押し"だけではなく"引き"の表現…言い換えると幻想的耽美さやダークさの振り幅がもう少し欲しいなと思ってしまった。ただ、曲によってはアレンジの嵌り加減が尋常ではなく、Tr.4の「明治17年の上海アリス」にあっては紅魔郷バージョンではなく、より頽廃的な蓬莱人形バージョンを採用したところに拘りを感じるし、実に効果的だったと思う。
東方らしさの観点やアクの強さ故、聴き手を選別しそうではあるが、暗黒音楽好きにアピールする内容をしっかりと持っており、個人的にもかなり興味深いと思った。ともあれ、入手にあたっては一度作者のウェブサイトで試聴版のチェックからお薦めするが。
余談だが、今でこそ基本ほのぼの路線がファンの間に浸透してきたと思われる東方Projectも、まだWindows三部作が出揃った位の時期には、割に殺伐とした世界観を持つと考えられていた節がある。このCDはアレンジ元を妖々夢以前の曲からセレクトしているので、もし仮に、もっと昔にリリースされていればまた違った印象を受けていたかも知れない。 -- 蝦夷の人 (2007-09-11 01:04:03)