優希印 衣×京太郎×優希 衣の人


「最近、京太郎が私を見る目が変わったじぇ」
 そんな発言が優希の口から飛び出したのは、片岡優希、宮永咲、原村和の清澄麻雀部女子一年が揃って部室に向かい歩いているときだった。
「そうでしょうか?」
 いつもの事と割り切っているのか和は眉一つ動かさない。
「あぃ、咲ちゃんも最近京太郎が変わったと思うじょ?」
「えっ・・・う~ん」
 優希に聴かれるがまま、咲は少し考えてみると。
(そういえば、京ちゃん少し変わった気がする・・・・一週間前くらいかな?)
 それは気にするほどでもない些細な変化の様な気もしたが、よく思い出せば少し引っかかりを覚えるほどではあった。
「うん、少しだけど変わったかな・・・」
 何と具体的な所までは判らないが、変化を感じたという点では優希の言葉は間違っていないと咲には思えた。
「きっと今更ながら私の魅力に気付いてしまった京太郎は、どうしたら良いか悶々とした日々を送っているんだじょ」
 自信満々に語らう優希に、咲は再び最近の京太郎の様子を思い返す。
(そうなのかな、なんか違うようにも感じるけど・・・でも、よくわからないかな)
 やはり多少の違いは感じるものの、それ以上は思い当たらない咲。
「でも、ゆーき、その・・須賀君が本気になったらどうするんですか?」
「まあ、京太郎がどうしてもって言うなら、付き合ってやってもいいじぇ」
「えっ、優希ちゃん、本気なの?」
「当然、どうでもいい相手にあそこまでするほど私は軽い女じゃないじぇ」
 優希の本気の発言に驚く咲と和。
「宮永さん、ど、どうなんですか、その須賀君は・・優希の事を?」
 優希の親友故に和も話を聞いていて、京太郎の気持ちが気になっていた。
「う~ん、どうだろう・・・京ちゃんが変わったのは本当だけど、でも好きなのかな?」
 咲も京太郎本人ではないし、まして京太郎に何があったかを知らないため予測する事ができない、ただ一つある事を思い出し咲はそのまま口に出す。
「そういえば、この前に駅の近くにあるお饅頭屋さんで、京ちゃん女の子と一緒に食べたけ・・」
「な、何、さっそく浮気か許すせないじょ!」
 咲の話に怒りを露にする優希、咲はそれをなだめ様と必死に自分の記憶を思い出すが。
「でも遠目だったから、よく分からないよ、小さかったし近所の子かも・・」
 遠目で一瞬しか見ていないので、ぎりぎり小さめの女の子っぽかった事しか思い出せなかった。
「むむむ、それはいかん、子供に手を出す前に大人の女を教えてやら無いといけなじぇ」
 小さな女の子という言葉が、逆に優希の決意を新たにする、しかし咲にはそんな優希の決意より引っかかる事があった。
(その子ってどこかで見た気がするんだけど、どこだったかな・・・う~ん一瞬見ただけだから、覚えていないや)
「とにかく、心配無用たとえ京太郎が私の専属の犬になっても部で使うことは許すじぇ、それにのどちゃんは私の嫁だじょ」
「嫁じゃありませんよ・・はぁ」
 気楽な優希の様子に、心配にしていたのが馬鹿らしくなりため息をつく和。
(ふふ~ん、今日こそ決めてやるじぇ!、絶対に犬にしてくださいと言わせてやるじょ!)
 あくまで上から目線だが、決意を固める優希。
(どうなるんだろう、でも京ちゃんが優希ちゃんに答えたら、二人は恋人に・・・あれ?)
 京太郎と優希が恋人なる、そう考えると何かどす黒く嫌な感情が咲の胸に広がる。
(えっ、い、今の何・・・気のせいなのかな?)
 だが、それを何か意識する前に咲の胸からその感情が消えていた。

 京太郎は部活に向かう最中携帯電話を開く。
「今日は部活に出ないとな、あとで電話でもするか」
 京太郎の携帯に移っているのは、恋人である衣が大エトペンに抱きついている写真。
「そろそろ咲達にも言っておかないとな、駄目だよな」
 まさかの敵の大将をしていた人間と恋人関係になったとは、さすがに最初の一週間は言い辛く、まだこの学園で京太郎に恋人が居ると知る人物は本人を除き誰も居ないはずだ。
「はぁ・・・優希のアプローチ・・雰囲気がな・・」
 今までは何も感じなかった、優希に触れられる、飛びつかれる、見つめられる等のアクション&スキンシップが、衣と恋人になったあとでは完全なアプローチに思えてきた、そしてそれはどこか衣の恋人に向けるものと気配が似ていた・・・つまり。
「あいつ、本気だったのかな?・・・それなら俺って鈍かったんだな」
 もしかして自分は凄くひどい奴なのかもしれないと落ち込んでしまったが、それはそれ、これはこれ、ちゃんと決着をつけないと衣に申し訳が立たないだろう。
「もしも・・・」
 if、もしも、京太郎が衣に出会うより先に、優希の気持ちに気付いてあげていればあるいは・・結ばれていたのかもしれない、けど今はそれもないだろう。
「ちゃんといっておくか、それがけじめだしな・・・まあ、勘違いなら良いんだが」
 ただの勘違いで、友達としてのスキンシップだったのなら、自分が笑いものになるだけで済む、京太郎はそうなる事を祈りつつ部活に向かい歩く速度を上げるのだった。

「先輩たちはもう来ているんだろうな」
 京太郎が部室の扉を開けようとしたちょうどその時、廊下から何やら聞き覚えのある賑や声が聞こえたのでそちらを見ると、咲、和、そして優希の一年生三人娘がこちらにやってきた。
「おっ、京太郎~」
「あっ、京ちゃん、先生に頼まれ事はもう終わったの?」
「ああ、たいしたこと無い事だったからな、お前らはちょっと遅くないか?」
「タコス買いに学食に行ってきたんだじぇ」
 誇らしげにタコスの入った袋を右手で掲げる優希、ちなみに左手には残り一口のタコスが握られていた。
「相変わらずタコス好きだな・・・で、咲と和は?」
「私達はそれに付き合って、ついでに新入荷の飲み物を買ってきたんだよ」
「・・これも新しい味だそうです」
 咲と和が持っていたのは、京太郎がまだ見た事のない新しい味のジュースだった。
「そんなの入ったんだ、へぇ~」
「ふ~ん、それよりも京太郎、私に何か言うことはないか?」
「何かって・・・うっ」
 屈んで胸元を見せ付ける優希だが、どれだけ強調しようとしても無いものは無いのだが、無いために隙間から優希の小さな膨らみが見えそうになり、慌てて視線を逸らす京太郎。
(あっ、京ちゃん視線を逸らした)(須賀君、やはり変わったんでしょうか?)
(ふふ~ん、やっぱり京太郎は私にメロメロのキュアキュアなんだじぇ)
 優希の話を聞いていたため、三人にはその行動がいつもの京太郎とは違うと感じ取る、いつもなら別に気にも留めないはずだ・・・だが、優希の思惑とは違い。
(うっ、いかんな・・・こんなことで一々どきどきしていたら、しょうがない部活終わりにでも報告しておくか)
「あっ~今日はさ、後で大事な話があるから聞いて欲しいんだけど、良いか?」
「もちろん、OKだじぇ」(きた、きたじぇ!)
「えっ、う、うん」(えっ、や、やっぱり京ちゃん、今日優希ちゃんに告白するの?)
「大事なですか、なんですか?」(優希の件でしょうか・・・)
 三人一様、優希の話を聞いていた三人にはその話以外想像できなかった。
「あっ、いや、後にするわ、部活の邪魔になってもなんだし」
(なんせ敵の大将が恋人だからな・・・)
 別に先延ばしにしたいわけではない、もしかしたら衣が恋人ということでぎくしゃくするかも知れない、それならば部活終わりのほうが多少はましだろうと京太郎は考えていた。
(ふふ、照れちゃって・・かわいいじょ)
 京太郎の態度を勘違いしている優希はにやついていた。
「とにかく、入ろうぜ」
 いつものように扉を開けて、いつものように部室に入る京太郎。
「京太郎~!」
 ただいつもとは違う声が聞こえて、いつもとは違い衝撃が京太郎を襲った。
「うわぁと!?」
 体勢が崩れそうになったものの何とか踏みとどまる京太郎、飛びついてきたのは今しがたまで携帯に移っていた少女、京太郎の恋人天江衣であった。
「こ、衣、なんでここに?」
「会いたかったぞ、京太郎!」
 にっぱ~と元気な笑顔で京太郎に話しかける衣、後ろから入ってきた咲、和も予想外の人物がいたので驚いている。
「こ、衣ちゃん?」「え、天江さん?」
 和と咲を見て、京太郎から飛び降りて挨拶をする衣。
「おおっ、久しいなののか、咲、こんにちはお邪魔しているぞ!」
「う、うん、いらっしゃい衣ちゃん」「は、はい、いらっしゃいませ、天江さん」
 なんだ動じぬ衣の態度に、驚きの声より先に返事を返してしまう咲と和。
「なななな・・」
 あっけに取られる咲達、そこに落ち着いた、いや落ち着きすぎた二つの声が聞こえた。
「あら、あなた達遅かったわね」
「待ちくたびれたぞ」
 部長の武井久と唯一の二年生部員の染谷まこが優雅に紅茶を飲んでいた、それを淹れているのは龍門渕家の執事であるハギヨシであった。
 京太郎達を見ると、ハギヨシは軽く会釈する。
「あっ、どうもです」「こ、こんにちは」「こんにちは」
 優希を除く三人がそれに応じる。
「えっ~と、それでどうして衣とハギヨシさんが・・」
「二人が須賀君を訪ねるついでに、ここに挨拶をしたって言うから通したのよ、そしたら」
「見てみぃ、この豪華なケーキのお土産を!」
 どどーん、漫画ならそんな文字が後ろ出そうな勢いでまこが開けた箱の中には、色とりどりの季節のフルーツがふんだんに使われたケーキが7個入っていた。
「あっ、このお店のケーキ知っています、前にTVで見ました、確かものすごく高いんですよね?」
「はい、ですがそれ以前に大人気で入手するのも難しいはずですが・・・おいしそう」
 豪華なケーキの登場に興奮する咲と和、やはり二人とも女の子と言ったところか。
「衣、あれどうしたんだ?」
「うん、ああ、焼き饅頭のお礼を言いに行こうと思ってその旨を透華に話したら、何か返さなければ名が廃ると、手配は自分とハギヨシでするからまかせろと」
「あっ~なるほど」
