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産経:【主張】沖縄戦集団自決 禍根を残した“二重検定”

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http://sankei.jp.msn.com/life/education/071227/edc0712270306001-n1.htm
【主張】沖縄戦集団自決 禍根を残した“二重検定”
2007.12.27 03:06

 沖縄戦集団自決をめぐり、教科書会社から出されていた訂正申請が、検定審議会で承認された。検定前の記述が一部復活し、検定制度が損なわれかねない結果を招いた。

 当初の検定意見は、集団自決が日本軍の命令によって強制的に行われたとする誤った記述に対して付されたものだ。しかし、その後の訂正申請では、「強制集団死」「強制的な状況」といった記述が認められた。これでは、検定は何だったのかとの疑問を指摘されてもやむを得まい。

 文部科学省は訂正申請を認めた理由を「住民の側から見て心理的に強制的な状況のもとで、集団自決に追い込まれたと読み取れる」などと説明しているが、国民には分かりにくい。

 そもそも、訂正申請は誤字・脱字などに対してのみ認められ、検定意見にかかわる訂正は許されていない。それについて、検定審が開かれた前例もない。しかし、今回は、沖縄県議会で検定意見の撤回を求める意見書が採択されたり、同趣旨の県民集会が開かれたりしたため、検定審で訂正申請をめぐる異例の再審議が行われた。

 審議会には、沖縄戦に詳しい専門家9人の意見書が提出され、日本史小委員会だけで7回も開かれた。事実上の“二重検定”であり、それ自体、検定制度を逸脱している疑いが強い。

 教科書会社は最初、検定前の記述に戻すような訂正を申請したが、この検定を全く無視した申請は文科省も認めず、「集団自決に至った背景・要因」など多角的な記述を求める見解を示したうえで、再申請を求めた。この段階では、当初の検定意見を貫きたいという文科省の意向もうかがわれた。

 しかし、その結果、各社とも、沖縄戦集団自決に関する記述が異様に膨らみ、まだ米軍来攻が予測されていなかった時期に自決用の手榴弾(しゅりゅうだん)が配られたという住民の不確かな証言まで、教科書に載ることになった。

 「侵略→進出」の誤報で揺れた昭和57年の教科書問題で、沖縄戦の記述も問題とされたが、当時の小川平二文相は「正誤訂正(訂正申請)には応じない」とした。渡海紀三朗文科相もこの前例にならうべきだった。検定に対する不服申し立てを一部でも認めるような誤った対応を、二度と繰り返してはならない。
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