純なる想いを叶える智 衣×京太郎×智紀×純 衣の人
第4局>>400~>>457


   「珍しく純が食べ物にも手を付けず机に突っ伏していると思えば、まさかそんな大事があったとは・・ふぅぅ、驚きましたわ」 
    日も変わり、純と智紀が京太郎の恋人となった翌日の龍門渕高校麻雀部にて、部室に来た透華が最初に目にしたのは、机の上にある食べ物にも手を出さず、机に突っ伏している純の姿であった。 
    それを見て、少なからず異常を感じた透華は、近くに座る智紀に何があったのかを訊ねると、智紀は特に戸惑うことも迷うことも無く、素直に昨日の一部始終を話し、それを聞いた透華が納得したところで、先ほどの言葉が透華の口から出たのである。 
   「でも、純がへたばっているのに智紀は平気なんだね?」 
    首を傾げながら、透華の隣に立つ一が智紀にそんな疑問を投げかけた。 
   「平気ではない、私も昨日の疲れはまだ残っている、ただ純が私よりも疲れているのは昨日純が私よりも多く回数をこなしていたから、私は二回だったけど、純は三回だった」 
   「京太郎さんとの情交が凄まじいのはわかりますわ、でも一回でここまで差は・・」 
    二人の体力差を考えてか、智紀の説明に今一つ納得がいかない様子で首を傾げる透華。 
   「今の回数は京太郎に膣内に射精してもらった時のもの、達した回数は別で私はフェラの時も含めて四回、純は・」「それいじょう言うんじゃねぇぇぇ!!」 
    透華の疑問に答えようとする智紀であったが、それは先ほどから机に突っ伏して話だけは聞いていた純によって止められた。 
   「あら純、起きていましたの?」 
   「はぁぁ、たくぅ・・自分の初体験の話を聞かされながら眠れるかって・・」 
    眠っていたと思っていたのか、それともわざとか、ほんの少しだけ驚きを見せる透華に対し、溜め息をつきながら愚痴を漏らす純。 
   「あはは・・確かに恥ずかしいよね、ごめんね純」 
   「赤の他人や、男性ならばまだしも・・ここにいるのは京太郎の恋人ばかり、特に問題は感じない」
   「智紀の言うとおりですわ、それに京太郎さんとする時は見られながらも多いですのよ、話された位で一々気にしては京太郎さんの恋人など務まりませんわ」 
    苦笑しながら謝る一だけで、智紀は何故話すのが悪いのか分からず首をかしげ、透華にいたっては些細な事と相手にした様子も無い。 
   「はぁぁ、あのな・・確かに、京太郎には恋人も多いのはわかるし・・たぶん情交のときは複数ですることが多いだろうけどよ、あれを一人で治めるのは・・なんていうか、その・・」 
    溜め息をついて反論しようとする純であったが、透華の言葉に昨日の事を思い出したのか、頬を染めて体をぶるっと震わせ、最後に言葉は篭ってしまう。 
   「はっきりしませんわね・・男らしくはっきり言いなさい!」 
   「あ、あのな、俺はおん・」 
    純の態度を見て透華は苛立ち、はっきり話す様に男と言う言葉を強調する、正しそれに一番反応を示したのは当の純ではなく。 
   「透華、それは違う、純は男の子っぽいところもあるけど、凄く女の子」 
   「と、智紀・・」「えっ、なんでだ?」「あら、智紀・・女だというのは知っていますわ、でも純のどこが女らしんですの?」 
    智紀であった、さすがに智紀に言われるとは思っていなかったのか、一も純も驚いた表情であったが、透華だけは冷静そうにどこが女らしかったのかを智紀に問う。 
   「京太郎に可愛いとか褒められた時とか、京太郎に突かれて感じてイク時の顔とか声とか・・こんな風に」 
    智紀は手に持ったブック型のパソコンを少し弄り、透華達の方にディスプレイを向けた、するとディスプレイには。 
   『ひぐぅぅぅぅ!!きょうたろうのおっきいのぁぁぁぁ!!おれのなかであばれているぅぅぅぅぅ!!』 
   「ぶぅ!!」「これは確かに、凄いですわ」「うわぁぁ、本当だ・・凄く女って言うか・・雌って言うか・・」 
    後ろから京太郎に突き上げられて絶頂に達する純の姿が、横から音声つきでばっちり映っていた。 
   「な、なななな、なんだよこれぇぇ!、なんでこんなモン撮っているだよ、嫌がらせか!?」 
    すぐさま智紀に詰め寄る純、しかし興奮している純とは違い智紀は落ち着いた様子でこう答えた。 
