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沖縄タイムス:国に根強い軍命否定論/氷山の一角か

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pipopipo555jp

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http://www.okinawatimes.co.jp/day/200801161300_02.html
2008年1月16日(水) 朝刊 23面

国に根強い軍命否定論/氷山の一角か



沖縄戦で起きた「集団自決(強制集団死)」に関し、防衛研究所が所蔵する複数の資料に戦隊長命令を断定的に否定する見解が付されていることが明らかになった。中には復帰直後の時期に「(戦隊長命令は)事実のねつ造」と強いトーンで書かれたものもあり、三十五年以上前から政府・防衛庁(当時)内に「軍命否定論」が根強く存在していることがうかがえ、問題の底流にあると言えそうだ。

 防研には約十五万冊の戦史が保管されており、これまで判明した部分は「氷山の一角」の可能性が高い。図書館史料室は「すべての資料をチェックするのは不可能だ」と認めており、利用者に予断を与える見解がさらに多くの資料に付されているとみられる。

 今回、問題になったのは、資料を作成した担当者が入手の経緯や日付、出典などを記す「経歴表」の内容だ。

 本来は閲覧する研究者などの参考になるよう、資料保存の価値判断を示す目的で付されているが、「早く言えば軍誹謗の記事」など、明らかに事実関係の評価と受け止められる記載がある。

 防研側は「記述者個人の見解」「利用者の大半は専門家で予断は持たない」などと強調するが、一般の利用者からすれば、組織的に認められたものだと判断する危険性は高い。資料を広く一般公開している以上、「普通の市民」の目線で収集、保存に当たる必要があるのではないか。

 「集団自決」のように事実関係の評価が専門家の間でも分かれている事案であれば、なおさら慎重な判断が求められる。

 閲覧者向けの必要最低限のデータを提供し、歴史認識は利用者(国民)の判断に委ねるという、基本原則を徹底する必要がある。(東京支社・吉田央)
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