Canon Canonexの分解(2011.6)
TwitterのTL上でレンズシャッター一眼レフが話題になっていて、
Canon EXをレンズシャッター式と勘違いしていた私。
調べてみるとCanon EXではなくCanonexというカメラがそうだったのだ。
そんな時、ヤフオクを覗くと3台で3000円のカメラの中にCanonexが紛れていた。
ついポチっとしてしまい、そのまま楽札と相成った。
そんなわけでやってきたCanonexはファインダーの接眼レンズにひびが入るほど
ペンタカバーが潰れているは、シャッターも絞りも開きっぱなしというシロモノ。
何とか動くようにすべく、早速分解。
上蓋は定石通りに外れる。EE用のメーターが目立つ。幸いプリズムは割れていなかった。
底蓋を開けると巻き上げ機構があらわれる。シンプルである。
前板を外してミラーボックスを取り出すには中央のCリングを外す必要がある。
シャッターに到達するには前から順番にレンズを外すのだが、
前玉がどう踏ん張っても外れてくれない。Kanさん秘伝のゴム足にG17でも
外れない。頭に来て距離環ごとまわしたら、なんとまるごと外れた。
中玉はカニ目があるのですんなり外れる。
後玉はシャッターをBにしてミラーアップをしてフィルム室側から外す。
三枚玉である。
レンズを外すとシャッターのお出ましとなるが、初代オリンパスペンと同じシャッターらしい。
シャッター羽が5枚、絞りが2枚である。
通常はシャッターのノブが下に押されていて(開放)、シャッターを切ると
ノブが上に戻ってシャッターが閉じる。
シャッターと絞りはベンジンで洗って、鍵穴のクスリ(ボロン粉末)を
吹きかけてひとふきすると動くようになった。
このカメラにはシャッター優先EEが付いている。シャッターボタンを
押すとのこぎり歯が上に上がってメーターの針を押さえこむおなじみの方式だが
これもシンプルに実現している。
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シャッターボタンを押すと赤い矢印のレバーが下がり、下向きに絞り調整レバーを押す。
また、のこぎり歯のロックが外れて上に上がりメーターの針をくわえ込む。
今回の個体ではバネが弱いらしくのこぎり歯が上に上がらない。
こちらもボロン粉末で動きが若干改善したが完全な動作に至らなかった。
絞りの絞り込みとシャッターチャージ、リリースは前板が受け持つ。
絞り調整レバーが前板のAuto絞りのノブを押し下げ、絞りが任意の量開く。
一眼レフにはミラーアップとダウンが必要だが、これも簡単な作りである。
チャージをするとミラーダウンのためのバネが伸びるが、ミラーはロックしたまま。
シャッターボタンを押すとミラーのロックが外れ、ミラーアップする。
この時もミラーダウンのバネは伸びたまま。
ミラーが上がり切るとミラーダウンのバネが縮み元の状態にもどる。
シャッターと絞りが一応動くようになったので修理完了とする。
ネットでこのカメラを検索してみると、人気がなかったのか、半年で生産終了、
総生産台数20000台弱という記述を見つけた。
レンズがF2.8と暗かったり、安っぽいためか、今でも人気はないようだ。
クイックリターンミラーやEE自動露出装備と頑張っている面もあるのだが。
もう少し日の目を見てもよいカメラなのかもしれない。
追記(2011.7)
キャノネックスの試写を行った。シンプルこの上ない三枚玉だが写りはどうだろう。
まず、タイルの貼られた壁。四隅に糸巻き歪が出ているのがわかる。
最短距離(80cm)で花を撮ってみた。周辺は流れているが、中央部分はしっかり写っている。
人物写真などなら、周辺の流れに気付かないかもしれない。
無限遠に合わせると周辺の流れはあまり気にならなくなる。
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最終更新:2011年07月27日 20:27