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沖縄タイムス:『軍強制認めず・教科書検定緊急インタビュー』仲里利信・県民大会実行委員長

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http://www.okinawatimes.co.jp/spe/syudanjiketsu/kinkyu_interview03.html
軍強制認めず・教科書検定緊急インタビュー(3)

仲里利信県民大会実行委員長 (12月29日朝刊社会27面)


超党派行動 長期視野で
官僚抵抗 怖い改ざん

 ―記述訂正への文科省の対応を「八十点」と評価した。

 七十点を「評価に値しない」落第点に設定した。落第にするか、及第点ぎりぎりの八十点にするのか迷った。落第点をつけて抗議したところで、教科書印刷のタイムリミットが迫り、「いまさら何ができるのか」と考え込んだ。

 訂正申請で「日本軍」の主語が回復し、捕虜になることを許さなかった軍の方針の説明や、「追いやられた」と強制性を示す記述も認められた。

 渡海紀三朗文科相が、教科書会社からの訂正申請を受け入れる姿勢を示したことは、教科書検定の誤りを認め、検定意見の撤回に踏み出したことだとも考えた。

 文科相か首相が、今後、沖縄戦についての教科書記述を改ざんさせないための談話を出せば、実質的な検定意見の撤回になると思い働き掛けた。文科相や首相が教科書検定について誤りを認めるニュアンスでコメントを出すという話を聞いたので「八十点」にした。

 実際にはそういう中身の発言はなく、もう少し厳しい点数になるかな。

 ―十一月以後、県民大会実行委の動きが止まった。

 集会の開催や、何度も東京で要請行動をとの意見もあった。二度の要請行動で沖縄の意思はしっかりと伝えてあり、文科省を何度も訪ねて圧力をかけるようなことをするよりは、教科用図書検定調査審議会などの良識に訴えたいと静観した。

 要請行動をするにしても、文科省や審議会が教科書会社からの訂正申請にどのように動いているのかの情報がなく、訴えが弱くなると考えた。

 ―超党派での実行委の活動をどう続けるのか。

 実行委の中にも多様な意見がある。県選出の自民党国会議員でつくる「五ノ日の会」は、文科省の対応を「これでよし」とし、野党は「よしとしない」としている。だが「これでよし」といったことと、実行委を離脱することは別だ。一致点を見いだして、超党派での行動を続けていきたい。

 検定意見が残されたままでは、将来、教科書の「集団自決」の記述が改ざんされるのではと怖さを感じている。文科省の官僚は検定意見撤回に強い抵抗を示しており、長い取り組みが必要だ。どのような形で活動を続けていくのか、悩ましい。(聞き手=社会部・吉田啓)
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