 透華が『あれは確かにおいしかったですわ、それ相応のもの・・・いいえ、それよりは数倍目立って、味も確かで、なおかつ高級なケーキを』と、言うシーンが京太郎にもなんとなく想像がついた。
「それで、どうせならののか達にも持っていきたい、といったら更にやる気をだして、まあ、衣も前に食べたことがあるから味は保障する、確かに美味しいぞここのケーキは」
「まあ、確かに美味そうだ」
 一目見れば、メロンや何やらおそらくそれらも最高級の食材なのだろう、だから京太郎には気になる事がある、どうしても聞きたいことが。
「野暮なことを聞くが、あれっていくらなんだ?」
「さぁ、衣は知らん、手配と支払いはハギヨシがやってくれたからな」
 京太郎がハギヨシを見ると、ハギヨシが話を聞きつけて歩み寄ってきた。
「値段の話をするのは無粋ですが、どうしても聞きたいとおっしゃるのならお答えします、たいした値段ありませんが一つ2000円程です」
「ぶっ、に、にせん・・・ちょっと、まってください、俺が前に衣に私のって、焼き饅頭二十個・・・それと同じ値段ですよ」
 焼き饅頭は一つ100円、そしてこのケーキは一つ2000円、材料が違うとはいえ値段の差に唖然とする京太郎。
「何を言う、あの焼き饅頭は透華達にも大好評だったんだぞ、だから味では負けていない」
 味では負けていなくても値段で大敗、京太郎が言葉を失っていると。
「はい、透華お嬢様をはじめ、一様、純様、智紀様、そして衣様と全員で美味しく頂かせていただきました、ありがとうござます」
 焼き饅頭のお礼を言うハギヨシ、それも少し空しく感じたが・・。
「あっ、いえ、こちらこそ、すみません気を使わせちゃって、衣も別にいいんだぞ気を使わなくても」
「衣はただ、お礼を言いにきただけだ」
「そうか・・」
 そんな話を片耳で聞いて、感心するのは久とまこの二人。
「へぇ~あの焼き饅頭がね・・」「すごい錬金術じゃのぉ」
「あ、あの、これ食べてもいいんですよね?」
 咲が有名高級ケーキを前にそわそわと落ち着かない様子だった。
「ええ、天江さんの分もあるし、どうせなら全員で食べようと思ってまっていたのよ」
「それならお茶を淹れますね」
 和が立ち上がろうとすると、ハギヨシがそれを静止した。
「紅茶は私が淹れますので、皆様はどうぞおくつろぎください」
「あっ、で、でも・・」
「その執事さんが淹れる紅茶びっくりするほど美味しいのよ、折角だからお願いしようと思うんだけど」
「お気に召していただければ、幸いです」
 久の助言もあり、和もハギヨシに任すことになった。
「それではお願いします」
「はい、少々お待ちください」
 と、言ってものの一分で人数分の用意をするハギヨシ。
「なんど見ても、どこからカップ出しとるんかわからんな・・」
「お気になさらずに、執事のたしなみですので」
 笑顔も一切崩さず、人数分のお茶とケーキをとりわけてティータイムの準備が整う。
「さぁ、早く食べましょう」「そうじゃな」
「楽しみ」「そうですね、私もここのは初めてです」
「ほら、京太郎、衣たちも一緒に」「ああ、そうだな」
 盛り上がる衣と清澄高校麻雀部面々、一人を除いては・・・。
「ま、まつじぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
 その一人である優希が叫ぶように、いや実際に叫び声を上げた。
「ななな、なんじゃ?」「あら、どうしたの優希、ケーキは全部同じ種類よ?」
「ど、どうしたの優希ちゃん?」「どうしたんですか優希、ケーキ好きでしょ?」
「・・・五月蝿い」「あっ~耳がキンキンする、どうしたんだよ優希?」
 全員の視線が優希に注がれる、するとそこには半泣き優希が立っていた。
「どうしたもこうしたもないじぇ、っていうか京太郎、この小さいのは京太郎といったいどういう関係なんだじぇ!?」
 衣を指差して、京太郎に詰め寄る優希。
「えっ、ああ、みんなには話して無かったな、悪い今日話すつもりでいたのも、そのことなんだ」
「ど、どういうことだじょ?」
 今度は全員の視線が京太郎と衣に集まる。
「京太郎、衣との関係はまだ話していないのか?」
「ああ、色々とあって今から話すところだ、良いよな?」
「もちろんだ、それに友達であるののかにも知っておいて貰いたいからな、えへへ」
 友達に恋人が出来たという報告をする事に胸が踊り嬉しそうにする衣、優希から発せられる空気などあってないがごとく。
「えっ~、この度、俺は天江衣さんとお付き合いすることになりました」
「ええっ、そ、そうなの!?」「い、いきなりですね・・」「あ・・あぅ・・」
 咲、和、優希は京太郎の宣言に驚いていたが。
「そう、おめでとう」(まあ、須賀君が来るまでの天江さんの態度を見る限りね)
「ほほう、まあ、おめでとうさん」(あの抱きつき方に、あの笑顔じゃな・・)
 久とまこは衣の態度と仕草から察していたため、特に驚かず祝辞を述べるのみ。
 それを見て少し落ち着きを取り戻した咲と和も続き。
「えっ~とおめでとう、京ちゃん、衣ちゃん」
(それで京ちゃんが変わったと思えたのは、恋人かそれは変わるよね、けど京ちゃん原村さんみたいな人が好きなんだと思っていたけど、衣ちゃんか・・・なんだろう少し寂しく感じるな)
 一応祝福しながらも、自分でもよく分からない喪失感苛まれる咲。
「お、おめでとうございます・・・というべきなんでしょうね」
(須賀君って、天江さんみたいな子が好みだったんですね、それなら何故優希には反応しなかったんでしょうか、優希よりも天江さんの方が幼く見えますが、もしかして・・ロリコ、い、いえ天江さんは年上ですよ、年上)
「なぁ、なななな・・・」
 概ね歓迎ムードの様子に優希は一人言葉を失っていた。
「祝辞、感謝するぞ」
 一人その声に答えた衣、京太郎はあまりにあっさりしていたので、逆にあっけに取られていた。
「・・・えっ、そ、それだけですか?」
「それだけって、ああっ、祝儀は出ないわよ結婚式じゃないんだから」
「いや、そうじゃなくて、その・・恋人が敵の大将だと、いろいろとまずいとか、無いんですか?」
「良いんじゃないの、別に情報を漏らすとかも無いわけだし」
「そうじゃの、京太郎じゃたいした情報も渡せんだろうし」
「よ、良かったような、なんか駄目なような・・・心配して損した」
 久とまこのあまりのあっけなさに、力なく膝をつく京太郎。
 そんな京太郎を無視して、話を始める優希を除く面々。
「まあ、それは良いけど、どうして須賀君と天江さんが知り合ったか、気になるわね」
「うん、ゲームーセンターとかいう場所で声をかけられた」
「ええっ、京ちゃん、衣ちゃんをナンパしたの?」
「いや、まて、確かに衣の言っていることは間違いではないが、ナンパした訳じゃないぞ」
「そうだ、京太郎は衣の欲しがっていた大きなぬいぐるみをとってくれて、しかもそれを家まで運んでくれたんだぞ」
「須賀君・・」「京太郎・・」「京ちゃん・・そ、そんな」「須賀君・・」
 衣の説明を聞く限りで、久、まこ、咲、和は「物で衣を釣って、家に上がりこんだ」という印象を持った。
「まてまてまて、違うぞ、いいか君達、その想像とはまったく違うからな!」
 四人の視線に耐えかねて慌てて否定する京太郎だが、四人は何やらひそひそ話まで始めだす。
「須賀様はお荷物をお運びいただいただけで帰られようとなさいましたので、無理に呼び止めたのは私なので、どうか勘違いをなされぬ様にお願いいたします」
「あら、やっぱり」「あはは、冗談じゃ冗談」「ええ、そこまで鬼畜とは思っていません」
「わ、私は最初から京ちゃんの事、信じていたよ」
「嘘付け、全員疑ってだろうが!」
 ハギヨシの言葉を受けての態度の翻すさまに、さすがにツッコミを入れる京太郎。
「もう男の子なら、その程度気にしないの、それで仲良くなって好きあったって事かしら?」
 怒る京太郎を無視して話を戻す久。
「そうだ、そしてこれが京太郎にもらった大エトペンだ!」
 服の中か一枚の写真を取り出す衣、それに映っていたのは京太郎が部活に来る時に見ていたのと同じ写真。
「うわぁ・・立派・・・」「大きいのぉ・・」「これって原村さんの・・」
「うわぁ~大きいですね、少し欲しい気もしますが、私の部屋には大きすぎてなんとも・・」
 和も欲しい気持ちはあるが、写真から見て取れる1メートルオーバーの大きさに躊躇した、過ぎたるは及ばざるが如しと言ったところか。
「見たいなら今度遊びに来るといいぞ、ののか」
「そうですね、では遊びにいかせて貰いますね」
「うん、その時はあの人形も持ってきてくれると嬉しいぞ」
 和と遊ぶ約束が満足そうな衣、それは和も同じだった。
「しかし天江も恋人が他校と辛いやろ、なかなか会えへんし」
「そんなことはない、京太郎はちゃんと電話もしてくれるし、時間が空けば会ってもくれる、会えないのは寂しいが、その分会えた時の嬉しさが大きい」
「あっ~ええ子じゃ、ほんにええ子供じゃのう、天江は」
「こ、こら、頭をなぜるな、それに子供じゃない衣だ!」
 衣の健気な態度、その可愛らしさからまこは衣の頭をぐりぐりと撫ぜるが、子供扱いが嫌いな衣は不服そうに直ぐに脱出する。
「もしかして、この前焼き饅頭屋で京ちゃんと一緒に居た女の子って・・衣ちゃん?」
「うん、あの時食べさせっこをした焼き饅頭は美味しかったな」
 焼き饅頭屋での出来事を思い出し、とても幸せそうな笑顔になる衣。
(こ、これは、ぐっとくるわね)(あっ~この笑顔じゃ、男じゃなくても撃沈するな)
(か、可愛い、こ、これなら京ちゃんが好きになるのも、仕方ない・・よね)
(こ、これは、なんでしょうかこの気持ち、天江さんを今すぐ抱きしめたい)
 それを見ていた優希を除く清澄女子が全員撃沈される、だがやはり優希だけはなんとか堪えて衣を睨みつける。
(くっ、た、確かにかわいいけど、この顔で京太郎を誑かしたに違いないじょ!)
