1-11 ずっと軍の直営だったのか…
初期のころは各地で兵站司令部が直営とし、下士官兵の料金はいくらなど料金まで決めていたが、日本軍は売春宿までやっていると上海にいた各国の新聞社や通信社の特派員が目をむけはじめた。そこで、これでは皇軍つまり天皇の軍隊の名に傷がつくというので、経営は御用商人にまかせていった。ただし週に一度は各部隊付きの軍医が検診をし、もし性病罹患者（りかんしゃ）が発見されると、部隊の全将兵に夜の点呼のときその慰安婦の名前を発表し、営業停止というのもおかしいが、将兵の相手をすることを禁止したりしていた。また衣食住のすべては軍が支給し、部隊が移動するときは軍用トラックや軍用列車、輸送船で一緒に移動させていたから、軍直営と実体は変わりなかった。
