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原告・赤松秀一に対する証人尋問(iza版)

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pipopipo555jp

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原告・赤松秀一に対する証人尋問(iza版)


【注意】
これは、資料保存です。この記録が、"詳報"なのか、詳しい"抄録"であるのか、"要約"であるのか、原告支援団との提携によってWEBリリースしたものか、はたまた、産経新聞社の責任で為された報道記事なのか、その性格は全く不明です。記述詳細の真偽につきましては、公判記録などとの照合を待たねばなりません。引用される方は、『産経またはizaの評価未定の典拠』であることを、必ずクレジットすることをお勧めします。


(izaタイトル)
【沖縄集団自決訴訟の詳報(3)】赤松さん「タブーのような状態だった」11/09 20:07更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/99530/


《午後1時半に審理を再開。当事者席に大江健三郎氏が座ると、傍聴席の画家らがいっせいに法廷スケッチの似顔絵を書き始めた。まず、渡嘉敷島の守備隊長だった故赤松嘉次さんの弟の秀一さん(74)への本人尋問が行われた》

原告側代理人(以下「原」)「あなたは赤松隊長の弟さんですね」

赤松さん「そうです。兄とは年が13歳も離れているので、常時、顔を合わせるようになったのは戦後になってから。尊敬の対象だった。父が年をとっていたので、家業に精を出してくれた」

「沖縄タイムス社の『鉄の暴風』は読んだか」

赤松さん「読んだ。大学の近くの書店で手に入れた」

「戦争の話には興味があったのか」

赤松さん「戦争は中学1年のときに終わったが、陸軍に進むものと思っていたくらいだから、よく読んだ」

「『鉄の暴風』にはお兄さんが自決命令を出したと書かれているが」

赤松さん「信じられないことだった。兄がするはずもないし、したとは思いたくもない。しかし、329人が集団自決したと細かく数字も書いてある。なにか誤解されるようなことをしたのではないかと悩み続けた。家族で話題にしたことはなかった。タブーのような状態だった」

「お兄さんに確認したことは」

赤松さん「親代わりのような存在なので、するはずもない。私が新居を買った祝いに来てくれたとき、本棚で見つけて持って帰った」

「ほかにも戦争に関する本はあったのか」

赤松さん「2、3冊はあったと思う」

「『鉄の暴風』を読んでどうだったか」

赤松さん「そりゃショックだ。329人を殺した大悪人と書かれていた。もう忘れていたが、最近になって、ショックで下宿に転がり込んできたと大学の友人に聞かされた」

「最近まで忘れていたのはどうしてか」

赤松さん「曽野綾子さんの『ある神話の背景』が無実を十分に証明してくれたので、安心できたのだと思う」

「『ある神話の風景』は、どういう経緯で読んだのか」

赤松さん「友達が教えてくれた。無実がはっきり証明され、信頼を取り戻せた」

「集団自決を命じたと書いた本はどうなると思ったか」

赤松さん「間違った書物は削除、もしくは訂正になると思っていた」

「大江氏の『沖縄ノート』の引用を見て、どう思ったか」

赤松さん「大江さんは直接取材したこともなく、渡嘉敷島に行ったこともない。それなのに兄の心の中に入り込んだ記述をしていた。人の心に立ち入って、まるではらわたを火の棒でかき回すかのようだと憤りを感じた」


《大江氏が身を乗り出すようにして赤松さんの話を聞く》

「誹謗(ひぼう)中傷の度合いが強いか」

赤松さん「はい」

「訴訟を起こしたきっかけは」

赤松さん「3年前にある人から話があり、とっくの昔に解決したと思っていたのに『鉄の暴風』も『沖縄ノート』も店頭に並んでいると聞かされたから」

「実際に『沖縄ノート』を読んでどう思ったか」

赤松さん「難しい本なので飛ばし読みしたが、兄が誹謗中傷されているのはよく分かった」

「悔しい思いをしたか」

赤松さん「はい。沖縄で極悪人と面罵(めんば)されたのですから。兄は自決命令を出していないと無実を訴える手記を出していたが、ペンも凶器になるということだ。兄は手記の中で、『沖縄ノート』の資料の質を問い、証人を示すのがジャーナリストの最低限の良心と問うていた」


《原告側代理人の質問が終了》

被告側代理人(以下「被」)「集団自決命令について、お兄さんから直接聞いたことはありますか」

赤松さん「ない」

「お兄さんは裁判をしたいと話していたか。また岩波書店と大江さんに、裁判前に修正を求めたことがあったか」

赤松さん「なかったでしょうね」

「『沖縄ノート』が店頭に並んでいると教えてくれた人が、裁判を勧めたのか」

赤松さん「そうなりますか」

「お兄さんの手記は読んだか」

赤松さん「読んだ」

「『島の方に心から哀悼の意を捧(ささ)げる。意識したにせよ、しなかったにせよ、軍の存在が大きかったことを認めるにやぶさかではない』と書いているが」

赤松さん「知っている」

「裁判は人に起こせと言われたのか」

赤松さん「確かにそうやけど、歴史として定着するのはいかんと思った。そういう気持ちで裁判を起こした」


《赤松さんへの質問は30分足らずで終了した》



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