「さて、話も終わったところで、さっそくケーキを食べましょうか」
 久が話をまとめようとした瞬間。
「納得いかないじょ・・」
「ゆーき?」
優希が再び口を開いた。
「この、この小さいのが京太郎の恋人だなんて、私は認めないじょ」
「認めないって・・お前な、別にお前に・」
 京太郎が優希に文句を言おうとしたが・・・。
「私は絶対に認めないじょ!!」
 目に悔し涙を溜めながら叫ぶ優希を見て、黙り込む京太郎。
「・・・優希・・お前・・」
(ゆーき、本当に本気なんですね、須賀君の事)(優希ちゃん本気なんだ・・)
 部活に来る途中で話していた、優希の言葉が嘘ではない事をようやく理解する和と咲、そして京太郎もそれをなんとなくだが理解した。
「で、でもだなゆう・」
「まて、京太郎」
 何か言おうとした京太郎を止めたのは、他でもないもう一人の当事者である衣だった。
「小さいの・・」
「誰が小さいか、お前よりは大きいじぇ!」
「むっ・・ならば名乗るが良い、衣は天江衣だ!」
 優希の言葉に少しイラっとしながらも、自分が名乗り優希に名を問う衣。
「片岡・・優希だじぇ!」
 涙を拭き取り、優希もしっかりと名乗りを上げた。
「して、片岡とやら、どうすればお前は京太郎と衣の事を認めるのだ?」
「ここで決めるとなったら決まっているじぇ!」
 優希が指差したのは部に置かれている雀卓、つまりは麻雀勝負。
「お、おい、優希、お前分かっているのか!?」
「そうじゃ、相手はあの天江衣じゃあぞ、お主が勝てると思っとんのか!?」
 京太郎とまこが止めに入る、天江衣という牌に愛されている者を相手に、多少東場の得意な優希が勝てるとはとうてい思えなかったからだ。
「衣に麻雀を挑む、その意味がわかっているのか?」
 衣も余裕の笑みを浮かべていた、咲に負けたとはいえ麻雀の自信が失われたわけではない、咲クラスの特殊な相手以外なら今までどおり打てば勝利を疑う余地など無かった。
「わかっているじぇ、でも私も天才だから負けない・・・それに、女には逃げちゃいけない勝負があるじぇ!」
「ゆーき」「優希ちゃん」
 優希の目には決意の炎が宿っていた、それは誰にも止められないほど燃え上がっていて、優希の気持ちを知っている和と咲、だけではなく京太郎やまこも止められなかった。
「有象無象など相手にする気は無いと言いたいところ・・・だが、良いだろう受けよう」
「こ、衣!?」
 衣の言葉に驚いて、衣の方を見る京太郎・・・だが衣に先ほどの余裕の笑みは無く、真剣な眼差しで優希を見ていた。
「京太郎、片岡は女の意地をかけて真剣に勝負を挑んできている、だから衣は絶対に引く訳にはいかないんだ、わかってくれ」
 衣の言うとおり、今の状況のまま何もせずに終わらせるのは無理なことだろう。
「わかった・・・」
 京太郎もその空気感じ取り止めるのを止めた。
「ちょっと部長、止めんでええんか!?」
 まこだけは納得できないのか、最後の希望である久に話を振る・・が。
「やりたいなら、やればいいんじゃないかしら」
「ちょ・・・たくぅ~、勝手にせい!」
 久の止める気の無さに、呆れたまこも止める気も無くなった。

 参加するのは、当事者である衣と優希、そして残る二人はくじで久とまこになった。
「はぁ・・やれやれ」
「すまない、京太郎」
「いや、まあ・・いいよ、俺にも責任はあるしな、もう少し早く話していればな・・」
 優希の気持ちに気付いてやれなかったことに、京太郎も多少は責任を感じずには居られなかった。
「衣・・そのな」
「安心しろ京太郎、壊す気など無い・・片岡も京太郎の友達だからな」
 京太郎の心配そうな表情から言いたいことを読み取る衣、それを聞いて安心する京太郎だったが、次の衣の言葉に表情が曇る。
「ただし、本気で倒しに行くがな」
「衣・・・」
「すまない京太郎、だがやはり京太郎との事は皆に祝福されたいと思う、衣の我侭だ許してくれ」
 本当にすまなそうに謝る衣を見て、京太郎は衣の頭を優しく撫ぜて笑った。
「良いぞ、いって来い、本気でぶつかれば優希もきっと理解してくれるだろうからな、そして勝ってこい」
「ありがとう京太郎、必勝を期する!」
 衣は開いる最後の椅子に腰掛ける。
「じゃあ、ルールの確認よ、ありありで手持ちが2万5千、半荘終了時点に優希か天江さんの得点の高いほうが勝ち、どちらかが0を下回ればその場でそちらの負け、私達の得点は関係ない、で良いわね?」
「万事了承、問題ない」
「OKだじぇ」
 久のルール確認に同意する衣と優希。
「あとは、天江さんが勝った場合、優希は天江さんと須賀君の関係を認める」
「わかっているじぇ」
「それで、優希が勝ったらだけど・・どうするの天江さん、別れるとかは無いはずだけど」
「そうだな・・では、今後一切清澄には近づかず、清澄近辺で京太郎に会わない」
「ほうぉ・・」「えっ、そ、そんな約束していいの!?」「天江さん・・」
 驚くまこ、咲、和に対して、覚悟を決めたのか京太郎は何も言わず衣を見守っていた。
「それでいいじぇ」
「両者納得したところで、始めましょうか」
「全身全霊を掛けて、参る!」
「こいだじぇ!」
 こうして衣と優希、女と女の意地を掛けた麻雀勝負が始まった。

「リーチ一発ツモピンフにドラ2、6000オール」
 最初に上がったのは親である優希。
「ふふ~ん、このままバリバリ良くじぇ」
 幸先の良いスタートにすっかりいい気になっている優希。
(まあ、優希はスタートダッシュが得意じゃからな・・)
(さてと、これで天江衣はどんな反応を・・)
 まこと久がと衣の様子を窺うが、衣は表情を変えずに居た・・・だが。
「ふっ、これなら私の圧勝で認めなくてすみそうだじぇ」
 優希が余裕からの発言をした瞬間、衣は両目を大きく見開いた。
「それは駄目だ、必ず認めさせる!」
「!?」×6
衣が言葉を発した瞬間、その場に居た衣以外の者は空気が変わるのを感じた。
(な、なんですか、この感じは?)(これって、決勝の時にも感じた・・)
(これが、天江衣!?)(すごいのぉ、よくわからんが・・体が震える)
(な、なんだじぇ・・これは!?)
(衣・・大丈夫だよな・・優希も、お前も・・)
 清澄女性が震える中、京太郎だけは衣と優希の身を案じ無事に終わることを願っていた。

 結局勝負は・・。
「ロン、清一色、一万八千の二本場で一万八千六百だ」
「なっ・・」
 南にも入らず衣が優希を飛ばして決着した。
「う、うそだじぇ・・」
 自分の得意な東場での、しかも自分が飛ばされての決着に信じられない様子の優希。
 そしてそれを見る他の清澄メンバーも信じられない様子だった。
(強い、いや・・強いつぅレベルか、咲はこんなんどうやって戦ったんじゃ?)
(強いですね・・ものすごく・・)
(驚いた、これはまた桁外れね・・団体戦より強くなっているわ)
(衣ちゃん、前に戦ったときよりも強くなっている)
 最初の一回、それ以降優希はおろか久やまこも全く上がれず衣の圧勝、久やまこも油断していた訳ではない優希の運が落ちたのでもない、ただ天江衣と言う成長した豪運の力に認めさせるというやる気が加わり、強すぎるその力の前に為す術もなく敗れただけ。
「ふぅ・・終わったぞ京太郎」
「お疲れ・・」
 衣を気にかけながら、力なくうな垂れる優希も京太郎にはやはり気になった。
「片岡・・これで認めるな」
 衣に問われた優希が顔を上げる、ぼろぼろと涙をこぼしながら。
「ぐや・・ぐや、ぐやじぃ・・な、などぐできなぃじぇ・・」
今の麻雀の結果からか、それとも京太郎を盗られたという悔しさからか、どうしても納得できない様子の優希。
「ゆーき・・・でも」
「わ、わがっじぇるじぇ・・なっどくじなきゃ・ならないのばぁ・・」
 和に諭される優希、理屈では分かっているのだろう、しかし心から納得はできないようだ、それは一つの疑問もあったからだろう、そして優希は涙声でその疑問を口にする。
「ど、どうじて・・ぎょうだろうが・・こいづにごくはくしたのかっでおもうど・・」
 そう言って京太郎と衣を見る優希、すると衣が一歩踏み出して優希の勘違いを指摘する。
「何を勘違いしている、告白したのは衣の方だ」
「えっ・・・?」
「衣が好きだと認識して、どうすれば良いかは京太郎に先に聞いていた『心惑う好きになったら告白するしかない』と、だから告白した、そして相思相愛の仲になったのだ」
「そ・・そんな・・・だったら・・私にも・・」
 衣の衝撃の言葉に、泣くのも忘れて肩を落とす優希。
(あったんだじぇ、チャンスはいくらでも・・自分から踏み出していれば、犬なんていってないで告白していれば・・・京太郎と私も・・・こいび・・とに・なれたんだじょ)
 そんな可能性を考えれば、優希の納得しかけた心が再び騒ぎ出す・・もはや手遅れと知りながら、そして衣もそんな優希の心境が手に取るように分かった。
「今のままでは納得尽くのは無理か、おい片岡納得したいか?」
「そうしたいのは山々だけど、そんなのいきなりは無理だじぇ・・」
 優希は必死に納得しようとしている、だがどうしても考えてしまう・・・自分があと少し踏み出していれば、あるいは・・・と、だから優希は納得尽くことができなかった。
「ならば衣と京太郎とついて来い、あるいは納得尽くかもしれんぞ」
「えっ・・・で、でも・・」
「京太郎、良いな?」
「えっ、ああ、まあ優希が納得するならそれで・・・」
 衣が何をしようとしているのか、京太郎には想像できなかったが、それでも優希を今のまま数日間、下手をすれば数週間そのままにしておくよりはましに思えた。
「よし、では邸に戻るぞ、ハギヨシ」
「はい、それではお車の用意をしてまいります、新しい紅茶はこちらで使っているカップに淹れておきますので、お飲みください、それでは失礼します」
 ハギヨシはさっと片づけを済ませて、新たに淹れた紅茶を用意すると、足音もたてずに部室を後にした。
「ど、どうも・・・って、いないわね」
「それじゃあ、行くぞ京太郎、片岡も」
「おう」「う、うん・・・」
「では、邪魔をしたな、失礼する」
 衣はそう言い残して、京太郎と優希を引き連れて部室を後にした。

「ふぅぅぅ・・・なんていうか、台風の後みたいね」
「じゃな、心情的にもそんな感じじゃ、しかし強いと思っていたがあそこまでとはな・・はぁぁ」
 試合に参加していた二人は長いため息をつく、圧倒的な差を見せ付けられての惨敗に意気消沈していた。
「わしはあれじゃが、部長はまだチャンスあったやろ、あのまま続けといたら」
「どうかしら、今日の天江衣は凄かったわよ、勝ちたいという意思が溢れていたから、決勝の時よりも凄かった風に見えたけど、咲はどう思ったかしら?」
「はい、凄かったと思います、あの時にアレだけのものを出されていたら、私も勝てていたかどうか・・」
 勝って当然の状態で挑んできた決勝の時とは違い、今回は勝って認めさせると言う明確な意思が垣間見えた、そういう意味で今日の衣は決勝の時とは一味も二味も違っていた。
「勝負の事はもう良いです、それよりもゆーきは大丈夫なんでしょうか・・」
「ふぅ、わからないは・・けど少しでもましになるんじゃないかしら」
「何か吹っ切れることがあればええんじゃが・・」
「優希ちゃん・・・」
 優希を心配し全員で部の入り口を見るが、誰かが戻ってくる様子はなかった。
「さて、じゃあ・・ケーキでも食べましょうか」
「そうじゃな、腐っても勿体無いしの」
「部長とまこさんは、ゆーきの事心配じゃないんですか!?」
「そ、そうですよ、こんな時にケーキなんて」
抗議する和と咲を見て久が苦笑しながら諭した。
「今の私たちに出来るのは待つことだけよ、それに同じ麻雀部の須賀君も居るんだから、彼を信じましょ、麻雀はたよりないかもしれないけど、二人の女性を惚れさせちゃう男よ、だからね・・」
「あっ、そ、そうですね・・・」「うん、私、京ちゃん信じます」
「部長の言うとおりじゃ、今のわしらじゃ何もできひん、せいぜいケーキを食べる位じゃ、ほれ、和も咲も食わんと」
 和も咲も久の言葉に諭されて納得して、まこからケーキの皿を受け取る。
「いただきます」×4
さっそくケーキを食べ始める四人。
「うん、おいしいわね」「うま・・これが値段の差というやつか・・」
「おいしい、これってゆーきの分、置いておくことできますか?」
「おいしい・・・京ちゃんや優希ちゃんとも食べたかったな、それに衣ちゃんとも・・」
(衣ちゃんが告白したのか・・・それで京ちゃんの恋人に・・・)
「・・うらやましい・・・かな・・・」
 ぽつりと言葉を零す咲、その言葉がたまたま耳に付いた久は首を傾げた。
(あれ、もしかして・・・惚れさせちゃったのって三人だったのとか?)