   「もし本当に京太郎が衣を騙していて、これからも出す気だったら証拠を撮っておこうとうごかしていて、そのまま忘れていた」 
   「うっ、そ、そうか・・それなら仕方ないけど・・いや、でもよ、なんで残しているんだよ、直ぐに消せば良いだろう!?」 
    理由が理由の為か少し怒る気が削がれた純だが、恨めしそうな目と声で残している理由を尋ねると、智紀はまたしてもあっさりと答える。 
   「京太郎と純が初めて結ばれた時の映像、二度とは無い大切な思い出だから消すのは聞いてからと思って・・」 
   (た、確かに・・初めては一回だけだから消せば二度と見られないか・・)「お、思い出ね・・まあそれはそうだけどよ、でも・・ほら当然智紀も映っているんだろう、自分のだと恥ずかしくてつい消したくなったとかは・・?」 
    思い出と言う言葉に消すのが惜しくなってゆく純、しかし恥ずかしさも残っており自分と同じく撮られていたであろう智紀は、自分と同じく恥ずかしくて消してしまいたくならなかったのか訊ねると。 
   「残念ながら私の音声だけだっだ、仕方ないから音声だけ抜き出したけど・・聞く?」 
   「いや遠慮する・・はぁぁ」(智紀はそう言うの、好きな方だったのか・・) 
    悔しそうにする智紀を見て、消せという気力も無くなったのか純は溜め息をついて肩を落とした。 
   「ああっ、純・・体を震わせて・・」「当然ですわ、京太郎さんの射精を膣内で受ければ私や一だって、このように・・」 
   「だぁぁぁ、お前らは何時までも見ているんじゃねえよぉぉ!、って言うか智紀も、もう人に見せるんじゃねぇぞ・・」 
    純は机に置かれたブック型のパソコンを取り上げて閉じたかと思うと、注意しながら智紀に渡す。 
   「わかっている、これからは京太郎以外に見せるときは純の許可を貰う」 
   「いや京太郎にも・・いや、まあ・・京太郎なら良いか・・」 
    自分の初体験を見られるのは恥ずかしいが、恋しい人が自分との初体験を見たがっていると思うと、悪い気がせず否定できない純であった。 
   「ふぅぅぅ、確かにあの純は凄く女らしかったですわ」 
   「う、うん、あんなのを見せられたら・・もう男らしくとは言えないよね・・」 
   「あんまり・・嬉しく無いぞ・・はぁぁ」 
    映像を見て興奮したのか透華も一も少し頬を染めながら、純が女らしいことを認めた、だが恥ずかしい映像を見られた純は、認められても素直には喜べず肩を落として大きく溜め息をついた。 
   「あら純、さっきよりも疲れている様子ですわね・・本当に大丈夫ですの?」
   「はぁぁ、疲れさせているのはお前だろう・・って言うか、もともと疲れているのも、あんな恥ずかしい思いをしたのも透華、お前が原因だろうが・・」 
    純の顔色を見て心配した様子を見せる透華、純はもう一度大きく溜め息をつくと、恨めしそうに文句を言う。 
   「あら、私と京太郎さんの電話を勝手に聞いて勘違いして、確かめもせず勝手に動いたのは誰でしたかしら?」 
    純の恨み言に対して自分に非が無いこと主張する透華。 
   「た、確かに、それは悪かった・・でも俺等だって、もしかしたら衣が悲しむことになるんじゃないかって、心配で・・それで透華も騙されていて、衣を傷つけたら後悔するんじゃないかって心配で、それで・・」 
   「勝手に動いたことは謝る、でも衣も透華も私たちにとって大切な人、だから凄く心配だった」 
    盗み聞きをして、思い違いで動いてしまったのは本当の事で、何一つ言い訳をしない純と智紀であったが、ただ衣と透華を大切に思っていることだけはしっかりと告げる。 
   「私が衣の悲しむような真似をする訳ありませんわ、純も智紀も全然わかっていませんわ!」 
   「うっ・・」「・・・はぁぁ」 
   「と、透華・・それは流石に言いすぎなん・・」 
    透華の言葉にうな垂れる純と智紀、見かねた一がフォローを入れようとするが。 
   「ま、まあ・・驚かせようとして、京太郎さんと恋人関係になっていたことを言わずにいた私にも落ち度はありますから、そ、それについては謝罪しますわ・・余計な心配をかけて、すみませんでしたわ」 
   「あっ、ああ・・いや、俺らも悪かったな、盗み聞きしてよ」「ごめん・・なさい」 
