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2009年の時限トップ

ここでは、2009年に掲載された時限トップを保管してあります。
(※時限トップとは、数分~数十分の間だけ表示されるページの事です)


2009/12/11 17:40頃


オクタンス

~東シナ海洋上~

「ホホホホ、こちらも何隻か沈められてしまったのね。流石は『雷文明』を人類にもたらした者達、といったところかしら?」
紅蓮の炎に染まる東シナ海を背景に、赤と黒の淑女オクタンスが哄笑する。
サンダーバード達は海戦でこそ優位に立ったが、全てを覆すことはできなかった。

艦艇数の差・戦力差はともかくとして。
敵には「原初の吸血鬼」が存在する。個々人の戦闘能力に、圧倒的な開きがあったのだ。

既に戦いは終結し、サンダーバードの空母「ユナイテッド・ステーツ」は中央から二つに裂け、洋上で無残な屍を晒していた。戦っていたサンダーバード達は、戦いの不利を悟ると、傷つく体を引き摺り、次々と海中に身を投じていった……。

舳先で戦勝に沸く吸血鬼達を眺めるオクタンスの前に、サンダーバードの指揮官が運ばれてきた。
指揮官であるスティーブ・ロードを見て、オクタンスが笑みを浮かべる。
「良かったわね、お前。わたくし、『教育』には定評があってよ」
加虐心を剥き出しにするオクタンスに、スティーブは意外なひとことを言い放った。

「海を、渡れるのですね」
「……それが、どうかして?」
「いえ、どうという事はありませんよ。太陽を浴び、流れる水を渡るあなたは『まだ完全では無い』、つまりはそういう事か、と」

「貴様……ッ!!!」
怒りのあまり一瞬我を忘れたオクタンスを、スティーブは見逃さなかった。
僅かな隙を突き、スティーブは舳先から海中へと身を投じる。海に没したスティーブの残した白い小さな波しぶきは、一瞬で、吸血鬼艦隊のかきたてる大波に消えてゆくのであった。

2009/12/11 17:15頃


スティーブ・ロード

~東シナ海洋上~

「ヤロウども、来たぞ!」
スティーブ・ロードの号令で、秘匿空母「ユナイテッド・ステーツ」に乗り組んだサンダーバード達は、眼前の海原に広がる敵影を見据えた。

敵の全容は、事前に掴んだ情報の通り。
「影の城」を搭載した吸血鬼達の旗艦は、フランス海軍の「クレマンソー級空母」。
「やはりあの年、イタリア沖で本物のクレマンソーは奪われていたのか……!」
サンダーバードの一人が、クレマンソー級空母の「公の記録」との差異を叫ぶ。
人類の歴史には『嘘』が含まれている……サンダーバード達が学んできた、世界結界の真実。
彼らは今、その認識を再度新たにするのだった。

そして、対峙するサンダーバードの空母「ユナイテッド・ステーツ」は巡航速度を増し……。
「影の城」を搭載したクレマンソー、及び影の城から伸びる「鎖」で接続された数十隻の大艦隊、
すなわち「吸血鬼艦隊」に、突撃をかけるのであった。

2009/12/09 12:00頃


スティーブ・ロード

~東シナ海・秘匿空母「ユナイテッド・ステーツ」~

エビバディ、リッスン! 我々は、この海域で奴らを迎え撃ちます。
勝つにしろ負けるにしろ、組織としての我々はこれで終焉することでしょう。
故郷に帰るなら、今からでも決して遅くはありません。
ジェイクにはカンザスの両親が待っているし、サンチョスの婚約者はチャーミングです。

……誰も、帰る気は無いのですね?
いい度胸だ、ヤロウども!
俺達が戦うファッキンヴァンパイア共は、この総戦力をぶつけたところで、まず勝ち目は無ぇだろう。
だがな、俺達は奴らを黙って見過ごせねぇ!
奴らの足元に喰らいついて、人類を侮った代償を支払わせてやろうぜ!

2009/09/26 18:45頃


妖狐七星将・廉貞

~佐白山・天主台~

「廉貞(れんちょう)様! 敵軍、佐白山を回避し、奥の宮に戦力を集中する模様!」
妖狐の伝令に答えて、廉貞が口を開く。
「試練を己が牙で砕きし者のみ、七星将が一に相応しい。武曲に真の将たる器あらば、魯陽の戈と相対するにせよ敗北の道理なし。されど蜘蛛の糸を我自らが断つ事は無し」

妖狐の精鋭が揃った天主台が、静寂に包まれる。

「……ムカデ王と龍脈による支援は続けますが、武曲が負けたら撤退します」
再度の廉貞の言葉に、妖狐達は了承の頷きで答え、戦後処理についての計画立案と、撤退準備を始めるのであった。

