Taron Unique の分解

例によってカメラ屋さんのジャンクをあさりに行くと、タロンユニークという知らないカメラのジャンクが1000円で
置いてあったので、すかさず購入。

症状は、まき上げが何度もできてシャッターが切れないというもの。
以前分解したハイマチックCと同じ症状だ。

というわけで前回と同じく前板をはずしにかかる。横ストライプの変わった革が貼られていたが、
これがバリバリに硬化していて剥がすことができない。仕方がないのでドライバでこそぎ落とした。
革は粉みじんに砕け散り、カメラも傷だらけ。カメラに申し訳ない。



上蓋と底蓋をはずす。上蓋をはずすときに巻き上げ軸の飾り板をはずすが、この板はボンドでとめられているので注意。
ごく普通のRF機で、まき上げもスプロケットを回すだけのごくシンプルなものである。特にユニークな点はない。



前板をはずす。ラック&ピニオンギアでチャージがされている。リリースノブを押し上げてもシャッターは切れない。
シャッターの故障と判明。



前板を組みなおして前玉をゴムリングではずし、シャッターユニットを開く。この状態で巻き上げると、
チャージギアが回転し、リリースボタンも正常に働いていることが分かった。



何が悪いのかな~とシャッターをピンセットでつついてみたら、パシャッとシャッターが切れた。
不良の原因はシャッター羽根の固着だった。よくある話である。これなら最初から前玉をはずしてやれば革を剥がずに済んだのに。
ベンジンで洗浄してやるとシャッターは全速切れるようになった。

どうも横ストライプの革がこのカメラのユニークさらしいことがわかり、これを雰囲気でもいいから再現したいと思った。

素材の宝庫100円ショップに行き、うろうろすること30分、よい代替品を見つけた。
ストライプの入った薄いプラ製のバインダーである。元の革と比べるとストライプの幅が広いがまあよい。



バインダーをはさみとカッターで切りだして、両面テープで貼りつけて完成。
左がオリジナルの状態、右がバインダーを貼りつけたもの。まあまあ雰囲気は出ているのでよしとする。



今回はオリジナルの状態が残せたのに見通しを誤って破壊してしまった。運よく代替品が見つかったので良しとしたいが、
今後分解手順を考えるときに必ず思い出す失敗例となりそう。どんな写りかはこれからのお楽しみ。



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最終更新:2010年12月09日 14:56