    大切といわれて嫌な気分はしない透華は、自分の非も認めて純と智紀に謝罪すると、純と智紀も盗み聞きしたことを謝罪する。 
   「透華・・・、智紀、純、僕もごめんね黙っていて、僕が話していたらこんな風にならなかったのに・・」 
   「良いって、それに一から聞いていたら、こんな風に恋人になれたのかわからないし」 
   「うん、結果が良かった、私も恋人なれて嬉しかったから・・終わりよければすべてよし」 
    透華に続いて謝罪を口にする一であったが、純も智紀も今の状態が良いようで、起こることも無く一を許した。 
   「これで黙っていた件については、今後言わないと言う事で・・よろしいですわね?」 
   「ああ、わかっているよ」「了解した」「うん」 
    念の為に確認する透華に同意する純と智紀と一、これでこの話も終わり話題が違うことに移ると思いきや。 
   「はぁぁ、でもよ・・本当にびっくりしたぜ、衣以外に恋人が居るって聞いた時には、しかも衣が認めているって聞いた時にはよ」 
   「あら、また蒸し返しますの?」 
    話題が戻るのかと思い、さきほどの言葉を聞いていなかったのか言いたげな非難する視線を純に送る透華、それに気付いた純は慌てて首を大きく左右に振る。 
   「いやいや、そうじゃなくてよ、透華や一だけじゃなくて、人数もそうだけど、あのタコス娘・・片岡も、恋人だって言うじゃないか、だから驚いたぜ」 
    単純に人数とその面々に驚いただけだと話す純、それを聞いて一と透華も納得した様子で頷いた。 
   「そうだね、僕も宮永さんと衣と京太郎君が最初にしているのを見た時は凄くびっくりしちゃったよ」 
   「私も五人目と言われた時は・・かなり驚いてしまいましたわ、しかし京太郎さんはちゃんと其々を愛して大事にしてくださいます、ですからたとえ他に誰が居ようとも私は京太郎さんを愛するだけですわ」 
    自信満々、余裕たっぷり、自分が五番目と聞いた当初は驚き焦っていた透華であったが、今や誰の名前を聞こうとも焦る気配は無い。 
   「おっ~凄い自身だな、まあ・・俺も智紀も京太郎には良い印象持っていたからな、衣が許しているなら・・加わっても大して驚かないか」 
   「それだけじゃない、もう透華が一番気にするであろう、原村和も加わっている・・だから他に気にする相手も居ない」 
   「当然ですわ、ほほっ・・うん、原村和・・何故智紀は原村和の名を挙げたんですの?」 
    感心と言うよりは納得した様子を見せる純と智紀に、余裕の高笑いをしようとした透華であったが、聞こえたライバル視している和の名に目の色が変わり智紀に問いかけると、純と智紀が互いの顔を見合わせて首を傾げる。 
   「なぜって・・透華だって知っているだろう、原村和も京太郎の恋人だった」 
   「い、いいい、何時の間に!?」 
   「原村和が六番目で、私が七番目で純が八番目だから、透華がなった後で私達が告白する前」 
    冷静に淡々と透華の問いに答えてゆく智紀、すると透華の表情は先ほどの余裕から一転して落ち着きは消え驚きに染まる。
   「そ、そんなわ、私と原村和がお、同じ殿方のこ、恋人!?」 
    なにやら衝撃を受けている透華を横目に、椅子から立ち上がり体を乗り出して話を始める智紀と純。 
   「な、なぁ・・もしかして、透華は知らなかったのか・・原村和が巨京太郎の恋人の一人だって・・」 
   「あの態度から見るに用意に想像がつく、それと・・そこで苦笑いを浮かべている、一は知っていたと言う事も・・想像がつく」 
    智紀が一を見れば、それに続いて純も一を見る、見られた一は苦笑を続けながら立ち上がり二人の会話に加わる。 
   「実はね衣に聞いていたんだけど、その・・透華ここ数日忙しそうだったから、それで・・」 
   「黙っていたと・・」「衣にも黙っていてもらった・・」 
    純と智紀の言葉に小さくこくりと頷く一、とは言え二人とも一を責める気にはなれない、むしろ今の透華を見る限りははじめの行動が正しいものだと思えた。 
   「あっ~もう、ここで考えていても埒が明きませんわ、ハギヨシ!」 
   「はい」 
    頭を掻き毟って考えるのを止めた透華が名を叫ぶと、ハギヨシがどこからともなく姿を現した。 
