【沖縄戦】「美しい死」と「不潔な死」
IV. 伊波苗子証言(2) 2012.3.1 書き起こし


IV-08<住民ではないんですか?>


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(大高)付近の住民ではないんですか?

(伊波)はい、ほかの住民はやらない、はい、キクだけ。

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(大高)虐殺された上原キクさんは、どういう方なんですか?

(伊波)アレはね、サイパン。あの親は沖縄糸満出身でネ、生まれたのはネ、サイパンで生まれてると。サイパンの高校ネ、あの南洋サイパンの高校でてね、三年、三年生だったって、

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(伊波)南洋で捕まえられてね、高校生捕まえられて、船に乗せられて、船の中でね、スパイの教育を受けているから、あれはスパイ。

(大高)上原さん

(伊波)はい、上原キクはスパイ。住民じゃない。もう自分はねえ、日本女性ではあると、自分の心根は決まっているけど、もうスパイの教育を受けたからね、これだけ*84。

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(大高)キクさんを処刑した場所、今でも覚えていらっしゃいますか?

(伊波)はい、覚えているよ。うちの祖先のあのほんか(本家)からねえ、庭からこうして見たらよ、すごくこうして見えるサ。

(大高)分かりました

(伊波)そこの場所行ってもいいですよ

(大高)はい

(伊波)うん
<インタビュー終わり 25:43>


  • *84 伊波苗子さんの話が根拠もなく成立する条件もないのに、多くのひとが納得してしまうとすれば、それがデマの恐さだ。一番信じていたのは、伊波さん自身かもしれない。あのとき32軍司令部壕にいた人たちも同じだったろう。同調圧力がうまれるべく、スパイ対策、防諜指導が効果をあげ、刃(やいば)が無辜の女性に向かった。









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