 
 衣達がたどり着いたのは、京太郎が衣の邸に宿泊時に使うゲストルームだった。
「ここに何があるんだじぇ?」
 大きな部屋に驚き、少し警戒しながら部屋を見回す優希。
「おい、衣・・・ここってまさか?」
 京太郎もここに連れてこられて、何をするか・・自分の考えた事が間違いだと思いつつも衣に確認する。
「そうだ、今からするぞ、京太郎」
 ここで、そして衣の「する」という言葉が意味するのはただ一つ、それは男女の交わり、秘め事、情事。
「ちょっとまて、優希の前でか!?」
「そうだ、これを見れば納得尽く・・どのような結果になるかは不明だがな」
「いや、しかしだな・・・」
 衣に何か考えがあるのはわかったが承服しかねる京太郎、当然といえば当然か、失恋のしかも諦めきれない状態で、好きだった相手と恋敵の性行など見せられたらどの様な状態になるか分からない、少なくとも相当のショックは受けるだろう。
「ま、まつじぇ、何をすんだじょ!?」
「まぐわい、交わり・・いろいろと言葉はあるが、百聞は一見にしかず、見るほうが早かろう、重々納得したいのならば目を逸らすな」
「・・・・わ、わかったじぇ」
 衣の口にしている言葉の意味すらわからない優希、だがそれでも胸のもやもやした気持ちを晴らしたいという思いがあり大きく頷く。
「ということだ、するぞ京太郎、優希を納得尽くしてやろうではないか」
「・・・わかった、中途半端にするのはよくないからな」
 あるいはこれを見れば優希も自分の事を完全に諦める事ができるかもしれない、京太郎もそう思い衣の案に同意した。
 そして、ゆるやかに京太郎と衣が顔を近づけて・・・唇が重なる。
「つぅ!?」
(き、ききききき、キス!?、なんだじぇ、なんで・・こんなこと私の前で・・)
 思いを寄せていた者が別の誰かと仲睦まじく恋人同士のキスをしているシーン、目を逸らしたくなる・・それでも。
(なんで、なんでこんなのを見せるんだじぇ、京太郎ぅぅ・・それにこのままいくと・・)
 恨めしい、羨ましい、嫌気もさすが納得もしたい、納得したいからかそれとも・・優希自身にもよく分からず、二人のキスから目が離せない。
 京太郎も言葉を出さずじっと見ているそんな優希が気にかかるが。
「京太郎・・・今は」
 そんな京太郎に視線で集中するように訴える衣。
「悪い・・」(今は衣としているんだからな、優希を見るのは駄目だよな)
 再び唇を重ねて、今度は舌を絡め取るとり、互いの口の中の唾液を熱をやり取りする。
(あ・・あんな熱烈に・・あんな・・すごいじょ・・)
 視線を逸らすことすら忘れ、ただただ京太郎と衣のディープキスに見入る優希。
 京太郎と衣は息もせず互いの唇に集中する、そしてそれを見ていた優希も息をするのを忘れていた。
「・・はぁ・はぁ・・はぁ」
「・・はぁ・・はぁ」
「・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
 京太郎と衣は唇を離すと息を整える、それを見て優希も慌てて空気を吸う。
 衣はちらりと優希を見るが、息を整えるのに必死で文句や怒るわけでもなく、泣いて逃げる訳でもなければ、止めに入る訳でもない、だがもし優希が止めに入ったとしても無駄であろう。
「・・・京太郎、最後までするぞ」
「ああ、そうだな、するぞ」
 衣も京太郎も今までのキスで興奮して、既に押さえが利かない状況になっていた。
「今日は衣が脱がせてやるからな、少し待て」
「えっ、ああ」
 衣は自分の着ていたものを全て脱ぎ捨てると、既に京太郎は上着だけは脱いでいたので、ズボンを脱がして、膨らみがあるトランクスに手を掛け・・それを脱がせる。
「で・・でかいじょ!」
 トランクスの下から現れた、京太郎の勃起したペニスの大きさに思わず声を上げて驚く優希。
「そうだ・・京太郎のおちんちんは大きいぞ、情交は知っているか?」
「じょ、情交・・・よくわからないじぇ・・、け、けどぉ・・」
(間違えなく・・京太郎と・・今から・・するんだじょ・・)
 衣の言葉は分からずとも、今から京太郎と衣がすることは優希にも理解できた、そして理解したことを衣も優希の表情から読み取る。
「意味を知るならよし・・京太郎」
 何をもとめるのか、知っている京太郎はそのまま衣の股間に手を伸ばして、衣のおま○こに触れる。
「ふぁっ・・!?」
 くちゅ・・くちゅ・・・
 キスを見られていたことに興奮していたのか、衣のおま○こは既に濡れており、準備が整っていた。
(あっ・・京太郎の手が・・天江衣の・・あそこに・・)
 それを羨む様に見つめる優希は自然と自分の股間に手が伸びていた・・・。
「京太郎・・今日は衣がするから、そこに座ってくれるか?」
「じゃあ、頼むぞ・・」
 京太郎がベッドに腰掛けると反り返ったペニスが天井を差す、衣はその上に自分のおま○こがくるように合わせて腰を下ろす。
「えっ・・う、うそぉ・・だじぇ・・そんなの無理・」
 優希がそういい終わる前に、ゆっくりと衣の膣内に京太郎のペニスが飲み込まれてゆき・・。
 ツプゥ・・ツプゥ・・ぐちゃ
「うんっ!!・・うくぅ・・はくぁぁ!!」
「くぅぅ・・きついなぁ・・・」
 少し苦しそうな声をあげながら衣が腰を下ろして終わると、京太郎のペニスが衣の膣内に納まった。
「はぁぁ・・入ったぞぉ京太郎・・」
「ああ、上手に出来たな・・」
 京太郎に頭を撫ぜられて褒められると、衣は目的を達成したのと褒められたので満足げに微笑む。
「は、入った・・い、痛くないのかじょ?」
 予想をはるかに上回る光景に優希は一瞬呆けるが、直ぐにサイズオーバーのペニスを納めている衣の事が気になりだす。
「最初は腹部を無理やり切り裂かれると思うほどの激痛だった・・・」
「う・・うげぇぇ・・」
 少し想像してしまったのか、痛そうな表現に顔を顰め優希。
「ふぅ・・だが、徐々に慣れていった・・・すると心地よく、いや気持ちよくなる」
「で、でも最初は凄く痛いんだじぇ?」
「ああ、本当に好きでなければ耐え切れぬ・・・」
「えっ?」
 衣の言葉に、優希は驚いて目を見開いた。
「好きだから、本気だから、だから耐えられる・・どんな激痛も、どんな苦しみも、それを凌駕する恋心を持てば・・・、今は中から京太郎の熱さを感じて、心地よい幸せだ・・京太郎はどうだ?」
「やっぱり好きな女性とできるって言うのは凄く幸せにだ、それに凄く気持ち良いぞ衣」
「そうか・・ふふ、じゃあ動くぞ!」
 衣がゆっくりと腰を上げて・・・落とす、それを繰り返す。
 ズブッ・・ズン!ジュブ・・・ズン!
(ああ、こいつは・・・京太郎の事を本気で好きなんだじぇ)
 目の前で繰り広げられる行為、今は痛そうではないが、きっと最初は・・その痛みに耐え切った衣の恋心を本物だと優希はようやく理解した。
(私はどうだ・・・耐える自信はある・・耐えてみせるじょ、でも・・)
 自信があろうとも、それに挑戦する機会すら与えられない、諦めきれないが諦めるしかない。
 目の前で京太郎と衣が・・・。
「くっう・・いいぞ、衣、衣の腰と膣内が連動して・・凄く良い!!、もっと早くだぁぁ!!」
「わ、わかっふぁぁくぅ!!、こ、衣もいいぞおぉぉ!!、京太郎のおちんちん気持ちよくてぇぇ!!」
 ズブッ!ズン!ズブッ!ズン!ズブッ!ズン!
 二人の顔が快楽に染まる、衣は京太郎のリクエストに答えて更に速度を上げる。
(ああっ・・めちゃくちゃ・・気持ちよさそうだじぇ・・京太郎、あんな顔するんだ・・じょ)
 恋した者の悦楽に浸る表情、それが例え他人が与えているものだとしても愛おしく見えるのは恋故か。
(わたしも・・したい、きょうたろうぅぉ・・うはぁぁ・・よろこばせたいじぇ!)
 欲望、愛情それらの交じり合う願望、優希は・・・。
「くぅぅぅ!衣のおま○こよすぎてぇぇぇ!!」
「ふぁぁぁぁ!!おおきくなるぅぅ!!じこ・・しちょうううう!!きょうたろうのおちんちんがころものなかでぇぇぇぇ!!らめぇぇぇもうらめぇきょうたろうぅぅぅぅ!!」
「おれもいくからぁぁ!!ころももいけぇぇぇ!!」
「いぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「ああっ・・」
 二人が絶頂に達する、瞬間優希も体が火照るのを感じた。
 ドクゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!
「りょうおおひぃぃ!!うまるぅぅぅれんふうまるぅぅぅぅぅ!!」
 衣の膣内が京太郎の精液で満たされてゆく、熱い精液は衣を感じさせながらそれをでも直、それを求める様に痙攣する膣内にペニスは射精を続けた。
「まだ終わりじゃないぞぉぉぉぉ!!」
 ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!