2009/09/18 14:30~15:30頃


妖狐・武曲

~茨城県笠間市~

妖狐・武曲は、頼もしき友軍の到着を迎え入れた。
町を見下ろす程の、巨大なムカデの群れ。その足元を埋め尽くすゴーストの群れ。
あまりの強大さ故か、笠間市の人々は世界結界に阻まれ、軍勢を視認することすらできない。
その百鬼夜行は紛れも無く、妖狐最強を誇る「七星将」の『尾』であった。
そして、巨大ムカデを無数に従える七星将の名は……。

「お待ちしておりました、廉貞(れんちょう)様」
武曲は、若干の緊張の面持ちで、百鬼夜行の先頭に立つその男――廉貞を迎え入れた。
廉貞の放つ威圧感は、ただそれだけで、周囲の生物を死滅させるかのようだ。

廉貞が、重々しく口を開く。
「大地に鎖する地竜の精髄、圧倒するが汝の矜持。天覇地征は七星将が定めにして……」
「はい? すみません廉貞様、声が小さくて聞き取れないのですが」

「……私は佐白山で龍脈を呼び出すので、あなたの『尾』に加えなさい」
「ありがとうございます。この七星儀、必ずや全うして見せます」

2009/09/09 16:00~16:50頃


妖狐・武曲

~???~

よもや、百鬼夜行を銀誓館に気取られる事があろうとは……。
しかし、これだけ集めることができれば、私の『尾』としては充分だろう。
当日には、九尾様や七星将の皆様も、私の為に手勢を割いてくださる。
これで、ようやく私は、名実共に『武曲』の名を受け継ぐのだ。

私が七星将に加わりし暁には……。
待っていろ文曲。すぐに、お前を助け出してやる!

2009/09/01 08:30~10:00頃


山神・伊織

山神・伊織は、学校への「秘密の抜け道」を、大急ぎで駆け抜けていた。
前日も修行にあけくれていたとはいえ、新学期そうそうに遅刻するのは避けたかったからである。

「……!」
しかし、伊織は走るのを急に中止し、本能的に身構えた。
伊織の前方に現れた、外国人の集団……。
こちらに向けて放たれる殺気は、あきらかに常人のそれではない。
伊織が相手の出方を伺っていると、男達は懐より古びたメダリオンを掲げ、口を開く。

「その詠唱銀、渡して貰おう。……リベレイション!」
次の瞬間、一陣の旋風が巻き起こったかと思うと……。
男達は、どこからともなく出現した甲冑と突撃槍を身にまとっていた。その現象はまるで……。

「『リベレイション』? まさか、銀誓館学園と同じ技術をもつ組織が……?」
とっさに伊織もイグニッションし、攻撃を仕掛けてきた男達への応戦を始める。

しかし、多勢に無勢……。
伊織は謎の男達によって打ち倒され、懐の詠唱銀を奪われてしまったのだった。

2009/07/30 15:00頃


 オーゥ、ようやく日本に着きました!
 元々は「ディスティニーサーガ」のファッキン共をぶちのめすつもりでしたが……。
 噂の「銀誓館学園」がやってくれたというのなら、これは会いに行くしかナイでしょう。
 誰か、カシオリの準備を!

2009/03/29 17:25頃


~(12)サンフローラン(吸血鬼側)~

 突如、戦場に闇の帳が下りた。
 全てを包み込む漆黒の闇の中には、おびただしい数のゴーストの視線。
 そして、闇の中央には『彼』がいた。
 戦場を包む広大なる闇は、その全てが彼の体内なのだ。

 「伯爵……!! キサマ、何をしにきたっ……!!」
 原初の吸血鬼、古老ランカスターが、同属である彼に向かって怒りの叫びを上げる。

 『伯爵』と呼ばれた男は、三つ巴の戦いが繰り広げられているサンフローランを見渡し、次に自分への敵意を剥き出しにするランカスターに、ゆっくりと目をやった。その後に、静かに告げる。

 「決まっておろう、収穫を横取りに来たのだ」

 そして、『伯爵』はそれ以上ランカスターに目をやることもなく、確かな足取りで前進を始める。
 彼に付き従う無数のゴースト軍団と共に、闘神の渦を目指して……!

2009/03/26 18:00~19:00頃


~コルシカ島 旧遺跡街道~

 常人が立ち入る事の無い、忘れられた旧遺跡街道。
 しかし今、もし偶然の旅人がここを訪れたとしても、彼はすぐに踵を返したことだろう。
 そこには、数百人に及ぶ、少年少女と思われる背格好の者達が集結していた。
 しかもそれぞれが奇妙な装束を身に纏い、体に不釣合いな、巨大な鎌を携えている。
 そして何より、彼らひとりひとりの纏う、濃密な「死」の気配……。
 彼らが明らかに「常識」では図れぬ存在であることを、示す気配であった。

