15年戦争資料 @wiki

原告弁護団意見陳述書2005年10月28日

最終更新:

pipopipo555jp

- view
メンバー限定 登録/ログイン

原告弁護団意見陳述書2005年10月28日




原告弁護団意見陳述書(沖縄集団自決冤罪訴訟第1回口頭弁論)(平成17年10月28日)
弁 護 士 松本藤一

1. 今回の訴訟について弁護団を代表して意見を陳述します。


すぐる沖縄戦では慶良間列島で多くの死者が出、集団自決もありました。軍のせいだとか、戦傷病者戦没者等の援護のために部隊長命令による自決として申請がされたりし、マスコミにより激しい報道合戦がありました。

そもそも問題の発端は慶良間列島の座間味島と渡嘉敷島の集団自決で果たして部隊長の自決命令があったのか否かです。部隊長の自決命令がなかったことは既に明らかになっております。

座間味島の梅澤元隊長には昭和57年に生き残りの女子青年団長宮平(改正後宮城)初枝氏みずからが、隊長命令などなかった、戦傷病者戦死者の遺族の援護申請のために集団自決の隊長命令があったと虚偽の申請をした。申し訳ありませんと詫びを入れている事実があり、さらに昭和62年には座間味村の援護担当として活動した宮村幸延氏が隊長命令による集団自決と虚偽の事実を記載して援護申請をしたと詫び状を入れております。渡嘉敷島の赤松部隊については、曽野綾子氏の「ある神話の背景」などで詳細な考証が試みられ、赤松隊長の自決命令が無かったことは今や否定できない事実として受けとめられております。

2. 部隊長命令がなかったことは明らかになっているにもかかわらず、


…事実を調査することもなく、マスコミは未だ隊長命令があったかのように虚偽を押し通し、虚偽が明らかになったと見るや、ある者は「軍命令はなかったが、住民の気持ちはじわじわと戦争に向けられていた」とか「国のために死を強制した皇民教育が問題である」などと争点ずらしを図り、虚偽による深刻な名誉毀損を現在も押し進めております。

マスコミの梅澤、赤松両元隊長に対する誹謗中傷は激しく、報道・言論に名を借りた社会的屠殺行為といっても過言ではないものであり、マスコミの責任は重大であり、部隊長命令による集団自決という虚偽が訂正される必要があります。

3. この間、ノーベル賞作家である被告大江健三郎氏が

…1970年に出した沖縄ノートは既に49版を数え、この35年の間に虚偽を訂正するに十分な時間も機会もあったにもかかわらず執拗極まりない虚偽記載による名誉毀損が続けられてきました。両名の名誉に対する打撃と、影響は絶大なものといえます。出版した岩波書店にしても同様であります。家永三郎氏の「太平洋戦争」第2刷に至ってはこれらが虚偽であることがいまや明らかになって数十年も経過した2003年に出版されております。

4. 両元隊長は悲惨な座間味、渡嘉敷両島の村民の

…復興を衷心より願うあまり、汚名を忍ぶしかないかと思ったこともありましたが、集団自決の隊長命令がなかったことが一般の評価となった後も、集団自決を命じた隊長というマスコミ報道は続けられ、汚名は雪がれないままでした。汚名を着たまま死ねないと思いながらも、赤松隊長はその願いを果たす機会もないまま昭和55年に亡くなりました。原告赤松秀一氏は兄の汚名を雪ぐべく立ち上がりました。

5. 原告梅澤裕元隊長は既に満88才であり、

…12月21日には89才になんなんとしております。汚名を雪がなければ、自らの終戦はないと決意して今回の訴訟提起に至りました。原告らのこれまでの労苦の数々と高齢を考えれば、特に迅速な審理を裁判所に要請するものであります。

原告が求めている中心論点は「集団自決に部隊長命令があったか否かであります。」

平成17年10月28日

弁 護 士 松本藤一


目安箱バナー