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従軍慰安婦とは何か・あとがき

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pipopipo555jp

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あとがき


従軍慰安婦についてあれこれ語り敗戦後の日本国内のことにまでおよんだが、主題はあくまでも朝鮮人・韓国人従軍慰安婦にしぼってきた。触(ふ)れたように日本軍が戦場へ連行した従軍慰安婦は圧倒的に朝鮮人・韓国人従軍慰安婦だった。しかし、中国人女性、台湾人女性、フィリピン女性からビルマ女性もいた。今度の韓国人元従軍慰安婦の東京地方裁判所への提訴をうけこれら諸国の女性からの新たな提訴があるかも知れない。従軍慰安婦以外の人たちからの提訴もふえるかも知れない。

それは戦後あの戦争のときアジアの人びとに与えた加害の部分について心からの謝罪をしてこなかった、湾岸戦争のときアメリカからの圧力に応じ右から左へ百二十億ドルの戦費を拠出しながらこれらの人びとへ誠意ある保障を全くしてこなかったことからきているといっていいだろう。

それはまた日本の戦争責任があらためて問われているということだが、ここではっきりしていることは、本文でも述べたように戦争が終って二十五年三十年たって生まれた君たちにはその戦争責任はないということだ。しかし、戦争責任がないということと戦争を考えないということは別だ。君たちが日本人である限り、その戦争責任を考える責務からは解除されない。もっといえばその責務をはたさないかぎり国際社会で、とくにアジアにおいて真の友を得ることはできないのだ。知らなかった、学校で習う教科書に載っていなかった、教えられなかったでは通らないのだ。韓国をはじめアジア諸国の君たちと同年輩の学生生徒は知っているのだ。

今あらためて問題となり新聞テレビで大きく報道されている韓国人従軍慰安婦問題はそのことを考える大きな契機(けいき)だろう。どうか逃げることなくより学習しより考えて欲しい。君たちはこれから国際人として国際社会に大きくはばたいていく、いや、はばたいていかねばならぬ人たちだからだ。


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