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発刊の辞

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政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成

発刊の辞


  「従軍慰安婦」にさせられ、心身にわたり癒し難い傷を負われたすぺての方々に対して、政府と国民が協力して、お詫ぴと反省に立つ国民的な償いや医療、福祉の事業を進める「女性のためのアジア平和国民基金」がスタートしてから、はや二年になろうとしています。この間基金は国民の皆さまからのご支持と拠金をえて、フィリピン、韓国、台湾で償いの事業を開始いたしました。高齢の方々に対するお詫びと国民的償いの事業ですので、より多くの方々に受けとめていただけるように一層の努カを払っていく所存です。

  お詫ぴと償いの事業は遇去の歴史を直視し、これを正しく後世に伝える努カと切り離すことができません。「慰安婦」問題の真実を明らかにし、歴史の教馴とするためには、資料の発掘、調査、研究が必要です。

  日本政府は、一九九一年(平成三年)一二月以後、いわゆる従軍慰安婦問題についての本格的調査を行い、一九九二年七月六日、一九九三年八月四日にそれぞれ調査結果を発表しました。その後も発見された資料がそのつど発表されました。

  調査にあたっては調査対象を国外に広げるとともに、元「慰安婦」を含む関係者に対する聞きとり調査も行いました。各省庁や米国国立公文文書館などから発見された資料は二六〇件をこえています。この政府調査によって発見された資料は、今日「従軍慰安婦」問題を考えるさいの基本的な資料です。

  基金では、このたぴ政府が調査した資料をオリジナル・コピーのかたちで復刻し、永久に保存するとともに、この問題の研究に関心をもつ内外のすぺての人に公開することにいたしました。あえて、発掘された資料を一つ残らず、もとの形のままに刊行するところに、このような歴史を二度とくりかえさないという国民的決意があらわれていることを、汲み取っていただきますように願ってやみません。この資料を共通の財産として、こののちさらに明らかにされる新たな資料の分析に進んで下さるように希望いたします。

  基金としては、現在「慰安婦」関係資料委員会を設置し、五カ年の計画で、内外の諸機関よりあらたな資料を獲得すぺく努カしております。その威果も引き続き公刊してまいる所存です。

一九九七年三月
財団法人 女性のためのアジア平和国民基金


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