「いっぱぃぃ・・いっぱいぃぃになっているのにぃぃぃ・・・あはぁ・・」
 抜いてもいないのに、収まり切らなくなった一部の精液が、京太郎と衣の結合部のすきまから少しだけ溢れていた・・。
「はぁ・・はぁ・・ふぅ・・衣、今日は頑張ったな・・ありがとう凄く気持ちよかったぞ」
「あはは・・はぁ・・はぁ・・、奮闘したかいが・・あったな・・・京太郎」
 チュ・・チュ・・
 頑張った分のご褒美といわんばかりに、京太郎に顔を近づけてキスを強請る衣、もちろん京太郎はそれに答える。
「衣・・」
「京太郎・・・」
 キスをしつづける京太郎と衣、終わらないように見えたその行為も。
「す・・すごいじぇ・・」
 そんな優希の声が二人の耳に届いて、どちらとも無く離れて二人は優希を見た。
「優希・・・」
「片岡・・どうだ?」
 衣にそう訊ねられた優希は、ゆっくりと一度だけ首を縦に動かして口を開いた。
「納得した・・確かに天江衣は京太郎の恋人だじぇ、もう反論はしないじょ」
 二人の営みを目の当たりにして、もはや優希に否定する気は起こらなかった。
「優希、衣・・これでよかったんだよな?」
 これで全て終わり解決したと思った京太郎、だが衣は違っていた。
「京太郎帰結は尚早、衣達は一番大切な事を片岡から聞いていない」
「えっ・・」
「な、なんだ・・これ以上私に何を求めるじょ?」
 衣の考えがわからず、京太郎も優希も混乱していた。
「片岡よ、お前は京太郎への思いを断ち切ることできたのか?」
「衣!?」
 追い討ちの様な衣の問いに京太郎も止めようとしたが、衣の真剣に優希に見つめていた、その問いが優希を傷つけるためでは無いとすぐに分かり、そのまま見守ることにした。
「そ、それは・・・まだだじぇ」
 優希は納得していない訳ではない、でも心と頭は別、納得できても恋心と気付いてしまった京太郎への思いは、切れず消えず積もるばかり。
「そうか、ではなぜ告白しない?」
「なぁ!?」(ど、どういうつもりだ衣は・・)
「ええっ!?」(な、何言っているんだじぇ、こいつ・・そ、そんなことしても・・無駄なだけなのに)
 衣の問いには見守るつもりだった京太郎も驚いて、思わず衣に訊ねた。
「こ、衣、言っている意味がわかっているのか・・・衣って恋人が居るのに、告白って・・」
「そ、そうだじぇ、恋人がいる相手に告白って・・そ、そんなの無理だじぇ・・、それともあ、天江衣、お前・・京太郎と別れてくれるんだじぇ!?」
「衣が京太郎と別れる訳ないだろう!」
 優希に聞かれた衣は大きな声で即座に否定した、その答えに優希は特に驚かない、予想通りの答えが返ってきただけなのだから。
「だったらなぜそんなこと聞くんだじょ?」
「別に恋人が一人である必要は無いだろう?」
「へぇ・・?」「はぁ・・?」
 間の抜けた声だった、衣のあまりに予想外の発言に2人ともしばし言葉を失い、ようやく京太郎の口からでてきたのは。
「えっ、いや、その衣さん、日本一夫一妻制ですよ」
 そんな当然の話だった。
「京太郎、その程度の常識、衣だって知っているぞ」
 馬鹿にされた感じがしたのか、少し不機嫌そうな衣。
「だ、だったらなんで?」
 優希に再び聞かれて、衣は不機嫌そうな表情を止めて真剣な表情に変わる。
「妻は一人だが、妾や愛人のいる者もいる、京太郎の恋人の座を譲る気はない、だが二番、三番でもいいというのなら好きにするが良い、無論京太郎が良ければだが・・・」
 優希から京太郎に視線を移す衣。
「こ、衣はそれで良いのか?」
「構わない、片岡を見ていて想像したのだ、もしも・・もしも衣より先に誰かが京太郎の隣に居たとして、それでもしも今と同じように京太郎を好きなったら、衣は京太郎の事を諦めきれるかと・・・・」
 衣は緩やかに首を横に振った。
「無理だと思った、たぶん今の片岡みたいに情交を見せられても、それでもなお・・思い続けるだろう、思いの前では理性も常識もなんだ意味をなさない、だからもし情交を見てもまだ片岡が京太郎の事を諦めきれないなら・・・機会を与えようと思った」
 衣の言う機会、それは二番目の恋人になるか否かの選択、普通なら馬鹿な話と一蹴してしまいそうだが、それでも優希は考えていた。
(恋人が居るのに告白、確かに諦めはきれないじょ・・でも・・)
「い、良いのか・・たとえばだけど優希と、情交を交わしても」
「構わないが・・・あまり片岡ばかりに感けるなよ、あくまでも一番の恋人は衣だということを忘れるな」
 放っておかれている場面を想像し、頬を膨らませて拗ねる衣。
「安心しろ・・俺は衣が一番好きだよ」
 京太郎の言葉を聴いて、膨らませていた頬を萎めて笑う衣。
「ならばよし、さぁ・・どうする片岡よ、うっ・・くはぁ・・京太郎はまだまだ行けるぞ」
 衣がゆっくりと腰を上げて立ち上がると、衣のおま○こに収まっていた京太郎のペニスが現れる、一度射精したにも関わらずまったく萎えず、入る時と変わらず勃起したままだった。
「んんっ・・溢れてくる・・・」
 押さえるものも無くなり、衣の膣内から大量注がれた精液があふれ出る。
(あ、あんなに射精したのに、大きいまま・・・すごいじょ・・でも、きっと痛んだじぇ)
 優希も知識がまったく無いわけではない、でも限りなく無い等しく男性器も見た経験は無い、それでも京太郎ものが大きいのは理解できた、だからきっと伴う痛みも大きいのだと思えてくる・・・が、同時に。
(あれを受け入れたら・・京太郎はよろこんでくれるじぇ・・・で、でも、それは告白を受け入れてくれたらで・・・・もしも断られたらじぇ)
 京太郎を喜ばせたいと思う気持ちも大きかった、でもそれはあくまで告白を受け入れられた場合、断られればそんなこともなくなる、あるいは今よりも遠い関係になってしまうかもしれない、それならばいっその事・・・と思ってしまう。
(駄目だ、駄目だじぇ、そんなことじゃ・・このままじゃあの繰り返しだじぇ)
 告白しておけばと思った、あの時衣の言葉を聴いたあの瞬間に、それは後悔、取り戻せない後悔。
「望むなら踏み込め、望まぬなら去れ、さぁどちらだ片岡?」
 だから衣に最後の問いを受けた瞬間、優希がしたのは告白するでも、逃げるでもなく、スカートのチャックを下ろす事、当然スカートは重力に抵抗することも無く床に落ちた。
「優希!?」
「京太郎、私は京太郎が好きだじぇ、二番目でも・・何番目でも良いんだじぇ、本気で好きだから・・・だから側に居させて欲しいじょ」
 優希は一歩踏み出す。
「良いんだな・・・?」
「無論だ、でなければここまでお膳立てなどせん」
 衣は焦らない、言葉通り良くなければここまでのする必要は無い、つまり最初から逃げなければ受け入れると、決意していたのだろう。
(衣は良いというけど、でも・・・本当に良いのか優希・・うん?)
 京太郎は優希が体を小刻みに震わせているのに気がついた、いつも生意気で自信満々な態度を取っている優希とは違う、瞳も震えて今にも泣きそうな表情をしていた。
(馬鹿だな俺は・・・、アレを見て告白するなんてのは、そんな簡単なことじゃねぇだろう、つまり優希は・・・)
 本気、その一歩がどれほど重いく勇気がいるか京太郎には想像もつかない、でもその勇気に答える術なら知っていた、だから両手を広げて優希に答えた。
「俺も優希は好きだぞ、今までは友達としてだったけどな・・・今は女の子としてな」
「あ・・ああっ、それで・・・・それで十分だじぇ!」
 感極まった優希が京太郎に飛びつく、その衝撃で飛びついてきた優希ごとベッドに倒れこむ京太郎。
「おっと・・」
「京太郎!京太郎!京太郎!」
 抱きつき名前を連呼しながら、京太郎の顔を覗きこむ優希・・・。
「少し五月蝿いな・・・」
「えっ・・あっ、ごめんだじぇ・・」
 怒られたかと思い少しへこんだ優希が謝ろうとすると、京太郎は笑いながら顔を近づけ。
「口・・塞ぐぞ」
「うっ・・!?」
 優希が五月蝿くできないように、自分の唇で優希の唇を塞ぐ京太郎、優しく触れるだけの単純なキス、時間も長くない。
「・・・どうだ、少しは静かになったかな?」
「・・な、なるじぇ・・しずかにぃ・・私のファーストキス・・だじょ」
 唇が離れると少し意地悪な質問をする京太郎に、ファーストキスの衝撃に優希は少ししおらしい返事だった。
「ふふっ、京太郎との初接吻は凄いだろう、全身から力が抜けるみたいだろう?」
「う・・うん、確かに凄いじぇ・・・話に聞いていたのの何倍も凄いじぇ・・」
 衣の問いにも、幸せそうにはにかみ答える優希。
「これは序の口だぞ、先ほど見せただろう・・なぁ京太郎・・・」
「ああ」
 衣は京太郎と優希の間に頭を割り込ませて京太郎の唇を奪う。
「あっ・・・これってさっきの・・」
 ディープキス、京太郎と衣に性交の前に見せられたのを思い出す優希、互いの味を味わうようなキス、それを羨ましそうに見つめる優希。
「はぁ・・京太郎・・」
「衣・・・」
 唇を離してもじっと見つめあったままの二人、優希はそれを面白くない・・いや寂しく感じた、そして頭に浮かんだのは。
「京太郎ぅぅぅ!!京太郎ぅぅ!!」
 大きな声で京太郎の名前を連呼する優希、それに驚いた京太郎と衣は優希に見た。
「無視して、わるかったけど・・どうしてそんな大きな声出すんだ?」
 京太郎に聞かれた優希は、照れくさそうに頬を染めて顔を背け、指を遊ばせながら答える。
「だ、だって・・五月蝿いと、また塞いでくれるかもしれないじぇ・・」
 声を出したのは知識も場数も衣に負けている優希が、必死に京太郎の注意を引こうと考えた作戦だったようだ。
「そうだな、今は優希の相手をしないと」
「そうだったな、では衣は二人の手伝いに回るとしよう・・」
 衣が頭を引くと、京太郎は優希に再び唇を重ねる・・・今度は舌もつけて。
「うっ・・ううっ!?・・ふっ・・ふふん!・・」
 最初はどう対応すれば良いのかわからず迷っていた優希だったが、徐々に京太郎の舌導かれて舌を懸命に使い出す。
「う~ん・・・うんく・・・うん・・ぷはぁ・・・はぁぁぁぁぁ」
 必死に答えた末に、息切れで唇を離した優希は荒い息遣いをしながらなんとか呼吸を整える。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・すぅ・・はぁぁぁ、す、凄いじぇ・・あらまがぼうっとするじぇ・・」
「満足したか?」
「えっ・・私は満足だけど、京太郎は・・まだ・・だじょ?」
 優希の視線が京太郎の、もっとも自己主張が激しい部分に注がれる、まだ硬く優希のお腹を押し上げるペニスに。
「まあな、じゃあキスはこれくらいにして・・・バンザイしてみろよ」
「えっ、ば・・バンザイだじぇえっ!?」
 優希が両手を挙げると、後ろから衣が優希の服を一気に脱がした。
「裸にならないでも、できるが・・・双方裸のほうが、互いの肉体の温かさをよりよく感じることが出来るぞ」
「そ、そうなんだ・・ありがとうだじょ」
 衣のアドバイスに従う優希、優希は必要ないからかブラを付けておらず上を脱げば、残るはパンツのみだった。
「ブラしてないんだな?」
「うっ、小さくてごめんだじぇ・・・」
「気にするな・・・って、俺はそんなこと気にしてないぞ」
 体勢を入れ替えて、優希と京太郎の上下を入れ替わり、優希が下、京太郎が上になった。
「そうだ、京太郎は胸の小ささなど気にするはそんな器の小さな男ではない」
 そういって優希以上に無い胸を自信満々に張る衣。
「で、でも京太郎は、のどちゃんみたいなおっぱいが好きなんだじぇ?」
「まあ否定はしないが、でも小さい胸も好きだぞ」
 大きい胸に惹かれるのは年頃か男の性か、それは分からないが京太郎が大きなおっぱいが好きなのは事実、でも衣とした後で・・というか衣の裸に反応してから、小さい胸も良いという結論に京太郎は達していた。