   「車の用意を、それと衣も呼んできてくださる」 
   「はい、直ぐに準備をいたします」 
    透華が指示を出すと、ハギヨシはまた何処かに姿を消した。 
   「何をしていますの、貴方達も準備なさいな」 
   「えっ、な、なんだ・・・何処か行くのか?」「この状況で行くとしたら一つだけ」 
    純は透華がどこに行こうとしているか分からない様子であったが、智紀はすぐさま透華が何所に行こうとしているのか理解する、そして一が目的地と思われる場所の名を告げる。 
   「清澄高校麻雀部、京太郎君のところだね」 
   「ええ、こうなったら、京太郎さんと原村和本人から、直接話を聞かなければ気がすみませんわ」 
   「いや、まて・・別に直接聞かなくても・・」 
    気がすまないと言う理由で押し掛けることに抵抗を示し、止めようとする純だったが。 
   「いいえ、京太郎さんにお聞きしなければ気がすみませんわ、それに・・純と智紀は昨日も一昨日も逢っているのだから良いでしょうけど、私はもう五日も・・はぁぁ、兎に角行くと言ったら行くんですわ!」 
   「そ、そうか・・まあ、仕方ないか」(な、なんだよ・・聞きたいっていうよりは、逢いたいっていうのが本音か・・なら仕方ないか・・) 
    和の事が気にしているのは確かであろう、しかしそれよりもそれを理由に逢いたいと言うのが透華の本音であろう、そんな本音を見抜いてしまった純は途端に止める気も失せてしまった。 
   「そうですわ、さぁ、行き先が分かったのなら早く準備なさい、これから私達の愛おしいお方に会いに行くのですから、少しでも綺麗にしておかないといけませんわ」 
    折角恋人に会えるのだから、身嗜みを整えるように言い聞かせる透華、しかし当の本人も。 
   「透華、さっき頭を掻き毟ったから髪が崩れているよ」 
   「うっ、私としたことがはしたない姿を京太郎さんにお見せしてしまうところでしたわ・・こほん、では一あちらで身支度を整えますわよ」 
    自分の事を失念していた透華は、少し頬を染めると咳払いを一つして、気持ちを切り替え一に髪型を直すように命じる。 
   「はい、了解しました、透華お嬢様、ふふ」「もう、嫌ですわ一ったら・・ふふ」 
    楽しげに笑みを浮かべながら一と透華は、身支度を整えるために部屋を後にした。 
   「はぁぁ、行っちまったか・・でも本当に良いのか・・さすがに全員で行ったら迷惑なんじゃ」 
   「なら、純はここに残る?」 
    京太郎に迷惑が掛かるんじゃないかと心配する純に、不敵な笑みを浮かべながら問いかける智紀。 
   「うっ、そ・・それは・・」 
    即答できない純、それは迷惑だと思う一方で透華と同じ気持ちを抱く部分もあるからであろう。 
   「ふふ・・ごめん、意地悪なことを言って、純の心配もわかる、でも透華の気持ちも良く分かる・・それに私も逢いたいから・・京太郎に」 
   「はぁぁ、言われなくてもわかるって、お、俺だって同じ気持ちだからよ・・」 
    意地悪をしたことを謝り素直に自分の気持ちを話す智紀に、純は溜め息をつき恥ずかしそうにしながらも智紀の言葉に同じ気持ちである事を認めた。 
   「なら・・」「行くに決まっているだろう!、お、俺だって逢いたいからな・・」 
    もう一度智紀が問おうとする前に、一度認めて開き直ったのか純は自分の決意を高らかに宣言する頬を赤く染めながら。
   「うん、それで良い『素直になれば京太郎はもっと愛してくれる』って、アドバイスを貰ったから・・」 
   「誰に・って、衣しかいないか・・ふぅ、それじゃあそのアドバイスにしたがって行くか」 
   「うん、私もそうする」 
    問いが終わる前に自分で答えを導き出した純が、アドバイスを素直に受け入れる事を決めると、智紀もそれに同意する。 
   「純、智紀、何をしていますの、行きますわよ!」 
   「はぁぁ、やれやれ・・それじゃ行くか」「うん」 
    準備がすっかり終わった透華の自分達を急かす声が聞こえると、純と智紀は互いに見合い、そして。 
   「大好きな恋人に逢いに!」×2 
    声を重ねて、部屋を飛び出した。 
     終わり。
最終更新:2012年01月22日 19:43