日本占領下インドネシアにおける慰安婦―オランダ公文書館調査報告―
山本まゆみ、ウィリアム・ブラッドリー・ホートン
11 ハルマヘラ
国立公文書館からは、ハルマヘラにあった7軒の慰安所に関する貴重な資料が見つかった69)。公文書には、慰安所にいた慰安婦の民族別人数、慰安所運営に関わった部隊名、運営期間等も記されていた。しかし、この資料には、どのように女性を集めたかという説明はなかった。表3 は、オランダ語で書かれた資料の一部であるが、同じファイルには、バタビアにあった日本事務局[Japanese Affairs]によって1946年7月に作成された「ハルマヘラ地域民政部と建設部の組織」という英語で書かれた資料もあった。英語の資料は、1942年後半から民政部と建設部の組織変えがあっ
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た1944年2月まで約2年間テルナテの「行政長官」を勤めた者が作成した。しかしながら、同人物がオランダ語資料の情報提供者だったか否かは不明である。
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た1944年2月まで約2年間テルナテの「行政長官」を勤めた者が作成した。しかしながら、同人物がオランダ語資料の情報提供者だったか否かは不明である。
表3 「イアンジョ」一覧表
――ハルマヘラ所在慰安所――
――ハルマヘラ所在慰安所――
所 在 地 | 期 間 | 管理責任 | 民 族 | 人 数 | |
1 | ガレラ [Galela] |
44年3月~8月 | 阿部部隊 | インドネシア人 | 約25人 |
2 | ミティ島 [Miti Island] |
44年7月~8月 | 青木部隊 | インドネシア人 | 約20人 |
3 | カウ(クス) [Kaoe(Koesoe)] |
44年2月~6月 | 224設営隊 | インドネシア人 | 7人 |
4 | カウ [Kaoe] |
44年2月~6月 | 第26海軍特別根拠地隊 | 中国人 インドネシア人 |
4人 7人 |
5 | ワシル(フリ) [Wasile(Foeli)] |
43年~44年7月 | 白木部隊 | 日本人 朝鮮人 インドネシア人 |
1人 5人 約30人 |
6 | マリフト [Malifoed] |
43年9月~44年6月 | 102施設隊 第26海軍建設部 |
インドネシア人 | 5人 |
7 | テルナテ [Ternate] |
42年6月~45年8月 | テルナテ派遣隊 | インドネシア人 | 5人 |
<付記>同ファイルのもう一点のオランダ語資料に、阿部部隊は阿部飛行場大隊、青木部隊は第113飛行場大隊青木部隊と説明されている。70)
図3 ハルマヘラ
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