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文部科学省:高等学校日本史教科書に関する訂正申請について(沖縄戦関係)[文部科学大臣談話]

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高等学校日本史教科書に関する訂正申請について(沖縄戦関係)[文部科学大臣談話]


  1. 平成18年度に検定決定した高等学校日本史教科書の沖縄における集団自決に関する記述の訂正申請について、本日、教科用図書検定調査審議会から、訂正を承認することが適当との意見をいただいた。
  2. 今回の対応に当たっては、申請された訂正文等の承認に際し、専門的・学術的な見地からの検討が必要と考え、同審議会の意見を聞くこととした。
    これは、検定済教科書にかかる訂正申請の承認を行うに際して、必要に応じ教科用図書検定調査審議会が専門的な事項等について調査審議するという教科書検定制度に基づき、対応したものである。
  3. 教科用図書検定調査審議会においては、次のような審議が行われたとの報告を受けている。
    1. 審議会における審議では、客観的・専門的見地から詳細に調査審議を行うため、沖縄戦、沖縄史、軍事史等の専門家計9名から、文書意見の聴取を行った。
    2. また、審議の過程では、平成18年12月に付した検定意見の趣旨等を確認し、それを勘案しつつ、専門家から提出された文書意見等を踏まえ、「訂正文の内容等を調査審議するに当たっての沖縄戦及び集団自決に関する日本史小委員会としての基本的とらえ方」を整理した。
    3. 各発行者から申請がなされた各々の訂正文の内容等については、この「基本的とらえ方」に照らして調査審議を行い、その結果、訂正を承認すべきとの意見を文部科学大臣に提出した。
  4. 私としては、このような慎重かつ丁寧な審議を経て出された審議会の意見を尊重し、今回の訂正申請に対して速やかに承認の決定をしたいと考える。
  5. また、このような審議の経過や内容等については、審議の透明化が図られるよう、できる限り公表する必要があるとの教科用図書検定調査審議会の判断に基づき、同審議会第2部会日本史小委員会として「平成18年度検定決定高等学校日本史教科書の訂正申請に関する意見に係る調査審議について」の報告がなされ、これを公表することとした。
  6. もとより歴史教科書の検定は、国が特定の歴史認識や歴史事実等を確定するという立場に立って行うものではなく、申請のあった教科書の具体の記述について、その時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして、欠陥を指摘することを基本として実施するものである。今回の訂正申請への対応についてもこの考え方に基づき実施されたものであると認識している。
  7. 沖縄における集団自決に関する記述の教科書検定にかかる一連の過程においては、審議における透明性の向上や専門的見地からのきめ細やかな審議の必要性など様々な事項が指摘された。このことも踏まえ、検定手続きの改善方策について、今後、教科用図書検定調査審議会において検討を開始し、来年夏頃までを目途に一定の方向を示していただきたいと考えている。
  8. 沖縄戦は、住民を巻き込んだ国内最大の地上戦である。多くの人々が犠牲になった悲惨な戦いであり、歴史の教訓を決して風化させることのないようにと願う沖縄県民の思いを重く受け止め、これからも子ども達にしっかりと教えていかなければならないと考える。文部科学省としては、沖縄戦に関する学習がより一層充実するよう努めてまいりたい。

平成19年12月26日
文部科学大臣 渡海紀三朗

(初等中等教育局教科書課)
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