「強制」認めよと抗議集会 検定審に評価割れる沖縄
2007年12月27日 22時07分
沖縄戦の「集団自決」をめぐる教科書記述に抗議し、集会で発言する参加者=27日夜、那覇市の沖縄県庁前広場
沖縄戦の「集団自決」をめぐる教科書検定審議会の結論に、沖縄県内で評価が割れている。平和団体や教職員組合は27日、「軍の強制」という直接的な文言を避けた決着に抗議する集会を那覇市で開いた。
県民ら約300人が参加した集会で琉球大の山口剛史准教授は「結局、文部科学省は何も認識を変えていないことが分かった」と批判。「いくら背景記述を増やしても、軍は住民を守らず死に追いやったという一番書かれるべきことが書かれていない。『軍の強制』を文科省が認めるまで運動を続けよう」と訴えた。
一方、9月に開かれた沖縄県民大会の実行委員会は、検定審の結論が出た26日、都内で記者会見し「不満は残るが記述はほぼ回復され、検定意見は事実上撤回されたと理解する」と一定評価する見解を表明。28日午後、那覇市内で会合を開いて最終的な評価や今後の対応を協議する。
(共同)