「そ、そうなんだ・・・じゃ、じゃあ好きに弄繰り回すといいじぇ」
「そうさせてもうぞ」
「ひゃう!・・あっはぁ・・」
 胸に京太郎の手が触れると、一瞬びくっと体を震わせる優希、だが直ぐにそれを受け入れて気持ちよくなってゆく。
 小さいが、硬くなく少女らしい肌は、揉み上げる京太郎の指に吸い付く様だった。
「優希、優希はここや・・ここを自分で弄ったりするのか?」
 京太郎は片手で優希の乳房を揉み上げながら、もう一方の手を優希の下着の上からわれめをなぞる。
「ひゃっあ!?・・じょ・・じょぉ!そ、そこは・・・」
 優希の下着は中に納まっている部分から分泌される液体によって、湿り気を帯びていた。
「ここは?」
「す・・するじょぉ!!、もんもん・・したときにぃとか・・するじょ」
 どうやら優希はそれとは認識せずに自慰行為をしていたようだ。
「よくできました・・と」
 褒めながらちゃんと答えられたご褒美にと、優希の頬にキスをする京太郎。
「こ・・・答えてよかったじょ」
「もう、準備できているみたいだな・・」
「だ、だって京太郎と天江衣の・・を見てだじぇ、京太郎にキスして弄られたら・・じゅ、準備万端になっちゃうじょ」
 顔を真っ赤ににしながら、可愛らしい言い訳をする優希を見て、ドキッとする京太郎。
「今の優希・・すげぇ可愛いぞ」 
「は・・はうっ、きょ、京太郎・・そろそろ・・お願いだじぇ」
 濡れて少し脱ぎにくそうにしながらも、悪戦苦闘の末になんとか下着を脱ぎ捨てる優希。
 優希のおま○こはほんの少しうぶ毛の様な陰毛が生えていた。
「ああ、わかった・・・痛かったらちゃんと言えよ」
「えっ、で、でも・・・京太郎がや、やりづらいじぇ?」
 優希は戸惑う、自分が痛いと連呼すれば京太郎がし辛くなるのではないかと、そんな優希に二人を見守っていた衣が助言をする。
「大丈夫だ、素直に痛みを口にしたほうが痛みがましになる、どうしてもの時は『止めて』と言うんだぞ、それを約束してもらえば、それ以外にどれだけ言おうとも京太郎は続けてくれるぞ、そうだろう京太郎?」
 自分の経験からくる知識を、教える衣は小さいくてもしっかりとしたお姉さんに見え、思わず微笑んでしまう京太郎。
「ああっ、そうだな、衣の時にちゃんと言ったよな」
「そ、そうなのか・・じゃ、じゃあお願いするじぇ・・」
「わかった、ちゃんと最後までするぞ」
「ありがとうだじぇ」
「おおっ、それとな・・・」
 何かを思い出して、ごにょごにょと優希に耳打ちする衣。
「えっ・・そ、それ言うのか・・なんか恥ずかしいじょ・・」
 何を言われたのが京太郎にはわからないが、優希は何かを口にするのを迷っているようだ。
「これは・・・京太郎が喜ぶぞ、初めての時にこういわれると京太郎が興奮すると言っていたからな・・」
「ほ、本当か・・すぅ・・はぁ、じゃ、じゃあ言うじぇ!」
 深呼吸をすると意を決し、その言葉を口にする優希。
「わ、私のおま○こに京太郎のおちんちんを入れてください!・・だじぇ」
 京太郎は確かに自分が教えた事だと思い、自分を興奮させるために恥ずかしそうにしながらも口にした優希を見て愛おしく思い、それに答えるために。
「ああ、いくぞ」
 押し当てられる剛直なペニスが、優希のおま○こに割ってはいる。
「うっ・・ぐっ!・・おし広げられるじぇ・・」
 言葉通り優希の膣内を押し広げながら、少しずつゆるやかにペニスを押し入れる京太郎。
「ふっ・・くっ、やっぱりきついな・・」
 衣の時と比べれば、京太郎も経験したために少しはなれていたが、それでも優希の膣内はきつく締め付けて少しずつ進むしかない、やがて・・京太郎の動きが止まる。
「うん・・ここは、どうする優希、今から優希の処女を完全に貰うけど、一気に行くか・・・それともゆっくり挿入して欲しい?」
 せめてもの選択肢を優希に与える京太郎、優希は考えずに・・いや待ちきれずに直ぐに答えた。
「い、一気に来てほしい、早く京太郎を感じたいじょ!」
「わかった・・痛いから・・そうだな深呼吸でもしてれば楽になると思うぞ」
「わ、わかったじぇ・・すぅ・・はぁ・・すぅ・・はぁ」
 優希が息を2度目の深呼吸を終えた瞬間、京太郎は優希の膣内の全てを手に入れようと、力を入れて処女膜を突き破る。
 ズブンッ!。
「い、いだいぃぃぃ!!・・いだぃじぇぇぇ!!」
 突き破れて、一番奥まで挿入を許した瞬間、凄まじい激痛が優希の体に駆け抜けて悲痛な叫び声を上げさせる。
「はぁく・・・はぁく・・・」
「よく耐えました・・・」
 痛みからから口をぱくぱくと開いたり閉じたりを繰り返す優希、京太郎は優希を褒めてあげながら頬にキスをする。
「は・・はぅ、ほっぺにキスされると・・少し楽になるじぇ・・」
「そうか、じゃあ・・もう一、二回・・」
 京太郎は頬にキスを繰り返した、さらに優希の頬を舐める。
「ひゃぁつく・・く、くすぐたいじょ・・京太郎」
「楽になったか?」
「う、うん、楽になったじぇ、ありがとう京太郎・・・それで、これから・・なんだじょ?」
 衣と京太郎との情交を見ている優希には、当然これが終わりでないことはわかっていた。
「ああっ、激しく動かないと、射精しないからな・・・動いても大丈夫そうか?」
「ま、まだじんじん痛いけど、京太郎のおちんちんの熱を感じるじょ、熱くて大きくて・・・これが私のおま○こで暴れたら、お腹が引き裂かれるそうだじょ・・・」
「なら・・」
 京太郎が『止めるか?』と聴こうとしたが、優希はその言葉をキスで止める。
「だ、だめだじょ、ちゃんと気持ちよくならないと・・・それに『止めて』って言って良いのは私だけ、だ、だから動くじぇ・・そしていっぱい、いっぱい気持ちよくなった証拠が欲しいじょ」
 痛みからか悲しみからか涙を目に浮かべながら京太郎にお願いをする優希、切な優希の願いを京太郎は叶えることにした。
「じゃあ・・・動くぞ!」
 ズブッッズブッッズブッッ!!
「ぐっぅ・・が・・がなりぎぐじぇぇ!」
 激しい動きにあわて優希にも激痛が襲い掛かる、けど・・『止めて』とは絶対に口にしない。
(優希が少しでも楽になる方法は・・・そうだ)
思いついたまま京太郎は優希に顔近づけて、頬にキスをして・・舐めて吸う。
ちゅ・・ちゅ・・れろ・・ちゅぅぅぱぁ
「ひゃあっく?!?・・・きょ、京太郎!?」
(な、なんだじぇ、今のは・・ほっぺたに京太郎がキスしてくれたら・・なんだじぇ?)
「どうだ、少しは楽になるだろ・・・優希はこの可愛いほっぺが感じるみたいだからな・・」
「ら・・らしかに・・・・キスとか・・すわれると、びりびりくるじぇ」
(これが気持ちいってこと・・だじぇぇ・・)
 自慰経験からか、素直にそれを快楽と認識して受けいれる優希、一度受け入れてしまえば。
 チュ・・チュ・・ちゅぅぅぅぱ・・ちゅぱ
「こそばいけど・・き、きもちいじょ!!」
 声を出して感じることが出来た、だがそれとは同時に優希には気になることがあった、それは・・・自分は気持ち良いが相手はどうなのかということ。
「きょ、京太郎は・・どうだじぇ、私のお・・おま・・おま○こは?」
「わかるだろ・・俺のが熱くなって暴れているのが!」
ズブッッズブッッズブッッッ!!
「あっぐぅぅ!!・・わ、わかるじぇぇえぇぇ!!、あつくてすごくぇぇぇ!!」
「ああ、気持ち良いって証拠だぞ」
 膣内で主張し続けるペニスの熱と腰の動きで、京太郎が感じてくれていることを認識する優希。
「ふぁ・・う、嬉しいじぇ、きょたろうが・・きょうたろうが感じてくれているじょ」
 痛みはある、だが快楽もある、そして喜びも、だから優希は楽しく嬉しくなる、今自分が好きな相手を喜ばせ楽しませているのだと。
「きょ、きょうたろう・・き、気持ちよくて・・あ、あたまが真っ白に・・」
「優希、気持ちよくてイクんだな・・?」
「イク・・きもちよくなって・・イクってぇぇぇぇぇぇ!!」
 もうすぐ絶頂に達すると考えた瞬間、膣内を突き上げられながらさらに感じる優希。
「優希がイッたら・・俺もイクな・・」
(京太郎も・・京太郎も気持ちよくなってるじょ・・・なら・・もっと・・)
 ズブッッズブッッッズブッッッ!!
「いっれぇぇぇ!!きょうらろうもいっれれれじょぉぉぉ!!」
 暴れるペニスが優希を最高潮に導く、そしてその優希の声が、仕草が、おま○こが京太郎の快楽を引き立てて・・そして。
「きょ、きょうらろぅぅぅいくぅじょょょょょょ!!」
 優希が先に絶頂に達して、膣内がぎゅっと締め付けると。
「ゆうきぃぃぃ!!俺もいくぞぉぉぉ!!」
 京太郎も一気の絶頂に達した。
 ドクン!!ドクゥゥゥン!!ドクゥゥゥン!!
「きらぁぁぁぁじょょょよ!!きょうらろぅのらぁぁ!!あふひぃぃぃぃ!!」
 既に満ちているはずの優希の膣内は、まだ足りぬといわんばかり京太郎のペニスを締め付けて、更に射精を催促する。
「ほら、まだだぁぁぁ!!」
 ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥゥン!!
「ふあぁぁぁ!!・・いっぱい・・だぁぁぁじょぉぉぉ・・まられれるじぇぇぇ・・」
 激しい快楽、そして激しい射精から、一応解放された優希だが、体は絶頂の余韻からかまだぴくぴくと痙攣していた。
「はぁ・・はぁ、ふぅ・・よく頑張ったな優希」
「きょ・・・きょうたろ・・きもちよかっ・・たか・・じょ?」
「これだけ射精したんだからわかるだろうっていいたいけど、ああ、気持ちよかったぞ」
 京太郎が感想を言って、優希の頬を軽くなぜると。
「ほぉぉ・・あ、安心・・した・じぇ」
 優希も嬉しそうに微笑んだ、そしてそんな二人の行為をじっと見守っていた衣が、終了を確認して話しかけてくる。
「終わったな・・・京太郎」
「ああ、ありがとうな衣、その・・優希との事を認めてくれて」
「よい、片岡も気持ちが実ってよかったな」
「ほ・・本当に・・かんしゃ・・しているじぇ・・あ、ありがとうだじょ」
 限り無く諦めに近かったところに可能性を提示してくれて、しかもその許可まで貰った優希は、素直に感謝の言葉を述べた。
「よいといっている、円満解決・・・だがな京太郎」
「なんだ?」
「やはり、京太郎が他の女性ばかり構っているのは寂しいぞ・・」
「あっ・・ごめん」
(当たり前だよな、いくら許可したって言っても、やきもちは焼くよな・・)
 少し寂しげな衣の瞳を見て反省して謝る京太郎、だが直後衣の表情は一変する。
「そうだ・・だから、次は衣も混ぜろ」
 にこっと笑うと衣はそのまま京太郎に抱きついて唇を奪う。
「・・衣、ああ、次は三人でするぞ、優希も良いよな?」
「もちろんだじぇ・・」
 まだ情交の疲れからか、少し力の無いもののなんとか返事をする優希、その顔は笑顔で衣と京太郎の関係もしっかりと認めた。
「じゃあ、まず綺麗にしないとな」
「そうだな・・・」
 京太郎がゆっくりと腰を引いて、優希の膣内からペニスを引き抜くと、衣の時と同様、納まりきらない精液が逆流してきた。
「あはぁ・・きょ、京太郎・・おおすぎるじょ・・」
「それだけ優希のおま○こが気持ちよかったって事だよ」
「なら嬉しいじょ・・」
 京太郎の言葉を聴いて、ただただ嬉しそうに優希は笑っていた。
「京太郎、ティッシュだ」
「サンキュー衣、じゃあ拭くぞ優希」
 衣からテッィシュの箱を受け取り、京太郎はそれから何枚かテッィシュを取って優希のおま○こにそれを押し当てる。
「うっ・・じ、自分でするじぇ」
 なんとか自分でしようとするが、やはり体が上手く動かせない優希。
「快楽と痛みで上手く動けないのだろう、京太郎に任せるのが吉だ」
「うっ・・京太郎お願いするじょ」
 動かないのは事実なので、衣の助言通り京太郎に頼むことにした優希。
