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岩波訴訟 大江氏「集団自決」軍命と認識、訂正拒否

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岩波訴訟 大江氏「集団自決」軍命と認識、訂正拒否


 【大阪】沖縄戦中、渡嘉敷・座間味両島で起きた「集団自決」(強制集団死)をめぐり、日本軍の隊長命令で住民が自決に追い込まれたとする書籍の記述は誤りで名誉を傷つけられたとして、元戦隊長らが岩波書店と「沖縄ノート」の著者で作家の大江健三郎氏(72)を相手に出版差し止めなどを求めた訴訟は9日、大阪地裁(深見敏正裁判長)で原告・被告双方の本人尋問が行われた。大江氏は「集団自決」が「日本軍―第三二軍(沖縄守備軍)―島の守備隊というタテの構造の強制力によってもたらされた」と述べ「日本人の軍隊の命令」との認識を強調。「軍の命令や強制という事実について著書を訂正する必要は認めない」と述べた。

 訴訟は12月21日に双方が最終弁論を行って結審し、来年3月までに判決が言い渡される見通し。

 大江氏は「隊長個人の資質で行われたのではないと考え、個人名は挙げていない」とし、原告側の「記述で名誉を傷つけられた」との主張に反論。「隊長には住民の自決を止めなかった責任もある」と指摘した。

 同書については、戦後の日本人が沖縄戦や米軍統治下の沖縄の犠牲への問題意識を持っていなかったことに触れ「自己批判を含めてこのような日本人ではないところの日本人へと自分をかえることはできないか問うた」と説明した。軍による住民への手りゅう弾配布も「集団自決が軍の責任と考える大きな根拠」と述べ、「軍命があったとする新証言が提訴後次々にあり、ますます確信を深めている」とした。

 渡嘉敷島の戦隊長だった故赤松嘉次氏の弟で原告の秀一氏(74)も出廷し「大江氏は1度も兄に取材せず、兄の内面に踏み込んで誹謗(ひぼう)中傷した」と訴えた。

(11/10 10:13)
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