Former Frontier 2nd cultivate
サークル:セブンスヘブンMAXION
Number | Track Name | Arranger | Lyrics | Vocal | Original Works | Original Tune | Length |
01 | ユメウツツ | 五条下位 | MAKI | 珠梨 | 東方封魔録 | 博麗 ~ Eastern Wind | [04:21] |
02 | R.O.D.(Romantic Old Dream) | 流歌 | やなぎなぎ | 東方怪綺談 | Romantic Children | [04:32] | |
03 | 墜闇の誓い | kenya | 梨本悠里 | 東方怪綺談 | 悲しき人形 ~ Doll of Mistery | [03:58] | |
04 | -vague ontology- | 桃梨 | 秋霜玉 | 魔女達の舞踏会 ~ Magus | [03:38] | ||
05 | Icarus | 五条下位 | 佳織みちる | 東方封魔録 | Complete Darkness | [04:23] | |
06 | prove of life | 流歌 | 井上みゆ | 東方夢時空 | Reincarnation | [05:32] | |
07 | 幽闇に目醒めしは | kenya | おだちえり | 東方幻想郷 | 眠れる恐怖 ~ Sleeping Terror | [04:19] | |
08 | 桜花輪転 | 流歌 | SaRaSa with きこうでんみさ | 東方妖々夢 | 幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life | [03:57] |
詳細
レビュー
- 原曲香る系旧作女性フルボーカルアレンジ。前作のFormerFrontierがきっちりまとめられた佳作だっただけに、期待とプレッシャーのかかる第2作目であっただろうか。もちろん技術的には水準以上、安定した出来であることは疑いなく、その意味では手堅い作品かもしれない。また、旧作のボーカルアレンジ化という意味合いでは貴重であろう。けれども、それぞれのアレンジに何かどこかで聴いたことのあるような感じを覚えてしまうのは、そして、このタイトルにより表現されるべき東方という世界の輪郭がどうにもぼんやりとしか感じられないのは、私の気のせいなのだろうか。それとも、それはアレンジの意図なのだろうか。もう5度以上も全曲リピートしているが、私は戸惑いを感じ続けている。
2曲目Romantic Childrenポップアレンジは、輪郭の丸いボーカルを持ってきてポップスとしてきれいにまとめられた作品である。ただ、ポップスとしてはそれでいいのだろうが、原曲の硬さ故の不安というイメージはすっかり消え去っている。そして、それに代わるべき新たなイメージがあるかというと、必ずしもそれは明確に提示されていないような気がするのだ。ポップスであることに重点を置いた作品ということができると思う。
4曲目魔女達の舞踏会ポップアレンジは、AメロあたりにそこはかとなくALI Project風味を漂わせつつ、サビにお馴染みの原曲メロを持ってきてうまくまとめられた作品である。ただ、原曲の不安定なイメージを維持したいのかそれとも別の表現をしたいのかわからないのであるが、とりあえずこのアレンジに合わせるにはボーカルの声質がもう少し硬質かつ無機質であったらよかったのではないか、と残念に思う。個人的に、やや低めのボーカルでこの音の少ないアレンジに一本芯を通すにはなかなか難しいのではないだろうか。アレンジの意図がいまいち掴みきれない作品に感じられる。
8曲目墨染アレンジは、前作から引き続いての女性3人ユニゾンであるが、前作で見られた滑舌の悪さや高音部の不安定は幾分解消されていて首肯できるものの、どうしたことか、前作ほどの力強さ、大胆さが薄れているような気がする。ポップのユニゾンはパワーで圧倒してからが勝負であると思うのであるが、そのパワーに欠けてしまってはどうにももったいないだろう。また、同じような流れで原曲メロをつなげる墨染ボーカルアレンジがどうにも多いような気がする。もっと大胆に、クライマックスを表現してほしかった。
以上、私の期待が大きかったせいもあるかもしれないが、どうにも消化不良で、アルバム全体の輪郭をぼんやりとしか把握することができないままでいるのがもどかしい。ぜひとも次作は、いったん休憩代わりに、というわけではないが、女性ボーカルというフォーマットにこだわらず、アレンジャーのイメージする東方の世界についてより深い解釈の提示を希望したい。 -- 電波? (2007-05-20 22:40:19)