「まあ、射精したのは俺なんだから任しとけ」
 なるべく優希が恥ずかしがらなくて済むように、優希のおま○こについた血と精液と愛液を手早く拭き取る京太郎。
「ほれ、終わったぞ」
「ううっ・・な、なんか今のが一番恥ずかしかった・・じょ」
「ほら、片岡、何時まで落ち込んでいるつもりだ・・次は衣達の番だぞ」
 衣は優希の手を引いて優希の体を起こす。
「な、なんだじぇ・・なにをするんだじぇ?」
「言ったであろう、次は衣達の番だと・・京太郎」
「えっ・・ああ、そういうことか・・」
 衣が何をしたいのか理解した京太郎は、衣と優希の目の前にまだ硬いままのペニスを突き出す、当然まだ拭いていないので精液と優希の処女を奪った証が所々についていた。
「京太郎のお、おちんちんに血、血がついてるじぇ!?」
「それはお前のだぞ片岡」
「あっ、そ、そうだったじょ」
 驚いたものの、衣に指摘されて自分が処女喪失した事を思い出して、頬を紅くする優希。
「ほら、テッィシュだ」
「いらないぞ・・衣はこっちでキレイにするからな」
 京太郎からテッィシュを受け取らずに、そのまま口を近づけてペニスについた、色々とまじったモノを舐め取る。
 れろ・・れろ・・
「お、おい、衣!?」「な、なななななななんだじぇ!?」
「うん、フェラチオを言って、おちんちんを口で愛撫する行為の一つだ」
 衣は知っている知識を自慢げに披露する。
「き、汚くなくないのかじょ!?」
「ついているのは京太郎の精液と、片岡の液と破瓜の血だろう、気になるが微々たる事だ」
 れろ・・れろれろ・・れろ
 そういって、先ほど舐めたところとは違う場所を舐めとる衣。
「うっ・・くぅ・・衣の舌良い・・」
「そ、そうじゃなくて、お・・おちんちんだじょ!?」
「最初から気にならなかった訳ではない、だがフェラチオをすると京太郎が凄く喜んでくれるからな」
 衣は嬉しそうに笑いフェラチオを続ける、この行為で京太郎が喜んでくれている、それは衣の中の嫌悪感など塗りつぶして、上書きして余るほどに幸福感と満足感を与えていた。
 れーーーーろ・・れろれろれーーろ
「ぅく・・そこいいぞ、衣・・・気持ち良いぞ」
(ふふ・・喜んでいるな京太郎、いつもと少し味が違うのは片岡の味か・・・血は少し不味いが、でもこれはこれで楽しいな・・・ふふ)
 衣はフェラチオが好きだった、他の行為ではどうしても京太郎まかせになってしまう、だがこれは自分が一方的に京太郎を気持ちよく出来るという行為だからだ。
「あっ・・あぅ・・」
 優希が見守る中で、京太郎のペニスから完全に付着していた様々のモノが衣によってキレイに舐め取られた、衣は当然の様に舐め取ったものを吐き出さず全て飲み込んだ。
「ありがとうな衣、綺麗にしてくれて」
「どういたしまして、衣はお姉さんで恋人としても先輩だからな、この程度はできて当然だ」
 京太郎頭に頭を撫でられながら、衣は自慢げに胸を張り優希に色んな意味で先輩である事を教える。
「うっ・・た、確かにしゅごいじぇ」
(い、良いな・・・京太郎に頭を撫ぜてもらえて・・あれ京太郎は気持ち良いんだじょ・・で、でも・・)
 頭を撫ぜられる衣を羨ましく見つめる優希、だがやはりペニスに口をつけると言うのに少し抵抗を感じていた。
「衣、その・・悪いんだけど、あと少しでイキそうだから、もうちょっとやってくれるか?」
 フェラチオによりペニスの清掃で、京太郎は限界にほど近いところまで高ぶりを感じていたおり衣にお願いをする。
「了解だ、京太郎・・衣の口でたくさん気持ちよくなってくれ!」
 京太郎からのお願いに、衣は俄然やる気を出して口を開けて亀頭をくわえ込む。
 ちゅれろ・ちゅれろ・れろれろれろ
「くっぅぅぅ、いいぞ衣ぉ!!」
(ふふ、感じているな京太郎、それに匂いも強くなってきている・・・もうすぐイキそうなんだな)
 さきほどの京太郎の言葉どおり、すでに限界は近いようで衣も何度かの経験から、匂いやペニスの動きでそれがわかるようになっていた。
(す、すごい・・あ、あんな風に銜え込んで、そ、それに京太郎、気持ちよさそうだじょ)
 初体験の時に優希には見る余裕すら無かったが、今は外にいるからはっきりと見て取れた京太郎が快楽を感じている顔を・・。
 れろれろれろ・・ちゅぅぅぅぅ
「くっ、で、でるぅぅ!!」
(くるっ!)
 そう思った瞬間、衣は手を使い京太郎のペニスを激しく動かない様にする、そして。
 ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥン!!ドクゥゥゥン!!
「ううっ!?」(あ、あいかわらず・・すさまじぃ・・)
 本日三度目の射精だが量も勢いも劣れず、大量の精液が衣の喉に口に吐き出された。
(絶対に、全部飲みきる!)
 そんな決意を胸に勇猛果敢に口内に出された精液を、喉を鳴らしながら飲み込み続ける衣。
(の・・のんでる、京太郎のを・・飲んでいるじょ・・)
 ドクゥゥゥン!!ドクゥゥゥン!!
「うっ・・おぐぅ・・」(りょ、量が多すぎて・・く、くるしい・・)
 止まらない射精に、精液でむせ返り溺れそうになりながらも、衣は口を離さず・・・そして。
「・・・・ごくん、ぷはぁ・・はぁぁ・・はぁぁ・・」
 射精が終わり、口内の精液を飲みきったのを確認すると、衣はようやく口を離して苦しそうに息を整える。
「衣、前にも言ったが無理しなくてもいいんだぞ」
 京太郎にも衣が無理して飲み込んでいる事は理解できたが、射精している途中で、しかも押さえられているのに、無理にはずすというのもできなった。
「ふぅぅぅ、いいんだ、これは衣がしたくてやっていることだ、それに飲み込んだほうが嬉しいのだろう?」
「無茶はするなよ、それで衣がどうにかなったらそっちの方が俺は嫌だ」
「うっ・・す、すまない、京太郎・・」
 京太郎を心配させてしまったことに、落ち込んでしゅんと肩を落とす衣、そんな衣の頭部に京太郎は手を伸ばして優しく撫ぜる。
「でも、すげぇ嬉しかったぞ、それにすげぇ気持ちよかった、ありがとうな」
「ふふ・・どういたしましてだ」
 最後に褒められた事で、落ち込んだ気分も吹っ飛び衣は嬉しそうに笑った。
「しかし京太郎のおちんちんは固いままだな、やはり三度程度では満足しないか」
 経験上からか、三度射精しても萎えないことに衣は特に驚きはしない、むしろ感心していた。
「うん、ああ、でももう良いんだぞ、二人とも疲れているだろう、放っておけばそのうち納まるから」
 京太郎は衣と優希の体を気遣い、これ以上するつもりは無かったのだが。
「京太郎、まだだぞ・・なぁ・・片岡」
「えっ、ええっ!?・・・そ、それって・・するってことだじょ?」
 突然衣に声を掛けられた優希は驚くが、なんとなく衣が何を言いたいのかは理解していた。
「そうだ・・・」
「衣・・・・優希別にしたくないなら無理にしなくても良いんだぞ」
(抵抗はあるだろうな、やっぱり・・まあそれも不思議じゃないし)
 京太郎は無理やり銜え込ますと言う事をする気は起こらず、またどうしても嫌なら我慢してまでフェラチオをして欲しいとは思わなかった、してくれれば嬉しいと言う気持ちもあったのだが。
「きょ、京太郎は・・どうだじぇ、私がしたら嬉しいのか?」
「うっ・・」
 優希に問われて迷う京太郎、ここで嘘をついて嫌がると優希を傷つけるかもしれない、だから京太郎に選択肢などなく、正直に答えるしかなかった。
「そりゃ、まあ・・嬉しいかな」
「京太郎・・」
「しないのなら、衣がするぞ」
「や、やるじぇ!絶対にフェラチオをするじぇ!」
 京太郎の本音に、衣の挑発が会い重なり、優希のやる気は最高にまで引き上げられた。
「じゃ、じゃあ・・頼む」
 京太郎がペニスを優希に向けると、優希は少し戸惑った表情を見せる・・。
「ううっ・・す、するじぇ・」
 決意は叫んだものの、優希は排泄する部分を舐めると言うのには抵抗感じ、目を瞑り恐る恐る舌を出し・・・ゆっくりと一舐め。
 ぺろ・・。
「うっ・・」
(な、なんか変なにおいがするじぇ・・)
 近づいてすんすんと嗅いでわかるのは、性器と精液の独特のにおい、今日が初めての優希にはあまり好ましくないにおいだった。
 優希が微妙な表情をしているそんな時、衣はそっと耳打ちをした。
「辛いか片岡、ちゃんと目を開け、しっかりと両方の眼で京太郎を見ながら舐めるんだ、そうすればそんな気分も無くなるはずだ」
「うっ、わ、わかったじょ・・」
 今日一日の経験から、衣の助言に素直に従う優希、目を開けてしっかりと京太郎の顔を見ながら、もう一度舌を出して・・鈴口のあたりを舐める。
 ぺろぺろ・・ぺろ
「うっ・・くぅぅ、いいぞ優希・・その調子だ・・」
(!!・・・い、今のって・・)
「どうだ、京太郎の感じている顔をみていると、嫌気が春先の雪のごとく消えてゆくだろ?」
 衣の言うとおりで、京太郎が気持ちよくなっていると思うと優希の胸は高鳴る、そしてやる気が満ちてくる。
「こ、これって・・そのまま舐めれば・・」
 優希はさきほど衣がしていた事を思い出して、舌を使い竿の部分を舐めとる。
 れーーろ・・れーーろ
「少し違うぞ・・・こうだ」
 れーーーーろ・・・れーーーーろ
「こ、こうだじょ・・・」
 衣と優希は競うように京太郎のペニスを舐め上げる、結果二重の快楽が京太郎を襲う。
「うっぉぉぉ・・いいぞ、優希!・・衣!」
(京太郎が感じてくれている・・・ま、負けられないじょ)
「きょ、京太郎・・・頑張るんじぇ」
(ふふ・・教えはするが、負ける気は無い!!)
「衣も頑張るぞ、またいっぱい射精してくれ」
 れーーろ・・れーーーーーろ・・れーーーーろ
「くぅぅぅ、き、きくな!」
 双方からペニスを舐め上げられる、その快楽、そしてそんな行為を可愛い二人がしてくれていると言う事実が京太郎をさらに興奮させる。
「ふふ・・汁が出ているぞ、片岡・・さっきは衣が飲んだからな、ここは片岡に譲ろう」
「汁って・・ああ、やってやるじょ!」
 亀頭の先から、ぷっくりと液が出ているのを見つけると優希はそれを舐め取る。
 ぺろぺろ・・れーーろ・・・れーーろ
「うおっ!!」
(うっ・・ま、不味い・・・けど!)
 美味しいものでは当然無いが、しかし京太郎が喜んでいる、そして自分の舌に感じてくれていると思うと優希のやる気は衰えない、さらに衣も舐めているので衣に対する対抗心もあった。
(た、確か・・こうやってくわて・・・舐めて吸うんだじょ!)
 れろれろれろれろ・・ちゅぅぅぅ・・れーーろれーーろ
「うっ・・両方ともいいぞ、衣!!優希!!」
亀頭を銜え込み、舌を乱暴に動かしながら尿道を吸い上げる優希、衣もそれを邪魔する気は無いのか竿や裏筋の部分を舐めるのに集中していた。
二人の舌技にさきほどの絶頂の残り、それらが重なり合い京太郎も早めに限界が近く感じた。
(京太郎が喜んでいるじぇ!)
(京太郎、気持ちよさそうだな・・・それにもうそろそろか)
 ただただ一心不乱舐める優希と多少余裕がある衣、だが優希も衣も好きな相手に快楽を与えている事に興奮して喜びを覚えていた。
 ちゅぅぅぅぅ・・・ぺろーーん
 優希が尿道を吸い上げ、衣が裏筋を舐め取った瞬間、京太郎は限界に達した。
「い、いくぅぅ!」
 ドクゥゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥン!!ドクゥゥゥゥゥン!!
(あっ、京太郎気持ちよさそだじょ・・うっ!?)
 優希も京太郎が射精したことは認識したが、想像以上の勢いと量に・・。
(うっぷ・・く、くるじい・・・)
「ぷはぁ!?」
 押さえきれずに優希の口から、射精の最中にあるペニスが飛び出す。
 ドゥゥクン!ドクゥゥゥン!!
