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沖縄タイムス:『軍強制認めず・教科書検定緊急インタビュー』安仁屋政昭沖国大名誉教授

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http://www.okinawatimes.co.jp/spe/syudanjiketsu/kinkyu_interview02.html
軍強制認めず・教科書検定緊急インタビュー(2)

安仁屋政昭沖国大名誉教授 (12月28日朝刊社会25面)

「美しい死」へ読み替え
軍の影響「関与」超える

 ―訂正申請の結果は、沖縄戦研究を反映しているか。

 検定は、一九七〇年代以降の沖縄戦研究の成果や記録の蓄積を無視している。日本軍の強制を書かなければ「集団自決(強制集団死)」は、沖縄戦の実態をゆがめ、文字通りの集団自決になる。しかし「集団自決」は、軍の強制によって、肉親同士が殺し合いをしたのが実態だ。なぜそのようなことが起こったのか、それは軍の強制があったからだ。

 そのことは、戦争体験者が苦痛を乗り越えて語った心からの叫びに、研究者や報道が、真正面から向かい合って、明らかにされてきた。

 「集団自決」から軍の強制が除かれれば、住民が自主的に死んでいった、美しい死、祖国を守るための死へと、読み替えられる。沖縄から、厳しくそのことを問わなければならない。

 ―「集団自決」は、皇軍(日本軍)と住民の関係の中で起こったと強調してきた。

 天皇の軍隊である皇軍の本質とは、天皇制を守ることで、住民を守ることではない。

 沖縄戦の直前のミクロネシア、サイパンの戦闘で、皇軍は住民を守ってはいない。沖縄戦は本土防衛の盾というが、実際は、本土の人々を守るためでもなく、天皇制を守るための時間稼ぎだった。沖縄戦の後、日本側の本土決戦の方針に対し、米軍は南九州や関東に上陸する作戦を立てていた。そこで地上戦が起これば、やはり本土でも、住民は守られず「集団自決」や住民をスパイ視した虐殺が起きていたはずだ。

 軍隊は、住民を守らないという視点から、「集団自決」とスパイ視虐殺は同質同根のものであると、繰り返し主張されなければならない。

 ―「集団自決」に対する軍命、強制について、沖縄戦研究が明らかにしたものは何か。

 当時の沖縄の状況は、米軍によって海と空が封鎖されていた。軍事の概念では「合囲地境」といわれる状況で、皇軍が支配する軍政だった。そこに民政はなく、住民はそのような中で、軍命によって支配されていた。そのような大枠を理解すれば、とても皇軍が「関与」するにとどまったとはいえない。(聞き手=編集委員・謝花直美)
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