Minolta V2, V3の分解(2011.3)
例によってジャンク漁りでカメラ屋さんを巡っていたら、別々の店でミノルタのV2とV3が手に入った。
V2(上)は絞りが一枚外れていてシャッター不動、V3(下)はシャッター速度リングと飾り板がない。
今回はV2のシャッターを分解し、V3にV2から部品を移植して動くようにした。
V3の方がシャッタースピード1/3000sが出るし、珍しくもあるようなので。
V2(V3も同じシャッター:SEIKO OPTIPER HS)の絞りはシャッターユニットの一番底にあるので
絞りの修理にはシャッター羽根の全分解が必要。
組み上げた後の絞り(左)とシャッター(右)。
シャッターは他のSEIKOのシャッターと同じ部品を使っている。不注意でシャッターチャージ軸を折損したが、
SEIKOのシャッターを使っているフジカ35EEから部品の移植ができた。
V3は1/3000sのシャッタースピードが出るとしている。シャッターを全開にせず、すぼめて開くことで
高速シャッターを実現しているそうだ。このためシャッター羽根の位置が1/1000s(上), 1/2000s(中), 1/3000s(下)で変わる。
高速になるほどシャッター羽根の重なり面積が大きくなる。
1/1000s 矢印の突起の位置にも注目
1/2000s
1/3000s
高速域ではシャッターをすぼめるため、絞りを絞った状態での撮影となる。
(V2の場合、1/1000sがF4〜F22、1/2000sがF8〜F22)
シャッターをチャージするには二回巻き上げる必要がある。
軍艦部内部の比較。V2にはない非連動露出計がV3にはついているので巻上げ側のレイアウトが異なるが他は同一である。
距離計にはプリズムが使われている。パララックス補正もついている。
左:V2 右:V3
V3はシャッタースピードリングが失われていたので、V2のものを移植した。当然1/3000sの表示はないが流用可能である。
また、スローガバナが不調だったのでこれも移植した。
V3は残念ながら1/8s〜1/30sのスロー側のシャッタースピードがきちんと出ていないが、なんとか写真が撮れる程度にはなった。
露出計も怪しげながら光には反応している。露出計は軍艦部カバーの裏に固定されているのである。
レンズシャッターの限界に挑んだV2,V3のシャッターだが、従来機種と全く同じ部品を用いて
高速シャッターを実現していたのは興味深かった。明るい時しか使えないけどこれもひとつの答えなのだろう。
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最終更新:2011年03月05日 23:32