 射精は止まらず、優希と衣の髪の毛や顔に降り注いだ。
(耐え切れなかったか、まあ初めてでは致し方あるまい・・)
「熱いな・・ふふ」
 冷静に観察しながら、降り注ぐ精液の熱を楽しむように衣は笑っていた。
(こ、これって確か飲み込むんだ・・じょ?)
 衣のしていた時の事を思い出して、口内に残る精液を飲み込もうとする優希・・・だったが。
「う、うげぇぇぇ、ま、まずい、それに臭い・・」
 精液独特の味と臭いに飲みきることが出来ず半分ほど吐き出してしまう。
「別に無理して飲まなくてもいいだぞ・・」
 テッィシュを数枚とって、優希に手渡す京太郎。
「ううっ、ご、ごめんだじょ」
 謝りながら、受け取ったティシュで口を拭い、自分が吐き出してしまった精液を拭き取る優希。
「でも、飲もうとしてくれたのは嬉しかったぞ」
 不味いものを無理してでも飲もうとしてくれた事を喜び、京太郎は優希の頭を優しくなぜた。
「うっ・・」
「どうだ、京太郎が喜んでくれているとわかると、においも味も好きなってこないか・・」
 衣に耳打ちされ、ティシュに染み付いた精液の臭いを嗅いでみる優希、すると先ほどよりは嫌な気分にならなかった。
「少し好きになれそうだじょ、京太郎・・次はちゃんと全部飲むじょ」
「ああ、無理しない程度で頼むよ」
 誓いをたてる優希を見て苦笑しながらもお願いする京太郎。
「ふふ、これで京太郎も満足して・・へぇ?」
 降り注いだ精液を拭き取ることもせずに満足げな笑みの衣、だったが一箇所で視線が止まり黙り込んでしまう。
「うん、どうした、そんな・・えっ?」
 優希も同じ箇所を見て同じく固まる。
「うん、どうした二人とも?」
「きょ、京太郎・・それは・・その、あれなのか?」
 衣は京太郎のペニスを指差す、まだ硬そう勃起しているペニスを。
「そ、それって大きいままなのか?」
 優希もまだ大きいままのペニスに疑問を感じているようだ。
「えっ、ああ・・そのうち納まると思うから、衣も優希も疲れただろう休んでくれて良いんだぞ」
 四度の激しい射精の末、いまだ硬いままの京太郎のペニスに驚く衣と優希、二人ともかなり疲れていたのだが、京太郎の気遣いが二人のやる気に火をつけた。
「まだだ、まだ終われないぞ、衣は京太郎にも満足して欲しいんだ!」
「私も、私もだじょ」
「えっ、いや、満足はしているぞ」
 実際京太郎は満足していない訳ではない、ただ単に精力が強くてまだ萎えていないだけだ、だが衣と優希はやはり不満そうな表情を見せた。
「駄目だ、折角だから京太郎を大満足させるぞ片岡!」
「おう!」
「えっ、お、おい・・ちょっとまって・」
 京太郎の止める声も聞かず、衣と優希は京太郎に飛び掛った。

「はぁ・・はぁ・・はぁ、ようやく終わった」
「はぁはぁはぁ・・はぁ・・だじぇ」
 言葉通り性も根も尽き果てベッドの上に倒れこんでいる衣と優希は、自分達と同じく倒れこんでいる京太郎の小さくなっているペニスを見て、疲れながらも満足げな笑みを浮かべていた。
「はぁ・・ありがとう、そしてお疲れさん、衣、優希」
 労わりの言葉をかける京太郎に、なんとか息を整えながら指を折り回数を数える衣。
「ああ、本当に疲れたぞ、なにせ衣が六回で・・」
「私が四回・・・どんだけ無尽蔵なんだじぇ」
 思い出しながら少し厭きれる優希。
「でもすごい気持ちよくて大満足だぜ、ありがとうな衣、優希」
 起き上がって衣と優希にお礼を言ってそれぞれの頬にキスをする京太郎。
「ああ、それを聞けて、衣も大満足だ」
「えへへ・・照れるじょ」
 そのお礼に衣と優希は満足げな笑みを浮かべていた。
「ふぅ、これで片岡も」
「さっきから片岡って呼んでいるけど、優希でいいじぇ」
「名前で呼んで良いのか?」
「当然、だってころちゃんは京太郎の恋人いろんな意味で先輩だじぇ」
 笑いながら衣の事をオリジナルのあだ名で呼び、親しげに話しかける優希。
「こ、ころちゃん・・それはあれか、衣のあだ名か?」
「そうだじょ」
「しかしあだ名とは友達が呼ぶものではないのか?」
「京太郎の恋人同士って言うことは親友も同じ、それともころちゃんは嫌か?」
(いきなりあだ名はどうなんだろうか?)
「ううん、嫌じゃない、衣はあだ名で呼ばれるのは初めてだ、嬉しいぞ」
 京太郎の心配をよそに、衣はあだ名で呼ばれることを嬉しそうに受け入れる。
「よろしくなころちゃん」
「うむ、よろしく頼むぞ優希」
 どちらとも無く手を差し出し、友情の握手を交わす衣と優希、感動的場面だったのだが・・。
 ぐぅ~と衣と優希、二人のお腹が同時鳴る。
「うっ・・そういえば、今日はおやつも食べていないからな」
 おやつを食べていない上に、京太郎との激しい情交での体力と精力の消費、疲れて空腹になるのも仕方のないことだ。
「ケーキ食べ損ねたじょ・・・あっ、そうだ」
 残念そうなのも一瞬、優希は立ち上がり脱ぎ捨てたスカートの所まで歩いて行き、ポケットに手を突っ込んで中から二つの包み紙を取り出した。
「優希、それってまさか・・」
「タコスだじぇ、後で食べようと思って取っておいたのを思い出したじぇ」
 大好物のタコスを握り締め、嬉しそうにベッド戻ってきた優希は一つの包みを衣に差し出す。
「ほれ、ころちゃんにもやるじぇ」
「えっ、優希がタコスを・・・いいのか大好物だろう?」
 無条件のタコス進呈に驚く京太郎、前に自分が落ち込んでいるときに優希からくれそうになった事はあったが、他の時に貰うことなど無いほどの優希の大好物、優希はそれを惜しげもなく衣に差し出していた。
「良い・・のか、そんな好物を貰っても?」
 京太郎の反応を見て、受け取るか否か迷い優希の態度を見守る衣。
「もちろん、何せころちゃんとは京太郎の恋人同士で親友、だからこのタコスは友情の証だじょ!」
「で、では、ありがたく頂く・・・ありがとうな優希」
「良いって事よ、さぁ一緒に食べるじぇ」
「うん」
 包み紙をとってタコスを食べ始める衣と優希。
「冷めてもタコスはうまいじょ」
「うん、確かに美味しいなタコスは」
「そうだじぇ、ころちゃんもわかっているな、あはは」
 楽しそうに、そして美味しそうに食べている衣と優希を見て、自分も空腹であることを思い出すと、ぐぅ~と京太郎の腹の虫も鳴き始める。
「なんだ、京太郎も空腹なのか?」
「う~ん、タコスはこの二つで最後だじぇ」
 自分のタコスを見ながら、空腹の京太郎を気にする優希。
「いや、良いよ、二人で食べちゃって、俺はまだ我慢できるから」
 そう言うものの、腹の虫は正直に再び鳴いて空腹を訴える。
「・・・そうだ、優希」
「なんだじぇ、ころちゃん・・・・おおっ、それは良い作戦だじょ」
 衣に何かを耳打ちされると、優希もその案に賛同し二人は楽しそうに笑いあい、京太郎の前にタコスを差し出す、そして。
「あ~~~ん」×2
「えっ・・・?」
 二人同時のあ~んに戸惑う京太郎だったが、二人はそれも気にせずに続ける。
「あ~~~ん」×2
「あ~~ん」
 このままでは埒が明かないと判断した京太郎は、一口ずつ衣と優希のタコスを齧る。
「どうだ、京太郎」
「美味しいか?」
「・・ああ、美味しかったよ、ありがとうな衣、優希」
 礼を言い頭を撫ぜる京太郎と、それを受け入れて嬉しそうにする衣と優希。
「ふふ、どういたしましてだ」
「ふふ~ん、感謝するといいじぇ」
 この後三人は美味しく二つのタコスを食べきった。
 優希が京太郎の彼女になった翌日
「片岡優希完全復活だじょーーーー!」
 部室で靴を脱いで椅子の上に立ち、腕を突き上げて高らかに他の部員に宣言する優希。
「復活したのね、良かったわ」(どうやら須賀君のこと振り切ったみたいね)
「ほんに、よかったの」(強がっとる訳じゃなさそうじゃの)
「復活したのは良いけど、ゆーき椅子に立つのは止めた方がいいですよ、危ないですから」
(落ち込んだ雰囲気も無くて、立ち直ったみたいで本当によかった・・)
「復活おめでとう、優希ちゃん」(これで、京ちゃんと衣ちゃんはみんな公認の恋人か・・)
 心配していた分、しっかりと立ち直った優希に拍手と祝福の言葉が送られる。
「どもども、ありがとうだじぇ・・おっと!?」
 ぺこぺことみんなにお辞儀をした優希だが体勢を崩して椅子から落ちる。
「ゆーき!?」
「おっと!」
 優希を助けようとして和が立ち上がるが、先に立っていた京太郎が優希を受け止める。
「おっ、ありがとうだじぇ、京太郎」
「はぁ~気をつけろよ」
 礼を言う優希を、そのまま椅子に座らせる京太郎は少しあきれながら耳打ちをした。
「・・昨日の今日だから、少し痛くて動きづらいんだろう?」
「あっ・・そ、その通りだじょ」
 京太郎に指摘されたとおり、優希は昨日の痛みが残っており自分でも動きづらさを感じていた。
「たくぅ・・あんまり無茶するなよ」
「うん、ありがとうだじぇ京太郎」
 恋人を心配する京太郎と、心配されて少し照れくさそうにしながらも嬉しそうな優希。
 それを見ていた久、まこ、和、咲は全員首を傾げる。
(どう見ても恋人よね・・ま、まさか別れたとか?)(恋人に見えるが・・まさかなぁ・・)
(凄く仲良く見えますが、きっと一つ問題が解決して仲良くなっただけですよね)
(なんだろう京ちゃん凄く優しい目で優希ちゃんを見ている気がする・・・まるで恋人を見るような、そんな・・・まさかね)
 よもや二人目の彼女などという選択肢があったなどと、想像すらできない四人は少々困惑気味だった。
「ね、ねぇ優希、その・・・天江さんを須賀君の恋人として認めているのよね?」
 どうしても疑問が解けない久は少し遠まわし気味に、優希に訊ねた。
「当然、ころちゃんは京太郎の恋人だじぇ」
「こ、ころちゃん・?」
「衣だからころちゃんって・・・」
いきなり飛び出したあだ名と、迷うことなく笑顔で答えた優希を見た四人は話し合いを始める。
「いまのって、どうなの、まこ?」
「な、なんでわしに振る、ほれあれじゃ、殴り合いの後に・・」
「殴りあいなんてしてないわよ?
「と、兎に角、同じ男を取り合った末に新しい友情が生まれたんと違うか!?」
 よく分からない例えをしようとしたところに冷静につっこみを受け、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら叫ぶように答えたまこ。
「よくはわかりませんが、ゆーきが元気になってくれてよかったと思います、けど・・」
「う、うん、そうだね、でも・・・」
(あの視線はいったい?)×4
 結局疑問が解けぬまま、首を傾げるしかない四人であった。
 そして京太郎と優希はというと・・・。
「これからも、ううん、これから改めてよろしくだじぇ、京太郎」
「ああ、こちらこそよろしく頼むな、優希」
 そんな四人をよそに、仲良さそうに恋人としての挨拶を交わすのだった。
 終わり
最終更新:2012年03月01日 02:55