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4-08 これからの補償を具体的にどうしていけばよいか…

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pipopipo555jp

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4-08 これからの補償を具体的にどうしていけばよいか…


  補償に代わる措置として基金創設という案を事務当局は考えているようだ。一昨年だったか盧泰愚大統領が来日したとき広島、長崎で被爆した韓国人への補償を求められるや日韓請求権・経済協力協定をふまえ、補償ではない「韓国人被爆者擁護基金」なるものを創設した。額は四十億円ですでに十七億円は昨年支払ったがこれと同じような補償ではない擁護基金をというものだ。

  この四十億円という額は原爆手帳で本人の確認ができるし総数もつかめるところから出されたものだった。韓国側も一応納得した。

  ところが従軍慰安婦となると連行した女性の総数からしてわからない。言語に絶する辛酸をなめつつ九死に一生を得て祖国に帰った人の数はさらにわからない。その実数を把握できないのだから金額の算出のしようがないといっているようだ。

  新聞でみたが、米国政府やカナダ政府はあの戦争のとき国内にいた日系米人を強制的に収容所へ入れ日本の敗戦まで閉じこめたが、これを違法と認め戦後四十年たってから謝罪し一人二百万円だかの補償をしたという。そのさい国内どころか日本にいる日系米人までとことん捜しまくったという。それくらいの努力を罪ほろぼしとしてやるべきではないか。特別法をつくればそれもできるだろうと、国会である野党議員が口にしたこともある。

  だが祖国にたどりつけた元従軍慰安婦の大半は、こんな体になってと本当は自分の責任でもないのに身を恥じて姿を隠している。家族や肉親からも身を隠しているのが大半だという。

  その人たちはもし捜し出されたらどうするか。隠していたプライバシーをあばくことにならないだろうか。加害者である日本としてこれは難しい問題ではないだろうか。それより東南アジア各地へ敗戦後置き去りという形で見棄ててきた元従軍慰安婦たちをどのように捜し出すのか。タイとフィリピンに数人それと思われる人がいるが、住居もわかっている内の一人は戦後に配偶者を得て名も変えひっそりと片隅で暮し外来者には顔も見せようとしない。接触することすら難しい。

  つまり特別法をつくりとことんまで捜し謝罪をし補償金をと口にいうのはやさしいが、そこにはいろいろの問題があるということだ。日本が犯した罪の深さをそこであらためて思い知らされるが、問題は韓国人元従軍慰安婦だけではない。朝鮮民主主義人民共和国や中国や台湾でも同じ問題が提起されつつある。それにすでになくなった元従軍慰安婦の方への補償をどうするかの問題もある。現地に棄てられたまま行方不明になった方にどう対応するかの問題もある。



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