Fujica35SEの分解(2010.12)

先日のフジカ35EEを委託された方から連絡があって、今度はシャッター不良のフジカ35SEがあるとのこと。例によっていつものカメラ屋さんで購入。

症状は、シャッターチャージがまったくできない、というもの。露出計はしっかり生きているので何とか直してやりたい。

早速分解。前玉をゴムリングではずして、押さえ板を外せばシャッターのご登場。



この状態で巻き上げてみると、左上のチャージ金具がぐるぐる回るだけでどこにも引っかからない。



チャージ金具にリンクする部分を調べると、本来はチャージ金具が回るとロックし、更に腕が下に伸びて下の金具も回し、上下二か所をロックさせるものだと分かった。



左:チャージ前、右:チャージロック後

上下二つの金具がロックしないのは金具が摩耗してチャージのためのストロークがほんのわずかに足らないのが原因だと分かった。
金具を曲げたぐらいでは対処しきれないので、ストロークを与える部分にハンダを盛ってチャージロックするようにした(我ながら乱暴だが、人の手には渡さないのでいいか)。



チャージロックができるようになったので空シャッターを切って様子を見てみると、スローシャッターが二回に一回ぐらい高速で切れる。
スローガバナをチェックするとゆっくりではなく、引っかかりがある。ガバナの故障のようだ。

先日フジカ35EEのジャンクをいただいた方に尋ねると、シャッター部分のジャンクもあるとのこと。
早速お願いしてフジカ35EEのシャッター(フジカ35SEと共通)を頂いてきた。



ここを交換すればいっちょ上がりと思っていたのだが…



スローガバナの取り出しに失敗してばらんばらんに…

めげずに再組み立てをおこなう。コツはガバナの上下二枚の板の間におおよその位置でいいから、とにかく歯車を挟み込んで、上下の板を親指と人差し指ではさんで押さえつけて、ピンセット等で軸の位置をあとから修正すると楽である。数時間ほど頑張れば多分できるはず。

これでスローからシャッターが切れるようになった。1/4s~1/15sまではシャッター速度がばらつくが、写真は何とか撮れるだろう。



とりあえず完成。フジカ35EEもそうだが、重厚長大なRF機である。SE、EEとくるとAuto M となるわけだが、とても複雑なシャッターを持つカメラらしいので見つけても手に入れるかどうかわからないなぁ。



-
最終更新:2010年12月06日 10:05