光学設計ソフトWinLens 3D Basicで遊んでみる(2011.7)


WinLens 3D Basicは無料でレンズ等の光学計算ができる。最適化計算ができないがレンズ面数の制限がない。
http://www.winlens.de/index.php?id=6

ダウンロード先はこちら

今回はTesserの計算をしてみる。Tesserの特許から各レンズのデータを拾い出す。必要なのは赤丸で囲った部分。



Tesserの特許をここにおいておくので興味のある方はお読みいただきたい。

WinLens 3D Basicをインストールして起動すると次の画面があらわれる。



System parameter Editorと System Data Editorの2つのウインドウがでる。ここにデータを入力する。
まず、System parameter Editorに物体までの距離(無限大)、絞りの直径、光線の入射角、タイトルを入れる。



距離に無限大を入力するにはConjugatesのタブをクリックしてObject at infinityをチェックする。



あとはそのまま入力する。絞り(Stop)の半径は後で入力する第一レンズの半径に合わせると良い。

次にレンズデータをSystem Data Editorに入力する。

まずstop(絞り)をTesserの構成に合わせて3番目に移動する。上下のコラムをクリックすると移動する。

次に一枚目のレンズのデータを入力する。ウインドウの下にあるレンズアイコンをドラッグして
Componentのコラムに移動させる。

#ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。


このコラムをダブルクリックするとレンズデータ入力画面が開く。



Radiusには特許のr1,r2(無限大=平面は0)、sprnはdI、lを入力する。
Ap/2はレンズの形がおかしくならない値を入れる。(入力値が悪いとレンズの両端に三角ができる)
ガラス名は特許の屈折率nd、νと値が近いものを探して入れる。
上図の赤丸で囲ったボタンをクリックするとFind Glassというウインドウが開く。



この画面の右下のボックスにチェックを入れ、glass nameをRefractive Index Ndに変更し、
ボックスの中に特許の屈折率1.583を入力するとレンズ名がいくつか表示される。
ここから特許のνの値(59.3)に最も近いSK2 sumidaを選択する。



するとレンズと光線が描画される。



以下同様にしてレンズの値を特許から読み取って入力してゆく。
メニューTablesからSurfaceを選ぶと入力データが表示、入力できるのでデータの確認をしておく。



収差の計算もできる。メニューGraphsからField AberrationsとSpot Diagramを実行したのが下図である。



最適化計算は無料版のため実行できないが、レンズのデータが分かっている時には有用なツールである。

他の光学計算ソフトのデータもimportできるので、サンプルデータを描画してみると良い。
サンプルデータの入手先をいくつか示す。

  • WinLens 3D サンプルファイル


  • レンズ屋 レンズデータライブラリ


  • Optalix サンプルデータ(光学系ハンドブック 第4巻に収録のレンズデータ 第2版)




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最終更新:2011年07月23日 20:59