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(和田論文)はじめに

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はじめに


  日本政府は1991年12月から92年6月にかけて、「従軍慰安婦」問題に関する資料調査を行い、その結果を92年7月6日に発表した。その後さらに続けられた調査の結果は93年8月4日に発表された*1。その後も発見された資料はそのつど発表されてきた。それらの資料は今日にいたるまで「従軍慰安婦」問題を考えるためのもっとも基本的な公文書であることに変わりがない。*2

  たしかにその内容の大筋はすでに研究者の周知するところとなり、かなりの資料は吉見義明氏の編集した『従軍慰安婦資料集』(大月書店、1992年)*3に全文公表されている。しかし、なおそれはすべてではない。このたび財団法人女性のためのアジア平和国民基金は、政府とともに、この政府発掘の全資料260余件をオリジナル・コピーの形で復刻出版した。龍漢書舎より刊行された『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』全5巻*4である。このように政府発掘の全資料が書籍のかたちにまとめられ、はじめてその全貌が明らかになり、この間題に関心をもつすべての人が、この資料を完全にわがものとして活用することが可能となったのである。私はこの復刻の編集に係わった者として、この政府調査資料を通読することによって、「従軍慰安婦」問題の実相について知りうることをあらためて整理してみようと思う。以下『資料集成』と略記する。これからの引用は巻数と頁のみを文中に示す。

1:慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話1993.8.4 と いわゆる従軍慰安婦問題について(内閣官房内閣外政審議室)1993.8.4
2:「政府・基金公表文書」集成第1巻P7~9
3:『従軍慰安婦資料集』http://www.honya-town.co.jp/hst/HTdispatch?nips_cd=9920806595
4:『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』刊行へhttp://www.awf.or.jp/program/index.html、ここページからPDFへリンクあり


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