 「みんな、本当に吸血鬼でもない人達と戦う気なの?」
 静寂の中、集団の一員である、ひとりの少年が口を開く。
 「シリウス、お前のような優れた処刑人が、職務を前に揺らいでどうする?」
 「でもネイラスビート、僕らの断罪は、あくまでも吸血鬼に向けられるべきもので……」
 集団のリーダー格と思しき青年に、シリウスと呼ばれた少年が食って掛かる。

 巻き起こる議論に周囲も加わろうとしたその時、2人の間に割って入る少女の姿があった。
 「ふたりとも、やめなさい。迷いの鼓動は死に繋がるわ」
 「でも、メルベ……君だって疑問に思わないのか?」
 「聞きなさいシリウス。私達は、吸血鬼という共通の敵を倒すために、人狼騎士と手を組んだ」
 「う……うん」
 「そして、考えてみて。人狼騎士の人達は、悪い人?」
 「……いや。時々何を考えてるか分からない時はあるけど、彼等は信に篤い、いい人達だよ」
 「なら、彼らを手伝ってあげましょう。彼らもまた、仲間なのだから」

 「納得したようだな。なら、準備を進めろ! 『敵』がいつ来るか、分からないんだからな!」
 ネイラスビートがそう号令を掛けると、彼ら……処刑人たちは散開し、森の中に姿を消した。己の役目を果たすために。

2009/01/28 15:40~17:15頃

1回目 15:40~16:15頃


~太平洋 紀伊半島沖~

まばゆいばかりの金色に輝き、竜のようにも、馬のようにも見えるその巨体。
全長50mを超えるその怪物は、中国の伝説に語られる聖獣、麒麟のようでもあった。
麒麟は、穏やかな性質を持ち、殺生を嫌う聖獣であると伝わっている。
だが、真実は違う。

『大いなる災い』!
災厄そのものを己が名に冠するこの巨大妖獣は、一心不乱に海上を進む。
大いなる災いがみじろぎすれば、海の水も、大気でさえも、元の姿を保ってはいられない。
次々と歪み、不気味に変容し……それらは遂に、大いなる災いの吐き出す残留思念を取り込んで妖獣化する。蹴立てた波が、荒れ狂う嵐が、次々と妖獣に変貌してゆく。
これこそが、『大いなる災い』の所以なのだ。

生まれた妖獣の数、既に数百体。海中を泳ぐもの、海底を歩くもの、海上を浮遊するもの……。
それらのいずれもが、百鬼夜行の如く大いなる災いに付き従う。
この群れは、何処を目指しているのか。

忘却期以前、「源平合戦」の折。
大いなる災いは、平家側の兵器として解き放たれたという。
もし、大いなる災いに合戦の記憶が残っていたならば、目指す場所はひとつ……。

2回目 16:15~16:45頃


~広島県の山中~

とある山中に、数十人の若者達が集合していた。
不良然とした格好の彼らは、全員が奇怪な武装……紛れも無く、詠唱兵器を身に付けていた。

「リーダー、紀伊半島沖の海上で『大いなる災い』が復活したよ!」
電話での連絡を受けたタンクトップ姿の女性が、集団の中心にいるサングラスの男に声を掛ける。
その報告を受け、リーダーと呼ばれた男の周囲の者達に動揺が走る。
「ちくしょう、間に合わなんだか……」
「くそっ、アタイ達が囮のトラックに引っかからなければ」
「ごめんよう、オレの、オレの報告が遅かったばっかりに~」

「徳島の。お前の責任じゃねぇ」
サングラスの男は、泣き言を喚いたリーゼントの男の肩を叩き、言葉を続ける。
「『大いなる災い』は復活し、奴の目指す土地は判明している。奴の強さが俺達の調べた伝承の通りなら……関東平野の人間は皆殺しにされる。許す訳にはいかねぇ」
サングラス越しにも感じる、彼の純粋な怒り。このシンプルな怒り、彼の明確な意思こそが、抗争を繰り返していた彼等をひとつにまとめあげた原動力なのだ。

「まだ勝機はある。誰だか知らねぇが、封印石を運んでいた奴らのおかげで、大いなる災いは海上で蘇った。大いなる災いの目的地から考えて、人里に出現するのはまだしばらく先だ」
そして、サングラスの男は周囲に告げる。
「既にお前ら四国、中国地方の総長は、俺の元に集ってくれた。だが、相手は大いなる災いだ、明らかに兵力が足りねぇ」
「今から5日で、全国の総長共を纏め上げる! 今こそ、俺たちゴーストチェイサーの正念場だ!」

3回目 16:45~17:15頃


妖狐・文曲

~紀伊半島沖~

あらら、『大いなる災い』は海に出ちゃいましたか。さすがは銀誓館学園、賢いですね。
でも、たかがその程度では、殺戮の未来に変更はありません。
茫漠と日々を送るあなたたちの、その喉笛に喰らいついて差し上げましょう。
絶望の悲鳴が聞けると、喜ばしいですわね。

……さて、化物見物はこれぐらいにして。
そろそろ、策を仕込みに行きますか。
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